消費電力が大きい電化製品に注意!電気代の計算方法と節電対策を解説

消費電力が大きい電化製品に注意!電気代の計算方法と節電対策を解説

消費電力が大きい電化製品に注意!電気代の計算方法と節電対策を解説

電気代をもっと安くしたい方は、電化製品の「消費電力」を把握するところから始めましょう。数値が大きい製品ほど、多くの電力を使うことを意味します。消費電力から電気代の目安を計算する方法や節電対策のポイントを紹介します。

目次

1.消費電力とは何か?

 1-1.電化製品の動作に必要な電力の大きさ

 1-2.定格消費電力の表示に注意

2.電化製品の電気代を計算してみよう

 2-1.消費電力または消費電力量の記載がある場合

 2-2.年間消費電力量の記載がある場合

3.消費電力が大きい電化製品

 3-1.電子レンジ

 3-2.アイロン

 3-3.ジャー炊飯器

 3-4.ドライヤー

4.電力の消費割合が大きい電化製品

 4-1.エアコン

 4-2.冷蔵庫

 4-3.照明

5.消費電力量を減らして電気代を下げるヒント

 5-1.生活スタイルを見直す

 5-2.スイッチオフを習慣化する

 5-3.消費電力の少ない最新家電に買い替える

6.節電に限界があると感じたときは?

 6-1.アンペア数や料金プランの見直しを検討

 6-2.電力会社を乗り換える手も

7.省エネの第一歩は消費電力を把握すること

消費電力とは何か?

電化製品のカタログや取扱説明書で、「消費電力」という言葉を目にしたことがある方は多いでしょう。電化製品を動かすのに必要な電力のことで、月々の電気代に影響を与えています。

電化製品の動作に必要な電力の大きさ

消費電力とは、電化製品が動作するのに必要となる電力の大きさです。単位は「W(ワット)」や「kW(キロワット)」で、1,000Wは1kWに相当します。

消費電力と混同されやすいのが、「消費電力量」です。消費電力に「電気製品を実際に動かした時間」を掛けたもので、一定時間に消費される電力の量を表します。

「Wh(ワットアワー)」や「kWh(キロワットアワー)」で表記され、1Wの電化製品を1時間使ったときの消費電力量は1Wh(1W×1h)です。数値が大きければ大きいほど、電気代も高くなることを覚えておきましょう。

定格消費電力の表示に注意

一部の電化製品には、「定格消費電力(W)」が記載されている場合があります。日本工業規格(JIS規格)が定めた条件下で、電化製品を使用したときの限度を「定格」と呼びます。

定格消費電力は、すべての機能を最大限に使ったときの消費電力であり、常にこの値が消費されているわけではありません。

ホットカーペットやエアコン、アイロンといった電化製品は、モードや使い方によって消費電力に差が生じるため、1つの目安として最大出力時の値が記載されているのです。

電化製品の電気代を計算してみよう

電気代は、消費電力量によって変動します。消費電力や消費電力量、年間消費電力量が記載されている場合、どのように電気代を算出するのかを確認しましょう。

消費電力または消費電力量の記載がある場合

消費電力の記載がある場合は、消費電力に使用時間と電力量料金単価を掛けて算出します。電力量料金は1kWhが基本の単位なので、消費電力がW表記のときは、1,000で割る必要があります。

<消費電力(W)の場合>

  • 電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)

消費電力量の記載がある場合は、消費電力量に1kWhあたりの電力量料金を掛けて算出します。単位によって、以下のように計算式が変わります。

<消費電力量(Wh)の場合>

  • 消費電力量(Wh)÷1,000×1kWhあたりの電力量料金

<消費電力量(kWh)の場合>

  • 消費電力量(kWh)×1kWhあたりの電力量料金

1kWhあたりの電力量料金は電力会社ごとに異なるため、本記事では「家電公取協」が算出する目安単価を使用します。2024年10月時点における目安単価は、31円/kWh(税込)です。

年間消費電力量の記載がある場合

冷蔵庫やテレビの電気代は、「年間消費電力量(kWh)」から電気代を算出するのが一般的です。エアコンの場合は、年間の消費電力量の目安が「期間消費電力量」として記載されています。

  • 電気代=年間消費電力量(kWh)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)

例えば、年間消費電力量(期間消費電力量)が1,100kWhの電化製品であれば、1年間の電気代は34,100円(1,100kWh×31円/kWh)です。1カ月あたりに換算すると、約2,841円(34,100円÷12カ月)となります。

消費電力が大きい電化製品

消費電力は電化製品ごとに異なります。消費電力が大きい電化製品は、使用頻度や使用時間を意識せずに使うと、電気代が高くなる点に注意しましょう。

電子レンジ

電子レンジは使用時間こそ短いものの、消費電力が1,000Wを超えるものが大半です。

パナソニックの「NE-MS4B」の消費電力は、1.42kW(1,420W)です。1日に3分間使用した場合の電気代は約2.2円で、1カ月(30日)では約66円となります。

一度に多くの食品を温めると、温め効率が下がり電力を多く消費します。食品同士の距離を適度に保ちつつ、適切な位置に置くようにしましょう。肉や魚は、自然解凍や流水解凍でレンジの使用時間を短縮します。

※出典:オーブンレンジ NE-MS4B | Panasonic

アイロン

パナソニックの衣類スチーマー「NI-FS70A」は、消費電力が950Wです。1日10分使用した場合の電気代は約4.91円で、1カ月では約147.3円になる計算です。

アイロンは、設定温度になるまでに最も多くの電力を消費するため、数日分をまとめてかけた方が電気代を節約できます。

温度設定は、低温・中温・高温の3段階が一般的です。低温・中温に適した素材から順番にアイロンがけをすることで、時短・節電につながります。

※出典:衣類スチーマー NI-FS70A | Panasonic

ジャー炊飯器

象印の「炎舞炊き NW-FC10(圧力IHタイプ)」の1回あたりの炊飯時消費電力量は151Wh、1時間あたりの保温時消費電力量を16.5Whです。1日1回使用する場合、電気代は以下の通りです。

<炊飯時>

  • 1日(1回):約4.68円
  • 1カ月:約140.4円

<保温時>

  • 1日(1時間):約0.51円
  • 1カ月:約15.3円

ジャー炊飯器は、炊飯時の消費電力が最も高いですが、保温時にも一定の電力を消費します。炊飯器の保温時間が長くなると、炊飯時と同じくらいの電気代になる場合もあります。

※出典:圧力IHタイプ NW-FC型|炎舞炊き|象印

ドライヤー

ドライヤーの消費電力は1,000~1,500W前後が一般的です。家族が多ければ、それだけ電気代がかさむため、使用頻度や時間に注意しなければなりません。

パナソニックの「イオニティEH-NE5L」は、TURBO時の消費電力が1,200Wです。1日5分間使用した場合の電気代は3.1円、1カ月では93円となります。

ただし、あくまでもTURBO時の消費電力なので、弱風モードで運転すれば電気代は抑えられます。吸水性に優れたタオルやタオルドライ手袋を使い、髪をしっかり乾かしてからドライヤーを使いましょう。

※出典:ヘアードライヤー イオニティ EH-NE5L | Panasonic

電力の消費割合が大きい電化製品

電子レンジやアイロンは、消費電力は大きいですが、使用はごく短時間です。

家の中で最も電力を消費しているのは「エアコン」「冷蔵庫」「照明」で、この3つだけで家庭の消費電力の5割以上を占めます。電気代の目安をチェックしましょう。

出典:省エネルギー政策について|省エネルギー・新エネルギー|資源エネルギー庁

エアコン

エアコンは、運転モードや使用環境によって消費電力が変動するため、期間消費電力量(年間消費電力量)から、電気代の目安を計算するのが一般的です。

三菱の「MSZ-ZW4024S(冷暖房とも主に14畳)」は、期間消費電力量が1,129kWhです。1年間の電気代は34,999円で、1カ月に換算すると約2,916.58円となります。

節電のためにスイッチを小まめに切る方がいますが、エアコンは設定温度に到達するまでの間が最も電力を消費します。日中の外出時間が30分程度であれば、「自動運転」でつけっぱなしにした方が省エネ効果は高いでしょう。

※出典:Zシリーズ | 三菱ルームエアコン 霧ヶ峰 | 三菱電機

冷蔵庫

冷蔵庫は年間を通じてつけっぱなしが基本なので、年間消費電力量から電気代を算出します。

パナソニックの「NR-FVF45S1」は、年間消費電力量が390kWhです。1年間の電気代は12,090円で、1カ月に換算すると1,007.5円となります。

節電のポイントは、冷蔵室に物を詰め込みすぎないことです。扉の開閉時間や回数は最小限に留め、冷気が逃げないようにしましょう。

容量が大きいものほど省エネ性能が高い傾向があるため、買い替えの際は一回り大きいものを選ぶのがおすすめです。

※出典:冷凍冷蔵庫 NR-FVF45S1  | Panasonic

照明

ご家庭で使われる主な照明の種類は、蛍光灯・白熱電球・LEDです。

2023年の「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」において、2027年末までに蛍光灯の製造と輸出入を廃止することが決定されたため、今後はLEDへの切り替えが進むと予想されます。

LED電球は白熱電球よりも消費電力が低く、寿命も長いのが特徴です。明るさ60形相当の白熱電球(シリカ電球)を54W、LED電球を7.4Wとして、1日8時間使用したときの電気代を比べてみましょう。

<白熱電球>

  • 1日(8時間):約13.4円
  • 1カ月(30日):約402円

<LED電球>

  • 1日(8時間):約1.84円
  • 1カ月(30日):約55.2円

以上から分かるように、白熱電球をLED電球に切り替えれば、照明の電気代を節約できます。

※出典:E26口金 パルック LED電球 プレミアX(一般電球タイプ 空間全体を照らすタイプ 60形相当・40形相当) | Panasonic

消費電力量を減らして電気代を下げるヒント

ご家庭で使用する電化製品が増えれば増えるほど、月々の電気代は高くなります。消費電力量[1] [2] を削減して電気代を抑えるには、どのような工夫が必要なのでしょうか?

生活スタイルを見直す

1つ目のポイントは、生活スタイルを見直すことです。夜遅くまでゲームをするのが習慣化している場合、パソコンやエアコン、照明を使う時間が長くなります。早寝早起きの生活スタイルに切り替えて、夜間の消費電力量を抑えましょう。

また、家族がそれぞれの部屋で過ごすより、リビングに集まった方が電化製品の稼働台数を減らせます。

同じ部屋にいながら別々のことができるように、カーテンやロールスクリーンで間仕切りをし、プライベートな空間を作るのもよいアイデアです。

スイッチオフを習慣化する

小まめなスイッチオフは節電の基本です。必要なときのみ使い、使わないときは主電源を切っておきましょう。

コンセントに接続された電化製品は、主電源をオフにしても待機電力が発生しているため、長時間使用しないときは、プラグをコンセントから抜いておくのが理想です。待機電力の節電効果はわずかですが、長い目で見るとまとまった金額になります。

Wi-Fiルーターやモデムなどのインターネット関連機器は、つけっぱなしにしておく方が便利です。エアコンは、小まめなスイッチオフが逆効果になる場合があります。

消費電力の少ない最新家電に買い替える

電化製品の省エネ性能は、10年前に比べて大きく向上しています。冷蔵庫やエアコンが10年以上前のものであれば、最新機種への買い替えをおすすめします。

製品を選ぶときは、「統一省エネラベル」をチェックしましょう。製品の省エネ性能が星の数で表示されているほか、年間の電気料金の目安も分かります。

また、環境省が運営する「しんきゅうさん」を活用すると、新旧の消費電力やランニングコストが簡単に比較できます。

※出典:統一省エネラベルが変わりました|経済産業省・資源エネルギー庁

※出典:省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」

節電に限界があると感じたときは?

電気代が高くなると、電気の使用を控える方が多いですが、省エネ・節電対策には限界があります。「無駄遣いをしていないのに、電気代が高い」というご家庭は、料金プランの変更や電力会社の乗り換えを検討するのもよいでしょう。

アンペア数や料金プランの見直しを検討

基本料金があるプランの場合、契約アンペア数の見直しで電気代が安くなります。基本料金とは、電力会社が設けている固定料金で、契約アンペア数に比例して金額が上がるのが通常です。

東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの場合、40Aでは1,247円、30Aでは935円25銭です。40Aから30Aに下げれば、1カ月あたり約300円の節約になります。

電気代が高いご家庭は、現在の料金プランがライフスタイルに合っていない可能性があります。

コンビニなどで使えるポイントを溜められたり、ガスとセットで契約することで、料金単価を下げられたりするサービスを選択するのもおすすめです。

※出典:従量電灯B・C|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社

最適なプランの選び方についてもっと詳しく知りたい方はこちら

電力会社を乗り換える手も

契約アンペア数や料金プランの変更ではなく、電力会社そのものを変える手もあります。特に、2016年4月以降に業界に参入した「新電力」は、大手電力に対抗して、お得なプランやキャンペーン、料金単価の値下げなどを行っています。

ライフスタイルや価値観に合った電力会社を選ぶことで、電気代を節約するだけでなく、地球環境や地域社会への貢献にもつながります。

エネワンでんきは、無駄のないシンプルな料金体系が強みです。毎月の電力使用量に応じた3つのプランから選べ、任意でオプションを追加できます。

エネワンでんきで電気代がいくら安くなるかシミュレーションする

省エネの第一歩は消費電力を把握すること

消費電力は電化製品を動かすために必要なエネルギー量を示しており、数値が大きいほど、たくさんの電力が必要になることを意味します。

電子レンジやドライヤーなどは、多くの電力を必要とします。エアコンや冷蔵庫は家庭に占める消費電力の割合が高いため、省エネ性に優れた機種に買い替えるのが理想です。

普段使用している電化製品の消費電力を把握することで、省エネに対する意識が高まります。電気代が高いと感じる方は、節電対策を徹底すると同時に、電気料金プランや電力会社の見直しも検討しましょう。

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