オーブンの電気代を計算してみよう!電子レンジとどちらがお得?
オーブンの電気代を計算してみよう!電子レンジとどちらがお得?
オーブンは料理の幅を広げるのに適した電化製品ですが、電気代が気になる方もいるでしょう。また、オーブンにはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴を理解することも大切です。オーブンの種類と電気代、電子レンジとの違いについて解説します。
目次
オーブンの種類と電気代
オーブンを4つの種類に分け、それぞれの特徴と電気代を紹介します。1時間あたりの電気代の計算式は「消費電力(kW)×料金単価(円/kWh)」です。
電気料金の目安単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWh(税込)です。
なお、各オーブンの電気代の計算で例に挙げる製品はあくまでも一例であり、実際の消費電力や電気代は製品により異なります。
※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
オーブンレンジ
オーブンレンジは電子レンジにオーブン機能やグリル機能を追加した電化製品です。レンジによる温め・解凍に加え、オーブンやグリルでのヒーター加熱による焼き調理もできます。
Panasonicの「NE-MS4B」を例に、オーブンレンジの電気代を見ていきましょう。
モデル名:NE-MS4B(Panasonic)
- レンジ機能(消費電力1.42kW)の場合:
1時間あたりの電気代:1.42kW × 31円/kWh=約44.02円/h
- オーブン機能 (消費電力1.22kW)の場合:
1時間あたりの電気代:1.22kW × 31円/kWh=約37.82円/h
- グリル機能 (消費電力1.22kW)の場合:
1時間あたりの電気代:1.22kW × 31円/kWh=約37.82円/h
オーブン機能とグリル機能はレンジ機能より消費電力が低いため、若干ですが電気代も安くなります。
※出典:オーブンレンジ NE-MS4B | スチームオーブンレンジ・電子レンジ | Panasonic
スチームオーブンレンジ
蒸気を使って調理するオーブンレンジがスチームオーブンレンジです。庫内に高温の水蒸気を発生させて食材を加熱できるため、温める・焼くといった調理以外に、蒸す・煮る・揚げるなどの調理もできます。
スチームオーブンレンジは豊富な自動調理機能を備えているモデルが多く、料理の幅を大きく広げられるでしょう。ただし、本体価格はオーブンレンジより高い傾向があります。
モデル名:ER-D80A(東芝)
- レンジ機能(消費電力1.43kW)の場合:
1時間あたりの電気代:1.43kW × 31円/kWh=約44.33円/h
オーブン機能 (消費電力1.35kW)の場合:
- 1時間あたりの電気代:1.35kW × 31円/kWh=約41.85円/h
グリル機能 (消費電力1.35kW)の場合:
- 1時間あたりの電気代:1.35kW × 31円/kWh=約41.85円/h
スチームオーブンレンジの電気代は、オーブンレンジとほとんど同じです。
※出典:ER-D80A | 電子レンジ/オーブンレンジ | 東芝ライフスタイル株式会社
オーブントースター
オーブントースターは庫内のヒーターで食材を加熱する電化製品です。オーブン機能に特化しており、食材を短時間で焼くのに適しています。
お菓子作りや簡単な料理を作る際にも使えるほか、近年はスチーム機能が備わった製品や火力を調整できる製品も販売されています。オーブンレンジより価格が安いことも特徴です。
モデル名:NT-T501(パナソニック)
消費電力:1,200W(1.2kW)
- 1時間あたりの電気代:1.2kW × 31円/kWh=約37.2円/h
オーブントースターの消費電力はオーブンレンジのオーブン機能とほとんど同じであり、電気代にも大きな差はありません。
※出典:詳細情報 オーブントースター NT-T501 | トースター | Panasonic
コンベクションオーブン
コンベクションオーブンは、内蔵されたファンで高温の熱風を循環させて食材を均一に焼くことが可能なオーブンです。対流調理で食材をムラなく焼き上げられます。
焼く・蒸す・煮る・揚げるといった調理に対応しており、1台あれば幅広い料理で活躍してくれるでしょう。コンベクションオーブンのデメリットとしては、レンジ機能がないことや本体価格が高いことが挙げられます。
モデル名:KAT-A131(タイガー魔法瓶)
消費電力:1,312W(1.312kW)
1時間あたりの電気代:1.312kW × 31円/kWh=約40.67円/h
コンベクションオーブンの電気代をほかのオーブンと比較した場合、大きな差はありません。
※出典:コンベクションオーブン&トースター KAT-A131 – タイガー魔法瓶
オーブンレンジと電子レンジはどちらが経済的?
オーブンレンジの購入を検討している方の中には、電子レンジと比べた場合の電気代が気になっている方もいるのではないでしょうか。両者を比較する際の考え方を見ていきましょう。
オーブンレンジと電子レンジの違い
オーブンレンジと電子レンジの最も大きな違いは加熱方法です。電子レンジがマイクロ波により内側から加熱するのに対し、オーブンレンジはヒーターによる熱で外側から加熱します。
オーブンレンジと電子レンジはできることも違います。温めや解凍だけでよい場合は電子レンジ、グリル料理や蒸し焼き料理なども作りたい場合はオーブンレンジを選ぶのがおすすめです。
一般的な電子レンジの電気代も確認しておきましょう。
モデル名:NE-FL1A(パナソニック)
レンジ機能(消費電力1.4kW)の場合:
1時間あたりの電気代:1.4kW × 31円/kWh=約43.4円/h
※出典:詳細情報 単機能レンジ NE-FL1A | オーブンレンジ・単機能レンジ | Panasonic
使用目的により電気代は異なる
これまでご紹介した製品の電気代を比べるとわかるように、電子レンジとオーブンレンジの時間あたりの電気代に大きな差はありません。両者はできることが異なるため、使用目的に合ったほうを選ぶとよいでしょう。
温めがメインとなる電子レンジより、さまざまな調理方法で料理を作れるオーブンレンジのほうが、使用時間が長くなることから電気代も上がる傾向があります。
オーブンレンジと電子レンジはどちらがお得?
電子レンジとオーブンレンジの電気代に大きな差はありませんが、購入価格には違いがあります。
レンジ機能のみを備えた「単機能電子レンジ」であれば、10,000円以内で購入できる商品も多くあります。ただし、タイマーの種類や出力、センサーなどの機能がついているかどうかで価格は異なります。
オーブンレンジの場合、レンジ機能にあわせてオーブン機能が付いているため、基本価格は数万円以上するものが多いようです。ただし、電子レンジと比べると調理の幅ははるかに広いため、自宅で料理する人にはオーブンレンジの方がおすすめです。
また上記で紹介したコンベクションオーブンは、最低限の機能があるものは1万円程度から、オーブントースターは数千円から購入できるものもあります。
重要なのは、目的や用途に応じた機能を備えているかどうかです。いずれの商品も機能によって価格差が大きいため、一概に「どの製品がお得」とは一律には言い切れません。
オーブンの電気代の節約術
オーブンは使い方次第で電気代を抑えられます。少しでも電気代を安くしたい方のために、オーブンの節約術をご紹介します。
余熱を活用する
オーブンは電子レンジと違い、調理後約10~15分、庫内に余熱と呼ばれる熱が残ります。余熱を活用すれば加熱時間を短縮できるため、電気代の節約につながります。
余熱調理には料理をよりおいしくする効果もあります。例えば、煮物は熱が下がるときに味が染み込むため、余熱調理により食材に味を染み渡らせやすくなります。
なお、同じ調理用語である予熱は、余熱と意味がまったく違う言葉です。予熱とは、あらかじめオーブンやグリルを熱しておくことを指します。余熱と予熱はそれぞれ異なる役割があるため、日々の料理をワンランクアップさせるためにも、効果的に使い分けましょう。
2段調理をする
2枚の天板が使えるオーブンなら、上段と下段に分けての同時調理が可能です。2段調理は加熱時間を短縮できるため、オーブンにかかる電気代の節約につながります。
ただし、食材によっては焼きムラができたり、食材同士でにおいが移ったりすることもあります。2段調理では料理の質を損なわないような工夫も必要です。
最新モデルに買い替える
古いオーブンを使い続けている場合は、最新モデルへの買い替えを検討するのもおすすめです。電化製品の省エネ性能は年々進化しており、買い替えることで節電につながる可能性があります。
ただし、冷蔵庫やエアコンと違い、オーブンは省エネ性能の大幅な向上を期待できません。現在使っている製品と最新モデルの消費電力を比較し、差が大きいようなら買い替える価値があるでしょう。
後悔しないオーブンを選ぶポイント
オーブンを選ぶ際にチェックしておきたい4つのポイントをご紹介します。気になる製品を比較するときの参考にしましょう。
サイズが適切かどうか
家族の人数が多いのにもかかわらず、容量の小さいオーブンを選んでしまうと、何度も調理しなければならなくなるでしょう。使用時間が長くなるほど電気代も高くなります。
オーブンの適切な容量は、2人世帯なら20L、3~4人世帯なら25~30Lが目安です。一度に大量の料理を作り置きしたい場合は、家族の人数に関係なく大容量のモデルを選ぶとよいでしょう。
センサー機能がついているか
近年のオーブンにはセンサー機能がついているモデルがあります。オーブンの主なセンサー機能は次の通りです。
- 重量センサー:食品の重さで加熱時間を調整する
- 赤外線センサー:食材の表面温度を計測してムラなく加熱する
- 温度センサー:庫内の温度を測定して自動加熱する
- 蒸気センサー:庫内の蒸気量を測定して自動加熱する
各センサーが稼働することで、電力の無駄な消費を抑えられるほか、より質の高い調理を実現しやすくなります。オーブンを選ぶ際はセンサーの有無もチェックしましょう。
最大出力や最高温度は大きいか
レンジ機能を最大出力で使うと、より短時間で温められます。通常の温めなら500Wや600Wでも問題ありませんが、スピード重視で料理を進めたい場合は、900Wを超える大出力タイプがおすすめです。
オーブン機能やグリル機能を積極的に活用したいなら、最高温度も確認しましょう。250℃以上に設定できるモデルなら料理の幅が広がる上、予熱時間の短縮にもつながります。
手入れがしやすいか
さまざまな料理を作れるオーブンは、蒸気やソースなどで庫内がすぐに汚れてしまいがちです。庫内の汚れを放置すると機能低下や故障の原因になるほか、不衛生な環境で調理しなければならなくなります。
オーブンを比較する際は、手入れのしやすさもチェックしてみましょう。庫内の凹凸が少なくフラットなタイプなら、汚れを拭き取りやすいため手入れが苦になりません。
スチームオーブンレンジの購入を検討している場合は、高温のスチームで汚れを浮かして手入れをしやすくするコースがあるかどうかも見てみましょう。
オーブンを選ぶ際は電気代と特徴を比較
オーブンには大きく分けて4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。電気代に大きな差はないため、使用目的や料理のスタイルに合った製品を選ぶことが重要です。
オーブンの電気代がどうしても気になるなら、電力会社を乗り換えて節約につなげる方法もあります。現在は電力小売自由化により、電力会社を自由に選ぶことができます。ライフスタイルに合ったプランが用意されている電力会社に乗り換えれば、毎月の電気代を下げられる可能性があります。
エネワンでんきでは、ご家庭の電気の使い方に応じた適切なプランを用意しています。電気代で悩んでいる方は、ぜひエネワンでんきにお問い合わせください。