
電気代値上げの影響は?主な理由と家庭内での対策について解説
電気代値上げの影響は?主な理由と家庭内での対策について解説
2025年、電気代の値上げが家計に大きな影響を与えています。その背景には、エネルギー価格の高騰や政府補助の縮小など複数の要因があり、今後の負担増も懸念されます。電気代の値上げの実態と原因を整理し、ご家庭でできる具体的な対策を確認しておきましょう。
目次
【2025年】電気代値上げの実態

近年、大手電力会社による、相次ぐ電気代の値上げが注目を集めています。電気料金の上昇は一度にとどまらず、段階的に進行している状況です。まずは直近の電気代の値上げ動向について、基本的なポイントを押さえておきましょう。
【4月請求分】大手電力会社による電気代の値上げ
2011年頃から日本国内の電気代は上昇傾向にあり、2025年4月請求分(3月使用分)から、大手電力会社各社は電気代を値上げしています。
これは当初から予告されていたことで、特に燃料費調整制度における上限撤廃の影響が大きく表れているようです。具体的には、2025年の4月請求分(3月使用分)の電気代は、3月請求分(2月使用分)に比べて、全体として300~400円程度値上がりしています。
例えば、東京電力エナジーパートナーの場合、3月請求分と4月請求分との間には、377円の差が出ています。関西電力でも平均的なモデルの電気代の影響額として、3月分と4月分とでは312円の差があると発表しました。
※出典:2025年4月分電気料金の燃料費調整等について|TEPCO プレスリリース
【5月請求分】さらに電気代が値上げ傾向に
4月請求分の電気代の値上げに続き、3月28日には、大手電力会社10社が5月請求分(4月使用分)のご家庭向けの電気代を発表しました。ここでは実質的に、全社において前月比380〜470円程度も値上げされている状況です。
東京電力エナジーパートナーの場合、上記のように4月請求分は前月と比べて377円の差がありましたが、5月請求分はさらに436円の差があると算定しています。関西電力も前月分と比べて、465円の値上がりの影響があると発表しました。
このように日本各地において、ご家庭の電気代にかかる負担が増加しており、今後もさらなる値上げの可能性があります。
※出典:2025年5月分電気料金の燃料費調整等について|TEPCO プレスリリース
※出典:4月の電気代、全社で値上がり 政府補助が3月分で終了 – 日本経済新聞
電気代値上げの原因は何?

近年の電気代の値上げには、複数の要因が絡み合っています。世界的なエネルギー価格の高騰や、政府の補助金政策の見直し、再生可能エネルギー推進に伴う費用負担の増加などが主な理由です。それぞれの要因について、ここで整理しておきましょう。
エネルギー価格の世界的な上昇
電気代の値上げの大きな要因の1つは、世界的にエネルギー価格が高騰していることです。特に、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や、石炭・原油などの価格が不安定な状態が続いています。
これらの燃料は日本の発電構成において、依然として重要な役割を占めており、価格が上がれば発電コスト全体にも影響します。
さらに、ウクライナ情勢や中東の地政学的リスクなど、国際的な政治・経済情勢が燃料価格を左右しており、日本単独での対応は難しいのが現状です。
こうした燃料価格の変動は、直接的に電気料金に反映される仕組みになっており、ご家庭の負担の増加につながっています。
「電気・ガス料金負担軽減支援事業補助金」の減額
政府は2023年度から「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として、ご家庭向けの電気料金を抑制する補助金を提供してきました。
同制度は、燃料価格の高騰による家計負担を軽減する目的で設けられたもので、電気料金に一定額を自動的に差し引く仕組みです。
しかし、2025年になり制度は段階的に縮小されており、補助額が減っている状況です。補助金の減額により、実質的に契約者が負担する電気料金が増える形となり、電気代の値上げ要因となっています。
「再エネ賦課金」の単価アップ
再生可能エネルギーの普及を目的として導入された「再エネ賦課金」も、電気代値上げの一因となっています。同制度は太陽光や風力などの再エネにより、発電された電力の買い取り費用を、全国の電気利用者が広く負担する制度です。
2025年度は再エネ賦課金の単価も引き上げられており、1kWhあたりの負担額が前年よりも上昇している状況です。
再エネ賦課金の上昇は、環境負荷の低減やエネルギー自給率の向上のために必要ですが、短期的にはご家庭の電気代の負担を増やす要因となっています。
特に、再エネの導入量が増えると買取費用も増加するため、賦課金の総額も上昇する傾向があり、今後も注視していく必要があります。
電気代値上げによる一般のご家庭への影響

電気代の上昇は、単に毎月の請求額が増えるだけではなく、家計全体の見直しやライフスタイルの変更を求められるケースもあります。ご家庭にどのような影響が及んでいるのか、具体的に確認していきましょう。
固定費の上昇による家計の圧迫
ご家庭にとって、電気代は水道代・ガス代と並ぶ代表的な固定費であり、その値上げは家計全体に直接影響するものです。
とりわけ共働き世帯や子育て世帯では、エアコンや冷蔵庫・洗濯機などの稼働時間が長く、全体の電力消費量が多くなりがちです。結果として、光熱費の上昇幅も大きくなる傾向があります。
特に、値上げが深刻な電気代の増加分は、食費や娯楽費など、他の支出を削減することでしか対応できない場合も多いでしょう。事実、電気代の値上げにより、生活の質の低下に直面しているご家庭は少なくありません。
節電意識の高まりと契約内容の見直し
電気代の上昇に伴い、節電に対する意識が一般のご家庭でも強くなっています。具体的にはLED照明の導入や、節電モード付きの電化製品への買い替え、電力使用量を可視化するアプリの活用など、省エネへの取り組みが広がっている状況です。
また、電気料金プランや電力会社の見直しも、現実的な対策として関心を集めています。契約アンペア数を下げて基本料金を抑えたり、自宅の使用状況に合った電気料金プランへ変更したりなど、電力会社との契約自体を見直す動きが広がっています。
ご家庭でできる電気代値上げの対策

電気代の値上げに対して、ご家庭でできる対策は多岐にわたります。日常的な電気の使い方の見直しから設備投資・契約内容の変更まで、実践的な方法を確認しておきましょう。
電気の使用状況を「見える化」する
まずは、ご家庭の電気の使用状況を「見える化」することが重要です。スマートメーターや専用アプリなどを活用すれば、どの電化製品がどれだけの電力を消費しているか、リアルタイムで把握できます。無駄な電力の消費を発見しやすくなり、節電すべきポイントが明確になるでしょう。
例えば、特定の時間帯に電力の消費量が集中している場合は、その時間の電化製品の使い方を見直すことで、大幅な節電につながる可能性もあります。さらに、家族全員で電化製品の使用状況を共有することで、節電意識の向上にもつながります。
電化製品の使い方を工夫する
日常生活での電化製品の使い方を見直すことは、電気代を節約するための基本的な対策です。例えば、冷蔵庫の開閉回数を減らす、エアコンの設定温度を適切に保つ、洗濯機や食洗機をまとめて運転するなどの工夫で、電力の消費量を抑えられます。
さらに、待機電力を減らすために、使わない電化製品のコンセントを抜く習慣も大切です。家族全員でルールを共有し、無理なく続けられる節電対策を取り入れましょう。
省エネ家電やスマート機器を導入する
省エネ性能の高い電化製品や設備の導入も、初期費用こそかかるものの、中長期的には電気代の削減効果が大きくなります。特に、冷蔵庫・エアコン・洗濯機などは、年間の消費電力量が多いため、買い替えによる効果が大きいでしょう。
とりわけ近年は、AI(人工知能)やIoTを活用したスマート家電も普及が進んでおり、エネルギーの使い方を最適化できる機種が増えています。
例えば、使用状況を学習して効率的に動作する冷蔵庫やエアコン、エコキュートなどが代表例です。
また、スマートプラグとAIによるスケジューリング機能を組み合わせることで、テレビやオーディオ機器などの待機電力を自動でカットすることも可能です。こうした仕組みを取り入れることで、日常生活の中で無理なく電力の無駄を削減できます。
電気料金プランや電力会社を乗り換える
上記のように、電気料金プランや電力会社の乗り換えにより、毎月の電気代を削減できる可能性があります。例えば、現在の契約アンペア数が実際の使用状況よりも高すぎる場合、適正な容量に下げるだけで、基本料金の削減が可能です。
また、地域の電力会社だけではなく、新電力を含めたプランの比較をすることで、電気の使用スタイルに合った料金体系を選べるケースもあります。
さらに、新電力の一部には電気料金に応じて、ポイントが還元されるサービスを提供している会社も少なくありません。電気料金だけでなく、こうした付加価値まで含めて検討することで、ご家庭に合った契約を見つけやすくなります。
新電力の利用も積極的に検討しよう
電気代の値上げは今後も続く可能性があり、家計にとって無視できない問題です。背景を正しく理解した上で、日々の電気の使い方や契約内容を見直すことが、毎月の負担を軽減する第一歩です。
加えて、新電力の料金プランも比較しつつ、ご家庭のライフスタイルに合ったサービスを選択しましょう。環境への配慮やポイント還元など、付加価値のあるプランも増えているため、積極的に情報を収集し、賢く電気代を抑える工夫を続けることが大事です。
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エネワンでんき編集部
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