遠赤外線ヒーターの電気代はどのくらい?種類ごとの目安や節約方法

遠赤外線ヒーターの電気代はどのくらい?種類ごとの目安や節約方法

遠赤外線ヒーターの電気代はどのくらい?種類ごとの目安や節約方法

遠赤外線ヒーターは、寒い時期にスポット暖房として活躍してくれる暖房器具です。電気代の目安や種類ごとの特徴を押さえておけば、自宅に適したものを選びやすくなるでしょう。遠赤外線ヒーターの種類別の電気代や特徴、節約のポイントについて解説します。

目次

1.遠赤外線ヒーターとは

 1-1.輻射熱で人の体を温める暖房器具

 1-2.遠赤外線ヒーターの主な種類

2.遠赤外線ヒーターの電気代の目安

 2-1.ハロゲンヒーターの電気代の目安

 2-2.カーボンヒーターの電気代の目安

 2-3.パネルヒーターの電気代の目安

 2-4.シーズヒーターの電気代の目安

 2-5.グラファイトヒーターの電気代の目安

3.遠赤外線ヒーターとほかの暖房器具を電気代で比較

 3-1.エアコンの電気代の目安

 3-2.セラミックファンヒーターの電気代の目安

 3-3.こたつの電気代の目安

4.遠赤外線ヒーターの電気代の節約方法

 4-1.ほかの暖房器具と一緒に使う

 4-2.省エネ機能を活用する

 4-3.電力会社を見直す

5.遠赤外線ヒーターの使い方を工夫して電気代を節約

遠赤外線ヒーターとは

そもそも遠赤外線ヒーターとはどのような暖房器具なのでしょうか。まずは、人の体を温める仕組みや主な種類を見ていきましょう。

輻射熱で人の体を温める暖房器具

遠赤外線ヒーターは、電磁波の一種である遠赤外線を熱源から放出します。遠赤外線を介して伝わる熱が輻射熱です。輻射熱は直接触れていない物体に伝わります。

遠赤外線は熱を運ぶ性質があり、温度の高い方から低い方へ熱が移動します。太陽光や焚き火の熱が輻射熱の代表例です。オーブンやサウナで使われているケースもあります。

輻射熱以外の熱の伝わり方には、対流と伝導があります。気体や液体の流れによって熱が伝わるのが対流、物体同士が直接触れることで熱が伝わるのが伝導です。

遠赤外線は皮膚表面や浅い層まで到達しやすく、体の芯から温まる感覚が得られます。遠赤外線による温熱効果で血行が促進され、冷え性の緩和や血行促進が期待できるとされています。また、空気が乾燥しにくいことも遠赤外線ヒーターのメリットです。

遠赤外線ヒーターの主な種類

遠赤外線ヒーターにはさまざまな種類があります。主な種類は次の通りです。

種類特徴
ハロゲンヒーター発熱体はハロゲンランプ。遠赤外線量は少なめで、暖房能力はそれほど高くない。即暖性に優れている。
カーボンヒーター発熱体は炭素繊維。放出する遠赤外線の量が多く、暖房能力が高い。即暖性に優れている。
パネルヒーター内蔵されたパネルから輻射熱を放射する。広い部屋向けと狭い空間向けの2タイプがある。立ち上がりは比較的早い。
シーズヒーター金属管(シース)から熱を放出する。カーボンヒーターより遠赤外線量が多い。ほかのタイプに比べ立ち上がりが遅い。
グラファイトヒーター発熱体はグラファイト。遠赤外線の放射量が多く、立ち上がりも早い。

遠赤外線ヒーターは広い部屋を暖めるのには不向きです。足元を集中的に温めたり、ほかの暖房器具と併用して使ったりするのに適しています。

遠赤外線ヒーターの電気代の目安

代表的な遠赤外線ヒーターについて実際の製品を例にとり、電気代の目安を計算していきます。電気代を求める計算式は、「消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)」です。

料金単価の部分に電力会社の電気料金をあてはめれば、より正確な電気代を計算できますが、ここでは全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWhを使います。また、遠赤外線ヒーターの1日あたりの使用時間は8時間と仮定します。

※出典: よくある質問 Q&A 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

ハロゲンヒーターの電気代の目安

ハロゲンヒーターはほかの種類に比べ消費電力が大きく、電気代も高くなりやすいでしょう。使い方によっては、1カ月の電気代が10,000円を超える可能性もあります。

製品名:PH-1212

メーカー:アイリスオーヤマ

消費電力:800W、1,200W

 消費電力800Wの場合消費電力1,200Wの場合
1時間あたりの電気代約24.8円約37.2円
1日(8時間)あたりの電気代約198.4円約297.6円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約5,952円約8,928円

※出典:ハロゲンヒーター 3灯 TEKNOS PH-1212(W) ホワイト  7252032│アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ

カーボンヒーターの電気代の目安

カーボンヒーターはハロゲンヒーターに比べ消費電力が小さいうえに、遠赤外線量もハロゲンヒーターより多いため、現在の遠赤外線ヒーターの主流になっています。

製品名:DC-Y09

メーカー:山善

消費電力:450W、900W

 消費電力450Wの場合消費電力900Wの場合
1時間あたりの電気代約13.95円約27.9円
1日(8時間)あたりの電気代約111.6円約223.2円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約3,348円約6,696円

※出典:商品情報_カーボンヒーター(900/450W) | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK

パネルヒーターの電気代の目安

ここでピックアップした狭い場所向けのパネルヒーターは消費電力が小さく、電気代も抑えられます。一方、広い部屋に適したパネルヒーターは消費電力が大きいため、電気代も高くなるでしょう。

製品名:DP-SD30

メーカー:山善

消費電力:300W

1時間あたりの電気代約9.3円
1日(8時間)あたりの電気代約74.4円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約2,232円

※出典:商品情報_2WAYパネルヒーター | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK

シーズヒーターの電気代の目安

シーズヒーターにはさまざまなタイプがあり、消費電力も幅広くなっています。今回ご紹介する製品は消費電力が比較的大きめですが、もっと電気代を抑えられる製品もあります。

製品名:KIESB-S900-B

メーカー:アイリスオーヤマ

消費電力:900W

1時間あたりの電気代約27.9円
1日(8時間)あたりの電気代約223.2円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約6,696円

※出典:遠赤外線電気ストーブ 縦型首振り ブラックコートヒーター|ブラックコート|電気ストーブ|季節家電|電化製品|商品情報|アイリスオーヤマ

グラファイトヒーターの電気代の目安

グラファイトヒーターもシーズヒーターと同様、製品により消費電力に大きな差があります。電気代の節約を図るなら、消費電力にも注目して製品を選びましょう。

製品名:アラジン 遠赤グラファイトヒーター

メーカー:エー・アイ・シー

消費電力:200W、400W

 消費電力200Wの場合消費電力400Wの場合
1時間あたりの電気代約6.2円約12.4円
1日(8時間)あたりの電気代約49.6円約99.2円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約1,488円約2,976円

※出典:アラジン 遠赤グラファイトヒーター(トリカゴ) 7261660 │アイリスオーヤマ公式通販アイリスプラザ

遠赤外線ヒーターとほかの暖房器具を電気代で比較

遠赤外線ヒーターの電気代を、エアコン・セラミックファンヒーター・こたつと比較します。これらの暖房器具は遠赤外線ヒーターと特徴が異なるため、電気代を比較するだけでなく、使用する目的や場所に応じて使い分けることも大切です。

エアコンの電気代の目安

エアコンは広い部屋を暖めるのに向く暖房器具です。遠赤外線ヒーターより消費電力を抑えられるため、それぞれの特徴を考慮して併用するのがおすすめです。

製品名:S255ATES-W

メーカー:ダイキン

消費電力(暖房):635W

1時間あたりの電気代約19.69円
1日(8時間)あたりの電気代約157.52円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約4,725.6円

※出典:Eシリーズ  仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社

セラミックファンヒーターの電気代の目安

セラミックファンヒーターは遠赤外線ヒーターと同様、立ち上がりが早く狭い場所に適した暖房器具です。ただし、遠赤外線ヒーターが輻射熱で人体を直接温めるのに対し、セラミックファンヒーターは温風を出して周囲の空気を暖めます。

製品名:DS-FS1200

メーカー:パナソニック

消費電力:640W、1,170W

 消費電力640Wの場合消費電力1,170Wの場合
1時間あたりの電気代約19.84円約36.27円
1日(8時間)あたりの電気代約158.72円約290.16円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約4,761.6円約8,704.8円

※出典:概要 セラミックファンヒーター DS-FS1200 | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic

こたつの電気代の目安

こたつは消費電力が非常に小さい暖房器具です。使い方もほかの暖房器具とは大きく違うため、状況に応じてほかの暖房器具と併用するとよいでしょう。

製品名:EYC-105752

メーカー:山善

消費電力:80W、160W

 消費電力80Wの場合消費電力160Wの場合
1時間あたりの電気代約2.48円約4.96円
1日(8時間)あたりの電気代約19.84円約39.68円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約595.2円約1,190.4円

※出典:商品情報_カジュアルテーブルこたつ | 山善の商品情報サイト | YAMAZEN BOOK

こたつの電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら

遠赤外線ヒーターの電気代の節約方法

遠赤外線ヒーターの電気代は、工夫次第で節約することが可能です。できるだけ電気代を抑えたい場合は、以下に挙げるポイントを押さえておきましょう。

ほかの暖房器具と一緒に使う

スポット暖房として使うのに適している遠赤外線ヒーターは、エアコンなど広い空間全体を暖める暖房器具と併用するのがおすすめです。空間全体を暖めながら体の一部をピンポイントで温められるため、部屋全体を暖める際の設定温度を下げられます。

また、エアコンは立ち上がりが遅く、室内が暖まるまで時間がかかります。遠赤外線ヒーターで暖をとりながら部屋全体が暖まるのを待てば、すぐに体を温めたいときに便利です。

暖房器具のメインはあくまでもエアコンにして、遠赤外線ヒーターは補助的な使い方をすることで、電気代が高い遠赤外線ヒーターの使用時間を減らせるでしょう。

省エネ機能を活用する

遠赤外線ヒーターにはさまざまな省エネ機能が搭載されています。製品を選ぶ際は、省エネ機能にも着目するとよいでしょう。主な省エネ機能は次の通りです。

  • 人感センサー:人がいなくなると自動的にスイッチが切れる
  • 出力調節機能:室温や場所に合わせて暖かさを設定できる

電力会社を見直す

現在は消費者が自由に電力会社を選べるようになっています。自宅のある場所が電力会社の供給対象になっていれば、基本的にどの電力会社にも切り替えることが可能です。

今より電気料金が安い電力会社に切り替えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性があります。電気以外のサービスを提供している電力会社も増えています。

エネワンでんきでは、ご家庭の電気の使い方に合わせて適切なプランを選べます。さまざまな特典のついたプランも用意しているため、電力会社の見直しを検討しているなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。

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遠赤外線ヒーターの使い方を工夫して電気代を節約

遠赤外線ヒーターは、輻射熱により人体を直接温める暖房器具です。スポット暖房として活用するのに向いているため、部屋全体を暖めるエアコンと併用することで効果をより高められます。

遠赤外線ヒーターの電気代は使い方次第で変わります。種類ごとの目安を参考にしながら、省エネ機能やほかの暖房器具との併用、電力会社やプランの見直しを行えば、快適さを保ちながら賢く電気代を抑えられるでしょう。

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    エネワンでんき編集部

  • エネワンでんき編集部は、電気代の見直しや節約の工夫、電力会社の選び方など、暮らしに役立つエネルギー情報をわかりやすく丁寧に発信し、日々の生活に寄り添う情報をお届けします。

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