
Wi-Fiルーターの消費電力はどのくらい?節電のポイントも解説
Wi-Fiルーターの消費電力はどのくらい?節電のポイントも解説
Wi-Fiルーターは、いまや日常生活に欠かせない存在ですが、消費電力について詳しく把握している方は多くありません。消費電力の目安や電気代の計算方法、用途に合った選び方などを解説します。うまく節電しつつ、快適なネット環境を整えましょう。
目次
Wi-Fiルーターの消費電力の目安

近年は高速通信に対応したWi-Fiルーターが多く登場しており、常時稼働させているご家庭も多いでしょう。他の電化製品に比べると消費電力はわずかですが、機種や使い方によって毎月の電気代に違いが生じます。
まずは、Wi-Fiルーターの基本的な役割を確認するとともに、消費電力の目安を確認しておきましょう。
Wi-Fiルーターとは?
Wi-Fiルーターは、インターネット回線を無線LAN(Wi-Fi)経由で、さまざまなデバイスに提供するための機器です。ご家庭やオフィス環境などで、PC・スマホ・タブレットなどをインターネットに接続するため、一般的に導入されています。
本来のルーターにWi-Fi機能が組み込まれたものであり、基本的に24時間稼働させることを前提に設計されています。複数のデバイスを同時に接続可能で、インターネットが生活に定着した現代の生活において、欠かせない機器の一つです。
Wi-Fiルーターの消費電力は?
Wi-Fiルーターの消費電力は、製品の仕様や使用状況によって変動しますが、一般的なご家庭用の機器であれば、1時間あたりおよそ5~15Wが目安です。より高性能なモデルや多機能ルーターの場合、消費電力が15Wを超えることもあります。
例えば、BuffaloのWSR-3000AX4P-BKの場合、消費電力は14.4Wです。電化製品の中では消費電力は小さい部類ですが、常時稼働させるならば、できるだけ電気代を抑える工夫が求められます。
なお、デバイスの使い方によっても、Wi-Fiルーターの消費電力が変わる可能性があります。例えば、複数のデバイスが同時に高画質動画をストリーミングしている場合、負荷が大きくなり消費電力が増加する傾向があるので注意しましょう。Wi-Fiルーターの電気代を抑えるポイントについて、詳しくは後述します。
Wi-Fiルーターにかかる電気代は?

Wi-Fiルーターは24時間稼働しているご家庭が多く、無意識のうちに月間・年間の電気代に影響を及ぼしています。できる限り電気代の負担を抑えるため、基本的な電気代の計算方法とともに、Wi-Fiルーターの電気代の相場を確認しておきましょう。
一般的な電気代の計算方法
Wi-Fiルーターに限らず、一般的な電化製品の電気代の計算方法は、次の通りです。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
電化製品の消費電力をキロワット(kW)単位で表し、使用時間(h)と電気料金単価(現状は31円/kWh)をかけることで計算できます。
例えば、10Wの機器を1日24時間使用し続けた場合、1日の消費電力量は約240Wh(0.24kWh)です。したがって、電気料金の単価を31円/kWhとすると、1日あたりの電気代は約7.44円、1カ月(30日)では約223.2円となります。
このようにして、Wi-Fiルーターが、どの程度の電気代を生んでいるかを把握するとよいでしょう。電気代を実際に計算することで無駄を可視化できるので、効率的な節電が可能です。なお、電気代の計算方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
手軽に使えるWi-Fiルーターの電気代
それでは、実際のWi-Fiルーターの電気代の計算例を紹介します。まずは、手軽に持ち運びできるWi-Fiルーター(WMR-433W2-BK:消費電力は最大2.5W)の電気代を確認してみましょう。同機器を1時間使用した際の電気代は、次の通りです。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)=0.0025kW×1h×31円/kWh=0.0775円
従って、電気代は1時間で約0.08円です。1日12時間使った場合は約0.93円、24時間常時稼働した場合は、約1.86円の電気代がかかると見込まれます。モバイルルーターのため外出先でも使いやすく、USB充電器から簡単に給電できます。
※出典:WMR-433W2-BK : Wi-Fiルーター : AirStation|バッファロー
一般的なWi-Fiルーターの電気代
次に、ご家庭向けのWi-Fiルーターの電気代を紹介します。代表例として、こちらもBuffaloの「WSR-5400XE6(消費電力は最大16.2W)」にかかる電気代を、計算してみましょう。同機器を1時間使用した際の電気代は、次の通りです。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)=0.0162kW×1h×31円/kWh=0.5022円
従って1時間で約0.50円の電気代がかかります。24時間使い続けた場合は1日約12.05円、月間では約361.58円の電気代の負担が発生する計算です。
ご家庭全体でみると少額に感じるかもしれませんが、Wi-Fiルーターは一度設置すると長期間使用する機器であり、上記のように常時稼働させているご家庭も少なくありません。累積しがちなコストとして、きちんと意識することが大切です。
※出典:WSR-5400XE6 : Wi-Fiルーター : AirStation|バッファロー
Wi-Fiルーターの電気代を抑えるポイント

Wi-Fiルーターの電気代は大きな金額ではありませんが、日々の使い方を工夫すれば、無駄な電力消費を抑えられます。ご家庭で手軽に実践できる節電のポイントとして、電源管理や省電力機能の活用について紹介します。
使用しない時間は電源を切る
Wi-Fiルーターを24時間稼働させているご家庭は多くありますが、使用しない時間帯(夜間や外出中など)は電源を切ることで、無駄な電力消費を避けられます。
例えば、就寝中の8時間ほど電源をオフにするだけでも、1日あたり3分の1の電力の削減が可能です。仮に10Wの機器であれば、1日あたり約0.08kWhの節電につながり、年間で約29kWhもの節約につながります。
逐一電源を切るのが手間ならば、タイマー機能やスマートプラグを使って、自動的に電源をオフにするのがおすすめです。
省電力モードを活用する
多くのWi-Fiルーターには、省エネモードやスリープモードが搭載されています。これらの機能を有効にすることで、無駄な電力消費を自動的にカットでき、使っていない間も最小限のエネルギーで運用が可能です。
例えば、省電力モードを設定することで、最大で30~50%ほど消費電力を抑えられるケースもあるため、月単位・年単位でみれば大きな違いになるでしょう。設定方法はメーカーや機種によって異なりますが、多くは専用アプリや管理画面から、簡単に切り替えられます。
特に、ルーターの使用状況が日によって大きく異なる場合や、夜間の使用がほとんどないご家庭などにおすすめです。
用途に合ったWi-Fiルーターの選び方

Wi-Fiルーターを選ぶ際には、単に消費電力の低さだけではなく、ライフスタイルや利用環境に応じて機種を選ぶことが重要です。
必要以上に高性能なルーターを選ぶと、無駄な電力の消費につながります。逆に、性能が不足していると、快適なインターネット環境が得られません。以下の点を意識しつつ、ご家庭に合ったWi-Fiルーターを探してみましょう。
利用人数や接続端末数で選ぶ
まずは、常時利用する人数や接続が必要な端末数から、購入すべきWi-Fiルーターのスペックを絞り込みましょう。
1~3人程度の利用であれば、一般的なルーターで十分です。基本的に高性能で高価格なモデルを選ぶ必要はありません。一方、家族全員が同時に利用するケースが多い場合などは、相応の性能を有する機器が必要となります。
適切な接続台数に見合ったルーターを選ぶことで、通信の安定性を保ちながら、電力も無駄なく使用できます。メーカーが公表している推奨接続台数や対応ユーザー数などは必ず確認し、ご家庭の環境に合ったスペックか判断しましょう。
通信可能な範囲で選ぶ
通信可能な範囲(カバレッジ)も、Wi-Fiルーターを選ぶ際の重要な基準の一つです。住居の広さや構造によって、必要なWi-Fi電波の強さや到達距離が異なります。
例えば、戸建ての一階部分だけで使う場合と、広い家で二階でも快適に利用したい場合とでは、選ぶべき製品が変わってきます。一般的なアパートやマンションの一室(40〜60平方メートル程度)であれば、標準的な家庭用Wi-Fiルーターで十分に対応できます。
一方、広い一戸建てや大きめのマンションでは、電波の届きにくさを考慮する必要があります。特に鉄筋コンクリート構造の建物や、複数の壁や床を隔てた場所では電波が弱まりやすいため、適切な範囲をカバーできるモデルを選びましょう。
平均通信速度で選ぶ
機器の平均通信速度も注目すべきポイントです。適切な通信速度のルーターを選ぶことで、無駄な消費電力を抑えつつ、快適な通信環境を実現できます。
Wi-Fiルーターの通信規格はさまざまで、最新の規格ほど高速な通信が可能ですが、その分消費電力も増加する傾向にあります。ウェブサイトの閲覧や動画の視聴など、一般的なインターネットの利用ならば、Wi-Fi 5(802.11ac)規格のルーターで十分に対応可能です。
一方、高画質のストリーミングやFPSなどのゲームを快適に楽しみたいならば、Wi-Fi 6(802.11ax)対応のルーターを選ぶとよいでしょう。
なお、インターネット回線の最大速度を超えるルーターを導入しても、性能を生かしきれません。例えば、契約回線が100Mbpsの場合、ルーターがどんなに高性能でも実際の通信速度は100Mbpsを超えることはないので注意しましょう。契約するインターネット回線の速度にも注目する必要があります。
ご家庭に合ったWi-Fiルーターを導入しよう

Wi-Fiルーターは、日常生活に欠かせない通信機器ですが、消費電力を気にする方は多くありません。1日中使っても電気代は数円程度と、大きな負担にはなりませんが、省電力モードの活用や不要時の電源オフなど、ちょっとした工夫でさらに節約が可能です。
ご家庭の使用状況に応じて最適なルーターを導入すれば、通信環境の快適さを保ちつつ、無駄な電力消費を抑えられます。ライフスタイルに合った機器を導入し、安心かつ経済的なインターネット環境を実現しましょう。