ガスファンヒーターのガス代はどのくらい?メリット・デメリットや節約方法も

ガスファンヒーターのガス代はどのくらい?メリット・デメリットや節約方法も

ガスファンヒーターのガス代はどのくらい?メリット・デメリットや節約方法も

ガスファンヒーターの導入を検討している方の中には、ガス代がどのくらいかかるのか気になっている方もいるでしょう。本記事では、ガスファンヒーターのガス代の目安を紹介し、ガスファンヒーターの節約方法や選び方についても詳しく解説します。

目次

1.ガスファンヒーターのガス代はどのくらい?

 1-1.ガスファンヒーターのガス代の目安

 1-2.電気代と併せたガスファンヒーターの光熱費

2.ガスファンヒーターの光熱費をほかの暖房器具と比較

 2-1.エアコンの光熱費の目安

 2-2.石油ファンヒーターの光熱費の目安

 2-3.セラミックファンヒーターの光熱費の目安

3.ガスファンヒーターの特徴

 3-1.ガスファンヒーターのメリット

 3-2.ガスファンヒーターのデメリット

4.ガスファンヒーターのガス代の節約方法

 4-1.設定温度を低めにする

 4-2.ほかの暖房器具と併用する

 4-3.部屋の暖房効率を高める

5.ガスファンヒーターの選び方

 5-1.自宅のガスの種類に合った製品を選ぶ

 5-2.部屋にガスファンヒーターを設置できるか確認する

 5-3.使う部屋に合った機能を選ぶ

6.ガスファンヒーターのガス代は工夫次第で節約可能

ガスファンヒーターのガス代はどのくらい?

ガスファンヒーターのガス代は、使用時間・部屋の広さ・設定温度・外気温などにより異なります。同じ条件で都市ガスとプロパンガスを使った場合のガス代の目安と、電気代を併せたガスファンヒーターの光熱費を見ていきましょう。

ガスファンヒーターのガス代の目安

ガスファンヒーターのガス代は、「ガス消費量(kW)×3.6MJ/h ÷ ガスの発熱量(MJ/m³)×ガス料金(円/m³)」の計算式で求められます。以下の製品を使った場合のガス代の目安を、都市ガスとプロパンガスで分けて計算しました。使用時間は1日8時間と仮定します。

<製品情報>

製品名:RC-Y2402PE(リンナイ)

暖房の目安:木造7畳・コンクリート造9畳

暖房能力(ガス使用量):2.44kW

<都市ガスの場合>

都市ガスの発熱量:45MJ/㎥

1㎥あたりのガス料金:130.46円(1カ月のガス使用量が20㎥超80㎥までの場合の基準単位料金)

1時間あたりのガス代約25.47円
1日(8時間)あたりのガス代約203.76円
1カ月(8時間×30日)あたりのガス代約6,112.8円

<プロパンガスの場合>

プロパンガスの発熱量:99MJ/㎥

1㎥あたりのガス料金:1,133.6円(2025年6月30日時点)

1時間あたりのガス代約100.58円
1日(8時間)あたりのガス代約804.64円
1カ月(8時間×30日)あたりのガス代約24,139.2円

一般的にプロパンガスは都市ガスに比べると料金がやや高めとされており、この試算でもプロパンガスを利用した場合の方がコストがかかりやすい傾向が見られます。    

※出典:プラズマクラスターイオン発生機能と空気清浄機が付いたガスファンヒーター。 - リンナイ

※出典:都市ガスの種類・熱量・圧力・成分 | 東京ガスネットワーク

※出典:ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)|東京ガス株式会社

※出典:LPガス安全委員会:LPガスの基礎知識 – LPガスとは?

※出典:石油情報センター

電気代と併せたガスファンヒーターの光熱費

ガスファンヒーターにはガス代だけでなく電気代もかかっており、ガス代と電気代の合計がランニングコストになります。

電化製品の電気代の計算式は、「消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)」です。電気料金の目安単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWhを用います。

製品名:RC-Y2402PE(リンナイ)

消費電力:14W

1時間あたりの電気代約0.43円
1日(8時間)あたりの電気代約3.44円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約103.2円

ガス代と電気代の合計は次の通りです。

 都市ガスプロパンガス
1時間あたりの光熱費約25.9円約101.01円
1日(8時間)あたりの光熱費約207.2円約808.08円
1カ月(8時間×30日)あたりの光熱費約6,216円約24,242.4円

ガスファンヒーターの消費電力は非常に小さく、トータルの光熱費にほとんど影響を与えません。ガスファンヒーターの光熱費をチェックする場合は、ガス代がどのくらいかかるのかを見る必要があります。

※出典: よくある質問 Q&A 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

ガスファンヒーターの光熱費をほかの暖房器具と比較

ガスファンヒーターの光熱費はほかの暖房器具より高いのでしょうか。代表的な暖房器具の光熱費の目安と比べてみましょう。

エアコンの光熱費の目安

エアコンはガスファンヒーターと同様に、部屋全体を暖めるのに適した暖房器具ですが、外気温が低いと暖房効率が下がる場合があります。以下に挙げる製品の電気代の目安を見てみましょう。

製品名:MSZ-ZW2225(三菱、6畳用)

消費電力(暖房):465W

1時間あたりの電気代約14.42円
1日(8時間)あたりの電気代約115.36円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約3,460.8円

エアコンのほうがガスファンヒーターより電気代を抑えられることがわかります。

※出典:Zシリーズ | 三菱ルームエアコン 霧ヶ峰 | 三菱電機

石油ファンヒーターの光熱費の目安

石油ファンヒーターは灯油を使って部屋全体を暖める暖房器具です。光熱費を求める場合は、灯油代と電気代に分けて計算する必要があります。

製品名:FH-CP25Y(コロナ)

<灯油代>

灯油代の計算式:燃料消費量(L/h)×使用時間(h)×灯油料金(円/L)

燃料消費量:0.243L/h

1Lあたりの灯油料金:122.4円(2025年7月14日時点)

1時間あたりの灯油代約29.74円
1日(8時間)あたりの灯油代約237.92円
1カ月(8時間×30日)あたりの灯油代約7,137.6円

<電気代>

消費電力(弱燃焼時):4W

1時間あたりの電気代約0.12円
1日(8時間)あたりの電気代約0.96円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約28.8円

灯油代と電気代の合計は次の通りです。

1時間あたりの光熱費約29.86円
1日(8時間)あたりの光熱費約238.88円
1カ月(8時間×30日)あたりの光熱費約7,166.4円

ガスファンヒーターと石油ファンヒーターの光熱費を比較した場合、都市ガス利用時のガスファンヒーターより石油ファンヒーターのほうがやや高めです。

※出典:CPタイプ|石油ファンヒーター|株式会社コロナ

※出典:石油製品価格調査 調査の結果|資源エネルギー庁

セラミックファンヒーターの光熱費の目安

セラミックファンヒーターは、内蔵されたセラミックを電気で加熱し、遠赤外線による輻射熱で人体を直接温める暖房器具です。

モデル名:DS-FZX1200(パナソニック)

消費電力(50Hz):640W(弱)、1,170W(強)

 消費電力640Wの場合消費電力1,170Wの場合
1時間あたりの電気代約19.84円約36.27円
1日(8時間)あたりの電気代約158.72円約290.16円
1カ月(8時間×30日)あたりの電気代約4,761.6円約8,704.8円

セラミックファンヒーターを強設定で使うと、都市ガス利用時のガスファンヒーターより光熱費が高くなります。ただし、セラミックファンヒーターは部屋全体を暖めるのには向きません。一般的にはスポット暖房として使われるため、単純に光熱費を比較するのではなく、目的や場所に応じた使い分けを意識することが大切です。

セラミックファンヒーターについてもっと詳しく知りたい方はこちら

※出典:詳細情報 ナノイーX搭載セラミックファンヒーター DS-FZX1200 | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic

ガスファンヒーターの特徴

ガスファンヒーターの暖房器具としてのメリットとデメリットをご紹介します。ほかの暖房器具と迷う場合の参考にしましょう。

ガスファンヒーターのメリット

ガスファンヒーターはスイッチを入れるとすぐに温風が出てきます。朝の支度時や帰宅直後など、素早く部屋を暖めたいときに便利です。

また、ガスファンヒーターには空気が乾燥しにくいというメリットもあります。エアコンは空気が乾燥しやすいデメリットがありますが、ガスファンヒーターはガスを燃焼する際に水蒸気が発生して空気の乾燥を抑えられます。

石油ファンヒーターと比較した場合のメリットは、灯油に比べ匂いがしないことや、ガス栓につながっているため給油の必要がないことです。

ガスファンヒーターのデメリット

ガスファンヒーターの使用時は、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクを避けるため、こまめな換気が必要です。換気に手間がかかることはデメリットといえます。

また、ガス栓に接続して使用するガスファンヒーターは、ガス栓がない場所では使用できません。ガス栓がない場合は設置工事が必要になります。

ガスファンヒーターのガス代の節約方法

ガスファンヒーターにかかるガス代は、工夫次第で節約が可能です。光熱費をできるだけ抑えるためのポイントを見ていきましょう。

設定温度を低めにする

ガスファンヒーターの設定温度を低めにすると、消費するガスの量が抑えられるため、ガス代を節約できます。無駄に設定温度を上げず、快適に過ごせるぎりぎりのラインまで設定温度を下げましょう。

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、外気温が6℃のときに暖房の設定温度を21℃から20℃にすれば、1日9時間使用した場合に年間で約1,380円のガス代の節約につながります。

※出典:空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト

ほかの暖房器具と併用する

エアコンは部屋全体が暖まるまで時間がかかります。最初は即暖性に優れたガスファンヒーターを使い、部屋が暖かくなってきたらエアコンに切り替えましょう。エアコンのほうが光熱費を抑えられるため、併用することでトータルでの光熱費の節約を図れます。

ガスファンヒーターと電気ヒーターの併用もおすすめです。設定温度を低くしたガスファンヒーターで部屋全体を暖めながら、電気ヒーターをスポット暖房として使えば、ガスファンヒーターのガス代を抑えられます。

部屋の暖房効率を高める

室内の熱は窓から逃げやすく、また屋外の冷たい空気も窓から入りやすくなるため、窓の断熱対策を施しましょう。断熱シートや隙間テープを使えば、窓の断熱効率を高められます。

ガスファンヒーターの使用時にサーキュレーターや扇風機を弱風で活用するのも効果的です。室内の空気が循環して部屋の温度が均一になるため、暖房効果が高まりガス代の節約にもつながります。

ガスファンヒーターの選び方

ガスファンヒーターにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか悩みがちです。ガスファンヒーターを比較する際に見るべきポイントを解説します。

自宅のガスの種類に合った製品を選ぶ

ガスファンヒーターを選ぶ場合は、自宅のガスの種類に合った製品を選ぶことが重要です。ガスファンヒーターには、都市ガスを使うタイプとプロパンガスを使うタイプがあります。

ガスの種類を間違えると異常燃焼する恐れがあるため、最初に必ずガスの種類を確認しましょう。

部屋にガスファンヒーターを設置できるか確認する

ガスファンヒーターを使用するためには、ガス栓からガスコードを伸ばしてヒーターにつなげる必要があります。ガス栓の位置やヒーターの置き場所を確認し、適切な長さのガスコードを用意しましょう。

ガスファンヒーターを使いたい部屋にガス栓がない場合は、ガス栓を増設するための工事を申し込まなければなりません。通常、ガス栓の増設工事は半日程度で終わりますが、工事内容や住宅の構造によっては1日以上かかる場合もあります。

使う部屋に合った機能を選ぶ

近年のガスファンヒーターにはさまざまな機能が搭載されています。使う部屋に応じて機能もチェックしましょう。

  • スポット暖房機能:自分の足元や周辺だけを暖められる
  • タイマー機能:設定した時間に運転を開始できる
  • エコ運転機能:設定温度になると自動的に出力を下げる
  • 人感センサー機能:人がいなくなると暖房が弱くなったり停止したりする

ガスファンヒーターのガス代は工夫次第で節約可能

ガスファンヒーターは立ち上がりが早く、寒い季節を快適に過ごせる暖房器具です。ガス代が高くなりがちですが、使い方次第でガス代を抑えることができます。

設定温度や暖房効率の工夫、ほかの暖房器具との併用を意識することで、快適さを保ちながら光熱費を節約することが可能です。自宅に合った製品選びも併せて検討しましょう。

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    エネワンでんき編集部

  • エネワンでんき編集部は、電気代の見直しや節約の工夫、電力会社の選び方など、暮らしに役立つエネルギー情報をわかりやすく丁寧に発信し、日々の生活に寄り添う情報をお届けします。

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