
暖房の設定温度25度は適切?快適に過ごすコツや適切な設定温度とは
暖房の設定温度25度は適切?快適に過ごすコツや適切な設定温度とは
エアコン暖房の効きが悪い場合、設定温度を25度程度にしている方もいるのではないでしょうか。推奨される暖房時の室温は20度とされており、設定温度25度は高めといえるでしょう。暖房が効きにくい理由や設定温度25度でも寒い場合の対策を解説します。
目次
暖房の設定温度25度は適切?

今まで特にエアコンの設定温度を意識していなかった場合は、暖かくなるまで暖房の設定温度を上げていたのではないでしょうか。しかし、推奨室温を考慮すると、設定温度25度は高めといえます。
そもそもエアコンの設定温度とは何なのか、環境省が推奨する暖房時の室温や設定温度と電気代の関係も併せて解説します。
そもそもエアコンの設定温度とは?
エアコンの設定温度は、部屋を冷やしたり暖めたりする際の目標温度のことです。室温が設定温度に達すると、エアコンは自動的に運転を調整し、設定温度を維持しようとします。
例えば、暖房の設定温度を25度にした場合、エアコンは部屋の温度が25度になるように調整します。エアコンから25度の風が出るわけではなく、室温25度を目指してそのときの状況に応じた温度の風が出るのです。
設定温度と実際の室温は、部屋の状況や湿度、個人の体感によって異なる場合があります。例えば、寒い時期に窓を開けたまま暖房の設定温度を25度にしても、窓から冷たい空気が入ってくるためいつまで経っても室温が25度にはならないでしょう。
環境省が推奨する暖房時の室温は20度
環境省が呼びかけている「ウォームビズ」では、暖房時の推奨室温を20度としています。ウォームビズは地球温暖化対策の一つであり、暖房時のエネルギー使用量を削減することでCO2の発生を減らそうという取り組みです。
ウォームビズの推奨室温20度はあくまでも室温であり、暖房の推奨設定温度ではありません。また、近年の断熱性に優れた建物では暖房なしで室温が20度を超えることもありますが、その場合も無理に冷房で室温を20度にする必要はないとしています。
できるだけ暖房に頼らない生活を心掛けることもウォームビズのポイントです。暖房なしで過ごせるなら暖房をつけない、設定温度を上げるのではなく体感温度が上がるように工夫するなど、ウォームビズではエネルギー消費の無駄を防ぐためのヒントを示しています。
エアコン暖房利用者の一般的な設定温度は22~25度
パナソニックが「エオリア」利用者を対象に実施した調査によると、2022年におけるエアコン暖房利用者の設定温度は、22~25度がボリュームゾーンです。また、調査期間内の平均室温は約22度となっています。
このことから、エアコン暖房利用者の一般的な設定温度はやや高めであり、実際の室温も環境省の推奨室温20度より高いことがわかります。
暖房の設定温度のボリュームゾーンが22~25度、期間内の平均室温が約22度ということは、環境省の推奨室温20度を目指せば設定温度をもう少し下げられる余地があるといえるでしょう。
設定温度と電気代の関係
財団法人省エネルギーセンターの調査によると、エアコンの設定温度を1度緩和した場合、暖房利用時で約10%、冷房利用時には約13%の電力消費量の削減を図れます。エアコンにかかる電気代が気になるなら、暖房時の設定温度をできるだけ上げないことが重要です。
また、エアコンの消費電力は電源を入れてから設定温度に達するまでの間が最も大きくなります。冬は夏より外気温と設定温度の差が大きくなる傾向があり、設定温度に達するまでの時間も長くなりやすいため、冷房より暖房のほうが電気代が高くなるのです。
設定温度と電気代の関係を理解した上で、エアコンの電気代の節約術を実践し、快適に過ごしながら賢く電気代を抑えていきましょう。
※出典:エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
エアコンの電気代の節約術についてもっと詳しく知りたい方はこちら
暖房の設定温度を25度にしても寒い理由

エアコンの設定温度を上げても部屋がなかなか暖かくならないのには、いくつかの理由が考えられます。暖房の設定温度を25度にしても寒い理由を把握し、寒さ対策を考える際の参考にしましょう。
部屋から熱が逃げやすい構造になっている
熱は温度が低い場所へ移動する性質を持つため、断熱性が低い建物では部屋から熱が外へ逃げやすくなります。エアコン暖房で室温を上げても、窓・屋根・床・壁などから暖かい空気が流れ出てしまうのです。
特に窓からの熱の流出量はほかの場所より多く、断熱性の低い窓からは室内の熱の50%以上が外へ逃げてしまうといわれています。部屋の断熱性を高める場合は、窓の断熱対策を重点的に行うことが大切です。
また、暖かい空気は上のほうに移動する性質があるため、天井が高い建物や吹き抜けがある建物で空調設計が不十分だと、床の近くが冷えてしまいやすくなります。
湿度が低い
体感温度に大きな影響を与える要素の一つが湿度です。湿度が高いと汗が蒸発しにくく体温が下がりにくいため、実際の気温よりも暑く感じます。逆に湿度が低いと、汗が蒸発しやすく体温が下がりやすいため、実際の気温よりも涼しく感じます。
一般的に、室内で快適に過ごせる湿度の目安は40~60%です。ただし、湿度が10%上がれば体感温度は1度上がるとされており、室温が20度でも湿度が40%だと肌寒く感じやすくなります。室温が20度の場合は、湿度を50%まで上げれば快適に過ごせる環境になるでしょう。
暖房の設定温度が25度でも寒い場合の対策

部屋の温度については、工夫次第で暖かさを保つことが可能です。暖房の設定温度を25度に上げてもまだ寒い場合は、以下に挙げる対策を試してみましょう。室温を暖かいまま一定にキープできれば、電気代の節約にもつながります。
エアコンのフィルターを掃除する
室温がなかなか上がらない原因の一つに、エアコンのフィルターが汚れていることが挙げられます。フィルターが目詰まりしていると暖房効率が下がり、設定温度を保つために余計な電力を消費してしまうのです。
使用頻度は環境によって異なりますが、一般的には2週間に1回程度の掃除が推奨されます。自動お掃除機能付きのエアコンでも、フィルターに油分・水分・タバコのヤニなどが付着している場合は、定期的な手入れが必要です。
エアコンのフィルターを掃除する手順を確認しておきましょう。
- 電源を切りコンセントからプラグを抜く
- 前面パネルを開ける
- 掃除機でホコリを吸い取る
- フィルターを取り出して水洗いする
- 汚れがひどい場合は中性洗剤で洗う
- しっかりと乾燥させる
- フィルターを取り付ける
サーキュレーターを活用する
サーキュレーターを暖房と併用すると、部屋の空気を循環させて温度ムラを解消し、暖房効率を高める効果があります。設定温度を下げても快適に過ごせるようになり、節電にもつながるでしょう。
暖かい空気は上に溜まりやすく、冷たい空気は下に溜まりやすい性質があります。サーキュレーターを部屋の中央に設置し、天井に向けて風を送ることで、部屋全体の空気を循環させることが可能です。
室内の湿度を高める
湿度が上がると体感温度も上がるため、エアコン暖房を使う際は加湿器も併用しましょう。加湿器を置くのに最適な場所は、部屋の中央や空気の流れが良い場所です。エアコンと併用する場合は、エアコンの真下も効果的です。
超音波式やスチーム式を使う場合、水の粒子が大きく下に落ちてきやすいため、床に直接置かないようにしましょう。また、加湿された空気が窓に当たると結露になることから、窓から離して置くことも重要です。
窓の断熱性を高める
建物全体の断熱性を高めるためには、窓を重点的に対策することが大切です。窓に断熱対策を施せば、窓から室外に逃げる熱の量を減らせるため、快適に過ごせるようになります。具体的な方法には次のようなものがあります。
- 断熱シートを貼る
- 隙間テープを貼る
- プチプチ(緩衝材)を貼る
- 厚手のカーテンを取り付ける
これらの方法を組み合わせて行うことで、より効果的に窓からの冷気を防ぎ、暖かい空気を逃がさないようにすることができるでしょう。
自動運転機能を使う
エアコンの自動運転機能を使うと、設定温度に達するまでの時間が最短になり、達した後もエアコンが自動で風量を調節してくれます。
自動運転では最初に強風が出ますが、これはできるだけ早く設定温度に達するための動作です。電気代を気にして微風や弱風にしがちですが、微風や弱風にすると設定温度に達するまでの時間が長くなり、余計な電力を消費してしまうことになります。
室内がなかなか暖まらない場合や、エアコンの電気代を節約したい場合は、自動運転機能を活用するようにしましょう。
室外機の周囲を片づける
エアコンの室外機は、冷房時には室内から取り込んだ熱を屋外に放出し、暖房時には屋外から熱を取り込んで室内を暖める役割を担っています。室内機と連携して空気中の熱を移動させ、部屋の温度を快適に保つ重要な設備です。
室外機の周囲に物を置くと、空気の流れが妨げられて暖房の効率が低下します。室外機の周りは常に整理し、特に吸込口や排出口の周りには物を置かないようにしましょう。室外機の周りに雑草が生えている場合も、定期的に取り除く必要があります。
また、室外機のフィンやファンにホコリやゴミが溜まることでも、暖房効率が低下します。定期的に掃除機でホコリを吸い取ったり、柔らかいブラシで汚れを落としたりしましょう。
暖房の設定温度は25度より低めにしよう

暖房の設定温度を25度にしても、環境や部屋の条件によっては室内が十分に暖まらないことがあります。サーキュレーターや加湿、断熱対策などを組み合わせれば、設定温度を高くせずとも快適に過ごすことが可能です。
環境省が推奨する暖房利用時の室温は20度です。この温度を目安に自分が快適に過ごせる温度を設定し、電気代と快適さのバランスを意識しながら寒い冬を乗り切っていきましょう。
また、電気代の節約を考えているなら、電力会社を変更するのもおすすめです。電気料金が安い電力会社に乗り換えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性もあります。
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エネワンでんき編集部
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