
洗濯機の電気代の目安は?節電・節水のポイントも詳しく解説
洗濯機の電気代の目安は?節電・節水のポイントも詳しく解説
洗濯機は日常生活に欠かせない電化製品ですが、電気代や水道代がどれくらいかかるのか、気になる方も多いでしょう。縦型・ドラム式の違いや費用の目安とともに、節電・節水につながる工夫やポイントを解説します。洗濯機を使う際の参考にしてください。
目次
洗濯機の種類と特徴

洗濯機には大きく分けて縦型とドラム式があり、それぞれ特徴や使い勝手、電気・水道代のかかり方に違いがあります。まずは両タイプの特徴やメリットなどを理解しておきましょう。
縦型洗濯機
縦型洗濯機は日本で最も普及しているタイプで、水を多く使い、衣類を上下にかき混ぜて洗うタイプです。洗浄力が高く、泥汚れや皮脂汚れなども落ちやすいことから、日常的に多様な洗濯物を扱うご家庭に適しています。
価格も比較的安く、乾燥機能は非搭載またはオプションの機種が多いものの、ランニングコストは抑えやすいのが特徴です。設置スペースが限られているご家庭でも導入しやすく、一人暮らしの世帯にもおすすめです。
ただし、ドラム式に比べて使用する水の量が多くなる傾向があり、その分水道代がかさむ場合があります。また、乾燥機能が搭載されているモデルでも、電気代や乾燥時間はドラム式よりも多くかかるのが一般的です。
ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は横向きに配置されたドラムが回転し、衣類を持ち上げて落とす「たたき洗い」の方式で洗浄します。少ない水で効率的に洗えるため、水道代を抑えられるのが大きな魅力です。
さらに乾燥機能の性能が高く、特にヒートポンプ乾燥を採用している機種では、省エネ性にも優れています。一方で、縦型に比べて本体価格が高く、設置にある程度のスペースが必要となる点は、注意が必要です。
また、縦型に比べて泥汚れなどにやや弱い傾向があり、日常の衣類中心の洗濯には向いていますが、作業着や部活のユニフォームを頻繁に洗う家庭では物足りなさを感じることもあります。
水道代や乾燥機能の利便性を重視する家庭におすすめですが、電気代が高くなりがちなので、以下で説明するポイントを意識して節電を心掛けましょう。
洗濯機の電気代の目安【タイプ別】

洗濯機にかかる電気代は、縦型とドラム式の構造や機能の違いによって変わります。使用回数や乾燥機能の有無も影響するため、一般的な計算方法と目安を理解しておきましょう。
電気代の計算方法
洗濯機をはじめ、電化製品にかかる電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電力単価(円/kWh)」の式で計算できます。
例えば、消費電力が500W(0.5kW)の洗濯機を1時間使用したとして、電力単価が31円/kWhの場合、電気代は「0.5kW×1h×31円=15.5円」となります。
また、「使用電力量(kWh)×電力単価(円/kWh)」で算出する方法も一般的です。1回の洗濯で0.5kWhを消費する機種であれば、「0.5kWh×31円≒15円」と計算できます。
なお洗濯機の場合、乾燥機能を併用すると消費電力は数倍に増えてしまいます。計算する際には、洗濯のみの場合と、乾燥の時間を含める場合とを分けて考えることが大事です。
縦型洗濯機にかかる電気代
縦型洗濯機の代表例として、パナソニックの「NA-FA10H3-N」の電気代を計算してみましょう。
公式サイトによると、同製品の消費電力は385Wであり、一度の洗濯にかかる時間は37分が目安です。電力単価を31円/kWhとして電気代を計算すると、1回の洗濯にかかる電気代は以下のように計算できます。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力単価(円/kWh)=0.385×0.617×31≒7.36円
よって、1回の洗濯で約7.4円の電気代がかかることが分かります。仮に1日1回使用した場合、月額で約220円、年間では約2,700円程度の負担となります。
縦型洗濯機はドラム式に比べ電気代は安く抑えられる傾向にありますが、その一方で水の使用量が多いため、水道代とのバランスも考慮しましょう。
※出典:概要 縦型全自動洗濯機 NA-FA10H3 | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
ドラム式洗濯機にかかる電気代
次に、ドラム式洗濯機の代表例として、パナソニックの「NA-LX127DL-W」の電気代を確認してみましょう。同製品の仕様によると、洗濯時・乾燥時の電気代は次の通りです。
- 洗濯のみの場合(定格洗濯時):電気代(円)=消費電力量(kWh)×電力単価(円/kWh)=0.068×31≒2.1円
- 洗濯乾燥(標準乾燥モード):電気代(円)=消費電力量(kWh)×電力単価(円/kWh)=0.89×31≒27.6円
- 洗濯乾燥(省エネ乾燥モード):電気代(円)=消費電力量(kWh)×電力単価(円/kWh)=0.62×31≒19.2円
したがって、洗濯のみの場合は1回で約2.1円の電気代で済みます。一方、乾燥機能を利用する場合、1回の使用でも約20~28円の電気代がかかるため、乾燥機能を使う際には注意が必要です。
必要に応じて省エネモードを選んだり、天日干しや部屋干しと組み合わせたりすることで、電気代の負担を抑えましょう。
※出典:概要 ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX127DL/R | 洗濯機・衣類乾燥機 | Panasonic
洗濯機の水道代はどのくらい?

洗濯機は電気だけでなく水道も使用するため、水道代がどの程度かかるか知っておくことも重要です。縦型とドラム式では使用水量に大きな差があり、日常的な使い方に直結するので、計算方法やタイプごとの目安を確認しておきましょう。
水道代の計算方法
水道代は、標準使用水量(m³)に水道料金(円/m³)を掛けて算出します。東京23区の場合は使用量に応じた累進制で、6~10m³は22円/m³・11~20m³は128円/m³・21~30m³は163円/m³など、段階的に上がる仕組みになっています。
このため、使用量が少ないうちは比較的安価に収まりますが、家族が多い家庭やまとめ洗いをする場合には料金単価が高い区分に該当しやすくなります。
さらに、自治体によって料金設定や下水道使用料の有無が異なるため、同じ水量でも地域差が生じるので注意しましょう。なお、洗濯機の消費電力や電気代に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
※出典:水道料金・下水道料金の計算方法(23区)|料金ガイド|東京都水道局
縦型洗濯機の水道代の目安
縦型洗濯機は一般的に、1回あたり約80~100リットル(0.08~0.1m³)の水を使用します。東京都の料金体系で計算すると、1回の洗濯にかかる水道代は約1.8~2.2円が目安です。
これは1回ごとの負担としては大きくはありませんが、毎日使用すれば月間で50~70円、年間では数百円規模となり、積み重なると無視できない金額になります。
特に、縦型洗濯機はドラム式に比べて必要な水量が多い傾向があるため、電気代だけでなく水道代の観点からも、効率的な使い方を意識することが重要です。
ドラム式洗濯機の水道代の目安
ドラム式洗濯機は少量の水で効率的に洗える設計となっており、一般的に1回あたり約50~70リットル(0.05~0.07m³)の水量で洗濯できます。
東京都の料金体系を適用すると、1回の洗濯での水道代は約1.1~1.5円で済み、縦型よりも節水効果が高いのが特徴です。
ただし上記のように、乾燥機能を頻繁に使うと電気代が大きく増えてしまいます。トータルコストの負担が増大する可能性があるので、節水と省エネのバランスを意識しながら、日々の使い方を工夫しましょう。
洗濯機の電気代を抑えるポイント

洗濯機の電気代を効果的に削減するには、基本的な使い方を見直すことが重要です。ちょっとした工夫や習慣づくりで、年間数千円以上の節約効果を得られる可能性があります。
以下のポイントを意識して、家計への負担を軽減しながら環境にも優しい使い方を心掛けましょう。
まとめ洗いで使用回数を減らす
洗濯機の電気代を抑える最もシンプルな方法は、使用回数を減らすことです。1回の洗濯にかかる電気代は大きくはありませんが、毎日の積み重ねで年間の費用は大きくなります。
数日に一度まとめて洗うようにすれば、全体の使用回数が減り、電気代や水道代の節約につながります。
ただし、容量を超える量を無理に洗うと洗浄力が低下したり、故障の原因になったりするため、注意が必要です。家族の生活リズムに合わせて、無理のない範囲でまとめ洗いを取り入れることで、効率的に電気代・水道代を抑えましょう。
省エネモードやスピードコースを活用する
多くの洗濯機には、省エネモードやスピードコースなどの機能が搭載されています。これらを活用することで消費電力量を抑えつつ、洗濯の効率化が可能です。
例えば、軽い汚れの衣類や少量の洗濯物であれば、長時間の標準コースよりも、スピードコースの方が電気代を削減できます。
また、省エネモードは少し時間がかかることもありますが、全体の消費電力を抑えられるため、節約意識の高いご家庭におすすめです。
乾燥機能の使い方を工夫する
ドラム式洗濯機の乾燥機能は便利ですが、電気代の大部分を占める要因にもなります。電気代を抑えるためには、乾燥機能を必要なときだけ使うことが大切です。
例えば、梅雨時や急ぎで乾かしたいときは乾燥機能を使い、晴天時は天日干しや室内干しを併用することで、電気代を大幅に節約できます。
また、乾燥前にしっかり脱水をすることで乾燥時間を短縮でき、消費電力の削減につながります。半乾きの状態で取り出して、後は自然乾燥に切り替えるのもおすすめです。
なお、ドラム式のヒートポンプ乾燥を備えた機種を選べば、より省エネ効果を高められるので、洗濯機の買い替えを検討しているなら、導入を考えてみましょう。
洗剤の量にも注意する
洗剤を入れ過ぎると泡切れが悪くなり、余分なすすぎが必要となるため、結果的に電気代や水道代が増えてしまうので注意しましょう。適量の洗剤を使用することは、洗濯の効率を高めるだけでなく、光熱費の節約にもつながります。
最近では、少量で高い洗浄力を発揮する高濃度洗剤や、ジェルボールタイプの洗剤も普及しているので、積極的に利用するとよいでしょう。洗剤の使用量は取扱説明書や洗剤のパッケージに記載された目安を守りつつ、うまく調整することが大切です。
最新の製品に買い替える
古い洗濯機は消費電力量が多く、省エネ性能に劣る場合があります。最新の洗濯機は省エネ基準を満たした設計がされており、同じ容量でも電気代を抑えられる傾向があります。
特に10年以上前の機種を使用している場合は、買い替えにより年間の電気代・水道代を、数千円単位で削減できるケースも珍しくありません。
古い機種は買い替えを検討しましょう。最新機種は衣類に優しい洗浄方法や乾燥性能の向上など、利便性や仕上がりの面でも優れています。
定期的に清掃・メンテナンスをする
洗濯機は使用し続けていると、内部に汚れやカビがたまりやすく、運転効率が低下して無駄な電力を消費することがあります。定期的に槽洗浄をしたり、フィルターを清掃したりすることで、洗濯機の性能を維持することが大切です。
また、排水フィルターや給水ホースの詰まりも運転に影響を与えるため、こまめな点検が欠かせません。
清掃やメンテナンスを習慣化すれば、電気代や水道代の無駄を防げるだけではなく、洗濯機を長持ちさせることもできます。修理や買い替えコストの削減にもつながるでしょう。
洗濯機の水道代を抑えるポイント

洗濯機の水道代を抑えるには、電気代を抑えるポイントと同様に、洗濯物をまとめて洗い、使用回数を減らすのが基本です。縦型より少量の水で洗えるドラム式洗濯機を導入したり、洗濯コースや水量設定を適切に選んだりするのもよいでしょう。
また、すすぎの回数を必要以上に増やさず、洗剤の量を適正にすることで、水の無駄遣いを防げます。雨の日には部屋干しや浴槽の残り水を活用して洗濯するなど、日常生活で節水の工夫を重ねることが大切です。
加えて、定期的に洗濯槽の掃除をして、詰まりや汚れを防ぎましょう。適正な水量で効率的に洗濯できるようになり、水道代の削減につながります。
電気料金プランや電力会社の変更も検討しよう

洗濯機の電気代・水道代は、製品のタイプや使い方などで差が出ますが、まとめ洗いや省エネ機能の活用、乾燥機能の工夫などで効率よく節約が可能です。
さらに、電気料金プランや電力会社の見直しも組み合わせれば、ライフスタイルを変えずに日常の洗濯コストを抑えられます。
時間帯別の料金プランや、より安価な電力会社への変更により、洗濯や乾燥の電気代を大幅に削減できる可能性があるので、この機会にぜひ検討してみましょう。
エネワンでんきなら電力使用量に合わせて適切なプランをお選びいただけます。電力会社の乗り換えを検討しているなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。
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エネワンでんき編集部
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