消費電力500Wの電化製品の電気代はいくら?主な電化製品の電気代や節約術も解説
消費電力500Wの電化製品の電気代はいくら?主な電化製品の電気代や節約術も解説
身の回りにある電化製品の消費電力を調べてみると、500W前後のものが数多くあることがわかります。一般家庭でよく使われる500Wの電化製品について、消費電力や電気代の目安を把握し、少しでも節約できる工夫を学びましょう。
目次
「500W」の代表的な電化製品と電気代
電化製品の電気代は消費電力を用いて算出できます。まずは、500Wの電化製品の電気代がどのくらいになるのかを計算してみましょう。
電化製品の電気代の計算式
電化製品の電気代は次の計算式で求められます。
消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)
消費電力は電化製品のカタログや取扱説明書に記載されています。消費電力がWで記載されている場合は、1,000で割ってkWにしなければなりません。
ご家庭でかかる実際の電気代を計算したい場合は、電力会社の料金単価を使いましょう。契約中の電力会社のWebサイトや検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見れば、現在の料金単価を確認できます。
全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金目安単価の31円/kWhを使って計算すれば、電化製品ごとの電気代の目安を把握することが可能です。
※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
「500W」の電化製品の電気代
消費電力500Wの電化製品を1時間使用した場合の電気代は、次のように計算できます。
1時間あたりの電気代=500W÷1,000×31円/kWh=15.5円/時間
500W前後の代表的な電化製品は、ホットカーペット・こたつ・コーヒーメーカー・パソコンです。いずれも時間単価は変わらないため、使用時間で電気代が決まることになります。それぞれの電気代の目安は以下の通りです。
ホットカーペット、こたつ(1日8時間使用)
15.5円/時間×8時間=約124円/日
コーヒーメーカー(1回5分使用)
15.5円/時間×(5÷60)時間=約1.3円/日
パソコン(1日4時間使用)
15.5円/時間×4時間=約62円/日
同じ500Wの電化製品でも、使い方で電気代が大きく違うことがわかります。
なお、500Wの電化製品を24時間使用した場合の電気代は、15.5円/時間×24時間=約372円/日です。知識として押さえておくとよいでしょう。
電子レンジの500Wは消費電力ではない
電子レンジには500Wと表示されているため、消費電力が500Wの電化製品だと誤解されることがあります。しかし、このW表示は消費電力ではありません。
電子レンジに表示されている500Wや600Wは、定格高周波出力と呼ばれる数値です。食品を温めるために使われるエネルギーを指し、数値が大きいほど温める力が強くなります。
電子レンジの実際の消費電力は、表示されている出力ワット数の約1.5~2倍です。具体的な数値はカタログや取扱説明書に記載されています。以下の製品で消費電力や電気代を確認しておきましょう。
NE-FL1A(パナソニック)
消費電力:1.40kW
- 1分あたりの電気代:1.40kW×(1分/60分)×31円/kWh=約0.72円/分
- 3分使用した場合の電気代:0.72円/分×3分=約2.16円
- 5分使用した場合の電気代:0.72円/分×5分=約3.6円
※出典:詳細情報 単機能レンジ NE-FL1A | オーブンレンジ・単機能レンジ | Panasonic
ホットカーペットの電気代の節約方法
ホットカーペットは製品によっては消費電力が500W前後になる電化製品です。暖房器具の中ではそれほど電気代が高くありませんが、使い方次第では電気代が上がってしまいます。ホットカーペットを経済的に使う方法を見ていきましょう。
温まったら設定温度を下げる
一般的なホットカーペットは温度の調整が可能です。設定温度を高くしたまま使い続けると、消費する電力量が多くなり電気代も高くなってしまいます。
ホットカーペットの電気代を節約したい場合は、設定温度を「中」以下にして使いましょう。最初は「強」にし、温まったら「中」以下に温度を下げるのがおすすめです。
ホットカーペットだけでは十分に温まらない場合は、ほかの暖房器具と併用するのがおすすめです。例えば、エアコン暖房で部屋全体が暖まっていれば、ホットカーペットの設定温度を上げすぎることなく使えます。
保温効果が高いカバーやラグを重ねる
ホットカーペットは床に直接敷いて足元から温める暖房器具です。そのままの状態で使うと熱が逃げやすくなり、常に高温で温めなければ暖を取りにくくなります。
保温効果が高いカバーやラグを重ねれば、熱を閉じ込めやすくなるため、設定温度を「中」や「弱」などに下げても十分に温まれるでしょう。
ホットカーペットと床の間に断熱シートを敷くのもおすすめです。冷えた床に熱が奪われるのを抑えられるため、暖房効果が下がりにくくなります。
こたつの電気代の節約方法
こたつも消費電力が500W前後の製品がある電化製品です。ホットカーペットと同様、局所的に暖を取るスポット暖房として使われます。こたつの節約のポイントは、設定温度をできるだけ下げて使用することです。
厚めの上掛け布団を選ぶ
こたつはテーブルや上掛け布団で囲まれた部分のみを暖める暖房器具です。上掛け布団と床の間に隙間ができると、内部の熱が逃げやすくなるため温度が下がってしまいます。
厚めで大きな上掛け布団を使えば、内部の保温性を高く保てるでしょう。人がこたつから出たときにも布団が浮いた状態になりにくいため、暖かい空気を閉じ込めやすくなります。
上掛け布団の中には、薄くて保温性が高いものもあります。上掛け布団を選ぶ際は、デザイン性だけでなく機能性もチェックしてみるとよいでしょう。
ほかの暖房器具と併用する
こたつは内部に入れた部分しか温まらないため、室内が冷えていると体全体がなかなか温まりません。こたつだけで暖を取ろうとする場合、設定温度を下げにくいでしょう。
消費電力を抑えて使うためには、ほかの暖房器具と併用するのがおすすめです。例えば、消費電力の低いホットカーペットをこたつの下に敷けば、両方の設定温度を下げた状態でも十分な暖を取りやすくなります。
室内全体を暖めるのに向くエアコンやヒーターとの併用も効果的です。こたつに入っていれば体がある程度温まっているため、エアコンやヒーターも設定温度を下げて経済的に使えます。
コーヒーメーカーの電気代の節約方法
コーヒーメーカーは、豆から抽出した淹れたてのコーヒーを楽しめる電化製品です。消費電力は機種によって幅があり、中には500W前後の製品もあります。コーヒーメーカーの電気代を抑える方法を見ていきましょう。
できるだけ保温しない
保温機能が搭載されたコーヒーメーカーでは、作ったコーヒーを温かい状態で保存できます。しかし、保温にも電気代がかかるため、節約を図るならできるだけ保温機能を使わないことが重要です。
飲みたい量だけを作って保温しないのが理想ですが、コーヒーが余った場合は魔法瓶に移し替えればしばらく保温できます。容器自体に保温機能が備わっている製品なら、本体から外して保温できるため便利です。
コーヒーメーカーによっては、コーヒーを作り終わった後、自動的に保温状態に切り替わるケースもあります。気がついたら長時間保温していたという状況にならないようにしましょう。
使い終わったらプラグを抜く
待機電力の削減は電気代の節約の基本です。近年はプラグをコンセントに挿したままでも待機電力が発生しない製品も登場していますが、まだまだ多くの電化製品で待機電力が発生します。
コーヒーメーカーも製品によっては待機電力が発生するため、使い終わったらプラグを抜く癖をつけましょう。コンセントに近い場所にコーヒーメーカーを設置すれば、プラグを毎回抜く作業にもストレスを感じにくくなります。
コンセントにつながっていない状態にしておけば、何らかの理由でコーヒーメーカーが誤作動を起こすのを防ぐことも可能です。
パソコンの電気代の節約方法
パソコンの消費電力には大きな幅があり、ゲーミングパソコンなど比較的性能が高い製品には、消費電力が500W前後になるものもあります。パソコンの電気代を節約するテクニックを理解し、より経済的に使える環境を整えましょう。
シャットダウンとスリープを使い分ける
パソコンは立ち上がる際にかなりの電力を消費します。短時間の離席でシャットダウンするのは、経済的な使い方とはいえません。また、電源の頻繁なオンオフは、各パーツへ余計なダメージを与えることにもなります。
離席後しばらくしてまたパソコンを使うつもりなら、スリープ状態にするのがおすすめです。スリープ中は電力の消費を最小限に抑えられるほか、復帰時も少ない電力で再開できます。
シャットダウンとスリープを使い分ける時間の目安は90分といわれています。離席後90分以内にパソコンを使うならスリープにし、90分を超えて離席するならシャットダウンしましょう。
本体に熱がこもらないように工夫する
パソコン内部の発熱が大きくなると挙動に悪影響を与えかねないため、パーツを冷やすためのファンが搭載されています。パソコンの電気代を抑えるためには、ファンの回転数を下げることも重要です。
発熱が大きくなりファンの回転数が上がると、消費電力が上がり電気代も高くなります。内部にホコリがたまらないようにしたり、空気が通りやすい環境を作ったりするなど、本体に熱がこもらないように工夫しましょう。
パソコンの電気代の節約方法についてもっと詳しく知りたい方はこちら
電化製品全般の電気代を節約するポイント
私たちの身の回りには、消費電力500W前後以外の電化製品も数多く存在しています。電化製品全般に共通する節約術を理解し、節電を意識した生活を心掛けましょう。
待機電力を削減する
コーヒーメーカーの項でも解説しましたが、待機電力を削減すれば、電気代の節約効果は大きくなります。
資源エネルギー庁によると、2012年の家庭の平均年間消費電力量は約4,432kWhで、そのうち約5.1%(約228kWh)が待機電力に使用されています。
電気料金単価を31円/kWhとした場合、待機電力にかかる電気代は年間約7,068円となります。
待機電力を節約すれば大きな効果が期待できますが、冷蔵庫など常時稼働が必要な製品については節電対象から外す必要があります。
※出典:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要 | 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
家族で生活時間・空間を合わせる
電化製品全般の電気代を節約するためには、家族で生活する時間や空間を合わせることも大切です。
例えば、エアコンや照明は、家族でリビングに集まって使えば複数台使わなくて済みます。また、夜は家族全員が同じ時間に寝るように生活リズムを合わせれば、電化製品を何度も使わずに済むため節電につながるでしょう。
このように、家族で生活する時間・空間を合わせることで、使用する電化製品の数や時間を減らして節電できます。
電化製品の使い方以外で電気代を節約するコツ
電気代の節約を徹底したい場合は、電化製品の使い方以外で電気代を節約するポイントも押さえておきましょう。より効果の高い節約術をご紹介します。
省エネ性能の高いモデルに買い替える
電化製品の種類によっては、省エネ性能が年々高くなっています。買い替えの際にコストはかかるものの、長い目で見ればコストの削減につながるでしょう。
東京都では、省エネ性能が高い製品に買い替えるとポイントを付与する事業「東京ゼロエミポイント」を実施しています。対象機器はエアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具です。
対象期間は2027年3月31日までですが、各年度の予算がなくなり次第終了するため、東京都のWebサイトをこまめにチェックするとよいでしょう。
電気代の支払い方法を見直す
電力会社によっては、電気代を口座引き落としにすると割引を受けられるケースがあります。また、クレジットカードや電子マネーでポイントがたまる支払い方法にするのも効果的です。
逆に、払込用紙を使ってコンビニで電気料金を支払う場合、別途手数料が発生することがあります。このように、支払い方法が変わると実質的な負担も変わるため、自分にとってよりお得な方法は何かを調べてみましょう。
電力会社を変更する
2016年の電力小売完全自由化により、電力会社を自由に選べるようになりました。現在契約中のプランが最適か確認し、より安価なプランや新しい電力会社への乗り換えを検討することで、電気代を節約できる可能性があります。
エネワンでんきは、電力使用量に合わせた最適なプランを選べるほか、さまざまな特典がついたプランも用意しています。電力会社の変更を考えるなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。
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「500W」の電化製品の電気代を節約しよう
消費電力500Wの電化製品の電気代を把握すれば、身近なものに対するコストの意識が高まり、電気代の節約に向けての意欲も増すでしょう。
500Wの電化製品を節約するポイントは、実際に使うときの消費電力を抑えることと、使用時間をできるだけ短くすることです。
また、電化製品の使い方以外の節約術を理解しておけば、節約効果をより高められます。500Wの電化製品も、日々の小さな工夫で電気代を抑えていきましょう。