1200Wの電気代の目安は?電化製品別の計算方法と節電のポイント
1200Wの電気代の目安は?電化製品別の計算方法と節電のポイント
私たちの身の回りには、1200Wを超える電化製品が多く存在します。消費電力が大きいほど電気代が高くなるため、使用時間や頻度に注意しなければなりません。1200Wの電気代の目安や電化製品別の節電ポイントを把握しましょう。
目次
「1200W」の電気代はいくらになる?
電化製品には、消費電力が表示されています。消費電力が1200Wの場合、電気代はいくらになるのでしょうか?消費電力から電気代を計算する方法を解説します。
電化製品の電気代を計算する方法
「消費電力(W)」とは、電化製品を動かすのに必要な電力です。電気代の目安を知りたいときは、以下の計算式を用いましょう。
- 電気代=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
定格能力で動かしたときに消費される電力は「定格消費電力」と呼ばれます。日本産業規格(JIS)の条件に基づき、機器を連続運転させた際に安定して出せる能力のことで、「すべての機能を最大限に使ったときの値」ともいえます。
電化製品の中には、定格消費電力のみが記載されているものもありますが、実際の消費電力とは若干の差があることを覚えておきましょう。
「1200W」の電化製品を1時間使った場合
計算式に当てはめて、1200Wの電化製品を1時間使ったときの電気代を算出してみましょう。1kWhあたりの電力量料金には、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価「31円/kWh(税込み)」を採用します。
- 1時間あたりの電気代:1200W÷1,000×1時間×31円/kWh=約37.2円
1200Wの電化製品を1時間使うと、37.2円の電気代がかかります。1カ月(30日)では1,116円、年間(12カ月)では13,392円になる計算です。
電化製品別の電気代の計算方法
消費電力は電化製品ごとに異なり、150W程度のものもあれば、3000Wを超えるものもあります。1200W前後の電化製品をいくつかピックアップし、製品の特徴と電気代の具体的な計算方法を紹介します。
エアコン
シャープの「AY-L40H(暖房時11~14畳、冷房時11~17畳)」の消費電力は、暖房時が1450W、冷房時が1280Wです。1日8時間使用するとして、1日・1カ月の電気代を計算してみましょう。
<暖房の電気代>
- 1日(8時間)の電気代:1450W÷1,000×8時間×31円/kWh=359.6円
- 1カ月の電気代:359.6円×30日=10,788円
<冷房の電気代>
- 1日(8時間)の電気代:1280W÷1,000×8時間×31円/kWh=317.44円
- 1カ月の電気代:317.44円×30日=9,523.2円
なお、エアコンの消費電力は、建物の立地条件・部屋の広さ・断熱性・風量・モードなどの条件に左右されます。説明書に記載されている消費電力は、あくまでも目安と考えましょう。
※出典:仕様 / 寸法 | L-Hシリーズ | エアコン:シャープ
洗濯乾燥機
洗濯乾燥機は、乾燥時の消費電力が最も大きくなります。東芝の「TW-127XP3L / R」を例に挙げると、洗濯時の消費電力は135W(電動機)なのに対し、乾燥時は1190Wです。乾燥機を毎日1時間使うと仮定して、1日・1カ月の電気代を計算します。
<乾燥機のみの電気代>
- 1日(1時間)の電気代:1190W÷1,000×1時間×31円/kWh=36.89円
- 1カ月の電気代:36.89円×30日=1,106.7円
公式サイトによると、「洗濯~乾燥」の消費電力量は約1330Wh( 約96分)とされています。この場合、1日の電気代は41.23円となります。
出典:寸法・仕様 | TW-127XP3L/TW-127XP3R | 洗濯機・洗濯乾燥機 | 東芝ライフスタイル株式会社 | 東芝ライフスタイル株式会社
ドライヤー
ドライヤーは風量やモードによって消費電力が変わります。パナソニックの「EH-NA0J」は、風量「強」(HOT・最大出力)の消費電力が1200Wです。最大出力で1回10分使うと仮定し、1日・1カ月の電気代を計算します。
- 1日(10分)の電気代:1200W÷1,000×(10÷60h)×31円/kWh=6.2円
- 1カ月の電気代:6.2円×30日=186円
使用時間は短いですが、家族の人数が多いとそれだけ電気代が高くなる点に注意が必要です。消費電力を抑えたいのであれば、風量を「弱」に切り替えましょう。
※出典:詳細情報 ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0J | ヘアケア(ドライヤー・ヘアアイロン) | Panasonic
掃除機
掃除機の消費電力は、集じん方法・搭載機能・形状などによって変わります。ここでは、集じん方法が「紙パック式」、電源が「コード式」のタイプを取り上げます。
日立の「紙パック式クリーナー(コード式)かるパックCV-KP90L」は、最大消費電力が1180Wです。毎日15分使うと仮定して、1日・1カ月の電気代を算出してみましょう。
- 1日(15分)の電気代:1180W÷1,000×(15÷60h)×31円/kWh=9.145円(約9.15円)
- 1カ月の電気代:約9.15円×30日=約274.5円
掃除機は「運転モード」が選択できます。上記は、最大消費電力を基に計算しているため、エコモードで運転すれば電気代はグッと安くなります。
※出典:仕様 : 紙パック式クリーナー CV-KP90L : クリーナー : 日立の家電品
電子レンジ
電子レンジは、短時間でも大きな電力を消費します。シャープの「RE-WF264」は、定格消費電力が1420Wです。1日3分使うと仮定して、1日・1カ月の電気代を計算します。
- 1日(3分)の電気代:1420W÷1,000×(3÷60h)×31円/kWh=2.201(約2.20円)
- 1カ月の電気代:約2.20円×30日=約66円
電子レンジに表示されている「500W」や「600W」といった数字は、「定格高周波出力」です。食品を温めるのに必要なエネルギーの強さを意味しており、実際の消費電力は定格高周波出力の1.5~2倍といわれています。
出典:仕様 / 寸法 | RE-WF264 | オーブン・電子レンジ:シャープ
消費電力の高い電化製品の節電術
消費電力の高い電化製品の多くは、日常生活に欠かせないものばかりです。「電気代が高い…」と感じているご家庭は、無理のない範囲で節電を心掛けましょう。
エアコンの小まめなオン・オフは逆効果
エアコンの電気代を節約するために、小まめなオン・オフを繰り返す方は珍しくありません。短時間の外出であれば、つけっぱなしにした方が電気代を抑えられるのをご存じでしょうか?
スイッチをオフにすると、部屋の温度が外気温に近くなり、設定温度に到達するまでにより多くの電力を消費します。30分~1時間程度の外出であれば、スイッチを切らずに「自動運転」で稼働させましょう。
自動運転とは、環境に合わせてモードや設定温度などを自動的に調整する機能です。設定温度に到達するまでは「強」、到達してからは「弱」に切り替わるため、電力の無駄がありません。
エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代についてもっと詳しく知りたい方はこちら
乾燥機は稼働回数・時間を減らす工夫を
乾燥機は1回あたりの消費電力が大きいため、稼働回数を減らす工夫をしましょう。洗濯する曜日を決め、数日分をまとめて洗濯するのがおすすめです。
ただし、詰め込みすぎは禁物です。洗濯物が多ければ多いほど乾くまでに時間がかかるため、容量の8割程度を目安にします。
雨の日や急いで乾かしたいとき以外は、自然乾燥と併用するのが基本です。洗濯物と一緒に乾いたバスタオルを入れて乾燥機を回すと、機内の湿度が下がって乾燥時間を短縮できます。
ドライヤー前にタオルドライを徹底
ドライヤーは、運転モードによって消費電力が変わります。「温風(HOT)」と「強風(ターボ)」の組み合わせが最もエネルギーを使うため、温風と冷風を使い分けたり、風量を調整したりする工夫が必要です。
また、ドライヤー前のタオルドライを徹底することで、乾かす時間を短縮できます。特に、マイクロファイバー製のタオルは吸水性・速乾性が高く、髪の毛の水分を素早く吸収します。
マイクロファイバー製の「ヘアドライ手袋」を使うのもよいでしょう。タオルドライしながら、ドライヤーを当てられるため、より効率的に乾かせます。
掃除機はフィルターの目詰まりに注意
掃除機は、フィルターが詰まると吸引力が低下し、より多くの電力を消費するため、定期的な掃除を心掛けましょう。紙パック式の掃除機は、紙パックが満杯になる前にごみを捨てるようにします。
短時間で掃除を済ませられるように、掃除機をかける前に片付けを済ませておく方法も有効です。フローリングであれば、掃除機ではなく「フローリングワイパー」を使う手もあります。
強モードは消費電力が大きいので、部屋のタイプや汚れ具合によってモードを使い分けましょう。ごみが絡みやすいカーペットは「強」が理想ですが、フローリングや畳は「弱」でも十分です。
電子レンジには物を詰め込みすぎない
電子レンジは、いかに効率的に加熱できるかがポイントです。使用回数を減らそうと、一度に多くの食品を庫内に入れる方がいますが、温め効率が下がってしまいます。
温め直しが生じないように、食品は適量を数回に分けて入れましょう。レンジの使用時間が短くて済むように、冷凍した肉や魚はできるだけ自然解凍します。
庫内には食品カスがこびりつきやすく、掃除を怠ると温め効率が下がります。汚れにマイクロ波が集中して発煙や発火を引き起こすこともあるため、庫内は常に清潔に保ちましょう。
節電以外で電気代を抑える方法は?
「電気の無駄遣いをしていないのに、電気代が高い」というご家庭は少なくないものです。我慢を伴う節電は長続きしない上、生活の快適さや健康を損ないかねません。節電以外で電気代を抑える方法を紹介します。
電力会社と料金プランの見直し
節電に着手する前に、電力会社と料金プランの見直しを行いましょう。電力の小売全面自由化が進んだ今日、消費者はライフスタイルに合った電力会社を自由に選べます。
新電力の中には、ほかのサービスとの「セット割」を打ち出すところもあります。電気代はもちろん、ガスやインターネットの料金もお得になり、家計の負担が減るでしょう。
「エネワンでんき」では、月々の電力使用量に合わせた3つのプランを用意しています。無駄なくフィットするプランが選べるうえ、毎月の支払いでPontaポイントがたまります。料金シミュレーションでいくら安くなるかをチェックしてみましょう。
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太陽光発電の導入
1000W以上の電化製品を多用するご家庭であれば、「太陽光発電」を検討する手もあります。太陽光の光エネルギーを電気に変換する装置のことで、発電を行う「太陽光パネル」と電力を変換する「パワーコンディショナー」などから構成されます。
太陽光発電を導入すれば、電気代が削減できるだけでなく、売電収入を得ることも可能です。家庭用蓄電池と併用した場合は、夜や災害時にも電気を使えます。
一方で、設置費用が高く、定期的にメンテナンス費用が発生するのがデメリットです。屋根の形状や立地の面で、設置に適していない家もあるため、事前調査はしっかりと行いましょう。
「1200W」の電化製品は使い方を工夫しよう
電化製品の電気代は、消費電力から算出できます。契約している電力会社にもよりますが、1200Wの電化製品を1時間使った場合の電気代は、37.2円前後とみておきましょう。
特に、エアコン・洗濯乾燥機(乾燥機のみ)・ドライヤーなどは、消費電力が1200Wを超える場合があるため、日々の節電対策が欠かせません。同時に、電力会社や料金プランの見直しも行いましょう。
近年は、大手電力から多彩な料金プランがある「新電力」に切り替える方が増えています。この機会に電気の使い方を振り返り、各社の料金プランを比較してみてはいかがでしょうか。