オイルヒーターの電気代の目安は?使い方や節電方法も解説
オイルヒーターの電気代の目安は?使い方や節電方法も解説
オイルヒーターは、空気を汚さず快適に使える暖房器具ですが、電気代が気になる家庭も多いでしょう。オイルヒーターの特徴や電気代の目安、メリット・デメリットを解説します。さらに、効果的な節電方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
オイルヒーターとは?特徴と仕組み
オイルヒーターは、内部に封入された専用のオイルを電気で加熱し、その熱を利用して部屋を暖める暖房器具です。火災のリスクが低く、小さな子どもやペットがいる環境でも使用できるので、多くのご家庭で利用されています。
まずは、オイルヒーターの特徴や仕組みについて、基本的なところを知っておきましょう。
輻射熱で部屋を暖める器具
オイルヒーターは輻射熱(ふくしゃねつ)を活用した器具で、エアコンをはじめとした代表的な暖房器具と比べても、長い歴史があります。
空気を直接熱するのではなく、壁や床・家具に熱を伝え、間接的に空間全体の温度を上昇させる仕組みです。風を起こさないためホコリが舞いにくく、空気がクリーンに保たれるので、多くのご家庭で導入されています。
なお、近年は似た構造で、アルミやシーズヒーターを使って空気を熱し、部屋を暖めるオイルレスヒーターも人気です。
オイルヒーターの電気代は高い?
オイルヒーターは電気で動作するため、電気代を心配してしまう方は多くいます。人気のオイルヒーターの消費電力をベースとして、電気代の目安を確認してみましょう。ほかの暖房器具の電気代を比較してみることも大事です。
オイルヒーターの電気代の目安
オイルヒーターの消費電力は製品や設定によって、300Wから1,500W程度の幅があります。ここでは、人気のアイリスオーヤマの「POH-505K」にかかる電気代の目安を、計算してみましょう。
同製品の消費電力は500Wなので、1日1時間使用すると仮定した場合、電気料金単価を31円/kWhとすれば、次の計算式で電気代が求められます。
電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=0.5kW×1×31円/kWh=15.5円
したがって、1時間あたり約15.5円の電気代がかかる計算になります。1日1時間で1カ月30日使うとすれば、電気代は約465円です。消費電力1,000Wのオイルヒーターなら、単純にこの2倍の電気代がかかると考えられます。
※出典:ミニオイルヒーター POH-505K 全3色 【プラザセレクト】 7067686│アイリスプラザ│アイリスオーヤマ公式通販サイト
ほかの電化製品と比較してみよう
エアコン(暖房機能)をはじめとして、ほかの暖房器具に比べてオイルヒーターは消費電力が高いため、電気代が高くなる傾向があります。
例えば、アイリスオーヤマの6畳用オイルヒーター「POH-S1208M」の消費電力は、強設定で1,200W・中設定で700W・弱設定で500Wです。これを強設定で1時間利用し続けた場合、電気代は約37.2円となります。中設定では約21.7円、弱設定では約15.5円です(※電気料金単価を31円/kWhで計算した場合)。
一方、6畳用のエアコン(CS-224DFL)の電力使用量は、暖房時に平均で470Wです。同様に電気料金単価を31円/kWhとすると、1時間あたりの電気代は約14.57円となります。
したがって両者を比較すると、オイルヒーターの方が、一般的に電気代高くなる傾向にあります。ただし、オイルヒーターは、使い方次第で電気代を抑えられ、他にも多くのメリットがあります。特性を理解した上で、うまく使いこなすことが大切です。
※出典:オイルヒーター POH-S1208M 【プラザセレクト】 7133273│アイリスプラザ│アイリスオーヤマ公式通販サイト
インバーター冷暖房除湿タイプ ルームエアコン CS-224DFL | 住宅設備用エアコン | Panasonic
オイルヒーターを利用するメリット
オイルヒーターは以下のように、空気を汚さず部屋を暖められる点や、静音性に優れているところがメリットです。メンテナンスに手間がかからないのも、ほかの暖房器具と比較した際の優位点です。
空気を汚さず部屋をじっくりと暖められる
オイルヒーターは送風タイプの暖房器具ではないため、部屋が乾燥しにくいのが特徴です。室内のほこりや花粉が舞い上げてしまう心配がないので、空気を汚さずに、じっくりと部屋を暖めることができます。
床付近から部屋全体をじっくりとムラなく暖める性質があり、快適な環境で過ごせるのが魅力です。急激な温度変化もほとんどなく、温度が一定に保たれるため、肌や喉への負担が少なく、心地よい暖かさが持続します。
静音性に優れている
オイルヒーターは静音性に優れ、運転中の騒音がほとんどありません。ファンヒーターのような動作音がないため、夜間の使用や集中して作業したい時でも、音を気にせずに過ごせるようになります。
特に、寝室や書斎での使用に適しており、眠りを妨げることなく利用できるのが特徴です。動画鑑賞や読書など、静かな環境を求める場面でも、その静音性が大いに効果を発揮します。起動時や運転中に発生する振動もほとんどなく、長時間の使用でもストレスを感じさせないのは大きなメリットです。
メンテナンスに手間がかからない
オイルの補充や交換が不要で、掃除やメンテナンスがしやすい点も、オイルヒーターの特徴です。内部のオイルはほとんど減ることがなく、定期的な清掃だけで長期間使用できます。部品の交換が少なく、故障しにくい設計になっている点も、安心して使い続けられる理由の一つです。
電気ヒーターのような熱風も発生しないため、フィルターが目詰まりする心配もなく、手間をかけずに快適な暖房効果を得られるのも大きなポイントです。メンテナンスに時間を掛けず、暖房器具を長く使用したい方は、特に重宝します。
オイルヒーターのデメリット
オイルヒーターは快適性やメンテナンス性などの面で、多くのメリットがあります。その一方で、デメリットや注意点もあるので、両者をよく理解した上で、導入を検討しましょう。
部屋全体を暖めるまでには時間を要する
輻射熱を利用しているため、オイルヒーターは部屋全体を暖めるまで、時間がかかる傾向にあります。
寒い部屋で使用する場合、十分な暖房効果を得られるまで、30~60分程度の時間を要するでしょう。寒い季節の早朝や帰宅直後など、すぐに暖を取りたい場面では、不向きなこともあります。
特に冬の時期は、エアコンの暖房機能や石油ファンヒーターなど、すぐに部屋を暖められる器具と併用するのが望ましいでしょう。
本体の設置にスペースが必要
本体が比較的大き目の製品が多く、設置に相応のスペースが必要になるのも、オイルヒーターの注意点です。一般的なエアコンのように壁掛けタイプでもないため、部屋の場所を占有してしまいます。
さらに熱を放出するため、壁や家具から適切な距離を確保する必要があり、部屋のレイアウトにも注意が必要です。設置場所によっては、移動や配置の調整が必要になるため、事前に十分なスペースを確保しておかなければいけません。
オイルヒーターの電気代を抑えるには?
オイルヒーターの電気代を抑えるには、以下のポイントを意識することが重要です。使用する場所を工夫したり、部屋の気密性を確保することで、電気代の節約につながるでしょう。また、省エネモードが搭載されている製品ならば、使い方を変えずに節電が可能です。
使用場所を工夫する
オイルヒーターは、比較的小さな部屋での使用に向いています。必要以上に大きな空間を暖めようとしないことで、電気代を抑える工夫が求められます。特に、リビングのような広い空間ではなく、寝室や書斎などのコンパクトな部屋での使用がおすすめです。
また、部屋の温度が十分に上がったら、設定を弱くしたり電源を落としたりすることで、余計な電気代を発生させずに済みます。部屋の一部分のみを暖める場合は、できるだけ設定を低くして使うようにしましょう。
部屋の気密性を確保する
すきま風を防ぐことで暖かい空気が逃げにくくなり、ヒーターの効率が格段に上がります。断熱シートやカーテンで気密性を高めるのもおすすめです。気密性を確保することで、少ない電力で部屋全体が暖かく保たれ、結果的に電気代の削減につながります。
省エネモードを活用する
多くのオイルヒーターには、省エネモードが搭載されている製品があります。うまく使うことで、過剰な電力消費を抑えながら、適度な温度管理が可能です。自動で温度の調整もしてくれるため、電気代の節約につながります。
また、タイマー機能の付いた製品もあるので、外出前や就寝前に設定しておけば、無駄な運転を防いで節電効果を高められます。外出する時間に合わせて自動で電源がオフになるように設定すれば、消し忘れも防げるでしょう。便利な機能を存分に活用しながら、賢く節電することが大事です。
電気料金プランの変更も検討する
オイルヒーターを効率的に使用し、電気代を抑えるためには、電気料金プランの見直しも効果的です。多くのご家庭では、ライフスタイルに合わせた料金プランに変更することで、電気代を節約できる可能性があります。
現在の電気料金プランが合わないと感じているならば、新たな料金プランの利用を検討してみましょう。さらに新電力をはじめ、電力会社の乗り換えも有効です。
また、電気代が安くなる時間帯や最適な電気料金プランの選び方については、以下の記事でも解説しています。こちらも参考にしてみましょう。
電気料金プランの選び方について、もっと詳しく知りたい方はこちら
オイルヒーターを活用して効率的に部屋を暖める
オイルヒーターは、ほかの暖房器具に比べて電気代が高い傾向にありますが、部屋の空気を汚さずじっくりと暖められるのが魅力です。使用する場所や時間帯を工夫し、節電機能をうまく活用することで、電気代を抑えながら、快適な暖房環境を維持できます。
部屋の広さや用途に応じて、ほかの暖房器具とうまく組み合わせて利用するとよいでしょう。さらに、電気料金プランを変更することで、全ての電化製品の利用にかかる電気代を、まとめて安くできる可能性もあります。こちらもぜひ検討してみましょう。