引越し時に冷蔵庫の電源を切るタイミングは?準備や運び方も解説
引越し時に冷蔵庫の電源を切るタイミングは?準備や運び方も解説
引越しで冷蔵庫を運ぶ際、電源を切るタイミングが遅れるとトラブルにつながる恐れがあります。事前準備をしっかり行えば、冷蔵庫を安全に運搬できるだけでなく、寿命を延ばすことにもつながるでしょう。引越しで冷蔵庫を運ぶ際のポイントを解説します。
目次
引越し前に冷蔵庫の電源を切るタイミングは?
何の知識もなく冷蔵庫を運んでしまうと、トラブルにつながる恐れがあります。まずは、冷蔵庫の電源を切るタイミングについて理解しましょう。
引越しの24時間以上前に切っておくと安心
冷蔵庫の電源は引越しの24時間以上前に切っておけば安心です。遅くとも12~15時間前までには切っておきましょう。
冷蔵庫の電源を早めに切るべき理由は、庫内の霜が溶け出すためです。電源を切ると霜が溶けて水になり、庫内にたまります。すべての霜が溶け切った後、水を抜き取った状態にすることで、運搬中にほかの荷物を濡らしてしまうリスクを防げます。
霜が完全に溶け切らないまま運搬すると、運搬中に溶け出した水でほかの荷物を濡らしてしまい、故障などの原因になることがあります。電源を切ってから霜が完全に溶けるまで15~24時間程度かかるため、余裕を持って24時間以上前に電源を切りましょう。
なお、古い冷蔵庫は24時間前に切っても間に合わないことがあるため、できるだけ早めに電源を切りましょう。
冷蔵庫を運ぶ前にしておきたい作業
引越し先に冷蔵庫を運ぶ際は、電源を切る以外にも事前にやっておきたい作業があります。冷蔵庫を運ぶ前の準備を時系列で見ていきましょう。
引越し前日まで:庫内を空にする
電源を切った冷蔵庫は冷蔵機能がなくなるため、電源を切るまでには庫内を空にしておく必要があります。引越しの約10日前から食材を減らす計画を立て、荷物を最小限にしましょう。
引越し先に運ぶ食材や調味料は、クーラーボックスや発泡スチロールに移し替えて運搬するのがおすすめです。冷蔵や冷凍が必要ないものも、冷蔵庫の外に出して運びましょう。庫内にものが残った状態だと、業者から運搬を断られるケースがあります。
より安全に食材を運びたい場合は、クール便を利用するとよいでしょう。ただし、クール便は通常の宅配便より料金が高いため、量が少ない場合は思い切って処分するのも1つの方法です。
引越し当日まで:霜取りと水抜きを行う
庫内を空にして電源を抜いたら、引越し当日までに霜取りと水抜きを行いましょう。霜取りと水抜きの方法は製品により異なります。
一般的には、電源を切るだけで霜が溶け出していきます。冷蔵庫の周辺も水濡れすることがあるため、雑巾やタオルを敷いておくのがおすすめです。製品によっては霜取りが不要のケースもあります。
霜取りと水抜きは以下の手順で行いましょう。
- 冷蔵庫の電源を切る
- 冷蔵庫周辺に雑巾やタオルなどを敷く
- トレーを取り外し、溜まった溶けた水を捨てる
- 製氷皿の水を捨てる
- 乾いた布などで庫内の水分を拭き取る
引越し当日:庫内を掃除する
庫内に水分が残らないよう、水抜き後に乾いた布でしっかり拭き取りましょう。特に夏場は庫内に水気が残っていると、カビが繁殖する恐れがあります。
取り外せる部分は食器用洗剤を使ってきれいに洗い、乾かしてから元に戻します。冷蔵庫の外側や取っ手も拭き掃除をし、電源コードのホコリも落としましょう。
冷蔵庫が空になる機会は滅多にないため、引越し前は冷蔵庫をきれいにする絶好のチャンスです。冷蔵庫の寿命を延ばすことにもなるため、隅々まできれいに掃除しましょう。
引越し先で冷蔵庫の電源はいつ入れる?
引越し先に運んだ冷蔵庫は、電源を入れなければ使えません。どのタイミングで電源を入れるのが正解なのでしょうか。
基本的にはすぐに電源を入れてOK
近年の冷蔵庫は、引越し先で設置した後、基本的にはすぐに電源を入れて構いません。ただし、製品によってはすぐに電源を入れると故障の原因になることもありますので電源を入れるタイミングは取扱説明書を事前に確認してください。
また、電源を入れてから庫内が冷えるまでに時間がかかることにも注意が必要です。通常は2~5時間、夏場は半日~1日かかります。庫内が冷えるまでは食材を冷蔵庫に戻さないようにしましょう。
引越し時に自分で冷蔵庫を運ぶ際のポイント
引越し代を少しでも節約するために、冷蔵庫を自分で運ぼうと考えている方もいるでしょう。自力で冷蔵庫を運ぶ際のポイントを解説します。
ドアや内部を固定し外側を梱包する
冷蔵庫をそのままの状態で運ぼうとすると、ドアや内部が動いてしまい、冷蔵庫が故障したり壁を傷つけたりしかねません。冷蔵庫のドアや内部はテープでしっかり固定しましょう。
外側を梱包し冷蔵庫を保護することも重要です。毛布や梱包材で本体を包んでおけば、運搬中に冷蔵庫が建物に当たっても、傷が付きにくくなります。
梱包が甘いと毛布や梱包材から冷蔵庫が滑り落ちる恐れがあるため、しっかりと固定されていることを確認してから運びましょう。
壁や床に傷を付けないように養生をする
冷蔵庫の養生だけでなく、建物の壁や床の養生も大切です。特に賃貸物件から運び出す場合、壁や床に傷を付けると余計な原状回復費用が発生してしまいます。
部屋を出た後の運搬ルートでもできるだけ養生をしましょう。養生資材が用意できない場合は、段ボールでも代用できます。
冷蔵庫は小型のタイプでも重い上、1人では持ちにくい形状になっているため、バランスを崩した場合のリスク対策はしっかりと講じておくことが重要です。
横向きにせず立てたまま運ぶ
冷蔵庫は立てたまま運ぶのが基本です。冷蔵庫を長時間横向きにすると故障の原因となります。どうしても寝かせる必要がある場合は、縦向きにした後に内部を安定させなければならないため、設置後30分~1時間後に電源を入れましょう。
冷蔵庫を玄関まで運ぶ場合は、毛布に乗せて滑らせれば比較的楽に移動できます。玄関からトラックまでは台車を使うのがおすすめです。階段がある場合は荷締めベルトを使う方法もあります。
冷蔵庫の運搬は業者への依頼がおすすめ
冷蔵庫は自力で運ぶことも可能ですが、1人では危険を伴います。自力での搬出が難しいと感じたら、引越し業者に依頼しましょう。
冷蔵庫のみを運べるプランがある
「ほかの荷物は自分で運べるが冷蔵庫だけは難しい」といったケースでは、冷蔵庫のみ運べるプランを活用しましょう。引越し業者によっては、家具や電化製品のみを運べるプランを用意しているケースがあります。
また、気になる引越し業者があるなら、冷蔵庫のみ運んでもらえないか相談してみるのもおすすめです。プランに記載がなくても、特別に対応してもらえる場合があります。
数社から相見積もりをとって比較しよう
冷蔵庫を運ぶために引越し業者を利用するなら、数社から相見積もりをとりましょう。費用や内訳を比較することで、より安い業者を選びやすくなります。
最初から割引の余地を残して見積もり金額を提示するケースも多く、業者によっては相見積もりをとるだけで安くしてくれることもあります。
古い冷蔵庫を処分する場合
引越しを機に冷蔵庫の買い替えを予定しているなら、古い冷蔵庫はリサイクルに出さなければなりません。冷蔵庫のリサイクル方法や選び方を解説します。
冷蔵庫は家電リサイクル法の対象品目
家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)では、処分時にリサイクル料金が発生する電化製品として、次の4つを定めています。
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
リサイクル料金とは、メーカーや自治体がリサイクルを行うために使われる費用のことです。これらの電化製品を引き取ってもらう場合、リサイクル料金のほかに収集運搬料金が発生します。
リサイクル料金は電化製品ごとに違うほか、頻繁に改正されるため、家電リサイクル券センターが公表する資料でチェックしておきましょう。
※出典:RKC 一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター
※出典:2024年度 リサイクル料金 一覧表 | 家電リサイクル券センター
冷蔵庫をリサイクルする4つの方法
冷蔵庫をリサイクルできる窓口には、自治体の委託業者・家電量販店・指定引取場所・不用品回収業者の4つがあります。
指定引取場所以外を利用する場合、リサイクル料金と収集運搬料金を準備しておきましょう。いずれも担当者に直接支払えば完了です。
指定引取場所に自分で持ち込む場合、収集運搬料金は不要ですが、リサイクル券を準備しなければなりません。リサイクル料金分のリサイクル券を、郵便局で事前購入する必要があります。
※出典:家電リサイクル受付センター | 東京二十三区家電リサイクル事業協同組合
引越し先での冷蔵庫の選び方
新しい冷蔵庫を選ぶ際は、以下に挙げるポイントに注目しましょう。
- 容量:使用目的や家族構成により最適な容量が違う
- 冷却方式:直冷型とファン型があり、電気代や使い勝手に影響を与える
- ドアの向き:庫内の見やすさや設置スペースに影響を与える
- 間仕切りの数:多ければ整理しやすくなるが冷却効率が下がる恐れがある
さまざまな要素を考慮し、自分の生活スタイルに合った冷凍庫を選ぶことが大切です。
引越し前は冷蔵庫の電源を早めに切っておこう
引越しの際は冷蔵庫の電源を早めに切っておく必要があります。冷蔵庫の電源を切ると霜が溶け出し、水抜きをしなければ運搬中にほかの荷物が濡れる恐れがあるためです。
早めの電源オフにより冷蔵庫の水気をなくせるため、水漏れや運搬中のダメージを防げます。適切な準備を行うことでトラブルを防ぎ、冷蔵庫を安全に運べるのです。引越し当日に慌てないよう、24時間以上前に電源を切って準備を始めましょう。
また、冷蔵庫は自分で運ぶことも可能ですが、冷蔵庫や建物を傷つけるリスクがあります。冷蔵庫の運搬は業者に任せたほうが安心です。
冷蔵庫の電源を早めに切ることが、引越し全体のスムーズな進行につながります。少しの準備で大きなトラブルを防げます。丁寧な引越し準備を心掛け、新生活を気持ちよくスタートさせましょう。