適切なアンペア数の目安は?適切なアンペア数の調べ方や契約変更の方法、注意点など
適切なアンペア数の目安は?適切なアンペア数の調べ方や契約変更の方法、注意点など
電気料金プランには、アンペア制を採用している電力会社も多くあります。適切なアンペア数を選ぶことは、電気料金を節約する上でも重要です。この記事では消費電力を基に適切なアンペア数の目安を解説します。現在のアンペア数の確認方法や契約変更の手順、さらに注意すべきポイントについても知り、便利で効率的な電力使用を実現しましょう。
目次
アンペア数に関する基礎知識
電気を効率的に使うためには、家庭の電力使用量に応じた適切なアンペア数を理解することが重要です。
アンペア数が適切でないと、頻繁にブレーカーが落ちたり、逆に電力の基本料金を無駄に支払うことになります。
まずは、アンペアとは何か、また契約アンペア数が生活にどのような影響をもたらすのかなど、基本的な知識に対する理解を深めましょう。
契約アンペア数は一度に使える電力量
アンペアは、ある瞬間に流れる電気の量を表し、アンペア契約においては一度にどれだけの電力を使用できるかを決定する重要な要素です。契約アンペア数が高いほど、一度に多くの電力を使用できることを意味します。
家庭用電力の計算では、ボルト(V)とアンペア(A)を掛け合わせたものがワット(W)となり、これが実際に使用する電力量となります。
例えば、100Vの電圧で20Aの契約アンペア数が設定されている場合、最大で2000W(100V×20A)の電力を一度に使用できることになります。
この電力量を超えると、ブレーカーが作動し、電気が遮断されます。これを防ぐためには、使用する電気機器の総電力量を把握し、適切なアンペア数を設定することが重要です。
アンペア数と基本料金は比例する
契約アンペア数と基本料金は密接に関係しており、原則として、アンペア数が増えると基本料金も上昇します。これは、電力会社が提供する供給容量を増やすために必要なコストが上がるためです。そのため、必要以上に高いアンペア数を設定すると、無駄な基本料金を支払うことになりかねません。
例えば、30A、40A、50Aといった異なるアンペア数のプランがある場合、それぞれの基本料金を比較してみると、50Aのプランが最も高い基本料金となっていることがわかります。このため、自分の家庭にとって最適なアンペア数を見極めることが重要です。
アンペアの大小は生活にどう影響する?
契約アンペア数の大小は、家庭の電力使用に直接的な影響を及ぼします。適切なアンペア数を設定することで、日常生活がスムーズに運営されるだけでなく、電力料金の節約にも繋がります。逆に、アンペア数が不適切だと、様々な問題が発生します。
まず、契約アンペア数が低すぎると、一度に使用できる電力量が限られ、ブレーカーが頻繁に落ちる原因となります。
これは、例えば同時に複数の電気機器を使用する際に必要な電流の量が、契約アンペア数を超えてしまうためです。このような状況が続くと、電気の使い勝手が悪くなり、生活の質が低下する可能性があります。
一方で、契約アンペア数が高すぎる場合、電力の基本料金が無駄に高くなり、経済的な負担が増えます。 必要以上の電力供給能力を契約していると、実際には使わない電力量に対しても料金を支払うことになります。したがって、自分の生活スタイルや使用する電気機器に適したアンペア数を見極めることが重要です。
適切なアンペア数の目安を知る方法
電気の使用量を適切に管理することは、家庭の電力契約において非常に重要です。適切なアンペア数を知ることで、無駄な電気料金を避け、電力供給の安定性を保つことができます。
ここでは、世帯人数やピーク時の消費電力などの観点から、適切なアンペア数の目安を知る方法を詳しく解説します。
世帯人数
世帯人数は、家庭の電気使用量に直接影響を与える重要な要素です。一般的に、家族が多ければ多いほど電気使用量は増加しますし、同時に家電製品を使用する確率も高くなります。
例えば、1人暮らしの場合、同時に使用できる電力量は15〜20アンペアが一般的な目安とされていますが、3人家族であれば30アンペア以上、5人家族であれば50アンペア以上が必要になることがあります。
家電製品の数や使用頻度も考慮する必要があります。例えば、エアコン、洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫などの大型家電を多く使用する家庭では、使用量も同時使用率も高くなり、結果として必要な契約アンペア数が高くなる傾向があります。
また、部屋数が多く各部屋にエアコンを設置している場合や、電気自動車の充電設備を備えている場合も、さらに高いアンペア数が必要となるでしょう。
世帯人数と家電製品の使用状況を踏まえて、自宅の電力需要を見積もり、適切なアンペア数を決定することが大切です。
ピーク時の消費電力
ピーク時の消費電力とは、一日の中で最も多くの電力を消費する時間帯のことです。一般的に、朝と夕方が家庭のピーク時となりやすく、家族全員が起きて活動している時間帯や、夕食の準備をしている時間帯に電力消費が集中します。
このピーク時の消費電力を把握することは、適切なアンペア数を決定するために非常に重要です。
例えば、エアコンや暖房器具、調理家電、照明などが同時に稼働する時間帯を考慮する必要があります。各家電の消費電力を確認し、それぞれの使用状況を見積もることで、ピーク時の総消費電力を計算します。
各家電の消費電力は本体やカタログに記載されています。前述のとおり、定格消費電力1000Wとあれば、その家電は1000W÷100V=10A使用することになります。これを足していき、同時に使用する確率を考慮します。 適切なアンペア数を知るためには、家族の生活スタイルや家電の使用パターンを見直し、電力需要の変動を考慮した計画を立てることが求められます。
現在のアンペア数の確認方法
電力使用量を最適化するためには、まず現在のアンペア数を確認しましょう。
正確な契約アンペア数を把握することで、過剰な電力使用をあらかじめ防いだり、また適切なアンペア数を検討することで電気料金を節約することができます。以下に、アンペアブレーカーや検針票を利用してアンペア数を確認する方法をご紹介します。
アンペアブレーカーで確認
アンペアブレーカーは通常、家の分電盤(ブレーカーボックス)に取り付けられていることが多いです。
分電盤を開けると、各回路に対応するブレーカーが並んでいますが、これとは別に契約しているアンペア数を示す主ブレーカーがあります。
アンペアブレーカーは基本的に、色や数字によって契約アンペア数がわかるようになっています。
例えば東京電力エリアの場合、30Aは緑、40Aは灰、50Aは茶色といった具体です。
この色分けは電力エリアによって異なります。また、アンペアブレーカーの色分けが非公開の電力会社もあります。アンペアブレーカーの色で契約アンペア数を判断する場合、まずは自分のエリアの送配電事業者のホームページなどで確認しましょう。
検針票から確認
電力会社から毎月送られてくる「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」にも契約アンペア数が記載されています。
また、電力会社のウェブサイトのマイページや会員ページにログインすることで、オンラインで契約内容を確認することも可能です。 特に近年はデジタル化が進み、オンラインでの確認が簡単になっていますので、これを活用するのも一つの方法です。
アンペア数の契約を変更する方法
アンペア数の契約の変更にはいくつかのステップがありますが、それぞれの手順を理解し、正しく実行することで、快適で効率的な電力使用環境を整えることができます。
以下に、契約内容の確認方法、電力会社への連絡、アンペアブレーカーの取り替え工事の詳細について説明します。
まずは契約内容を確認
まず初めに、自分が現在どのような電気の契約をしているかを確認することが重要です。
契約内容は電気使用量の明細書や電気代の請求書、あるいは契約している電力会社のウェブサイトのマイページで確認できます。
これらの書類には、契約しているプラン名や契約アンペア数が記載されており、現在の電力使用状況を把握するのに役立ちます。
電気料金プランには、アンペア制ではない場合もあるため、その確認も欠かせません。
例えば、定額制のプランや従量制のプランなどがあります。アンペア制の契約をしている場合、契約アンペア数によって基本料金が異なるため、無駄な支払いを避けるためにも正確な確認が必要です。
電力会社への連絡
契約アンペア数の変更を希望する場合は、まず契約している電力会社に連絡を取りましょう。
電力会社のカスタマーサポートに電話をするか、ウェブサイトから申し込みを行うことが一般的です。
アンペア数の変更は、電力会社によって手続きが異なるため、事前に必要な情報を確認しておくとスムーズに進めることができます。
注意点として、電気料金プランの切り替えと同時にアンペア数の変更ができない場合があります。
アンペア数の変更を検討していく中で、電気料金プランそのものも変更したいと思うようになった場合などです。この場合、まずプラン変更を完了させた後にアンペア数の変更を申し込む必要があります。さらに、新しいプランが自分の使用状況に適しているか、自分の望むアンペアがそのプランに用意されているかどうかも重要な検討事項です。
アンペアブレーカーの取り替え工事を行う
アンペア数の契約変更に伴い、家庭に設置されている電気メーターがアナログメーターの場合は、電力会社の作業員がアンペアブレーカーの取り替え工事を行います。
この工事は通常、20分程度で完了しますが、その間は原則として一時的に電気が使用できなくなるため、事前に計画を立てておくことが大切です。
また、分電盤での作業ということもあり、工事には立会いが必要となるため、日程の調整も重要です。また、配線工事を伴う場合は有料になる可能性があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
スマートメーターの場合
スマートメーターが設置されている場合は、アンペア数の変更は遠隔操作で行えるケースもあります。ただしこれは、既にアンペアブレーカーが撤去されている、またはアンペアブレーカーが未設置の場合に限ります。
この条件に該当するのは、アンペア変更がスマートメーターになってから2回目以降もしくは新築の場合です。これはスマートメーターとなってから初めてのアンペア変更を行う場合に、契約ブレーカーを撤去してスマートメーターでアンペア制御とすることが多いからです。
しかし、スマートメーターが初期のものだと、アンペアの制御機能がないものもあります。また、工事の判断は契約している電力会社に委ねられますので、スマートメーターがあるからといて、一概に工事不要とは判断はできません。まずは電力会社へ確認しましょう。
アンペア制でない場合の対応方法
アンペア制でない場合でも、電力使用状況に応じた適切なプランを選ぶことが重要です。
プラン内容を比較し、自分の生活スタイルに最適なものを選びましょう。
「エネワンでんき」では、家庭の消費電力量に応じたプランを用意しています。電力消費量から最適なプランを選びたい場合は、エネワンでんきへの乗り換えがおすすめです。
アンペア数の契約を変更する際の注意点
アンペア数の契約変更を検討する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。特に、賃貸や集合住宅に住んでいる場合や、一度変更したアンペア数を再度変更する際の制約について理解しておくと、後々のトラブルを避けることができます。
ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。
賃貸や集合住宅の場合
賃貸物件やマンション・アパートなどの集合住宅に住んでいる場合、アンペア数の変更は必ずしも自由にできるわけではありません。
アンペア数を下げる場合は概ね問題ないのですが、アンペア数を上げる場合は、管理会社やオーナーへの確認が必要となる場合が多いです。これは、建物全体の電力供給システムに影響を与える可能性があるためです。
具体的には、築年数の古い物件(戸建・集合ともに)では物件として使用できる電力の容量の最大値が低い場合があります。
例えば40A以上にできない(単相2線式)、200Vコンセントを設置できないなどの制限がある場合もあります。この場合に電柱から電線を新たに引くなどの大掛かりな工事が必要になります(有料)。
また、特に分譲マンションでは区分所有者(入居者)の平等の観点から、建物全体の使用可能な電力容量の中で、一部の入居者が早い者勝ちで多く占有するということは許されず、管理組合の承認を取らなければならない場合や、そもそも認められない場合があります。
そのため、賃貸や集合住宅にお住まいの方は、アンペア数の変更を希望する場合、まず管理会社やオーナーに相談しましょう。このプロセスをスムーズに進めるためには、事前にしっかりと準備をしておくことが重要です。
1度変更すると1年は変更できない
アンペア数の契約は基本的に1年単位で行われるため、季節ごとに契約を変更することはできません。
特に、電力使用量が多くなる夏や冬には注意が必要です。夏にはエアコンや扇風機、冬には暖房器具を多く使用するため、電力消費がピークに達します。
このような季節には、アンペア数を下げすぎると、電化製品を使用するたびにブレーカーが落ちてしまうリスクがあります。
したがって、アンペア数の契約を変更する際には、年間を通じて電力消費のピーク時にも対応できるように、余裕を持った設定を行うことが大切です。 無理に契約アンペア数を下げると、結果的に不便を感じることが多くなるため、慎重に判断することが求められます。
電気料金を安くするには、電力会社の切り替えも視野に
電気料金の削減を考える際には、まず現在の契約内容を見直し、消費電力の無駄を減らすことが基本です。
しかし、それだけでは限界があります。電力小売の全面自由化以降、私たちは電力会社を自由に選べるようになりました。自分に合ったプランを提供する電力会社に切り替えることで、さらに電気料金を節約することが可能です。
エネワンでんきは、消費電力量に応じたプランを用意しているのに加え、地球環境に配慮したカーボンニュートラルでんきを提供しており、環境にやさしいエネルギーを使用しながら電気料金を抑えることができます。
電力会社の切り替えは、長期的に見ると大きな節約効果をもたらしますので、ぜひ一度ご検討ください。