100Wの電化製品の電気代はどのくらい?計算方法と節約のポイント
私たちの身の回りには、消費電力100W前後の電化製品が数多く存在しています。一つひとつの電気代は小さいですが、それぞれを工夫して使えば節約効果を大きくすることが可能です。消費電力100Wの主な電化製品を取り上げ、電気代や節約方法をご紹介します。
目次
消費電力100Wの電化製品の電気代
電化製品の取扱説明書やWebサイトには消費電力が記載されていますが、そもそも消費電力とはどのような意味なのでしょうか。電気代の計算方法や消費電力100Wの主な電化製品も併せて解説します。
消費電力の意味
消費電力とは、電化製品を動かすときに消費される電力のことです。取扱説明書やWebサイトでは、一般的にワット(W)で表示されています。ワット(W)は以下の式で求めることが可能です。
ワット(W)=アンペア(A)×ボルト(V)
消費電力と併せて押さえておきたいのが消費電力量です。電化製品を実際に使った時間と消費電力を掛けたものであり、電気代の請求項目にも記載されています。消費電力量の単位は「ワット時(Wh)」です。
例えば、消費電力100Wの電化製品を5時間使用した場合の消費電力量は、100W×5h=500Whと計算できます。
また、電化製品の取扱説明書やWebサイトには、定格消費電力や年間消費電力が記載されているケースもあります。それぞれの意味は次の通りです。
- 定格消費電力:その電化製品を最大出力で使用した場合の消費電力
- 年間消費電力:現実的な使用条件を考慮した1年間の必要電力量の目安
冷蔵庫や洗濯機など年間を通して使用する電化製品については、製品選びの際に年間消費電力で比較すると節約につながりやすいでしょう。
電化製品の電気代は消費電力で計算
電化製品にかかる電気代は、以下の式で計算できます。
消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)
取扱説明書やWebサイトの消費電力の単位がWで表記されている場合は、1,000で割ってkWにしてから計算しなければなりません。
各製品の電気代の目安を知りたいなら、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金目安単価の31円/kWhを使って計算するのが一般的です。
ご家庭での実際の電気代を計算したい場合は、契約中の電力会社のWebサイトや検針票(電気ご使用量のお知らせ)で確認できる料金単価を、上記計算式の料金単価の部分に入れて計算してみましょう。
※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
消費電力100Wの代表的な電化製品
消費電力が100W前後の主な電化製品には、次のようなものがあります。
- デスクトップパソコン
- ノートパソコン
- 照明
- 炊飯器
- 液晶テレビ
- 電気毛布
- マッサージチェア
- スピーカー
- フットバス
- ミキサー
消費電力100Wの電化製品を1時間使用した場合、電気代の目安は0.1kW×1h×31円/kWh=約3.1円です。製品ごとの時間単価は変わらないため、使用時間が電気代を左右することになります。
「100W」のパソコンの電気代と節約方法
ここからは、消費電力100Wの電化製品をいくつかピックアップし、それぞれの電気代と節約方法を解説します。まずは、デスクトップパソコンから見ていきましょう。
デスクトップパソコンの電気代
今や仕事に欠かせない道具となっているパソコンですが、自宅でもさまざまな用途で使っている方は多いのではないでしょうか。消費電力100Wのデスクトップパソコンを1日8時間使用した場合の電気代は次の通りです。
- 1日あたりの電気代:0.1kW×8h×31円/kWh=約24.8円/日
- 1カ月あたりの電気代:24.8円/日×30日=約744円/月
- 1年あたりの電気代:744円/月×12カ月=約8,928円/年
在宅で仕事をしている場合は、1日の使用時間が8時間を超えるケースも考えられるため、上記の金額より電気代は高くなるでしょう。
ただし、パソコンと一口に言っても、デスクトップ、ノート、ゲーミング用などさまざまな種類があります。
特にゲーミングパソコンの場合は消費電力が高く、通常のパソコンの数倍以上の電力を消耗する製品もあるので、注意が必要です。
デスクトップパソコンの節約方法
デスクトップパソコンの電気代を簡単に節約できる方法として、第一には、未使用時には電源を落とすことが大切です。
パソコンは一定時間放置するとスリープモードになりますが、この間にも電力を消費します。数時間使用しない場合は、電源をオフにして待機電力の消費を防ぎましょう。
また、パソコン内部の発熱が大きくなると、冷却ファンの消費電力が大きくなります。通気口の近くに物があると風通しが悪くなるため、エアフローの確保を意識することも重要です。
加えて、スリープモードに移行する時間も設定できますので、適切な時間を設定することで、消費電力を減らすことにつながります。
「100W」の照明の電気代と節約方法
照明は家の中でいくつも使う上、使用時間も長くなるため、電気代がかさみやすくなります。資源エネルギー庁の調査結果を見ても、電気代がかかる電化製品のランキング上位には、夏・冬のどちらも照明がランクインしています。
照明の電気代を抑えられれば、節約効果をより高めることが可能です。100Wの照明の電気代と、今すぐできる節約術をご紹介します。
※出典:夏季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
※出典:冬季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
照明の電気代
100Wの照明を1日16時間使用した場合の電気代は次の通りです。
- 1日あたりの電気代:0.1kW×16時間×31円/kWh=約49.6円/日
- 1カ月あたりの電気代:49.6円/日×30日=約1,488円/月
- 1年あたりの電気代:1,488円/月×12カ月=約17,856円/年
上記の金額は100Wの照明1個あたりのものであり、複数個ある場合は電気代もさらに高くなります。
照明の節約方法
照明の電気代を節約する最も効果的な方法は、蛍光灯や白熱電球をLEDに交換することです。例えば、68Wの蛍光灯から34WのLEDに交換すれば、年間約2,108円の節約につながります。
LEDは蛍光灯や白熱電球より割高ですが、寿命がかなり長いため、トータルコストで見ると早い段階でLEDが逆転します。すべての照明を一気に交換するのではなく、寿命を迎えた蛍光灯や白熱電球から徐々にLEDへ移行するとよいでしょう。
また、次に挙げる方法も照明の節約に効果があります。
- カバーやかさを掃除して明るさを保つ
- 誰もいない部屋の照明はこまめに消す
- 就寝前は寝室の照明の明るさを下げる
- 調光機能や人感センサー機能などの省エネ機能を活用する
※出典:照明 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
「100W」の炊飯器の電気代と節約方法
日常的に使用する炊飯器は、消費電力は大きくありませんが、保温機能の使用や炊飯頻度によって電気代が増えることもあります。ここでは、炊飯器の電気代の目安や節約術を詳しくご紹介します。
炊飯器の電気代
炊飯器でお米を炊くのにかかる一般的な時間は約1時間です。1回の炊飯時間を1時間(1日1回炊飯)と仮定した場合、炊飯器にかかる電気代は以下のように計算できます。
- 1回あたりの電気代:0.1kW×1h×31円/kWh=約3.1円/回
- 1カ月あたりの電気代:3.1円/日×30日=約93円/月
- 1年あたりの電気代:93円/月×12カ月=約1,116円/年
また、炊いたごはんを炊飯器でそのまま保存する場合は、保温にも電気代がかかります。保温時の消費電力は炊飯時ほど高くはありませんが、節約にこだわるなら保温時にも電気代が発生することは意識しておきましょう。
炊飯器の節約方法
炊飯器で炊くお米が少量の場合は、炊飯の回数が増えて電気代が上がりやすくなるため、まとめて炊いて冷凍保存するほうが経済的です。ただし、冷凍ごはんを電子レンジで解凍する場合は、解凍時にも電子レンジの電気代がかかります。
保温時の電気代が気になるなら、食べる直前に炊き上がるようにタイマーを設定しましょう。炊きたてのごはんをそのままおいしく食べられることもメリットです。
炊飯器によっては、消費電力を抑えてお米を炊ける炊飯モードが使えるものもあります。大きな節電効果を期待できる製品もあるため、炊飯モードを上手に活用しましょう。
また、最近の炊飯器は省エネ性能がアップしており、買い替えるだけで節電を期待できます。省エネ性能カタログによると、IH5.5合以上8合未満の炊飯器の年間消費電力量(2010年)が90.8kWh/年であったのに対し、2022年には83.80kWh/年まで下がっています。
※出典:省エネ性能カタログ 2023年版 P153 | 経済産業省 資源エネルギー庁
「100W」の液晶テレビの電気代と節約方法
家族の誰が1人でも家にいる場合、常にテレビがついているというご家庭も多いのではないでしょうか。テレビを見るのが習慣化している方は、電気代を把握した上で節約方法を実践しましょう。
液晶テレビの電気代
テレビの種類には、液晶テレビ・有機ELテレビ・プラズマテレビなどがあります。一般的には液晶テレビの消費電力が最も低く、おおむね100W前後です。100Wの液晶テレビを1日6時間使用した場合の電気代を見てみましょう。
- 1日あたりの電気代:0.1kW×6h×31円/kWh=約18.6円/日
- 1カ月あたりの電気代:18.6円/日×30日=約558円/月
- 1年あたりの電気代:558円/月×12カ月=約6,696円/年
家の中に液晶テレビが複数台ある場合は、それぞれに上記のような電気代がかかることになります。
液晶テレビの節約方法
液晶テレビの電気代の節約に最も効果があるのは、誰も見ていないときはつけっぱなしにしないことです。50V型液晶テレビを見る時間を1日1時間減らした場合、年間約895円の電気代の節約を期待できます。
テレビの画面を明るくしすぎないことも重要です。同じく50V型液晶テレビの画面の輝度を10%下げた場合、約581円の節約につながります。
部屋の明るさに合わせて画面の明るさを自動調整する「明るさセンサー」や、一定時間信号がないときに電源がオフになる「無信号電源オフ機能」など、省エネ機能も積極的に活用しましょう。
※出典:エンターテイメント | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
「100W」の電気毛布の電気代と節約方法
電気毛布はさまざまなシーンで活用できる暖房器具です。就寝時に掛け毛布や敷き毛布として使えるほか、日中のひざ掛けとしても活躍してくれます。電気代がどのくらいかかるのか、節約方法と併せてチェックしましょう。
電気毛布の電気代
100Wの電気毛布を1日7時間使用したときの電気代は次の通りです。
- 1日あたりの電気代:0.1kW×7時間×31円/kWh=約21.7円/日
- 1カ月あたりの電気代:21.7円/日×30日=約651円/月
年間を通して電気毛布を使うケースは少ないため、1カ月あたりの電気代まで計算しました。電気毛布は暖房器具の中でも電気代が安い部類に属します。
電気毛布の節約方法
電気毛布を購入する際は、使用用途に合ったサイズを選ぶことが重要です。使いたい範囲より大きめのサイズだと、無駄な電力を消費してしまうことになります。
温度を調整できるタイプなら、十分に温まった後は温度を「弱」に下げましょう。設定温度が高いと消費電力も上がるため、状況に応じて温度を上げ下げするのが節約のコツです。
就寝時の掛け布団として使う場合は、電気毛布の上に普通の毛布を掛けるのがおすすめです。電気毛布の熱が逃げにくくなり、電源を切った後でも温かさを保ちやすくなります。
「100W」のマッサージチェアの電気代と節約方法
疲れた体を手軽にもみほぐせるマッサージチェアも、消費電力が100W前後の電化製品です。自宅にマッサージチェアがある方は、電気代と節約方法を見ておきましょう。
マッサージチェアの電気代
マッサージチェアの1回の使用時間を15分(1日1回使用)と仮定し、電気代を計算しました。
- 1回あたりの電気代:0.1kW×0.25時間×31円/kWh=約7.75円/回
- 1カ月あたりの電気代:7.75円/日×30日=約232.5円/月
- 1年あたりの電気代:232.5円/月×12カ月=約2,790円/年
マッサージチェアは本体価格こそ高額ですが、1日15分程度の使用なら電気代はそれほど高くならないことがわかるでしょう。
マッサージチェアの節約方法
マッサージチェアは使っていない間もコンセントにプラグを差しっぱなしにしがちです。プラグを挿している間は待機時消費電力が発生するため、使用後はプラグを抜くようにしましょう。
なお、一般財団法人省エネルギーセンターの調査によると、家庭の消費電力量に占める待機時消費電力量の割合は約5%です。トータルの電気代が10,000円だとすると、家中のプラグを挿しっぱなしにするだけで約500円分の電気代がかかっていることになります。
マッサージチェアだけでなく、使っていない電化製品のプラグはできるだけコンセントから抜きましょう。
※出典:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要 | 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
「100W」の電化製品も電気代の節約効果は高い
消費電力100Wの電化製品にかかる電気代はそれほど高くありませんが、身の回りに100Wの電化製品が数多くあるため、合計するとそれなりの金額になります。
それぞれの電気代を把握し、本記事の節約方法を実践すれば、無理なく節電が可能です。また、電力会社を見直して新電力に乗り換えるだけで、電気代がさらに下がる可能性もあります。
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