
ゲーミングPCの電気代は?ほかのPC・ゲーム機との比較や節約方法も
ゲーミングPCの電気代は?ほかのPC・ゲーム機との比較や節約方法も
ゲーミングPCは一般的なPCよりも性能が高いため、消費電力も多くなりがちです。電気代がどのくらいかかるのかを把握し、節約しながらプレイを楽しみましょう。ゲーミングPCのクラス別の電気代やほかのPCとの比較、電気代の節約方法について解説します。
目次
ゲーミングPCの電気代の計算方法は?

一般的な電化製品と異なり、ゲーミングPCの場合は消費電力の見方が特殊です。まずは電化製品の電気代の計算式を理解し、ゲーミングPCにおける消費電力の目安の算出方法も確認しておきましょう。
電化製品の電気代の一般的な計算式
通常、電化製品の電気代は以下の計算式で求められます。
消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
消費電力は電化製品の取扱説明書やカタログに記載されています。単位がWになっている場合は、計算する際に1,000で割ってkWにしなければなりません。
また、電気料金単価は電力会社ごとに異なります。電気代の目安を計算する場合は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価である31円/kWhを用いるのが一般的です。
なお、電化製品によっては消費電力がkWhで示されていることがあります。1kWの電力を1時間使ったときの電力量が1kWhです。 上記の計算式で消費電力(kW)の部分を電力量(kWh)に置き換えても、計算結果は同じになります。
※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
ゲーミングPCの消費電力は電源容量の約半分
大半の電化製品の取扱説明書やカタログには消費電力が記載されていますが、ゲーミングPCは消費電力の記載がないことがほとんどです。
ゲーミングPCの電源容量は、一般的にシステムの最大消費電力のおおよそ1.5~2倍程度に設計されています。電気代を求める際は、電源容量の1/2を消費電力として計算しましょう。
例えば、電源容量が1,000Wと記載されているゲーミングPCの場合は、消費電力を500Wとして計算すれば実際の電気代に近い目安を求められます。
【クラス別】ゲーミングPCの電気代の目安

ゲーミングPCの種類は、エントリークラス・ミドルクラス・ハイエンドクラスに大別されます。エントリークラスは性能が抑えられていますが本体価格は安く、クラスが上がるごとに性能が上がり本体価格も高くなります。
実際の製品を例にとり、クラス別のゲーミングPCの電気代を計算しました。実際にどのくらいの電気代がかかるのかを見ていきましょう。なお、1日あたりのプレイ時間は4時間と仮定しています。
【エントリークラス】ゲーミングPCの電気代の目安
PCゲーム初心者や軽めのゲームに向いているのが、エントリークラスのゲーミングPCです。eスポーツや軽量タイトルなら、それほどストレスを感じることなくプレイできるでしょう。
製品名:G-Tune DG-A5G1B
電源容量:550W
消費電力の目安:275W
1時間あたりの電気代:0.275kW×31円/kWh=約8.53円/h
1日あたりの電気代:8.53円/h×4h=約34.12円/日
1カ月あたりの電気代:34.12円/日×30日=約1,023.6円/月
※出典:G-Tune DG-A5G1B [ Windows 11 ]│デスクトップパソコンの通販ショップ マウスコンピューター【公式】
【ミドルクラス】ゲーミングPCの電気代の目安
さまざまなPCゲームを中~高設定で快適に楽しみたいなら、ミドルクラスのゲーミングPCが向いています。性能と価格のバランスが良く、ハイエンドクラスに手が出ない方にもおすすめです。
製品名:G-Tune HM-A
電源容量:700W
消費電力の目安:350W
1時間あたりの電気代:0.35kW×31円/kWh=約10.85円/h
1日あたりの電気代:10.85円/h×4h=約43.4円/日
1カ月あたりの電気代:43.4円/日×30日=約1,302円/月
※出典:G-Tune HM-A [ Windows 11 ] 初心者にもオススメ GeForce RTX 3060 搭載 │デスクトップパソコンの通販ショップ マウスコンピューター【公式】
【ハイエンドクラス】ゲーミングPCの電気代の目安
ハイエンドクラスのゲーミングPCは、本体価格は高めですが、その分、快適で高品質なゲームプレイが可能です。性能を最大限に引き出すため、電気代もかなり高めです。
製品名:G-Tune FZ-I9G90
電源容量:1,200W
消費電力の目安:600W
1時間あたりの電気代:0.6kW×31円/kWh=約18.6円/h
1日あたりの電気代:18.6円/h×4h=約74.4円/日
1カ月あたりの電気代:74.4円/日×30日=約2,232円/月
※出典:G-Tune FZ-I9G90 [ Windows 11 ]│パソコン(PC)通販のマウスコンピューター【公式】
ゲーミングPCの電気代をほかのPCと比較

ゲーミングPCの電気代は、なぜほかのPCより高いのでしょうか。デスクトップPCやノートPCの電気代と比較したうえで、ゲーミングPCの電気代が高い理由を解説します。
デスクトップPCの電気代の目安
デスクトップPCは消費電力が非常に低く、電気代も大幅に抑えられます。
製品名:FMVDH07001
消費電力(標準時):10W
1時間あたりの電気代:0.01kW×31円/kWh=約0.31円/h
1日あたりの電気代:0.31円/h×4h=約1.24円/日
1カ月あたりの電気代:1.24円/日×30日=約37.2円/月
エントリークラスのゲーミングPCと比べても、電気代に大きな差があることがわかるでしょう。
※出典:27.0型 / 23.8型 / 21.5型 スリムタワーデスクトップパソコン(PC) ESPRIMO DHシリーズ(WD2/K1):仕様 – FMWORLD.NET(個人) : 富士通パソコン
ノートPCの電気代の目安
ノートPCの電気代も、デスクトップPCとほとんど変わりません。
製品名:FMVWJ2A153
消費電力(標準時):9.4W
1時間あたりの電気代:0.0094kW×31円/kWh=約0.29円/h
1日あたりの電気代:0.29円/h×4h=約1.16円/日
1カ月あたりの電気代:1.16円/日×30日=約34.8円/月
デスクトップPCと同様に、ノートPCも電気代を大幅に抑えることが可能です。
※出典:15.6型ワイド ノートパソコン(PC) FMV Liteシリーズ(WA1/J2) :製品情報 – FMWORLD.NET(個人) : 富士通パソコン
ゲーミングPCの電気代が高い理由
ゲームのように高度な映像処理が必要な場面では、グラフィックの描写を専門に担当するGPU(Graphics Processing Unit)が重要な役割を果たします。GPUは、画像や映像を画面に表示するための処理装置で、特に3Dグラフィックスや高解像度の映像を滑らかに描写するために欠かせないパーツです。
一般的なPCでは、CPUやマザーボードに内蔵されたGPUで画像や映像を処理しています。
一方、ゲーミングPCでグラフィックを処理するのは、GPUを搭載したグラフィックボードです。基本的に、一般的なPCにはグラフィックボードが搭載されていません。グラフィックボードでは多くの電力を消費するため、ゲーミングPCの電気代も高くなるのです。
また、ゲーミングPCでは一般的なPCに比べ処理にかかる負荷も大きくなります。なお、ゲーミングPCをゲーム以外で使用する間の電気代は、一般的なPCと大きな差はありません。
ゲーミングPCの電気代をほかのゲーム機と比較

ゲームプレイにかかる電気代を考えるなら、ほかのゲーム機と電気代を比較してみるのもおすすめです。主要ゲーム機の電気代の目安を見ていきましょう。
PS5の電気代の目安
PS5の種類には、パッケージ版・ダウンロード版の両方のゲームで楽しめるディスクドライブ搭載型と、ダウンロード版でのみ遊べるディスクドライブ非搭載型があります。
<ディスクドライブ搭載型>
PS5(通常モデル)
消費電力:350W
1時間あたりの電気代:0.35kW×31円/kWh=約10.85円/h
1日あたりの電気代:10.85円/h×4h=約43.4円/日
1カ月あたりの電気代:43.4円/日×30日=約1,302円/月
<ディスクドライブ非搭載型>
PS5(デジタル・エディション)
消費電力:340W
1時間あたりの電気代:0.34kW×31円/kWh=約10.54円/h
1日あたりの電気代:10.54円/h×4h=約42.16円/日
1カ月あたりの電気代:42.16円/日×30日=約1,264.8円/月
PS5の電気代は、ミドルクラスのゲーミングPCに近いといえるでしょう。
※出典:PS5 Digital Edition セーフティガイド | SONY
Nintendo Switchの電気代の目安
Nintendo Switchは、消費電力がかなり低いことで知られるゲーム機です。Nintendo Switch2になってやや消費電力が高くなったものの、それでもほかのゲーム機やゲーミングPCに比べると電気代をかなり抑えられます。
Nintendo Switch
消費電力:約7W(TVモード)
1時間あたりの電気代:0.007kW×31円/kWh=約0.22円/h
1日あたりの電気代:0.22円/h×4h=約0.88円/日
1カ月あたりの電気代:0.88円/日×30日=約26.4円/月
Nintendo Switch2
消費電力:約19W(TVモード)
1時間あたりの電気代:0.019kW×31円/kWh=約0.59円/h
1日あたりの電気代:0.59円/h×4h=約2.36円/日
1カ月あたりの電気代:2.36円/日×30日=約70.8円/月
Nintendo Switch Lite
消費電力:約4W
1時間あたりの電気代:0.004kW×31円/kWh=約0.12円/h
1日あたりの電気代:0.12円/h×4h=約0.48円/日
1カ月あたりの電気代:0.48円/日×30日=約14.4円/月
Xboxの電気代の目安
Xboxは2025年7月時点で第4世代まで進化しており、世代が進むごとにゲーム体験が向上しています。ここでは、第4世代のSeriesXの電気代を計算します。
Xbox SeriesX
消費電力:約153W
1時間あたりの電気代:0.153kW×31円/kWh=約4.74円/h
1日あたりの電気代:4.74円/h×4h=約18.96円/日
1カ月あたりの電気代:18.96円/日×30日=約568.8円/月
エントリークラスのゲーミングPCより、Xbox Series X のほうが電気代を抑えることが可能です。
※出典:Xbox One と Xbox Series X|S の電源オプションについて | Xbox Support
ゲーミングPCの電気代の節約方法

ゲーミングPCの電気代は工夫次第で安くなります。消費電力を抑えるためのポイントを押さえ、ストレスにならない範囲で実践してみましょう。
プレイしないときはシャットダウンする
ゲーミングPCを長時間プレイしない場合は、毎回シャットダウンしましょう。つけっぱなしにしていると電力を消費するため、無駄な電気代が少しずつ増えていきます。
毎回立ち上げるのが面倒に感じる場合、24時間つけっぱなしにしがちです。ただし、クラスが上がるほど消費電力も増えるため、予想以上に電気代がかさむ可能性があります。
短時間の離席ならスリープを活用する
一般的に、PCをシャットダウンすると、再起動時の電力消費量が大きくなります。そのため、こまめにシャットダウンを繰り返すと、かえって電気代が高くなる可能性もあります。
短時間の離席ならシャットダウンではなく、電力の消費を最低限に抑えられるスリープを活用しましょう。PCを使わない時間が90分以内なら、スリープのほうが省エネにつながるといわれています。
ディスプレイの明るさを下げる
ゲーミングPCでゲームをしている間は、ディスプレイでも電力を消費しています。ディスプレイを明るくするほど電力消費量が大きくなり、電気代も高くなります。
電気代の節約を図るなら、ディスプレイの明るさをできるだけ下げましょう。暗くしすぎると視認性が下がりストレスを感じるため、プレイに支障が出ない範囲で調整することが大切です。
本体に熱がこもらないように工夫する
PC本体の内部には、発熱を抑えるための冷却ファンが搭載されています。発熱が大きくなると冷却ファンの消費電力が大きくなるため、電気代も上がってしまいます。
ケース内のエアフローを確保する、内部にホコリをためないなど、本体に熱がこもらないような工夫を凝らしましょう。
ヘッドホンやイヤホンを使って音を出す
ゲーミングPCでは、ヘッドホンやイヤホンから音を出したほうが、スピーカーを使うより消費電力を抑えられます。
ヘッドホンやイヤホンを使えば、ゲームへの没入感を高めることも可能です。特にこだわりがなければ、ヘッドホンやイヤホンを使って遊びましょう。
演出用の発光ギミックを消す
ゲーミングPCの種類によっては、PCを個性的に演出するために発光ギミックが備えられています。PCをよりスタイリッシュかつ魅力的に見せられますが、この発光ギミックにも電気代がかかっています。
発光ギミックはあくまでも演出の要素にすぎないため、電気代を節約したい場合は発光ギミックを消しましょう。
ゲーミングPCの電気代は工夫次第で節約可能

ゲーミングPCは高性能な分、電気代もやや高めですが、ほかの機器と比較してその特徴を理解し、日常的な使い方を工夫すれば、十分に節約は可能です。楽しみながら無理のない範囲で省エネを意識していきましょう。
また、ゲーミングPCの電気代を節約する方法として、電力会社を切り替えるのも効果的です。ライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、電気代を抑えられる可能性があります。
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エネワンでんき編集部
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