洗濯乾燥機の電気代はどのくらい?節約する方法や製品の選び方も
洗濯乾燥機の電気代はどのくらい?節約する方法や製品の選び方も
洗濯乾燥機を使用している方の中には、電気代が気になる方も多いのではないでしょうか。種類別の電気代の目安を確認し、節約を考える際の参考にしましょう。電気代がかかりやすい乾燥機能を使用する際の節約方法や、省エネを意識した製品選びのポイントも解説します。
目次
洗濯乾燥機の主な種類
洗濯乾燥機は、洗濯から乾燥まで自動で行える便利な家電ですが、その種類は主にドラム式と縦型の2つに分類されます。電気代を把握する前に、それぞれのタイプの特徴について理解しておくことが重要です。
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は、ドラムを回転させて持ち上げた衣類を上から下に落として洗う「たたき洗い」と回転させて衣類を動かす「もみ洗い」の組み合わせタイプです。投入口の位置が横にあり、大きな洗濯ものも出し入れしやすいでしょう。
縦型より少ない水の量で洗濯できるため、洗剤の濃度が高いまま洗濯でき、皮脂汚れに強いのが特徴です。また、洗濯槽の内部で衣類が絡みにくく、生地の傷みも抑えられます。
本体価格に関しては、ドラム式の方が縦型より割高です。ドラム式は機能が豊富に搭載されたモデルが多いため、どうしても価格帯が高くなってしまいます。
ドラム式の乾燥タイプは、ヒーター式とヒートポンプ式の2種類があります。製品選びの際は、乾燥タイプの違いを意識することが重要です。
ヒーター式
洗濯物を高温のヒーターで乾燥させるタイプがヒーター式です。大きく次の2種類に分かれています。
- 除湿タイプ:ヒーターで熱した空気を冷却水で結露させて排水するタイプ
- 排気タイプ:熱気を冷やさずファンで排気するタイプ
ヒーター式はヒーターで乾燥させるため、洗濯槽内の温度が80℃に達することもあります。衣類の傷みや縮みが発生しやすいことがデメリットです。また、ヒートポンプ式に比べ電気代が高くなります。
ヒートポンプ式
ヒートポンプ式は、湿気を含んだ空気を除湿し、乾いた空気を洗濯物に当てて乾燥させるタイプです。洗濯槽内の温度は60℃以下と、ヒーター式より低い温度で乾燥させるため、衣類の傷みや縮みを抑えられます。
乾燥にかかる電気代を節約できることも、ヒートポンプ式の大きなメリットです。ヒートポンプで効率良く熱交換するため、ヒーター式に比べ大幅な省エネ効果を期待できます。
ドラム式は洗濯物を回転させながら短時間でムラなく衣類を乾かせますが、低温かつ乾燥能力が高いヒートポンプなら、より衣類に優しい乾燥が実現します。
縦型洗濯機
縦型洗濯機は、パルセーター(洗濯機の底にある回転羽根)による「もみ洗い」のタイプです。洗濯槽を回転させて衣類同士をこすり合わせることにより、汚れを落とします。
縦型は固形汚れに大きな力を発揮しやすい半面、衣類の傷みや絡みが発生しやすいことがデメリットです。また、洗浄力はドラム式より縦型のほうが高いといわれますが、近年の製品はドラム式と縦型で洗浄力に大きな差はありません。
縦型とドラム式をランニングコストで比較すると、縦型のほうが電気代や水道代が高くなる傾向があります。一方、本体価格はドラム式に比べ縦型のほうが割安です。
なお、縦型洗濯機に乾燥機能も備わっている場合、ヒーター式が採用されているのが基本です。
洗濯乾燥機の電気代はどのくらい?
洗濯乾燥機の電気代を3つのパターンに分けてご紹介します。1時間あたりの電気代の計算式は次の通りです。
1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)
2024年9月現在の電力料金の目安単価は31円/kWhです。現在契約中の電力会社の電気料金単価がわかる場合は、実際の単価を当てはめて計算してみましょう。
ドラム式+ヒーター式の電気代
ドラム式+ヒーター式の洗濯乾燥機として、パナソニックの「NA-VG2800L」を取り上げます。主なスペックと洗濯乾燥にかかる1時間あたりの電気代は以下の通りです。
<主なスペック>
- 洗濯容量:10kg
- 乾燥容量:5kg
- 洗濯乾燥の目安時間:約195分(標準乾燥モード)
- 消費電力量(洗濯乾燥時、標準乾燥モード):約1,980Wh
<1時間あたりの電気代>
約1,980Wh÷1,000×31円/kWh=約61.38円
※出典:詳細情報 ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VG2800L | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
ドラム式+ヒートポンプ式の電気代
パナソニックのドラム式+ヒートポンプ式洗濯乾燥機「NA-LX125CL」を例にとり、洗濯乾燥時の1時間あたりの電気代を計算します。
<主なスペック>
- 洗濯容量:12kg
- 乾燥容量:6kg
- 洗濯乾燥の目安時間:約119分(標準乾燥モード)
- 消費電力量(洗濯乾燥時、標準乾燥モード):約960Wh
<1時間あたりの電気代>
約960Wh÷1,000×31円/kWh=約29.76円
ドラム式+ヒーター式の「NA-VG2800L」と比較すると、スペックに若干の違いはあるものの、ヒートポンプ式の「NA-LX125CL」の電気代は約半分に抑えられています。
※出典:詳細情報 ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX125CL | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
縦型+ヒーター式の電気代
縦型洗濯乾燥機の例に取り上げるのは、東芝の「AW-12VP4」です。洗濯乾燥にかかる1時間あたりの電気代を見てみましょう。
<主なスペック>
- 洗濯容量:12kg
- 乾燥容量:6kg
- 洗濯乾燥の目安時間:約210分
- 消費電力量(洗濯乾燥時):約2,850Wh
<1時間あたりの電気代>
約2,850Wh÷1,000×31円/kWh=約88.35円
同じくヒーター式を採用している「NA-VG2800L」よりも消費電力が多く、縦型はドラム式と比較して電気代が高いことがわかります。
※出典:寸法・仕様 | AW-12VP4 | 洗濯機・洗濯乾燥機 | 東芝ライフスタイル株式会社 | 東芝ライフスタイル株式会社
乾燥のみの電気代の比較
洗濯乾燥機の電気代のほとんどは、乾燥にかかる電気代です。乾燥のみ、ほかの電化製品を使用した場合、電気代は節約できるのでしょうか。
洗濯乾燥機の乾燥のみの電気代と、衣類乾燥機・布団乾燥機の電気代を比較しましょう。
洗濯乾燥機(乾燥のみ)の電気代
前述の「NA-LX125CL」を例にとると、洗濯のみの消費電力量は約68Whです。洗濯時間は約32分となっているため、洗濯のみにかかる電気代は次のように計算できます。
約68Wh÷1,000×(32÷60)時間×31円/kWh=約1.12円
また、洗濯乾燥の時間は約119分です。洗濯から乾燥までの電気代の計算式は以下のようになります。
約960Wh÷1,000×(119÷60)時間×31円/kWh=約59.02円
よって、1回の洗濯乾燥における乾燥のみの電気代は、約59.02円-約1.12円=約57.90円となります。
※出典:詳細情報 ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX125CL | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
衣類乾燥機の電気代
東芝の衣類乾燥機「ED-60A4」のタイマー乾燥(90分)機能を使って乾燥した場合の電気代を計算します。「ED-60A4」の乾燥容量は6kg、消費電力は約1,220Wです。
約1,220 Wh÷1,000×(90÷60)時間×31円/kWh=約56.73円
「NA-LX125CL」の乾燥のみの電気代とほぼ同じです。ただし、90分で乾ききらなかった場合は、「ED-60A4」のほうが電気代が高くなることになります。
※出典:寸法・仕様 | ED-60A4/ED-45A4 | 洗濯機・洗濯乾燥機 | 東芝ライフスタイル株式会社 | 東芝ライフスタイル株式会社
布団乾燥機の電気代
布団乾燥機の中には、衣類の乾燥にも使える製品があります。アイリスオーヤマの布団乾燥機「FK-W2」を2~3時間使った場合の電気代を見てみましょう。「FK-W2」の消費電力は約760Wです。
- 約760Wh÷1,000×2時間×31円/kWh=約47.12円
- 約760Wh÷1,000×3時間×31円/kWh=約70.68円
2時間で乾いた場合は、「NA-LX125CL」や「ED-60A4」より電気代を抑えられますが、3時間かかると電気代が高くなります。布団乾燥機を衣類乾燥に使う場合、衣類の量が多くなるほど乾燥にかかる時間も長くなるため、洗濯物が多いケースでは高くつくでしょう。
※出典:ツインノズル KFK-202/FK-W2|ふとん乾燥機|カラリエ|アイリスオーヤマ
洗濯乾燥機の乾燥にかかる電気代を節約する方法
洗濯乾燥機の電気代は乾燥にかかる電気代がほとんどを占めているため、乾燥を工夫すれば節約を図ることが可能です。洗濯乾燥機の乾燥にかかる電気代の節約術をご紹介します。
自然乾燥を積極的に取り入れる
前述の「NA-LX125CL」の場合、1回の洗濯乾燥における洗濯の電気代は約1.12円ですが、乾燥にかかる電気代は約57.90円です。
洗濯乾燥機の乾燥機能を使わないだけで、トータルの電気代を大幅に抑えられることになります。電気代の節約を図るなら、忙しい日や自然乾燥で乾きにくい日以外は、できるだけ外に干すようにしましょう。
最後の仕上げだけ乾燥機能を使うのも効果的です。ある程度乾いた段階で乾燥機能を30分程度使えば、菌の繁殖や生乾き臭を抑えられます。電気代の節約だけを意識するのではなく、状況に応じて乾燥機能を柔軟に活用するのがポイントです。
1回あたりの乾燥機にかける量を減らす
洗濯乾燥機で洗濯や乾燥ができる量は、製品ごとに決まっています。大量の洗濯物を無理に1回で乾燥させようとすると、完全に乾ききらない恐れがあり、再度乾かさなければなりません。
乾燥機能を使用する回数が増えるほど、電気代も高くなってしまいます。乾燥機能を使う際は規定量を守り、洗濯物が多い場合は乾燥にかける量を減らしましょう。稼働時間を減らすことで、洗濯乾燥機の長持ちにもつながります。
毎日洗濯物の量が多すぎて1回の乾燥では済まない場合、そもそも洗濯乾燥機の容量が家族の人数に合っていない可能性があります。今より大きなサイズの洗濯機への買い替えも検討するとよいでしょう。
フィルターを小まめに掃除する
洗濯乾燥機の乾燥にかかる電気代を抑えたいなら、フィルターを小まめに掃除することも大切です。乾燥フィルターが目詰まりすると、乾燥時間が長くなり電気代が上がってしまいます。
乾燥フィルターは乾燥時に衣類から出た糸くずやゴミが付着する部分です。特にドラム式は乾燥フィルターが目詰まりしやすいため、小まめにチェックする必要があります。 なお、乾燥フィルターが付いていないタイプの洗濯乾燥機は、「槽洗いコース」で洗濯槽内の糸くずやゴミを除去できるようになっているのが一般的です。メンテナンスのやり方はモデルにより異なるため、自宅で使っている製品の使い方を確認しましょう。
節約を意識して洗濯乾燥機を選ぶポイント
これから洗濯乾燥機を購入しようと考えているなら、節約を意識して選びましょう。製品を比較する際に見るべきポイントをご紹介します。
家族の人数に適したサイズかどうか
洗濯乾燥機のサイズは幅広いため、ご家庭に合ったサイズを選ぶことが重要です。世帯人数別のおすすめ洗濯容量をまとめました。
- 1人世帯:~5kg
- 2人世帯:5~7kg
- 3~4人世帯:7~12kg
容量の目安は1人あたり1日約1.5kgです。自宅に合った容量がわからない場合は、1人1日約1.5kgの目安を基準に選びましょう。
洗濯物が増えやすい子どもがいるご家庭や、週末にまとめて洗濯するご家庭は、適正容量より大きめのサイズにするのがおすすめです。
縦型とドラム式のどちらを選ぶか
縦型とドラム式には、それぞれメリット・デメリットがあります。
<縦型>
- メリット:導入コストが安い、固形汚れを落としやすい
- デメリット:電気代や水道代が高い、衣類の傷みやからみが発生しやすい
<ドラム式>
- メリット:電気代や水道代を節約できる、皮脂汚れをしっかりと落とせる、
- デメリット:導入コストが高い、広めの設置スペースが必要
何を重視するかを慎重に検討した上で、どちらにするかを決めましょう。
省エネ機能
近年の洗濯乾燥機は省エネ性能が高くなっており、さまざまな省エネ機能が搭載されています。あると便利な省エネ機能は次の通りです。
- 自動調節機能:適切な水量や運転時間を自動調整する
- 待機時消費電力ゼロ機能:洗濯乾燥が終わると電源が自動でオフになる
省エネ機能を活用するだけで、電気代を節約できる可能性もあります。古いモデルを使い続けている場合も、新しい機種への買い替えを検討してみるとよいでしょう。
電気代の節約なら電力会社の乗り換えもおすすめ
洗濯乾燥機の電気代は、乾燥を工夫することで節約しやすくなります。これから購入を検討している場合は、省エネを意識して製品を選ぶことも重要です。
また、電気代の節約を考えているなら、電力会社を変更するのもおすすめです。電気料金が安い電力会社に乗り換えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性もあります。
エネワンでんきなら電力使用量に合わせて適切なプランをお選びいただけます。電力会社の乗り換えを検討しているなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。