
エアコンの電気代の節約術を解説!冷房と暖房の電気代の計算方法も!
エアコンの電気代の節約術を解説!冷房と暖房の電気代の計算方法も!
エアコンは電気代がかかりやすい電化製品であり、電気代を削減できれば、より高い節約効果が期待できます。さまざまな節約術があるため、意識して実践し、習慣化していくことが大切です。冷房と暖房の電気代の計算方法や節約のポイントをご紹介します。
目次
エアコンの冷房と暖房の電気代は?

エアコンにはどのくらいの電気代がかかっているのでしょうか。まずは、エアコンの冷房と暖房にかかる電気代の目安を見ていきましょう。
エアコンの電気代の削減は節約効果が高い
経済産業省が公表する資料を見ると、夏と冬の1日間における電化製品の使用割合ランキングがわかります。
<夏>
- 1位:エアコン(38.3%)
- 2位:照明(14.9%)
- 3位:冷蔵庫(12.0%)
- 4位:テレビ・DVD(8.2%)
- 5位:炊事(7.8%)
- 6位:待機電力(4.0%)
- 7位:給湯(3.1%)
- 8位:洗濯・乾燥機(1.8%)
- 9位:パソコン・ルーター(0.7%)
- 10位:温水便座(0.3%)
<冬>
- 1位:エアコン(17.0%)
- 2位:冷蔵庫(14.9%)
- 3位:給湯(12.6%)
- 4位:照明(9.2%)
- 5位:炊事(7.8%)
- 6位:待機電力(5.5%)
- 7位:テレビ・DVD(4.2%)
- 8位:電気ストーブ(3.8%)
- 9位:洗濯・乾燥機(2.2%)
- 10位:こたつ(2.1%)
夏と冬のいずれもエアコンが1位となっており、電気代を削減できれば節約効果をより高められるでしょう。冬はほかの暖房器具も使いますが、夏はエアコンがメインになりやすいため、エアコンの使用割合が特に大きくなっています。
※出典:夏季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
※出典:冬季の省エネ・節電メニュー | 経済産業省 資源エネルギー庁
エアコンの電気代の計算方法
一般的に、電化製品の電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)」で求められます。
エアコンの電気代を計算する場合は、エアコンの使用期間の消費電力量を示す期間消費電力量を用いて、「期間消費電力量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)」の式で求めるのがおすすめです。
期間消費電力量はエアコンの製品ごとに設定されています。算出基準となっている条件は次の通りです。
- 設定温度:冷房時27℃、暖房時20℃
- 使用期間(冷房):135日(5月23日~10月4日)
- 使用期間(暖房):160日(11月8日~4月16日)
- 使用時間:18時間(6:00~24:00)
- 使用場所:東京の平均的な木造住宅
また、電気料金単価は検針票(電気ご使用量のお知らせ)や電力会社のWebサイトで確認できます。電気代の目安を計算する際は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWh(2022年度時点)を用いるのが一般的です。
※出典:期間消費電力量を省エネ性の目安にお選びください|家庭用エアコン|関連製品|一般社団法人 日本冷凍空調工業会
※出典:よくある質問 Q&A |公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
エアコンの冷房と暖房の電気代
ダイキンの6畳用エアコン「S225ATES-W」を例に取り、冷房と暖房にかかる期間合計および1日あたりの電気代を計算した結果は次の通りです。
冷房期間消費電力量:211kWh
暖房期間消費電力量:506kWh
冷房の期間合計の電気代:211kWh×31円/kWh=6,451円
冷房の1日あたりの電気代:6,451円÷135日=約47.79円
暖房の期間合計の電気代:506kWh×31円/kWh=15,686円
暖房の1日あたりの電気代:15,686円÷160日=約98.04円
自宅のエアコンの期間消費電力量と、電気契約における電気料金単価をチェックし、エアコンにどのくらいの電気代がかかっているのか実際に計算してみましょう。
※出典:Eシリーズ 仕様(スペック) | 壁掛形エアコン | ダイキン工業株式会社
【冷房】エアコンの電気代の節約術

エアコンの冷房使用時に意識したい節電のポイントをご紹介します。部屋を寒くしすぎないことや直射日光の室内への侵入を防ぐことが重要です。
部屋の温度は28℃を目安にする
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」と労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」では、室内の温度と湿度を次のように保つことを推奨しています。
- 室温:18℃以上28℃以下
- 湿度:40%以上70%以下
環境省が推奨する冷房に頼りすぎない過ごし方「クールビズ」では、冷房使用時の室温の推奨温度として28℃が現在も目安とされています。夏場の室温28℃が暑く感じる場合は、エアコンの設定温度を下げるのではなく、体感温度を下げる工夫を凝らすことが大切です。
※出典:適切な室温管理について/COOLBIZ|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
室内への直射日光の侵入を防ぐ
窓から直射日光が侵入している状態では、冷房をつけていても室温がなかなか下がらず、電気代が高くなってしまいます。すだれ・よしず・グリーンカーテンなどを活用し、窓からの直射日光を遮りましょう。
また、遮熱カーテンに変えたり遮熱フィルム・遮熱シートを窓に貼ったりすれば、窓の内側でも直射日光の侵入を防げます。冷房の効きが悪いと感じる場合、窓が原因になっていないか確かめることが大切です。
【暖房】エアコンの電気代の節約術

エアコン暖房の電気代の節約でも、冷房使用時と同様に適切な室温を意識しましょう。また、エアコンと他の暖房器具を併用するのもおすすめです。
部屋の温度は20℃を目安にする
環境省は地球温暖化対策の一環として、寒い冬の快適な過ごし方「ウォームビズ」を呼びかけています。ウォームビズにおける冬の推奨室温は20℃です。
財団法人省エネルギーセンターの調査では、エアコンの設定温度を1℃緩和した場合、暖房時で約10%、冷房時には約13%の電力消費量を削減できるとしています。室温20℃で寒いと感じるときも、設定温度を上げるのではなく体感温度が上がるように工夫しましょう。
※出典:エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
ほかの電化製品と一緒に使う
エアコンとほかの電化製品を併用することで、エアコンにかかる負担が減って節電につながります。夏に併用できるのは扇風機ぐらいしかありませんが、冬はさまざまな暖房器具と併用できるため、エアコンとほかの電化製品と一緒に使うのがおすすめです。
エアコンは電源を入れてから室内が暖まるまでには時間がかかります。セラミックファンヒーターを併用すれば室内をより早く暖めることができるため、エアコンの設定温度に達するまでの時間が短縮されて電気代の節約につながるでしょう。
また、エアコンとこたつを併用すれば、体感温度が上がるためエアコンの設定温度を下げすぎずに済みます。こたつは電気代が非常に安いため、エアコンとの併用に適しています。
【共通】エアコンの電気代の節約術

エアコンの冷房と暖房に共通する節約術をご紹介します。できるだけ多くの節約術を意識的に取り組み、習慣化することが大切です。
フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターが目詰まりすると、冷暖房効率が悪くなって消費電力の増加につながります。2週間に1回を目安に、フィルターを定期的に掃除しましょう。
掃除機でホコリを吸い取り、水洗いまでするのがフィルター掃除の基本です。洗った後のフィルターは直射日光やドライヤーの温風を当てず、陰干しで乾かしましょう。
エアコンによっては自動おそうじ機能が備わっているケースもありますが、自動おそうじ機能でも油汚れやたばこのヤニ汚れは取れません。においが気になるときにはフィルターを取り外して水洗いする必要があります。
自動運転機能を活用する
エアコンは電源を入れてから設定温度に達するまでの時間が長いほど、より多くの電力を消費します。電気代を節約したいからといって、風量を「弱」にして電源を入れると、設定温度に達するまでの時間が長くなり電気代も高くなってしまうのです。
エアコンの風量設定を「自動」にすれば、最初の風量が「強」になるため、より早く設定温度に達します。風量が強いと電気代も高くなると感じるかもしれませんが、結果的に余分な電力を使わずに電気代を節約できるのです。
また、自動設定にすれば状況に合わせて風量を調整してくれます。つけはじめの段階以外でも、自動運転機能を活用しましょう。
サーキュレーターを併用する
エアコンはサーキュレーターと併用するのがおすすめです。サーキュレーターを使えば室内の空気が循環するため、温度ムラが減って冷暖房効率が上がります。
冷たい空気は部屋の下にたまりやすく、暖かい空気は上にたまりやすい性質があります。サーキュレーターの置き場所や向きを決める際は、たまった冷気や暖気が動くようにするのがポイントです。
室外機の周囲を片付ける
エアコンの室外機は、屋内外の熱をやり取りする設備です。例えば冷房運転時には、室内機で部屋の空気を取り込んだ後、熱だけを室外機から外へ放出して冷えた空気を室内に戻しています。
室外機の周りに物が置いてあると、室外機の熱交換がスムーズに行われません。冷暖房効率が悪くなって電気代が上がる原因になるため、室外機の周囲はきれいに片付けましょう。
湿度を調整する
暑さや寒さをしのぐ際は温度にばかり意識が向きがちですが、湿度をチェックすることも大切です。湿度は体感温度に影響するため、湿度を調整すればより快適に過ごせるほか、エアコンの設定温度も緩和できます。
暑い時期に湿度が高い場合は、エアコンの除湿機能を活用しましょう。また、冬はエアコンと加湿器を併用することで、湿度が上がるため体感温度も上がります。暖房と加湿器の併用は空気の乾燥予防になる点もポイントです。
カーテンの使い方や種類を見直す
冷房の電気代の節約術でも解説しましたが、窓は屋外と室内の熱移動が最も多くなる部分です。カーテンに工夫を凝らすことで、窓を通した熱移動を抑えられます。
断熱性の高いカーテンを活用すれば、夏は冷気を遮断し、冬は室内の暖気を保つ効果が期待できます。また、カーテンを2枚以上使うことで空気の層ができ、断熱・保温効果がさらに高まります。
短時間の外出時はつけっぱなしにする
エアコンは電源を入れた直後が最も電力を消費するため、短時間の外出時はつけっぱなしにするのがおすすめです。外気温と室温の差を考慮すれば、より判断しやすくなります。
例えば、夏は外気温が高すぎると短時間の外出時でも室温が上がるため、つけっぱなしがよいでしょう。一方、外気温がそれほど高くなければエアコンを消しても室温が上がりにくく、電源を切って外出したほうが節約につながる可能性もあります。
外出中に室温がどの程度変化するかを予測し、大きく変化しそうであれば、つけっぱなしがおすすめです。ただし、長時間の外出時は電源を切りましょう。
【その他】エアコンの電気代の節約術

エアコンの使い方の見直し以外にも、エアコンの電気代を節約する方法があります。代表的な節約術を見ていきましょう。
契約アンペア数を見直す
契約アンペア数とは、電化製品を同時に使用できる上限値です。契約アンペア数を超えた電力が使われると、ブレーカーが落ちて家全体が停電します。
アンペア制を採用している電力会社では、契約アンペア数に応じて電気料金の基本料金が決まります。契約アンペア数を下げれば基本料金も下がるため、電気代も安くなる場合があるのです。
ただし、契約アンペア数を下げると同時に使用できる電化製品が限られることから、快適性を損なう恐れがあります。世帯人数やライフスタイルに合った契約アンペア数の見極めが重要です。
適切なアンペア数の目安についてもっと詳しく知りたい方はこちら
最新モデルのエアコンに買い替える
近年は多くの電化製品で省エネ化が進んでおり、古い電化製品を最新機種に買い替えれば電気代の節約につながるケースがあります。修理用部品の保有期間も決まっているため、古いエアコンが故障した場合は修理ではなく買い替えを検討するとよいでしょう。
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、10年前に購入したエアコンを最新機種に買い替えることで、約15%の省エネ効果を期待できます。
※出典:機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
電力会社を変更する
2016年の電力小売自由化以降、消費者は電力会社を自由に選べるようになっているほか、電力会社の選択肢も増えています。電気料金が今より安い電力会社に乗り換えるだけで、電気代を節約できる可能性があるのです。
電力会社を見直したことがない方は、住んでいる地域を対象とする新電力会社を比較してみましょう。各会社がさまざまな料金プランやサービスを提供しています。
エネワンでんきは、電力使用量に合わせた最適なプランを選べるほか、さまざまな特典がついたプランも用意しています。電力会社の変更を考えるなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。
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エアコンの電気代を節約しよう

エアコンの電気代は工夫次第で大きく節約できます。冷房・暖房の使い方を見直し、フィルター掃除や設定温度の調整など日常の小さな習慣を意識することで、快適さを保ちつつ電気代を無理なく抑えられます。
また、契約アンペア数の変更や最新機種への買い替えもおすすめです。電力会社を変更したことがない場合は、新電力への乗り換えも検討してみましょう。