冬に電気代が高い家電はなに?主な家電の節約方法と電気代を抑えるコツ
冬に電気代が高い家電はなに?主な家電の節約方法と電気代を抑えるコツ
冬は暖房器具を使う機会が多い上、家にいる時間が長く照明の使用時間が延びることから、電気代が上がりやすくなります。光熱費全体の節約効果を高めるためには、冬に電気代が高い家電の節約ポイントを知り、効率よく光熱費を抑えましょう。
目次
冬に電気代が高い家電はどれ?
資源エネルギー庁の資料を見ると、冬に電気代が高い家電がわかります。夏のランキングとも比較しながら、まずは冬に電気代がかかりやすい家電を把握しましょう。
冬に電気代がかかる家電ランキング
冬の1日間における家電の使用割合ランキングは以下の通りです。
<冬>
1位:エアコン(17.0%)
2位:冷蔵庫(14.9%)
3位:給湯(12.6%)
4位:照明(9.2%)
5位:炊事(7.8%)
6位:待機電力(5.5%)
7位:テレビ・DVD(4.2%)
8位:電気ストーブ(3.8%)
9位:洗濯・乾燥機(2.2%)
10位:こたつ(2.1%)
季節による違いを見るために、夏のランキングも見ておきましょう。
<夏>
1位:エアコン(38.3%)
2位:照明(14.9%)
3位:冷蔵庫(12.0%)
4位:テレビ・DVD(8.2%)
5位:炊事(7.8%)
6位:待機電力(4.0%)
7位:給湯(3.1%)
8位:洗濯・乾燥機(1.8%)
9位:パソコン・ルーター(0.7%)
10位:温水便座(0.3%)
夏・冬ともにエアコンが1位ですが、冬はエアコン以外の暖房器具を使う機会も多いため、エアコンの使用割合が夏より少なくなっています。
冬に給湯の使用割合が増えているのは、お湯を使う量が夏より多くなるためです。1年を通して使う冷蔵庫と照明は、夏・冬ともに上位にランクインしています。
※出典:冬季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
※出典:夏季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
冬の電気代が高い主な家電の電気代
前項で紹介した冬の家電の使用割合ランキングから、上位にランクインしている主な家電の電気代を、実際の製品を例に取ってご紹介します。実際に電気代の節約に取り組む際の参考にしましょう。
エアコン暖房の電気代の目安
エアコンの電気代は、期間消費電力量を用いて計算できます。期間消費電力量とは、エアコンを一定期間使う場合に消費する電力量の目安です。
※電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWh(税込)を使用します
期間消費電力量は夏と冬に分かれており、それぞれ次の条件で算出されています。
- 設定温度:暖房時20℃、冷房時27℃
- 期間(暖房):11月8日~4月16日(160日間)
- 期間(冷房):5月23日~10月4日(135日間)
- 稼働時間:6:00~24:00(18時間)
期間消費電力量を用いた電気代の計算式は以下の通りです。
期間消費電力量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)
製品名:S224ATES-W(ダイキン)
※6畳用
暖房期間消費電力量:506kWh
冷房期間消費電力量:211kWh
- 暖房の期間合計の電気代:506kWh×31円/kWh=約15,686円
- 暖房の1日あたりの電気代:15,686円÷160日=約98.04円
- 冷房の期間合計の電気代:211kWh×31円/kWh=約6,541円
- 冷房の1日あたりの電気代:6,451円÷135日=約47.79円
上記の計算からも分かるように、一般的には冷房より暖房のほうが電気代が高くなります。
エアコン暖房の電気代については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
※出典:Eシリーズ 仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社
※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
冷蔵庫の電気代の目安
「省エネ性能カタログ2023年版」を見ると、冷蔵庫の電気代の目安がわかります。代表的なタイプの電気代は次の通りです。いずれも、資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023年度版」より抽出しています。
間冷式 定格内容積451~500Lの年間電気代
6,180~13,200円(平均7,344円)
間冷式 定格内容積501L以上の年間電気代
5,860~11,100円(平均7,533円)
冷蔵庫は大型になるほど節電効果が高くなる傾向があります。上記2タイプを比較しても、平均こそ501L以上のほうが高くなっていますが、上限値と下限値は501L以上のほうが安くなっています。
※出典:省エネ性能カタログ2023年版 | 経済産業省 資源エネルギー庁
電気給湯器の電気代の目安
電気給湯器の種類は、エコキュートと電気温水器に大きく分けられます。パナソニックの調査結果を参考に、主要電力エリアの年間電気代の目安を見てみましょう。
東京電力エリア | 関西電力エリア | 中部電力エリア | |
エコキュート | 約37,200円 | 約20,400円 | 約25,200円 |
電気温水器 | 約157,200円 | 約87,600円 | 約100,800円 |
ほかのエリアでも同様の傾向が見られます。なお、エコキュートの電気代は、ガス給湯器や石油給湯器の燃費と比べても割安です。
※出典:低ランニングコスト|はじめてのエコキュート|エコキュート|給湯・暖房|Panasonic
照明の電気代の目安
省エネ性能カタログ2023年版を参考に、シーリングライトの年間電気代をご紹介します。
シーリングライト(~8畳)の年間電気代
220~4,810円(平均1,599円)
シーリングライト(~10畳)の年間電気代
1,560~2,730円(平均2,142円)
上記はシーリングライト1個あたりの電気代です。一般的に照明は複数設置するため、数が増えると電気代も上がります。
※出典:省エネ性能カタログ2023年版 | 経済産業省 資源エネルギー庁
テレビの電気代の目安
テレビの種類には液晶・有機EL・プラズマなどがあり、一般的には液晶の消費電力が最も低くなります。省エネ性能カタログ2023年版によると、主な液晶テレビの電気代の目安は以下の通りです。
液晶テレビ(4K・50インチ未満)の年間電気代
2,620~5,050円(平均3,789円)
液晶テレビ(4K・50インチ以上)の年間電気代
2,780~9,230円(平均5,362円)
テレビ画面のサイズが大きくなるほど電気代も高くなります。
※出典:省エネ性能カタログ2023年版 | 経済産業省 資源エネルギー庁
エアコンの節約方法
エアコンは冬の電気代が高いため、節約に取り組めば大きな節約効果を得られるでしょう。今すぐできる節約方法をご紹介します。
室温20℃を目安にする
環境省が推奨している「WARMBIZ(ウォームビズ)」では、冬の推奨室温を20℃としています。寒くなるとエアコンの設定温度を上げてしまいがちですが、室温20℃を目安にできるだけ温度を下げて過ごしましょう。
外気温度6℃のときに、エアコン(2.2kW)の設定温度を21℃から20℃に下げた場合、年間約1,650円の電気代の節約を期待できます。
ほかの暖房器具との併用も効果的ですが、併用する暖房器具にもコストがかかります。窓の断熱性を高めたり厚着をしたりするなど、コストを抑えて温まる工夫をしましょう。
※出典:空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターが目詰まりしていると暖房効率が悪くなり、余計な電気代がかかってしまいます。月1~2回を目安に掃除しましょう。
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、フィルターが目詰りしているエアコン(2.2kW)とフィルターを掃除したエアコンを比較した場合、年間電気代に約990円の差が出ます。
なお、十分な知識がないままエアコン内部のクリーニングまで行うと、本体の故障を招きかねません。エアコン内部のクリーニングはプロに依頼しましょう。
※出典:空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
室外機周辺に物を置かない
エアコンの室外機では、室内と屋外の熱交換が行われています。室外機の周辺に物が置いてあると、熱交換がうまく行われなくなり、暖房効率が下がってしまいます。
また、室外機自体のメンテナンスを行うことも重要です。フィン・吹き出しグリル・水抜き穴に汚れがたまっていると、室外機のパフォーマンスが低下します。
室外機の周辺に物が置いてある場合は除去し、室外機の見える範囲に汚れがたまっているならきれいに掃除しましょう。
冷蔵庫の節約方法
冷蔵庫の節約の主なポイントは、庫内の温度調整で冷蔵庫に無理をさせないことです。今まで何も考えずに冷蔵庫を使っていた方は、以下に挙げる節約方法を実践してみましょう。
庫内の温度を意識する
冷蔵庫には庫内の温度を設定する機能が備わっています。温度を下げすぎると無駄な電力を消費するため、室温が低い冬は設定温度を「弱」にしましょう。
周囲の温度が22℃で、設定温度を「強」から「中」にした場合、年間約1,910円の電気代の節約を図れます。
また、ドアの開閉回数や開閉時間を減らすことも大切です。ドアが開くたびに庫内の温度が上がり、温度を下げるための電力を都度消費してしまいます。ドアの無駄な開閉を減らし、庫内の温度が上がらないようにしましょう。
※出典:節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは? | 政府広報オンライン
庫内に食材を詰め込みすぎない
冷蔵庫内に隙間なく食材を詰め込むと、庫内が均一に冷えなくなります。吹き出し口から出る冷気がうまく循環しなくなるためです。また、庫内が食材であふれている状態だと見通しが悪くなり、ドアを開ける時間も長くなります。
庫内には食材を詰め込まないようにし、できるだけ整理することが重要です。食材を詰め込んだ場合と半分にした場合を比較すると、年間電気代に約1,360円の差が生じます。
※出典:節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは? | 政府広報オンライン
電気給湯器の節約方法
お湯を使う機会が増える冬は、電気給湯器の電気代も上がりやすくなります。節約につなげるためのポイントを見ていきましょう。
使うお湯の量を減らす
電気給湯器の電気代は、単純にお湯の量を減らすことで節約できます。しかし、頭ではわかっていても実際に使うお湯の量を減らすのは難しいという方もいるでしょう。
そこで活躍するのが節水アイテムです。キッチンの蛇口やお風呂のシャワーに取り付けるだけで、今までと同じ感覚でお湯を使っても量を減らせます。水道代の節約につながることもメリットです。
電気温水器をエコキュートに変える
電気給湯器の電気代の目安の項でも紹介したように、電気温水器には電気給湯器とエコキュートの2種類があり、エコキュートのほうが電気代を大幅に節約できます。
エコキュートは熱効率が高く、少ない消費電力で効率的にお湯をつくれる給湯器です。電気温水器より消費電力量を抑えられるため、CO2の排出量削減に貢献し環境に配慮できるというメリットもあります。
照明の節約方法
冬は夏に比べ日照時間が短いため、照明を使う時間も夏より長くなります。照明の電気代の節約方法を知り、できる範囲で取り組んでみましょう。
白熱電球や蛍光灯をLEDに取り替える
自宅の照明に白熱電球や蛍光灯を使っている場合、LEDに取り替えることで電気代の大幅な節約を期待できます。例えば、54Wの白熱電球から7.5WのLEDに交換すれば、年間約2,883円の電気代を節約できます。
LEDは価格が高いものの、白熱電球や蛍光灯より寿命がかなり長いため、長期的にはLEDのほうが節約効果が高くなります。
※出典:節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは? | 政府広報オンライン
スイッチオフの時間を長くする
照明の電気代節約のポイントは、無駄な使用を抑えることです。人がいない部屋ではつけっぱなしにしない、家族ができるだけ同じ部屋で過ごすなど、照明一つひとつの使用時間の短縮を意識しましょう。
34WのLED1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合、年間約385円の電気代の節約を期待できます。人感センサーや明暗センサーが搭載された照明なら、無駄な点灯を自動で抑えられるため便利です。
※出典:節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは? | 政府広報オンライン
テレビの節約方法
テレビの電気代も工夫次第で節約が可能です。テレビをつけている時間が長い場合は、以下に挙げる方法で日々の節約に取り組んでみましょう。
省エネ機能を活用する
最近のテレビには多様な省エネ機能が搭載されています。主な機能をまとめました。
- オフタイマー:設定した時間が経過すると電源が自動でオフになる
- 無信号自動オフ:任意の番組が終了すると電源が自動でオフになる
- 無操作電源オフ:一定時間操作がない場合に電源が自動でオフになる
上記の機能は、誰もテレビを見ていないのにつけっぱなしになっている状態を防ぐものです。自宅のテレビに搭載されているなら、積極的に活用しましょう。
画面の明るさを意識する
テレビの画面を明るくしすぎると、無駄な電力を消費します。電気代の節約を図るなら、必要以上に明るくしないことが重要です。
画面をこまめに掃除し、設定で明るくしなくても一定の輝度をキープできる状態にしましょう。明るさセンサー機能が搭載されていれば、部屋の明るさに合わせて画面の明るさを自動調整してくれます。
家電の使い方以外で冬の電気代を抑える方法
自宅の電気代の節約に取り組むなら、家電の使い方の見直し以外で節約できる方法を知ることも大切です。電気代を抑えつつ冬を快適に過ごすためのポイントを解説します。
室内の熱を逃がさない
暖房器具の電気代を抑えるためには、部屋の温度が下がらないように工夫することが重要です。冷気の侵入を防ぎ、室内で暖めた空気を逃がさないようにしましょう。
冷気は部屋の下側に、暖気は上側にたまりやすい性質があります。換気で入り込む冷気は足元にたまりやすいため、サーキュレーターでゆっくりとかきまぜましょう。室内の温度ムラを解消できるほか、室内全体の換気にもつながります。
また、晴れた日には窓から太陽光を取り込み、自然の力で室内を暖めるのもおすすめです。窓は熱が移動しやすいため、厚手のカーテンや丈の長いカーテンに変えるとよいでしょう。
家電を最新モデルに変える
最近の家電は昔に比べて省エネ性能がアップしています。例えば、10年前に購入したエアコンを最新モデルに買い替えれば、約15%の省エネ効果を期待できます。
家電の省エネ化を支える柱の1つが、省エネ性能が高い製品の普及を促進する制度「トップランナー制度」です。
トップランナー制度では目標基準値が設けられており、対象機器のうち現在商品化されている製品について、基準値を超える性能を持たせることを目指しています。
トップランナー基準を達成しているかどうかは、製品の『省エネルギーラベル』で確認できます。家電を買い替える際は、省エネルギーラベルもチェックしましょう。
※出典:機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
電力会社の切り替えもおすすめ
2016年の電力小売全面自由化以降、電力会社の選択肢が増えています。今より電気料金が安い電力会社に変えるだけで、電気代を抑えられる可能性があるのです。
電力会社の見直しを検討したことがない方は、住んでいる地域を対象にしている新電力を比較してみましょう。各会社がさまざまな料金プランやサービスを提供していることがわかるはずです。
エネワンでんきは、電力使用量に合わせた最適なプランを選べるほか、さまざまな特典がついたプランも用意しています。電力会社の変更を考えるなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。
エネワンでんきで電気代がいくら安くなるかシミュレーションする
冬に電気代が高い家電の使い方を見直そう
冬に電気代が高くなる主な理由は、お湯をつくる機会が増えることや、日照時間が短くなり照明の使用時間が長くなることです。そのため、夏に比べ給湯や照明にかかる電気代が高くなる傾向があります。
エアコン・冷蔵庫・電気給湯器・照明は、いずれも冬の電気代が高い家電です。これらの節約に取り組めば、冬の電気代の節約効果をより高められます。
また、家電の買い替えや電力会社の見直しも、電気代の節約に貢献します。冬の寒さに備え、家電の使い方を工夫して、賢く電気代を抑えていきましょう。