トースターの電気代は安い?オーブンレンジとの比較や選び方をご紹介
トースターの電気代は安い?オーブンレンジとの比較や選び方をご紹介
トースターの電気代は種類によって異なりますが、一般的な製品は頻繁に使っても比較的経済的です。種類ごとの特徴を理解し、自分の調理スタイルに合ったタイプを選びましょう。トースターの種類と電気代、節約方法をご紹介します。
目次
トースターの種類と電気代
トースターの種類は大きく3つに分けられます。まずは、それぞれの特徴と電気代を比べてみましょう。
なお、種類ごとにピックアップしている製品の電気代は、次の式で計算しています。
1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)
現在の電気料金の目安単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWhです。また、トーストを焼く時間は3分と仮定します。
※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
オーブントースターの特徴と電気代
オーブントースターは、ヒーターの赤外線で食材を加熱する電化製品です。食材を焼き上げるオーブン機能に特化しており、食品の表面にきれいな焼き色をつけられます。
食パンを焼くだけでなく、お菓子や簡単な料理を作る際にも使うことが可能です。スチーム機能や火力調整機能が備わった製品もあります。
モデル名:NT-T501(パナソニック)
消費電力:1,200W(1.2kW)
- 1分あたりの電気代:1.2kW×(1分÷60分)×31円/kWh=約0.62円
- 1回あたりの電気代:0.62円/分×3分=約1.86円
- 1カ月あたりの電気代:1.86円×30日=約55.8円
上記の製品は火力設定「強」でトーストができるほか、火力を弱めることでトースト以外にもさまざまな調理に対応します。
※出典:概要 オーブントースター NT-T501 | トースター | Panasonic
コンベクションオーブントースターの特徴と電気代
コンベクションオーブントースターとは、高温の熱風をファンで循環させて食材を焼くトースターです。対流調理で食材を均一に焼き上げられます。
オーブン機能で焼く以外に、蒸す・煮る・揚げるといった調理を行えるのが特徴です。また、予熱時間が短いため、調理の時短にもつながります。
モデル名:KAT-A131(タイガー魔法瓶)
消費電力:1,312W(1.312kW)
- 1分あたりの電気代:1.312kW×(1分÷60分)×31円/kWh=約0.68円
- 1回あたりの電気代:0.68円/分×3分=約2.04円
- 1カ月あたりの電気代:2.04円×30日=約61.2円
消費電力はオーブントースターと大差ないため、同じ調理時間なら電気代もオーブントースターとほぼ同じです。
※出典:コンベクションオーブン&トースター KAT-A131 – タイガー魔法瓶
ポップアップトースターの特徴と電気代
ポップアップトースターは、食パンを焼くことに特化した電化製品です。スロットに食パンを縦に差し込み、焼き上がると自動でトーストが飛び出します。
熱源が食パンに近い構造になっているため、焼き上がりが早いことが特徴です。オーブン型に比べ形状がコンパクトで、置き場所にも困りにくいでしょう。
モデル名:TS-D404W(ツインバード)
消費電力:950W(0.95kW)
- 1分あたりの電気代:0.95kW×(1分÷60分)×31円/kWh=約0.49円
- 1回あたりの電気代:0.49円/分×3分=約1.47円
- 1カ月あたりの電気代:1.47円×30日=約44.1円
ポップアップトースターはオーブンタイプのトースターより電気代を抑えられる計算になります。本体価格もオーブンタイプのトースターに比べ安いため、コスト削減を重視するならポップアップトースターを選ぶのがおすすめです。
トースターに代わる電化製品の電気代
食パンを焼ける電化製品には、トースター以外にホットサンドメーカー・オーブンレンジ・スチームレンジなどがあります。これらの特徴や電気代も見ておきましょう。
ホットサンドメーカーの電気代
ホットサンドメーカーは、食パンに具材を挟んで焼ける調理器具です。プレートに電気を通して加熱する電気式と、プレートをコンロで温める直火式の2種類があります。
直火式が片面ずつしか焼けないのに対し、電気式は一気に両面焼くことが可能です。ただし、一般的に予熱が必要であるため、予熱時間も含めると電気代が高くなります。
モデル名:IMS-902-W(アイリスオーヤマ)
消費電力:900W(0.9kW)
- 1分あたりの電気代:0.9kW×(1分÷60分)×31円/kWh=約0.47円
- 1回あたりの電気代:0.47円/分×3分=約1.41円
- 1カ月あたりの電気代:1.41円×30日=約42.3円
上記は予熱時間を含めない電気代です。焼く時間のみの電気代はポップアップトースターとほぼ同じですが、3分予熱する場合は電気代も2倍になることになります。
※出典:マルチサンドメーカーダブルサイズ IMS-902 全2色 H517247│アイリスプラザ
オーブンレンジの電気代
オーブンレンジはレンジ・オーブン・グリル機能が備わった電化製品です。さまざまな調理が可能であり、オーブン機能によるヒーター加熱で食パンを焼けます。
オーブンレンジでトーストを焼く場合、通常は予熱が必要です。オーブントースターよりも時間がかかりやすいため、電気代が高くなる可能性があります。製品によっては裏返す必要があり、この場合はさらに時間がかかります。
モデル名:ER-40A(東芝)
消費電力:800W(0.8kW)
※トースト(グリル)の焼き上げ時間は約4分40秒(約3分で裏返し)
- 1分あたりの電気代:0.8kW×(1分÷60分)×31円/kWh=約0.41円
- 1回あたりの電気代:0.41円/分×4.67分=約1.91円
- 1カ月あたりの電気代:1.91円×30日=約57.3円
上記製品の消費電力はオーブントースターで紹介した製品より低いですが、焼き上がるまでの時間が長いため、1回あたりの電気代はほぼ同じになっています。
※出典:ER-X18 | 電子レンジ/オーブンレンジ | 東芝ライフスタイル株式会社
スチームオーブンレンジの電気代
スチームオーブンレンジはスチーム機能が付いたオーブンレンジです。高温の水蒸気で食材を加熱できるため、温める・焼く以外に、蒸す・煮る・揚げるといった調理もできます。オートメニューの数がオーブンレンジより多いことも魅力です。
スチームオーブンレンジはスチーム機能で水分を逃がさずにパンを焼ける反面、時間が長く消費電力も高いため電気代が高くなります。
モデル名:ER-D80A(東芝)
消費電力:1,100W(1.1kW)
※トースト(グリル)の焼き上げ時間は約6分5秒(約4分20秒で裏返し)
- 1分あたりの電気代:1.1kW×(1分÷60分)×31円/kWh=約0.57円
- 1回あたりの電気代:0.57円/分×6.08分=約3.47円
- 1カ月あたりの電気代:3.47円×30日=約104.1円
消費電力自体はオーブントースターとあまり変わりませんが、焼き上げ時間が長い分、1回あたりの電気代も高くなっています。
※出典:ER-D80A | 電子レンジ/オーブンレンジ | 東芝ライフスタイル株式会社
トースターの選び方
近年はさまざまなトースターが販売されており、選ぶべき製品は何を重視するかで変わってきます。トースター選びの際に注目したい主なポイントをご紹介します。
好みの食感で焼けるか
「毎日おいしいトーストを食べたい」と思う方は、好みの食感で焼けるかどうかでトースターを選ぶとよいでしょう。
トーストの食感はサクフワ・サクサク・しっとりの3種類に分けられ、製品や機能により仕上がりが異なります。例えば、中をしっとりとさせたい場合は、水分を飛ばしにくいスチーム式のトースターがおすすめです。
また、冷凍した食パンをおいしく焼けるタイプもあります。食パンを冷凍保存する機会が多い方は、冷凍した食パンの仕上がりにも注目しましょう。
さまざまな料理に使えるか
トースターの種類によっては、食パンを焼く以外の調理ができるケースもあります。温度調節機能が備わっている製品なら、グリル調理器として活用することが可能です。
料理の幅を広げたいと思う場合は、トースターではなくオーブンレンジを選ぶのもよいでしょう。オートメニューを搭載した製品では、さまざまな料理にチャレンジできます。調理が好きな方やメニューがマンネリ化している方におすすめです。
手入れがしやすいか
トースター内の汚れを放置すると、機能低下や故障を招く恐れがあります。清潔な環境で調理するためにも、トースター選びでは手入れのしやすさをチェックすることが重要です。
ポップアップトースターの場合、底面のトレーを引き出せるタイプなら、パンくずを簡単に掃除できます。
また、オーブンタイプならトレーと網を取り外せるかどうかがポイントです。汚れを落としやすい加工が施された製品もあるため、製品を比較する際に確認してみましょう。
電化製品の電気代を節約する方法
トースターは1回の使用時間が短いため、それほど電気代が高くなりません。電気代の節約を図るなら、電化製品全体の節約を考えましょう。電化製品の電気代を節約する代表的な方法をご紹介します。
電化製品の使い方を見直す
資源エネルギー庁の調査によると、季節ごとの電気代が高い電化製品のランキング上位は次の通りです。
- 夏:エアコン、照明、冷蔵庫、テレビ・DVD
- 冬:エアコン、冷蔵庫、給湯、照明
エアコン・照明・冷蔵庫の電気代を抑えられれば、節約効果をより高められることがわかります。それぞれの節約方法を確認し、できる範囲で実践しましょう。
<エアコン>
フィルターを定期的に掃除する
自動運転機能を活用する
サーキュレーターで室内の空気を循環させる
室外機の周囲をきれいに片付ける
夏は室温28℃、冬は室温20℃を目安に温度を設定する
<冷蔵庫>
庫内に食材を詰め込みすぎない
扉の開閉回数や開けている時間を減らす
冷蔵庫本体は壁から適切な距離をとって設置する
<照明>
蛍光灯や白熱電球をLEDに交換する
誰もいない部屋の照明をつけっぱなしにしない
明るさを保つためにカバーやかさを掃除する
※出典:夏季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
※出典:冬季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
使わない電化製品のプラグは抜く
待機時消費電力量の削減は電気代の節約の基本です。使わない電化製品は電源をオフにするだけでなく、コンセントからプラグを抜いておきましょう。
一般財団法人省エネルギーセンターの調査によると、待機時消費電力量が多い電化製品ベスト5は以下の通りです。
- 1位:ガス温水器
- 2位:テレビ
- 3位:冷暖房兼用エアコン
- 4位:電話機
- 5位:BD・HDD・DVDレコーダー
同調査では、家庭の消費電力量に占める待機時消費電力量の割合が約5%であることも指摘されています。上記のベスト5が待機時消費電力量全体の約半分を占めているため、これらのプラグを抜くだけでも節約効果を高められるでしょう。
※出典:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要 | 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
古い電化製品を買い替える
近年の電化製品は省エネ性能がアップしており、古い電化製品を新しいモデルに買い替えるだけで節約につながる可能性があります。代表的な電化製品の省エネの現状をまとめました。
- 冷蔵庫:10年前と比較して約28~35%の省エネ
- エアコン:10年前と比較して約15%の省エネ
- 温水洗浄便座:10年前と比較して約8%の省エネ
- 照明:LED電球は白熱電球と比較して約86%の省エネ
なお、トースターは買い替えるだけでは省エネにつながりにくい電化製品ですが、経年劣化により機能が低下していると余計な電力を消費している恐れがあります。
※出典:機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
電力会社を変更する
電化製品の電気代の計算式を見てもわかる通り、電気料金の単価が高くなると電気代も高くなります。つまり、電気料金単価を下げれば、節約を頑張らなくても電気代を抑えられます。
電力小売全面自由化以降、消費者はライフスタイルに合った電力会社を自由に選べるようになっています。今まで何も考えずに同じ電力会社を使い続けているなら、ほかの電力会社の料金プランやサービスもチェックしてみましょう。
「エネワンでんき」では、毎月の電力使用量に合わせた3つのプランを用意しています。どのくらい安くなるかを料金シミュレーションでチェックしてみましょう。
エネワンでんきで電気代がどのくらい安くなるかシミュレーションしてみる
トースターの電気代は種類により違う
オーブンタイプのトースターはポップアップタイプに比べ、電気代がやや高い傾向があります。また、ホットサンドメーカーやオーブンレンジは予熱が必要なため、使用時間が長くなるとトースターより電気代が高くなることがあります。
トースターは電気代だけでなく、種類ごとの特徴を把握して選ぶことが重要です。用途や好みに合ったトースターを選び、賢く電気代を節約しましょう。