
窓用エアコンの電気代はどれくらい?壁掛けエアコンとの比較も紹介
窓用エアコンの電気代はどれくらい?壁掛けエアコンとの比較も紹介
窓用エアコンとは、窓に直接取り付けるエアコンのことです。壁に穴を開けずに設置できます。窓用エアコンの電気代について解説します。併せて設置のメリットや選び方なども解説するので、窓用エアコンに関する知識を身に付けましょう。
目次
窓用エアコンの電気代

窓用エアコンや壁掛けエアコンなどの電気代を試算して比較します。電気代の計算式は、消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)です。なお、1kWhあたりの電力量料金は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として掲げる「31円/kWh(税込み)」を採用しています。
※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
人気の窓用エアコンの電気代

コロナが販売する窓用エアコン「CW-1625R」の電気代は以下の通りです。
・50Hz(消費電力:550W):1時間運転で約17.05円、8時間運転で約136.4円
・60Hz(消費電力:635W):1時間運転で約19.69円、8時間運転で約157.48円
ハイアールが販売する窓用エアコン「JA-W16A」の電気代は、以下のようになっています。
・50Hz(消費電力:480W):1時間運転で約14.88円、8時間運転で約119.04円
・60Hz(消費電力:560W):1時間運転で約17.36円、8時間運転で約138.88円
コロナが販売する冷暖房兼用窓用エアコン「CWH-A1825R」の冷房運転でかかる電気代は、以下の通りです。
・50Hz(消費電力:640W):1時間運転で約19.84円、8時間運転で約158.72円
・60Hz(消費電力:755W):1時間運転で約23.41円、8時間運転で約187.24円
※出典:製品詳細|冷房専用シリーズ|ウインドエアコン|株式会社コロナ
※出典:窓用 ルームエアコン JA-W16A | Haier (ハイアール)
※出典:製品詳細|冷暖房兼用タイプ|ウインドエアコン|株式会社コロナ
壁掛けエアコンとの電気代の比較
窓用エアコンの設置を検討している方の中には、「壁掛けエアコンとどちらが電気代がかかるのか」を気にしている方もいるはずです。
日立が販売する壁掛けエアコン「RAS-AJ22R」では、冷房運転により下記程度の電気代がかかります。
・消費電力635W:1時間運転で約19.69円、8時間運転で約157.48円
ダイキンが販売する壁掛けエアコン「S224ATES-W」の冷房運転の電気代は、以下の通りです。
・消費電力580W:1時間運転で約17.98円、8時間運転で約143.84円
パナソニックが販売する壁掛けエアコン「CS-224DFL」の冷房運転では、下記程度の電気代がかかる計算です。
・消費電力635W:1時間運転で約19.69円、8時間運転で約157.48円
冷房専用の窓用エアコンであれば、おおむね壁掛けエアコンよりも低コストで部屋を冷やせるといえるでしょう。
※出典:仕様:ルームエアコン AJシリーズ : 住宅設備用エアコン : 日立グローバルライフソリューションズ株式会社
※出典:2024年モデル Eシリーズ 仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社
※出典:詳細情報 インバーター冷暖房除湿タイプ ルームエアコン CS-224DFL | 住宅設備用エアコン | Panasonic
ポータブルクーラーとの電気代の比較
ポータブルクーラーとは、手軽に持ち運びができるクーラーのことです。窓用エアコンと同じく、工事不要で設置できます。
アイリスオーヤマが販売するポータブルクーラー「IPP-2225U」の電気代は、以下のようになっています。
・50Hz(消費電力650W):1時間運転で約20.15円、8時間運転で約161.2円
・60Hz(消費電力720W):1時間運転で約22.32円、8時間運転で約178.56円
同じくアイリスオーヤマが販売するポータブルクーラー「IPP-2621G-W」の電気代は、下記の通りです。
・50Hz(消費電力755W): 1時間運転で約23.4円、8時間運転で約187.24円
・60Hz(消費電力880W):1時間運転で約27.28円、8時間運転で約218.24円
コロナが販売するポータブルクーラー「CDM-1025」は、下記程度の電気代がかかります。
・50Hz(消費電力200W): 1時間運転で約6.2円、8時間運転で約49.6円
・60Hz(消費電力225W):1時間運転で約6.98円、8時間運転で約55.8円
同じポータブルクーラーでも、機種によって消費電力に差があるため、設置する部屋の広さや性能を吟味して選ぶ必要があるといえるでしょう。特に排気ダクトがあるタイプの製品は、室温を下げる性能が高い一方、電気代もやや高くなる傾向があります。
※出典:ポータブルクーラー2.2kW IPP-2225U ホワイト 110820│アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ
※出典:【ネット限定】ポータブルクーラー2.6kW IPP-2621G-W ホワイト 8畳 H518334FO│アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ
※出典:製品詳細|どこでもクーラー|冷風・衣類乾燥除湿機|株式会社コロナ
窓用エアコンの電気代を節約するポイント

窓用エアコンの電気代は、使い方次第で削減することが可能です。窓用エアコンの電気代を節約するコツを紹介します。ポイントをしっかり押さえて、省エネを実現しましょう。
サーキュレーターを一緒に使う
窓用エアコンを使うときは、サーキュレーターを併用するのがおすすめです。サーキュレーターを併用して部屋の空気を循環させると、部屋全体を効率よく冷やせるようになります。
冷たい空気は暖かい空気よりも重く、部屋の下側に溜まりやすい傾向があります。そのため、窓用エアコンだけを使用していると、部屋の上下で温度差が生まれ、部屋全体を冷やすために無駄な電気を使ってしまうことになるのです。
窓用エアコンとサーキュレーターを併用するときは、窓用エアコンを背にした位置にサーキュレーターを置くのがおすすめです。この位置にサーキュレーターを置くと、効率よく部屋の空気を撹拌できます。
定期的に本体を掃除する
窓用エアコンを利用する場合には、本体のお手入れを習慣づけましょう。こまめに本体を掃除することで、製品本来の性能を維持することが可能です。
窓用エアコンは、運転時に室内機から部屋の空気を取り込みます。この際、部屋に舞うほこりも一緒に吸い込んでしまうため、内部に設置されたフィルターにどんどんほこりが溜まっていきます。
フィルターにほこりが蓄積すると、室内機の「空気を取り込む力」が低下して運転効率が下がるため、無駄な電気代がかかるようになってしまうのです。2週間に1回程度のペースでフィルターの掃除を行いましょう。
本体に直接日光が当たらないように工夫する
窓用エアコンを設置するときは、本体に直射日光が当たらないようにすることが大切です。本体に日光が当たると、太陽光の熱で本体内部の温度が高まり、熱交換効率が低下します。熱交換効率が落ちると、空気を冷やすためにさらに多くの電気を必要とするので、無駄な電気代がかかってしまいます。
窓用エアコンを取り付ける際は、直射日光が当たりにくい窓を選ぶのが大切です。始めから日光が降り注がない窓に設置すれば、それだけで簡単に窓用エアコンを日差しから守れます。
どうしても日差しが強い窓に取り付けなければならないときには、すだれやサンシェードを窓用エアコンの背面に取り付けましょう。
窓用エアコンのメリット・デメリット

窓用エアコンは、ご家庭でよく見る壁掛けエアコンほどメジャーな存在ではないため、設置するとどのようなメリット・デメリットがあるのか、イメージできない方も多いはずです。窓用エアコンが持つメリットとデメリットを解説します。
窓用エアコンのメリット
メリットとしてまず挙げられるのが、窓さえあれば好きな場所に設置できる点です。窓用エアコンは、室内機と室外機が1つになっているので、室外機を置くスペースを考える必要がありません。
取り付けが簡単な点もメリットといえます。壁に配管を通す穴を開ける必要がないので、わざわざ業者に取り付けを依頼せずとも、購入者自ら設置することができます。
本体価格が壁掛けエアコンよりも安い点もメリットです。取り付け工事も不要なため、圧倒的に初期費用を抑えられるでしょう。
窓用エアコンのデメリット
デメリットとして一番に挙げられるのが、広い部屋を冷やすのが難しい点です。窓用エアコンの適用畳数は4~8畳程度が一般的であるため、広いリビングや複数の部屋を同時に冷やしたい場合には不向きといえます。
窓に防犯対策を施す必要がある点もデメリットといえるでしょう。窓用エアコンは窓を開けたまま使用するので、窓を施錠できなくなります。取り付けを行う際は、必ず補助錠の設置とセットで行う必要があります。
静音性に欠けるのもデメリットです。窓用エアコンは室内機と室外機が1つになっているため、室外機部分の運転音がダイレクトに室内に届いてしまいます。
窓用エアコンの選び方

窓用エアコンの選び方を解説します。ポイントをしっかり押さえて製品選びを進めれば、きっと設置する部屋にぴったりの1台が選べるはずです。満足のいく製品選びを目指しましょう。
まずは窓に取り付けられるかをチェック
窓用エアコンを選ぶときは、設置を検討している窓に取り付けられる製品であるかを確かめることが大切です。
窓用エアコンが設置できるのは、ガラス戸を左右にスライドさせて開閉する一般的な引き違い窓です。押し引きして開ける窓には設置できないため、別の窓の使用を検討しましょう。
設置予定の窓の高さや開き幅と比べ、製品の本体サイズが小さいことも重要です。本体が小さすぎる場合には、別売りされている延長枠の導入により、設置が可能になる場合もあります。
カタログやメーカーのWebサイトに記載されている取り付けられる窓のサイズを確認しましょう。
部屋の広さに対応しているか
窓用エアコンを選ぶときは、製品の適用畳数をチェックして、部屋全体を冷やす能力がある製品かどうかを見極めることも大切です。
適用畳数をチェックするときは、住宅の構造にも着目しましょう。木造の住宅よりも鉄筋コンクリート造の住宅の方が気密性に優れ、効率よく部屋を冷やすことができるため、同じ製品でも適用畳数が広くなります。
また、引かれている電気の周波数によっても適用畳数は変わってきます。適用畳数をチェックするときは、お住いの周波数の畳数を確認するようにしましょう。
排水が落ちるのを防ぎたいならノンドレン方式
ノンドレン方式とは、熱交換器に付着する水を熱交換器が発する熱で気化させ、本体の外に排水しない仕組みのことです。これに対し、排水を本体内で気化させずに外に出すタイプを「ドレン方式」と呼びます。冷房運転しかできない窓用エアコンの多くは、ノンドレン方式が採用されています。
2階以上の部屋に冷房と暖房が両方使える窓用エアコンを取り付けるのであれば、ノンドレン方式の製品を選ぶのがおすすめです。ドレン方式の製品を設置すると、1階に排水が滴り落ちてしまいます。マンションやアパートの場合、1階の住人に迷惑をかける可能性があるため、注意が必要です。
寝室で使用するなら静音性もチェック
寝室に設置する場合には、静音性に注目して製品を選ぶ必要があります。室内機と室外機が1つになっている窓用エアコンは、運転音が大きくなりやすい傾向があるので、静音性にこだわって製品を選ばないと、音がうるさくて眠れなくなる可能性があります。
静音性に着目して製品を選ぶときは、運転音として50dB以下を目安にするとよいでしょう。50dB以下であれば、壁掛けエアコンと同じような感覚で使用できるため、よほど神経質な方でない限り、「エアコンの音が気になって眠れない」といった心配も少ないでしょう。
窓用エアコンには壁掛けエアコンにはないメリットがある

窓用エアコンは、壁掛けエアコンよりも電気代を抑えられる場合がある空調家電です。ただ製品によっては、壁掛けエアコンよりも電気代がかかってしまいます。しかし窓用エアコンには、工事要らずで手軽に設置できたり本体価格が安価だったりするなど、壁掛けエアコンにはない魅力があります。取り付けるエアコンのタイプを選択するときは、コストだけでなく利便性や使い勝手も含めて総合的に選ぶのがおすすめです。納得のいく製品を選んで、快適な生活を実現しましょう。
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