サーキュレーターの電気代はいくら?扇風機との違いやモーター種類別の電気代を解説
サーキュレーターの電気代はいくら?扇風機との違いやモーター種類別の電気代を解説
サーキュレーターは、直線的な風を起こして室内の空気を循環させる家電製品です。換気や部屋干しにも効果を発揮する便利な家電ですが、一方で電気代も気になるのではないでしょうか?この記事では、サーキュレーターと扇風機の違いや、サーキュレーターの役割や種類、電気代を節約するための上手な活用法も併せて解説します。
目次
サーキュレーターについて知ろう
サーキュレーターは、風を起こす電化製品です。機能は扇風機と似ていますが、用途は異なります。サーキュレーターの電気代について知る前に、まずはサーキュレーターの用途や役割、モーターなど基本的な知識を身につけましょう。
扇風機との違いは?
サーキュレーターと扇風機は、一見すると似たような家電製品ですが、その目的や機能には大きな違いがあります。
扇風機は広範囲に柔らかな風を送り出し、その場にいる人を直接涼しくするために設計されています。そのため、静音性が高く、風の当たり心地も優しいです。しかし、その風は遠くまで届かず、部屋全体の空気を循環させるのには向いていません。
一方、サーキュレーターはより強力な風を一方向に送り出すことで、部屋全体の空気を効率的に循環させることができます。風を送り出す方向も自由に調整できるため、特定の場所に空気を送りたい場合にも便利です。
これにより、エアコンと併用することで、エアコンの設定温度を最適化し、冷暖房の効率を向上させることができます。
サーキュレーターのモーターは2種類ある
サーキュレーターのモーターには、大きく分けてACモーターとDCモーターの2種類があります。
ACモーターは耐久性が高く、長時間使用しても性能が劣化しにくいという特徴があります。これは、日常的に長時間使用する場合に特に有利です。
しかし、ACモーターはシンプルで本体価格も安くなる反面、一般的に消費電力が高く、電気代もやや高めになる傾向があります。
一方、DCモーターは低消費電力で動作し、電気代を抑えることができる点が魅力です。また、DCモーターは風量を細かく調節でき、静音性にも優れているため、寝室やオフィスなど、静かな環境での使用にも適しています。 ただし、DCモーターは本体価格がACモーターに比べ高めになる傾向にあります。
サーキュレーターの1時間あたりの電気代はいくら?
電気代を計算するためには、消費電力(kW)と料金単価(円/kWh)を掛け合わせます。
ここでは、ACモーターとDCモーターそれぞれの電気代を具体的に計算し、比較してみます。
ACモーターの電気代
ACモーターを搭載したサーキュレーター1時間あたりの消費電力を36Wと仮定します。kWに換算すると、0.036kWです。これに公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が示している単料金単価の31円を掛けると、1時間あたりの電気代は以下のようになります。
0.036kW×31円/kWh=約1.1円
したがって、ACモーターを使用したサーキュレーターを1時間使用すると約1.1円の電気代がかかります。これを1日8時間使用した場合、1日の電気代は約8.8円となり、1ヵ月(30日)では約270円の電気代がかかる計算です 。
DCモーターの電気代
一方、DCモーターを搭載したサーキュレーターは、省エネ性に優れており、長時間使用しても電気代が抑えられるのが特徴です。DCモーター1時間あたりの消費電力をACモーターより低く、25Wとして計算します。これを基に電気代を計算してみます。
0.025kW×31円/kWh=約0.8円
したがって、DCモーターを使用したサーキュレーターを1時間使用すると約0.8円の電気代がかかります。これを1日8時間使用した場合、1日の電気代は約6.4円となり、1ヵ月(30日)では約190円の電気代がかかる計算です 。
扇風機との電気代に違いはある?
サーキュレーターと扇風機を比較すると、サーキュレーターの方が部屋全体の空気を循環させる役割を持つため、直線的な強い風を発生させます。 しかしながら、この2つの家電は作り出す風の性質に違いを持たせているに過ぎず、消費電力にはそこまで大きな差はありません。扇風機の電気代も、サーキュレーターと同様にモーターの種類や稼働時間で前項に準じて推算します。
サーキュレーターの活用方法
空気を循環させるサーキュレーターは、生活のどのような場面で役立つのでしょうか。具体的な活用シーンを紹介します。
浴室にカビが発生するのを防止
湿気がこもりやすい浴室はカビの温床になりがちです。しかし、サーキュレーターを使用することで効果的に湿気を取り除き、カビの発生を防ぐことができます。
お風呂上がりにサーキュレーターを浴室に向けて風を送ることで、空気の循環を促進し、カビ発生の原因となる湿気を外に排出します。
湿気が減ることでカビの発生を防ぎ、清掃の手間も減り、浴室を清潔に保つことができます。
部屋干しの衣類を乾かす
梅雨や寒い冬の時期、室内での衣類乾燥は避けられません。しかし、湿気がこもりやすく、衣類が乾きにくいという問題があります。
ここで役立つのがサーキュレーターです。
洗濯物を部屋干しする際にサーキュレーターを併用することで、乾燥時間が短縮され、部屋の湿度も適切に保たれます。特に、サーキュレーターの風を洗濯物の上から下へ流すように設定すると、効率よく乾燥させることができます。
部屋の空気を入れ換える
窓を開けて換気するだけでは、部屋の隅々まで新鮮な空気が行き渡りにくいことがあります。
サーキュレーターを使用することで、部屋全体の空気を循環させ、効率的に換気ができます。
特に、エアコンを使用している場合、冷暖房の効果を高めるためにもサーキュレーターが効果的です。
冷房時は冷たい空気を上部から部屋全体に、暖房時は暖かい空気を下部から広げることで、エアコンの設定温度を強めることなく快適な室温を保つことができます。
サーキュレーターを利用する際の注意点
サーキュレーターを利用する際には、以下の点に注意しましょう。よりサーキュレーターを効果的に使えるようになります。
置き方を誤ると電気代が無駄になることも
サーキュレーターの効果を最大限に引き出すためには、設置場所が非常に重要です。適切な位置に配置しないと、空気の流れがうまく循環せず、結果として部屋全体の温度や湿度が均一になりにくくなります。
例えば、サーキュレーターを部屋の隅やエアコンから遠く離れた場所に置くと、風が壁や家具に遮られてしまい、空気が効果的に循環しなくなります。
理想的には、サーキュレーターをエアコンの対角線上に置き、風が部屋全体に循環するように設定します。
これにより、エアコンの冷暖房効果が高まり、エアコンが高負荷で稼働する時間が短縮されるため、全体の電気代を節約することができます。
また、サーキュレーターの風向きを適切に調整することも重要です。暖気をかく拌して循環したいときは上向きに、冷気の場合は下から、遠くまでエアコンの空調を利かせたいときはエアコンを背に、など、空気をどのように動かしたいか、風が直接壁や障害物に当たらないように考えて、部屋の隅々まで空気が流れるように心掛けましょう。
購入時はスペックをチェック
サーキュレーターを購入する際には、さまざまなスペックを確認することが重要です。まず、風量と適応畳数は、部屋の広さに応じて選ぶ必要があります。大きな部屋には強力な風量を持つサーキュレーターが適していますが、小さな部屋では風量が過剰になり、逆に不快感を生じることがあります。
製品の仕様書に記載されている適応畳数を参考に、自分の部屋に合ったモデルを選びましょう。
さらに、サイズや形状も購入時に考慮すべき要素です。部屋のどこに置くのか、収納スペースは十分にあるのかを考えた上で、コンパクトで取り扱いやすいモデルを選ぶと良いでしょう。
静音性も重要です。特に夜間に使用する場合や、小さな子供がいる家庭では、静音性の高いモデルを選ぶことで、快適な生活空間を維持できます。
これらの機能を総合的に評価し、自分のライフスタイルに合ったサーキュレーターを選ぶことが大切です。
サーキュレーターの電気代を節約する方法
サーキュレーターを効果的に活用することで、電気代の節約につながります。どのような方法があるのかを具体的に紹介します。
エアコンと併用する
サーキュレーターとエアコンを併用すると、室内の温度がスムーズに均一化されるため消費電力を抑えることができます。
特に夏場、冷房を使用する際には、冷たい空気が床付近に溜まりやすく、エアコンの設定温度を低くしがちです。しかし、サーキュレーターを使ってこの冷気を部屋全体に循環させることで、エアコンの設定温度を1~2度上げることができ、結果として消費電力を削減できます。
冬場も同様です。暖房運転時、暖かい空気は天井付近に集まりやすいため、サーキュレーターを使ってこの暖気を部屋全体に均一に広げることで、エアコンの設定温度を1~2度下げることができます。
このように、エアコンの効率を上げることで、年間を通して電気代の節約が可能です。
タイマー機能を使う
稼働しっぱなしは電気代がかさむ原因になります。お風呂場などはうっかり消し忘れすることが多くなります。無駄な稼働を防ぐため、上手にタイマー機能を活用しましょう。
また、寝る前にタイマーをセットしておけば、快適な温度のまま眠りにつくことができ、起きる時まで適温が保たれやすく、無駄な消費電力を防ぐことができます。
サーキュレーターの使い方を工夫して電気代を安く
サーキュレーターは一見すると扇風機と似ていますが、扇風機よりも風を遠くに送ることを目的としていて、室内の空気を循環させるために用いられます。
サーキュレーター自体の電気代は、モーター方式による差はあるものの大きな額とはなりません。エアコンと併用することで室内の温度を均一にさせ、結果的にエアコンの設定温度を下げることができることがいちばんの利点です。エアコンの設定温度は1度違えば10%ほど消費電力が変わりますので、サーキュレーターの電気代を差し引いても電気代が節約できることになります。
また、洗濯物の乾燥や湿気を排除することによるカビ発生の防止など、活用方法は多様です。サーキュレーターの使い方を工夫し、消費電力を抑えて電気代を安くし、様々なシーンで利用することで生活を快適にしましょう。