
4人家族の食費の平均値はどれくらい?食費を節約する方法も解説
4人家族の食費の平均値はどれくらい?食費を節約する方法も解説
食材の高騰が続く中、改めて食費をチェックして「うちってこんなに食費がかかってるの?」と驚いた経験がある人も多いでしょう。そもそも食費はどれくらいかかるのが普通なのか、家計調査を基に平均値を解説します。あわせて食費を節約する方法も解説します。
目次
4人家族の食費はどれくらい?

わが家の食事にかかる費用が高いか安いかを判断するには、総務省統計局が定期的に公表している「家計調査」をチェックするのが有益です。家計調査ではさまざまな切り口で平均的な食費を割り出しているので、比較対象として役立ちます。家計調査から見る、4人暮らしの家庭の食費の平均値を解説します。
平均的な4人家族の食費
2023年から過去5年間における家族の人数別の食費を見ていきましょう。4人で暮らすご家庭の食事にかかる費用の平均値は、下記の通りです。
2019年 | 83,799円 |
2020年 | 87,071円 |
2021年 | 87,017円 |
2022年 | 88,102円 |
2023年 | 90,712円 |
上記の数字からもわかる通り、4人で暮らすご家庭で消費される食費は年々増加傾向にあります。2019年から2023年にかけては、約8%も上がっている計算です。
食費が年々上昇している主な原因の一つは、食材の値上がりです。同じ食生活をしていても、食品の価格が上がれば、必然的に食費全体も上昇します。
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2023年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2022年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2021年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2020年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)・無職世帯 年次 2019年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
四半期ごとの4人家族の食費
家計調査では四半期ごとの食費の平均値も割り出しています。2023年における4人暮らしのご家庭の季節別の食事にかかる費用の平均値は、以下の通りです。
1~3月 | 85,430円 |
4~6月 | 88,773円 |
7~9月 | 92,993円 |
10~12月 | 95,652円 |
7~9月に増えるのは、子どもが夏休みに入って給食がなくなるからです。昼食を自宅で食べる人数が増えれば、必然的に食費も上昇します。
また、10~12月に増える理由としては、コストがかかるイベントの多さが挙げられます。ハロウィンやクリスマスなどのイベントでは、「特別な料理を用意してお祝いしたい」という心理が働くため、ついつい財布のひもが緩くなってしまうのです。
※出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 4 世帯人員・世帯主の年齢階級別 総世帯・勤労者世帯 四半期 2023年1~3月期 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 4 世帯人員・世帯主の年齢階級別 総世帯・勤労者世帯 四半期 2023年4~6月期 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 4 世帯人員・世帯主の年齢階級別 総世帯・勤労者世帯 四半期 2023年7~9月期 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
※出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 4 世帯人員・世帯主の年齢階級別 総世帯・勤労者世帯 四半期 2023年10~12月期 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
収入別の4人家族の食費
家計調査では、収入別の4人暮らしのご家庭の食費も割り出しています。仕事をしている方が1人の4人家族における年収別の食事にかかる費用は、2023年のケースでは下記の通りです。
400~450万円 | 77,915円 |
450~500万円 | 76,762円 |
500~550万円 | 69,351円 |
550~600万円 | 73,432円 |
600~650万円 | 88,906円 |
650~700万円 | 82,826円 |
700~750万円 | 90,242円 |
750~800万円 | 92,581円 |
800~900万円 | 86,728円 |
900~1,000万円 | 110,732円 |
1,000~1,250万円 | 94,293円 |
年収600万円台までのご家庭では、平均以下の費用でやりくりしていることがわかるでしょう。年収600~900万円台は平均的で、年収1,000万円以上では、食費が大きく増える傾向が見られます。
世帯主の年齢別の4人家族の食費
家計調査では、世帯主の年齢別に4人家族の食費も算出しています。仕事をしている方が1人の4人家族における、世帯主の年齢別の食事にかかる費用は、同じく2023年調査でみると、下記の通りです。
~34歳 | 73,605円 |
35~39歳 | 79,888円 |
40~44歳 | 85,529円 |
45~49歳 | 94,966円 |
50~54歳 | 98,120円 |
55~59歳 | 97,495円 |
世帯主の年齢が上がるにつれて上昇するのは、年齢を重ねると収入が増えることが理由と考えられます。また、子どもが成長して食べ盛りになることも、世帯主の年齢が上がるにつれて食費が上がる理由の1つです。
食費を節約する際の目標額は?

平均値よりも高い食費を支払っているのであれば、節約を目指しましょう。食事にかかる費用を節約する際には、まず目標額の設定が不可欠です。目標額がはっきりしないと、どれくらい節約をすべきかがイメージしにくくなります。食費の目標額の設定方法を解説します。
エンゲル係数を基に計算する
エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の割合を示す数値です。「食費÷消費支出×100(%)」で計算されます。
2023年に行われた家計調査の結果から算出される4人暮らしのご家庭のエンゲル係数は、約28.06%です。実際にエンゲル係数を割り出してみて、これより高い数値が出ていれば、食費の使いすぎと判断できます。
なお、理想のエンゲル係数は20%前後といわれています。食材の値段が高騰する今、いきなりこの値を目指すのは困難です。まずはエンゲル係数25%程度を目標にするのがおすすめです。
必要な支出を差し引いた残りを食費にする
より現実的な食費の目標額を設定するには、必要な支出を差し引いた残りを食費に充てる方法が適しています。水道光熱費・ローン返済額・保険料・貯蓄など、「絶対に必要なお金」を収入から差し引き、余ったお金を食費に当てていきます。
この方法のメリットは、毎月決まった額を貯金できることです。貯金を含めた必要なお金を確保してから食事にかかる費用に回す金額を決めるので、半ば強制的に貯金ができます。
一方デメリットは、毎月の支出をもれなく把握している必要がある点です。家計簿をつけずに家計を管理している場合、最初に差し引くべき支出さえも把握するのが難しくなるでしょう。
食費を節約する方法【基本編】

ここからは食費を節約する方法を紹介します。まずは、最初に実践したい基本の取り組みを解説します。無駄が多かったご家庭であれば、これから紹介する基本の技を実践するだけで、大きな節約になるはずです。
自炊を徹底する
食費を節約するには、自炊を貫くことが大切です。
具体的には、まず外食を減らしましょう。外食は食事を楽しむ目的であれば良い選択といえますが、食費を節約したいのであれば減らすのがベターです。
しかし、外食を完全にゼロにするとストレスが溜まる可能性があるため、注意しましょう。外食が多かったご家庭であれば、外食にかける予算を決めて適度に楽しむのがおすすめです。
また、スーパーで食材を購入する際には、お総菜やレトルト食品を選ばないようにしましょう。お惣菜やレトルト食品は、調理にかかる手間を省いてくれるものの、その分価格設定が割高になっているので、食費を節約したい場合には避けるべきです。
節約できる自炊のアイデア
自炊は、工夫次第でさらに食費の節約効果を高める作用が期待できます。
例えば、共働きのご家庭であれば、休みの日に料理をたくさん作り置きしておくのがおすすめです。作り置きがあれば、ついつい手抜きをしたくなる平日の夜ご飯でも、お惣菜やレトルト食品に頼らずに充実した食卓を実現できます。
また、旬の食材を積極的に活用するのも節約に効果的です。旬の食材は味や栄養価が優れていることに加え、旬ではない時期と比べて値段が抑えられています。旬に敏感になれば、お得な食材を見極める目が育っていくでしょう。
家計簿を使って記録をつける
食費を節約するためには、毎月の食費を正確に把握することが欠かせません。家計簿をつけて実際にかかっている食費の額を把握しましょう。
毎月かかっている食費についてざっくりとした認識しかないと、どれだけ無駄遣いをしているかを把握するのが難しくなります。自分は精いっぱい節約しているつもりでも、かかったお金を精査することで、思わぬ無駄が見えてくる場合もあります。
家計簿をつけた経験がない方におすすめなのが、家計簿アプリの活用です。普段から使用しているスマホで記録をつけられるため、自然と家計管理を継続できます。
コンビニを使わないようにする
コンビニを使う機会が多い場合には、コンビニを利用する回数を減らすだけでも食費の節約になります。
コンビニはスーパーよりも身近なため、「ちょっとした買い物はコンビニで済ませる」という人も多いでしょう。
確かに、コンビニの商品はスーパーに比べると単価が高めのものもありますが、惣菜やカット野菜などは必要な分だけ手軽に購入できるというメリットがあります。例えば、キャベツをまるごと買うよりもカット野菜を必要な分だけ購入したほうが無駄なく使え、結果的にコストを抑えられることもあります。
また、コンビニでの1回の買い物は少額でも、利用回数が多くなると家計への負担が大きくなることもあります。スーパーとコンビニを上手に使い分けながら、食費をコントロールすることが大切です。
食費を節約する方法【買い物編】

スーパーで買物をするときに実践できる食費の節約技を3つ紹介します。ちょっとした工夫をするだけで、買い物で使う食費の金額は変わってきます。毎日の食事にかかる費用を節約したいのであれば、しっかり頭に入れておきましょう。
予算を決めてから買い物に行く
食費を節約するには、食料品の買い物に行くときに予算を決めておくのが大切です。
予算を決めてから買い物に行くメリットの1つが、購入予定の食材以外を買わなくて済むことです。衝動買いや無駄遣いをしていては、予算内で必要な食材を買いそろえることが難しくなるため、自然と財布のひもを引き締められます。
月々の予算内で食費を収めることができるのも、予算を決めてから買い物に行くメリットです。月の食費を買い物に行く回数で割って予算を決めれば、確実に食費を予算内で収められます。
安いときに食材をまとめ買いする
食費を節約したいのであれば、特売やセールを狙って食材をまとめ買いするのがおすすめです。単価が安いときにまとめ買いをすれば、意識せずとも食費を節約できます。
手元にある食材でやりくりする習慣が身に付くのも、食材をまとめ買いするメリットです。
食材をまとめ買いする場合、必然的に買い物に行く回数も少なくなるので、その都度、レシピに必要な食材を買い足すことができなくなります。まとめ買いをした食材だけで食卓を充実させる必要があるため、やりくり上手にならざるを得ないといえるのです。
おトクな支払い方法を選択する
さらに食費を節約したいのであれば、現金ではなく、クレジットカードやスマホ決済などのポイントがたまる支払い方法を選択しましょう。
ポイントがたまる支払い方法を選ぶ際は、貯めるだけでなく、計画的に使うことも大切です。ポイントを貯めること自体が目的にならないよう、「3,000ポイントたまったら調味料や日用品を購入する」など、具体的な使い道を決めておくと無駄がありません。
なお、利用するスーパーによっては、現金払いのみの店もあるため、適切に現金払いとそれ以外の支払い方法を使い分けるのが大切です。
食費を節約する方法【調理編】

買い物で食費の節約を実現できたなら、次は調理で食費の節約を目指しましょう。料理が苦手な方は、紹介している節約方法の中からできるものを選び、まずは実践してみることが重要です。食費を節約する調理のコツを解説します。
コスパの良い食材を使ったレパートリーを増やす
食費を節約したいのであれば、安価で買える食材を駆使した節約レシピのレパートリーを増やすのが効果的です。
コスパが良い食材の代表例といえば、もやしが挙げられます。もやしは太陽や土を必要とせず、さまざまな環境で栽培できるため、安価に生産可能です。炒め物やスープなどさまざまな料理に活用できるので、もやしは食費を節約したいご家庭の強い味方となるでしょう。
食費を節約したいご家庭の主なたんぱく源となり得るのが、鶏むね肉です。健康志向の高まりから以前よりも注目されるようになったものの、鶏むね肉は鶏もも肉と比べて需要が低いので、スーパーでは安価に売られています。
さらに、きのこ類・豆腐・豆苗などを活用すれば、自然と食費を節約できます。
積極的に冷凍を活用する
食費を節約する際に重要なのが「食材を冷凍する」というアプローチです。
食費を節約する上で絶対にクリアしたいのが、「食材の使い切り」です。購入した食材を余らせて駄目にしてしまえば、食費の節約からは遠のいてしまいます。
中途半端な余り物が発生してしまったときは、必要なときにいつでも使えるように冷凍しておきましょう。傷む前に冷凍すれば、食材の消費期限を延長することができます。
また、食材のまとめ買いをする場合、冷凍は欠かせないステップです。大量買いした肉や魚は、下味をつけてから冷凍することで、「後は調理するだけ」の状態で保存できます。
レシピ通りに調理しようとしない
レシピを参考に調理するときは、レシピの再現に注力しないことが大切です。
レシピ通りに料理を作ろうとすると、割高な食材や調味料を買わなくてはいけない場合があります。参考にするレシピが節約レシピでない限り、料理の完成にかかるコストは配慮されていないことがあるので、レシピ通りに作ろうとすると、コスパの悪い料理が完成してしまう可能性があります。
また、汎用性の低い調味料が必要になる場合があるのも、レシピ通りに料理を作るデメリットです。そのレシピでしか使わないような調味料を購入すると、「冷蔵庫の肥やし」になってしまう可能性が濃厚です。
毎日の食事にかかる費用を節約したいのであれば、レシピのエッセンスだけをくみ取り、手元にある食材でアレンジするようにしましょう。
賢く工夫して食費を節約しよう

食費の管理は、家計を担う人の重要な役割の一つです。実際にかかっている金額を平均値と比べ、わが家が置かれている現状を知りましょう。ただし、たとえ食費が平均的であっても安心はできません。食材の値段が上がっている今、無意識に買い物や調理をしていると、どんどん食卓が貧相になっていく可能性があります。食費は工夫次第で節約できる費用です。自炊や家計簿をつける習慣などを身に付け、充実した食卓を守っていきましょう。
3人家族の食費については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
また、5人家族の食費についても、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
5人家族の食費についてもっと詳しく知りたい方はこちら