水槽ヒーターの電気代はどのくらい?水槽サイズ別の電気代を解説

水槽ヒーターの電気代はどのくらい?水槽サイズ別の電気代を解説

水槽ヒーターの電気代はどのくらい?水槽サイズ別の電気代を解説

水槽ヒーターは熱帯魚の飼育に欠かせない器具ですが、1日中つけっぱなしで使うため、電気代が気になる方も多いでしょう。本記事では、水槽サイズごとの電気代の目安を解説します。小型から大型まで、さまざまな水槽に対応した電気代の計算方法や節約のコツもご紹介します。

目次

1.水槽ヒーターとは

 1-1.水槽内の水を加熱する装置

 1-2.水槽ヒーターの重要性

2.水槽ヒーターの種類

 2-1.水槽ヒーターとサーモスタットの一体型

 2-2.水槽ヒーターとサーモスタットの別売り型

 2-3.オートヒーター

 2-4.パネルヒーター

 2-5.インラインヒーター

3.水槽ヒーターの電気代はどのくらい?

 3-1.【水槽サイズ別】水槽ヒーターの電気代の目安

4.水槽ヒーター以外の器具と電気代

 4-1.フィルター

 4-2.照明

 4-3.エアレーション

 4-4.水槽クーラー

5.水槽ヒーターの電気代を節約する方法

 5-1.水槽に合ったヒーターを選ぶ

 5-2.水槽を温かい場所に置く

 5-3.断熱シートや天板を活用する

6.水槽ヒーターの電気代は工夫次第で節約可能

水槽ヒーターとは

アクアリウムで熱帯魚を飼育する際に必須の器具が水槽ヒーターです。具体的にどのような装置なのか、役割や重要性について解説します。

水槽内の水を加熱する装置

水槽ヒーターとは、水槽内の水温を上げる装置のことです。基本的には水槽の中に入れて水を加熱し、熱帯魚が住みやすい環境をつくるために水を温める役割を担います。

水槽ヒーターはサーモスタットと一緒に使うのが基本です。水温を感知できるサーモスタットと併用することで、常に一定の水温を保ちやすくなります。

水槽ヒーターの重要性

熱帯地域に生息する熱帯魚にとって、快適に過ごせる水温は約22~30℃です。日本では寒い時期になると水槽内の水温が下がるため、水を加熱する水槽ヒーターが欠かせません。

また、水槽ヒーターを使うことで、場所を問わず水槽を置けるようになります。水槽内の水温は室温に左右されやすくなりますが、水槽ヒーターがあれば水槽をどこに置いても一定の水温を保つことが可能です。

水槽ヒーターは魚の体調管理にも大きな影響を及ぼします。魚がかかりやすい一部の疾患は、水温を上げることで治療できる可能性があるのです。

水槽ヒーターの種類

水槽ヒーターにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。代表的な5つの水槽ヒーターの特徴を把握し、製品選びの参考にしましょう。

水槽ヒーターとサーモスタットの一体型

水槽ヒーターにサーモスタットが内蔵されているタイプは、水温を細かく調整でき、魚にとってより快適な環境をつくれます。それぞれが一体型となっているため、簡単に扱えることもメリットです。アクアリウム初心者に向いています。

ただし、ヒーターとサーモスタットのいずれかが故障した場合、丸ごと買い替えなければなりません。故障時のコストが高くなる点がデメリットです。

水槽ヒーターとサーモスタットの別売り型

水槽ヒーターとサーモスタットを個別に購入するパターンは、自分好みの組み合わせにできることがメリットです。大型水槽で複数のヒーターを同時に使いたい場合も、別売り型を選ぶとよいでしょう。

デメリットとしては、個別に購入するため初期費用が割高になることや、配線が多くなり美観を損ねやすいことが挙げられます。一体型と勘違いしてヒーターを使うと水温が上昇しすぎる点にも注意が必要です。

オートヒーター

特定の水温があらかじめ設定されているタイプがオートヒーターです。熱帯魚に適した26℃や金魚・メダカに適した18℃・23℃などに固定されています。

電源を入れるだけで設定温度を保てるため、管理を楽にしたい場合におすすめです。設定温度以外の温度に変更できないことや、大型のものが多いため見た目に影響しやすいことに注意しましょう。

パネルヒーター

パネルヒーターは水槽の下に敷いて使うタイプです。水中に入れないため安全性が高いほか、水槽内の景観を損ねないメリットもあります。一般的な水槽ヒーターが入らない小型の水槽で使うのもおすすめです。

パネルヒーターのデメリットとしては、温度調整が難しいことが挙げられます。水槽の外から加熱するため、水温を小まめにチェックしなければなりません。温度調整が可能なタイプもありますが、調整できるのはあくまでもヒーター自体の温度です。

インラインヒーター

インラインヒーターもパネルヒーターと同様、水槽の外に設置するタイプです。専用の配管を通して水槽内の水を循環させ、水温を調整します。

水槽内のスペースを広く確保できることや、魚がぶつかってケガをするリスクがないことがメリットです。ただし、取り扱っているメーカーが少なく、導入費用も割高になる傾向があります。

水槽ヒーターの電気代はどのくらい?

水槽ヒーターにかかる電気代は、水槽のサイズによって変わります。一般的な水槽ヒーターの電気代の目安を、水槽サイズごとに見ていきましょう。

水槽サイズごとの電気代目安

水槽ヒーターはW数で種類が分かれており、それぞれに適した水槽サイズがあります。水槽サイズごとに適した水槽ヒーターのW数と、W数から算出した電気代の目安をまとめました。

1時間あたりの電気代の計算式は、「消費電力(kW)×料金単価(円/kWh)」です。また、電気料金の目安単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWhです。1日の電気代は24時間稼働を想定し計算しています。

水槽サイズ水槽ヒーターにかかるW数水槽ヒーターの1時間あたりの電気代水槽ヒーターの1日(24時間)あたりの電気代
超コンパクト(約4Lまで)10W0.01kW×31円/kWh=約0.31円/h0.31円/h×24h=約7.44円/日
コンパクト(約8Lまで)20W0.02kW×31円/kWh=約0.62円/h0.62円/h×24h=約14.88円/日
Sサイズ(約10~12L)36W0.036kW×31円/kWh=約1.12円/h1.12円/h×24h=約26.88円/日
Mサイズ(約15~18L)55W0.055kW×31円/kWh=約1.71円/h1.71円/h×24h=約41.04円/日
Lサイズ(約20~23L)80W0.08kW×31円/kWh=約2.48円/h2.48円/h×24h=約59.52円/日
45cm水槽スリムタイプ(約17L)55W0.055kW×31円/kWh=約1.71円/h1.71円/h×24h=約41.04円/日
45cm水槽スタンダードタイプ(約35L)120W0.12kW×31円/kWh=約3.72円/h3.72円/h×24h=約89.28円/日
60cm水槽スリムタイプ(約26L)80W0.08kW×31円/kWh=約2.48円/h2.48円/h×24h=約59.52円/日
60cm水槽スタンダードタイプ(約57L)160W0.16kW×31円/kWh=約4.96円/h4.96円/h×24h=約119.04円/日
90cm水槽スリムタイプ(約88L)220W0.22kW×31円/kWh=約6.82円/h6.82円/h×24h=約163.68円/日
90cm水槽スタンダードタイプ(約150L)300W0.3kW×31円/kWh=約9.3円/h9.3円/h×24h=約223.2円/日
120cm水槽スタンダードタイプ(約205L)300W×20.6kW×31円/kWh=約18.6円/h18.6円/h×24h=約446.4円/日

水槽の容量がわからない場合は、メーカーのWebサイトで確認しましょう。「容量(L)=縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷1,000」の計算式でも導き出せます。

※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

※出典:これで分かる!水槽用ヒーターのワット数と水槽サイズの関係 | ジェックス株式会社

水槽ヒーター以外の器具と電気代

アクアリウムでは水槽ヒーター以外にもさまざまな器具を使用します。実際に販売されている製品を器具ごとにピックアップし、電気代の目安をご紹介します。

フィルター

フィルターは水槽内の水から不純物を取り除く装置です。フィルターの働きは、目に見える不純物を物理的に除去する「物理ろ過」と、バクテリアの働きにより有害物質を分解する「生物ろ過」に大きく分けられます。

また、フィルターは設置方法や水の流れなどにより、次の7つのタイプに分類できます。

  • 上部式フィルター:水槽の上に直接載せるタイプ
  • 外部式フィルター:ポンプとろ過槽の一体型ケースを水槽の外に置くタイプ
  • 内部式フィルター:ポンプとろ過槽の一体型ケースを水槽内に置くタイプ
  • 外掛け式フィルター:水槽の背面または側面に設置するタイプ
  • スポンジフィルター:スポンジをろ材としてろ過するタイプ
  • 投げ込み式フィルター:ウールや活性炭が入ったケースでろ過するタイプ
  • 底面式フィルター:底砂の下に埋めたパネルでろ過するタイプ

EHEIMの商品である「エーハイム クラシック2213」を例に、電気代を見ていきましょう。

製品名:エーハイム クラシック2213 ろ材付きセット

  • 適合水槽:45~75㎝水槽(約40~114L)
  • 1カ月あたりの電気代:約97円(50Hz)、約117円(60Hz)

フィルターの電気代は機種により異なりますが、一般的に月額100円前後です。購入価格は小型の内部フィルターで1,000円台から、大型の外部フィルターでは2万円以上のものまであります。

※出典:EHEIM|エーハイム クラシック2213ろ材付きセット | 外部式フィルターの元祖、エーハイム

照明

照明には水槽を明るく照らす役割があります。昼夜の再現や水草の育成にも必要な装置です。主にLED・蛍光灯・メタルハライドランプの3タイプがあります。

以下の製品を例に、1カ月あたりの電気代を見ていきましょう。

製品名:ZENSUI MULTI COLOR LED Ⅱ

※LEDタイプ

本体サイズごとの1カ月あたりの電気代の目安:

  • W450×D68×H24mm:約130円
  • W600×D68×H24mm:約180円
  • W900×D68×H24mm:約270円
  • W1200×D68×H24mm:約360円

※出典:ZENSUI MULTI COLOR LED Ⅱ | ゼンスイ株式会社

照明の電気代は種類やサイズにより変動しますが、LEDタイプなら月額100~400円程度です。購入価格はLED照明で5,000円~数万円程度、蛍光灯タイプで3,000円~1万円前後が一般的です。

購入価格はLEDの方が高めですが、LEDの方が寿命が長く、電気代も抑えられます。

エアレーション

エアレーションは水中に酸素を送り込む装置です。アクアリウムに必須の装置ではありませんが、魚を早く大きく育てたい場合は導入を検討してもよいでしょう。

エアレーションの一月あたりの電気代は以下のようになります。

製品名:水心シリーズ

1カ月あたりの電気代:

  • 水心SSPP-2S(60~120cm水槽用):約58円(50Hz)、約52円(60Hz)
  • 水心SSPP-3S(45~60cm水槽用):約49円(50Hz)、約41円(60Hz)
  • 水心SSPP-7S(30~45cm水槽用):約31円(50Hz)、約27円(60Hz)

エアレーションの電気代は月額30~60円程度と比較的安価です。購入価格はエアーポンプ単体で1,000円~5,000円程度、エアーストーンなどの付属品を含めると6,000円~1万円程度になります。初期費用も運用コストも低く、導入しやすい機器です。

※出典:水心シリーズ | 魚づくりは水作り|水作株式会社

水槽クーラー

水槽クーラーは水の温まりすぎを防ぐ装置です。水温維持が必要な水槽でよく使われます。水槽ヒーターと併用することで、より正確な水温に調整しやすくなるでしょう。

ゼンスイ社の「ZCシリーズ」から、一月あたりの電気代について解説します。

製品名:ZCシリーズ

1カ月あたりの電気代:

  • ZC-100α(冷却水量目安100L):約570円(50Hz)、約672円(60Hz)
  • ZC-200α(冷却水量目安200L):約1,122円(50Hz)、約1,260円(60Hz)
  • ZC-500α(冷却水量目安450L):約924円(50Hz)、約1,062円(60Hz)
  • ZC-700α(冷却水量目安650L):約1,302円(50Hz)、約1,404円(60Hz)

※冷却水量目安はクーラー周囲温度30℃、設定温度25℃の場合

水槽クーラーは電気代が高く、月額1,000円前後かかることも珍しくありません。購入価格も2万円~10万円以上と高額です。しかし、熱帯魚の健康維持には欠かせない場合があり、適切な水温管理のためには重要な投資となります。

※出典:ZCシリーズ | ゼンスイ株式会社

水槽ヒーターの電気代を節約する方法

水槽のサイズやヒーターの数によっては、電気代がかさみやすくなります。以下に挙げる3つのポイントを意識し、水槽ヒーターの電気代を抑えてみましょう。

水槽に合ったヒーターを選ぶ

水槽ヒーターを比較する際は、水槽のサイズに合った製品を選ぶことが重要です。前述した表を参考に、水槽サイズに適したW数のヒーターを選びましょう。

適用容量以下のヒーターでは水が温まりにくくなり、余計な電気代がかかってしまいます。逆に、水槽サイズに対するW数が大きすぎても、無駄な電力を消費することになります。

水槽を温かい場所に置く

水槽はエアコンの暖房が効いている場所に置くのがおすすめです。室温に合わせて水槽の水温もある程度高くなっているため、ヒーターの稼働時間を短縮できます。

日当たりの良い場所に置くのも水温を上げるのに効果的ですが、直射日光が当たると水温が上がりすぎるリスクがあることに注意しましょう。

断熱シートや天板を活用する

水は蒸発するときに熱が奪われる性質があります。水槽の水の蒸発を抑えられれば、水温の低下を抑えることが可能です。

断熱シートや天板を活用し、水槽を囲んで水の蒸発を抑えることで、保温効果が高まり、ヒーターの電気代の節約につながるでしょう。

特に冬場は空気が乾燥しやすいため、水の蒸発も進みやすくなります。水槽に天板を載せて隙間をなくすだけでも、保温効果の向上を期待できます。

水槽ヒーターの電気代は工夫次第で節約可能

水槽ヒーターの電気代は水槽のサイズによって変わります。水槽のサイズに合った製品を選べば、電気代を抑えやすくなるでしょう。水槽を温かい場所に置いたり、断熱シートや天板を活用したりする方法も効果的です。

電気代の節約を考えているなら、電力会社の変更も検討してみましょう。電気料金が安い電力会社に乗り換えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性もあります。

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