
掃除機はどれくらいの電気代がかかるの?電気代を抑える方法も解説
掃除機はどれくらいの電気代がかかるの?電気代を抑える方法も解説
日常的に使用する電化製品を買い替えるときに気になるのが電気代です。掃除機のタイプごとに異なる電気代の目安や、電気代を節約する小技を紹介します。掃除機の電気代に関する理解を深めましょう。併せて掃除機の選び方も解説します。
目次
掃除機のタイプ

掃除機はいくつかの視点でタイプ別に分類できます。掃除機の電気代を計算する前に、掃除機の種類を確認しておきましょう。掃除機のタイプとそれぞれの特徴を解説します。
ごみの集め方による分類
掃除機をごみの集め方(=集じん方式)で分類すると、「紙パック式」「サイクロン式」「カプセル式」の3種類に分けられます。
紙パック式とは、吸引したちりやほこりを紙製のパック内に溜める方式です。ごみの溜まった紙パックを交換するだけで、掃除機のお手入れが完了します。高い吸引力も特徴の1つです。
サイクロン式とは、遠心力を利用してごみと空気を分離し、集めたごみを本体内のダストカップに溜める方式です。ダストカップにほこりが溜まると吸引力が落ちるため、定期的なお手入れが欠かせません。
カプセル式とは、吸い取ったごみをフィルターを通して分離させて本体に溜める方式です。従来型の掃除機に採用される方式で、サイクロン式同様、定期的なお手入れが必要なタイプです。
形による分類
掃除機をその形で分類すると、「スティック型」「キャニスター型」「ハンディ型」「ロボット掃除機」に分けられます。
スティック型とは、本体とノズルが一体になった形の掃除機です。ホースがないため、小回りが利くのが特徴です。立てて収納できるため、気づいたときにすぐ掃除機がけができます。
キャニスター型とは、本体からヘッドが付いたホースが伸びている掃除機です。他のタイプよりも吸引力が高いとされています。本体とノズルやヘッドが分かれているため、本体の重量を感じることなく掃除ができます。
ハンディ型とは、スティック型がそのまま小さくなったような掃除機です。布団や車内を掃除するのに向いています。サブの掃除機として活用するのがおすすめのタイプです。
ロボット掃除機とは、自動で部屋を掃除してくれる掃除機を指します。掃除の手間を省けるのが魅力です。
電源の種類による分類
電源の種類に着目すると、掃除機は「コードレス式」と「コード式」に大別できます。
コードレス式とは、内蔵のバッテリーを電源にしてごみを吸い取るタイプの掃除機です。電源コードが不要となるため、部屋中を自由に掃除できます。デメリットとしては、バッテリー式がゆえに使用時間に制約があることが挙げられます。複数の部屋を一度に掃除しようとすると、バッテリーが切れる可能性があるため、注意が必要です。
コード式とは、本体から伸びる電源コードをコンセントにつないで電源を取るタイプの掃除機を指します。常にコンセントから給電できるため、使用時間を気にすることなく使用できるのがメリットです。ただし、コードが届く範囲しか掃除ができないため、家中を掃除するにはコンセントの差し替えが必要です。
掃除機の電気代

ここでは掃除機の電気代を計算してみましょう。電気代の計算式は、「消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)」です。なお、電力量料金には、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として掲げる「31円/kWh(税込)」を採用しています。
※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
紙パック式の掃除機の電気代
紙パック式の掃除機に関しては、30分あたりの電気代を計算します。
日立の紙パック式クリーナーかるパック「CV-KP900M」の消費電力は840W〜約180Wです。弱モードの場合には約2.79円、強モードの場合には約13.02円の電気代がかかります。
パナソニックの紙パック式キャニスター掃除機「MC-PJ24G」の消費電力は1,150〜約200Wです。弱モードで使用すると約3.1円、強モードで使用すると約17.83円の電気代がかかります。
パナソニックの紙パック式キャニスター掃除機「MC-JP870K」の消費電力は850〜約380Wです。弱モードの場合には約5.89円、強モードの場合には約13.18円の電気代がかかります。
※出典:仕様 : 紙パック式クリーナー CV-KP900M : クリーナー : 日立の家電品
※出典:詳細情報 紙パック式キャニスター掃除機 MC-PJ24G | 掃除機・クリーナー | Panasonic
※出典:詳細情報 紙パック式キャニスター掃除機 MC-JP870K | 掃除機・クリーナー | Panasonic
サイクロン式の掃除機の電気代
サイクロン式の掃除機に関しては、1回の充電で消費される電気代を計算します。
シャープのコードレススティック掃除機「EC-SR10」の充電中の消費電力は約58W、充電にかかる時間は約100分です。1回充電するごとに約3円の電気代がかかります。
同じくシャープのコードレススティック掃除機「EC-AR10」の場合、充電中の消費電力は約40W、充電にかかる時間は約100分です。1回充電すると約2.07円の電気代がかかります。
東芝のコードレスクリーナー「VC-CLW33」の充電中の消費電力は約22W、充電にかかる時間は約2.5時間(約150分)です。1回充電するごとに約1.71円の電気代がかかります。
※出典:仕様 / 寸法 | EC-SR10 | 掃除機:シャープ
※出典:仕様 / 寸法 | EC-AR10 | 掃除機:シャープ
※出典:寸法・仕様 | VC-CLW33 | 掃除機(クリーナー)|東芝コードレス | 東芝ライフスタイル株式会社
掃除機の電気代を節約する方法

掃除機は、工夫次第で消費電力を抑えることが可能です。掃除機の電気代を抑える方法を解説します。ポイントを押さえて賢く掃除機を使いましょう。
モードを適切に使い分ける
掃除機がけにかかる電気代を節約するには、汚れの度合いに合わせてモードを切り替えることが有効です。例えば日立の紙パック式クリーナー「CV-KP900M」の場合、弱モードの場合には約2.79円、強モードの場合には約13.02円の電気代がかかります。モードが異なるだけで、約5倍も電気代が変わってくるのです。
シンプルにほこりが積もっているだけのフローリングであれば、弱モードでも十分にきれいにできます。強モードを使う必要はまずないでしょう。
一方で毛足にほこりや髪の毛が絡まっているカーペットは、強モードでしっかり掃除するのがおすすめです。弱モードではなかなかごみを吸いきれず、かえって掃除に時間がかかり、無駄な電気代がかかってしまう可能性があります。
ヘッドをゆっくりと動かすようにする
掃除機がけで消費する電気代を安く抑えたいのであれば、ゆっくり丁寧にヘッドを動かすことを心がけましょう。
早く掃除を済ませて電気代を抑えたいからといって、ヘッドを素早く行ったり来たりさせるのは不適切です。十分にほこりやごみを吸いきれず、掃除の効果が薄れる可能性があります。掃除機をかけているにもかかわらず、ごみが取り切れていないようであれば本末転倒です。
節電を意識して掃除機がけをするのであれば、ヘッドは力を入れずゆっくり動かすのが正解です。1か所あたり5〜6秒かけて往復させると、掃除機のポテンシャルを存分に生かすことができます。焦らず、ゆっくりを心がけましょう。
頻繁にオンオフを繰り返さない
掃除機がけにかかる電気代を削減したいからといって、掃除機がけの合間に頻繁に掃除機の電源を落とすのはNGです。掃除機は電源を入れた瞬間が最も多くの電気を消費するため、オンオフを繰り返していると無駄な電気代がかかってしまいます。
電気代を節約するには「電源をオフにする」のが最も有効と思われがちです。しかし多くの電化製品は、電源を入れる瞬間に多くの電気を消費するため、頻繁にオンオフを繰り返すと、かえって多くの電気代がかかります。
消費する電気代を抑えたいのであれば、オンオフを切り替える回数を最小限に抑えるアプローチが有効です。一度電源をオンにしたら滞りなく掃除機がけができるよう、部屋を片付けてから作業に入るのがおすすめです。
定期的に本体を掃除する
掃除機の性能を最大限に引き出し、無駄に消費される電気代を抑えたいのであれば、定期的に掃除機をお手入れしましょう。
掃除機の内部にほこりが蓄積すると、掃除機本来の吸引力が損なわれるため、掃除の効率が悪くなり、無駄な電気代を消費するようになってしまいます。特にフィルターの目詰まりが起こりやすいサイクロン式を使っている場合には、頻繁に掃除機本体をお手入れする必要があります。
紙パック式の場合には、月1〜2回のペースで紙パックを交換しましょう。ヘッドに絡みついたごみを取り除くのも効果的です。
サイクロン式の場合には、1〜2週間に1回のペースでダストカップに溜まったごみを捨てましょう。なるべくこまめにごみを捨てることで、サイクロン式本来の吸引力を維持できます。
掃除機を使わずに掃除をする方法

掃除機がけで消費される電気代を節約したいのであれば、「掃除機を使わない」のが最も確実です。掃除機を使わずに部屋をきれいにする方法を解説します。状況に応じて活用していきましょう。
フローリングはほうきやフローリングワイパーを使う
フローリングの掃除では、ほうきやフローリングワイパーが活躍します。
フローリングワイパーのメリットは気軽に掃除ができる点です。取り出してすぐに掃除に取りかかれるため、掃除のハードルが下がります。また、取り付けるシートの種類を変えることで「ほこり集め」や「雑巾がけ」など異なる掃除ができる点も、メリットといえるでしょう。
一方ほうきのメリットは、掃除機のヘッドが入りにくい細かな場所を掃除しやすい点にあります。
フローリングワイパーとほうきに共通するメリットとしては、掃除の際に空気が汚れないことが挙げられます。掃除機のように排気が出ないため、掃除中にほこりが舞い上がりません。また掃除中に音が出ないので、時間を気にせず掃除ができるのもメリットです。
カーペットやラグは粘着カーペットクリーナーを使う
カーペットやラグの掃除を行うときには、粘着カーペットクリーナーが活躍します。
粘着カーペットクリーナーでカーペットやラグを掃除するときは、いろいろな方向にクリーナーを動かすのがおすすめです。一方方向に動かすよりも、カーペットやラグの毛並みの奥に入り込んだほこりや髪の毛もかき出せます。
ハウスダスト対策にも粘着カーペットクリーナーは有効です。ダニの死骸やフンをしっかりキャッチしてくれるので、掃除機をかけなくてもしっかり掃除ができる可能性が高いといえます。ハウスダスト対策を強化したいのであれば、ダニを捕まえることに特化した粘着カーペットクリーナーを使うのもおすすめです。
掃除機の選び方

掃除機の選び方を解説します。選び方を頭に入れた上で掃除機選びを進めれば、きっとイメージ通りの1品に出会えるはずです。ポイントをしっかり押さえましょう。
集じん方式
紙パック式かサイクロン式かは、掃除機の使い勝手を大きく左右する要素の1つです。
紙パック式は、ごみに触らず掃除機のお手入れができるのが特徴です。紙パックの購入費用が必要なものの、頻繁にごみ捨てをするのが面倒くさい方におすすめできます。
サイクロン式は、使用するたびにダストボックスに溜まったごみを捨てれば、高い吸引力を維持できます。紙パック式のように溜まったごみを通過した排気が出ることがないため、排気で部屋の空気が汚れることを嫌う方におすすめです。
ヘッドの種類
掃除機のノズルの先に付いているヘッドの種類も、掃除機の使い勝手を決める要素とされています。ヘッドの種類は、「モーター型」「自走式モーター型」「エアタービン型」の3種類に大別されます。
モーター型とは、モーターの力でヘッドのブラシを回転させるタイプです。ブラシの回転力により、カーペットの毛足に絡みつく髪の毛もしっかり吸引できます。
自走式モーター型とは、モーターの回転によりヘッドが自動で前に進むタイプです。モーター型よりもさらにパワフルにごみをかき出す能力を持っています。
エアタービン型とは、吸い込む空気の力を利用してブラシを回転させるタイプです。パワー面ではほかのタイプに劣るものの、ヘッドが軽いのがメリットです。
吸引仕事率や集じん容積
掃除機を選ぶときには、掃除機のスペックにも注目しましょう。掃除機選びの際にチェックすべきなのは「吸引仕事率」や「集じん容積」です。
吸引仕事率とは、掃除機の吸引力を表した数値です。数値が大きいほど吸引力が高いと考えられます。しかし吸引仕事率は、実際にごみを吸引して算出した数値ではないため、あくまでも参考程度に捉えるとよいでしょう。
集じん容積とは、ごみを溜める部分の容量のことです。数値が大きいほどたくさんのごみを溜められるので、ごみ捨ての頻度を減らすことができます。紙パック式とサイクロン式を比べると、紙パック式の方が集じん容積が大きい傾向があります。
節約技を駆使して掃除機を賢く使おう

掃除機は使用時間が短い電化製品のため、消費される電気代はそれほど高くありません。ただし、使い方を工夫することでさらに電気代の節約が可能であるため、何も考えずに何となく使用するのはもったいないといえます。掃除機の種類や掃除スタイルに合わせて、自分に合った方法で賢く掃除機を活用しましょう。
また、電気代の節約を考えているなら、電力会社を変更するのもおすすめです。電気料金が安い電力会社に乗り換えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性もあります。
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エネワンでんき編集部
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