換気扇の電気代はどれくらい?24時間換気システムの違いや効果的な使い方を解説
換気扇の電気代はどれくらい?24時間換気システムの違いや効果的な使い方を解説
換気扇の電気代は場所や使用頻度により異なりますが、1か月の電気代は比較的低く抑えられます。本記事では、換気扇と24時間換気システムの違いや各部屋の換気扇の電気代、省エネのポイントなどを詳しく解説します。換気扇を効率的に使いながら電気代を節約する方法も解説しますので参考にしてください。
目次
6-3. 電気代が気になるなら電力会社の乗り換えも検討しよう
換気扇と24時間換気システムの違い
換気扇と24時間換気システムは、どちらも室内の空気を新鮮に保つための設備ですが、その仕組みや使用方法に大きな違いがあります。
換気扇は、キッチン、トイレ、浴室など特定の場所の空気を外に排出し、新しい空気を取り入れる装置です。一般的に、料理中の煙や湿気、トイレの臭いを外に出すために使用されます。
換気扇の使用は必要に応じて行うことが多く、一日の中で何度かスイッチを入れるだけで十分役割を果たせます。
一方、24時間換気システムは、家全体の空気を常に新鮮に保つために設計されたシステムで、建築基準法に基づき2003年以降の新築住宅には設置が義務化されています。
このシステムは常に動作しており、シックハウス症候群の予防や湿度管理、臭いの除去などに効果があります。
24時間換気システムは、フィルターを通して外部の空気を取り入れ、内部の空気を排出します。家全体の空気が絶えず入れ替わるため、室内環境が常に快適に保たれます。
24時間換気システムの電気代
大きく分けると、24時間換気システムには「個別換気システム」と「セントラル換気システム」があります。
「個別換気システム」は、各部屋に付けた換気扇を使うシステム、「セントラル換気システム」は、天井裏に取り付けた換気ユニットとダクトによって、家全体の換気を常時行うシステムです。
また24時間換気システムには、換気の方法にもいくつかのタイプがあり、地域性や家の構造などによって、最適なシステムは異なります。
そのため、一概に電気代を断定することはできませんが、以下にパナソニックが公表しているプラン例を掲載しますので、参考にしてください。
【例1】24時間換気システム ブレスファンシステム
換気方式:第一種換気、換気システム:個別換気、換気回数:0.5回/h
電気代:743円/月(50Hz)、897円/月(60Hz)
【例2】24時間換気システム パイプファン24システム
換気方式:第一種換気、換気システム:個別換気、換気回数:0.5回/h
電気代:369円/月(50Hz)、399円/月(60Hz)
【例3】24時間換気システム 熱交換気調システム
換気方式:第一種換気、換気システム:セントラル換気、換気回数:0.5回/h
電気代:974円/月(50Hz)、974円/月(60Hz)
※電気料金単価は31円kWhとして計算しています。
参考:換気プランのご提案 2024-2025. 3| Panasonic
参考:24時間換気システム 戸建住宅用 | 換気扇 | 空調・換気 | Panasonic
キッチンの換気扇の種類と電気代
キッチンで使用される換気扇にはいくつかの種類があり、それぞれの電気代も異なります。ここでは、主にプロペラファンとシロッコファンについて、その特徴と電気代の違いを詳しく解説します。
省エネを考えるうえで、自分のキッチンに最適な換気扇を選ぶ参考にしてください。
※電気料金単価は31円kWhとして計算しています。
プロペラファン
プロペラファンは、シンプルな構造で広く普及している換気扇の一つです。羽根が回転して空気を吸い込み、直接外に排出する仕組みになっています。設置が容易で、価格も比較的安価なのが特徴です。
設置が容易な反面、プロペラファンは外部に面した壁にしか取り付けることができません。そのため外部の音が屋内にも入ってきてしまう、またその構造上、回転する羽根の音が直接聞こえるため、静かな環境を求める家庭には不向きかもしれません。また、排気効率がやや低く、特に風が強い日や高層階の建物では排気がうまくいかない場合があります。
それでも、プロペラファンは手軽に設置でき、低コストで運用できるため、多くの家庭で採用されています。
パナソニックの「FY-25EM5」を参考に電気代を見てみましょう。消費電力は弱で13.5W、強で15.0/17.5Wのため、電気代は以下になります。
弱 | 強 | |
1時間 | 0.41円 | 0.46円~0.54円 |
24時間 | 10.04円 | 11.16円~13円 |
シロッコファン
シロッコファンは、プロペラファンに比べて複雑な構造を持つ換気扇です。このタイプの換気扇は、円筒形の羽根が多方向から空気を吸い込み、効率よく排出する仕組みになっています。
プロペラファンに比べて音が静かで、排気効率も高いため、最近では多くの家庭で採用されています。特に、調理中の煙や匂いを迅速に排出したい場合に非常に効果的です。またレンジフードがファンに覆いかぶさるような構造になっているため油煙による汚れが他の部分に広がりにくく、清掃も比較的簡単です。
ただし、プロペラファンと比較して購入費用・電気代も高い傾向にあります。
以下は、パナソニックの「FY-90DED3-S」を参考に電気代を見てみましょう。
弱 | 中 | 強 | 常時 | |
1時間 | 0.17円 | 0.35円 | 0.74円 | 0.12円 |
24時間 | 4.16円 | 8.48円 | 17.85円 | 3.0円 |
浴室の換気扇の種類と電気代
浴室の換気扇は、湿気を除去し、カビや結露の発生を防ぐ重要な役割を果たします。その種類と電気代について理解することで、最適な選択と使用方法を見つけることが可能です。ここでは、代表的な浴室換気扇の種類と、それぞれの電気代について詳しく説明します。
※電気料金単価は31円kWhとして計算しています。
浴室換気扇
一般的な浴室換気扇は、湿気やにおいを効果的に排出するために設置されます。パナソニックの「FY-10U3」を参考に電気代を見てみましょう。
消費電力(13.0/14.5W) | |
1時間 | 0.40~0.45円 |
24時間稼働した場合 | 9.67~10.8円 |
浴室換気暖房乾燥機
浴室換気暖房乾燥機は、換気だけでなく暖房と乾燥機能も備えているため、オールシーズン快適な浴室環境を実現します。冬場の入浴時に浴室を暖めることで寒さを感じずにすむほか、洗濯物の乾燥にも利用できるため、特に梅雨の時期や冬場に重宝します。
パナソニックの「FY-13UG6V」を参考に電気代を見てみましょう。
弱(消費電力19.5/18W) | 強(消費電力25.5/28.5W) | |
1時間 | 0.55~0.60円 | 0.79~ 0.88円 |
24時間稼働した場合 | 13.39~14.50円 | 18.97~21.20円 |
用途、機能が異なるので一概には比較できませんが消費電力は一般的な換気扇よりも高くなるため、電気代も高くなる傾向にあります。
ただし、これはあくまで換気と暖房、乾燥機能を含めた電気代であり電気代が掛かってしまうとしても、それだけの換気、乾燥機能があるとみることもできます。
トイレの換気扇の種類と電気代
トイレの換気扇は、快適な空間を維持するために欠かせない設備ですが、種類によって電気代が異なります。ここでは、代表的なパイプファンと天井埋込形換気扇について、その特徴と電気代を詳しく解説します。
※電気料金単価は31円kWhとして計算しています。
パイプファン
パイプファンは、比較的簡単に設置できるトイレ換気扇の一つです。屋外に面した壁に取り付ける換気扇で、小型であるため電力消費も抑えられています。
特別な工事を必要としない場合が多く、メンテナンスも簡単です。一方で、強力な換気が必要な場合には、パワー不足を感じることがあります。また外部の音が聞こえてきやすい、プロペラの回転する音が聞こえやすいなどのデメリットがあります。
しかし、一般的な家庭用トイレにおいては、パイプファンは非常にバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
パイプファンの電気代について、パナソニックの「FY-08PD9D」を参考に電気代を見てみましょう。
定格消費電力(1.7W) | |
1時間 | 0.05円 |
24時間稼働した場合 | 1.26円 |
天井埋込形換気扇
天井埋込形換気扇は、トイレの換気扇の中でも高性能で目立たない設置方法が特徴です。換気扇は天井に埋め込まれるため、インテリアに影響を与えず、空間を広く使うことができます。
換気性能が高く、短時間で臭いや湿気を効率よく排出することができ、トイレを常に清潔に保つことができます。またパイプファンに比べるとプロペラの音が響きづらく静穏性に優れています。
一方で、天井埋込形換気扇の設置には専門的な工事が必要となる場合が多く、初期費用が高くなることがあります。
天井埋込形換気扇の電気代について、パナソニックの「FY-17S7」を参考に電気代を見てみましょう。
定格消費電力(7.5W) | |
1時間 | 0.23円 |
24時間稼働した場合 | 5.58円 |
換気扇を効果的に使うポイント
換気扇を効果的に使うための基本ポイントを押さえ、電気代を抑えながら快適な空気環境を維持しましょう。
窓やドアは閉めておく
換気扇が作り出す空気の流れは、吸気口から換気扇へと向かいます。この流れを妨げないために、窓やドアを閉めて空気の流れを固定することで、効率的に室内の汚れた空気を排出できます。
窓を対角線上に開けて自然換気を行うことも効果的ですが、特定の部屋の空気を効率的に排出したい場合には換気扇を使用することがベストです。
特にキッチンの換気は重要です。キッチンでは料理の際に油分や煙が発生し、これを放置すると部屋中に油分が広がり、壁や家具に付着してしまいます。
換気扇を使うことで、油分や煙を迅速に排出し、キッチンの空気を清潔に保つことができます。
定期的に清掃する
換気扇の性能を維持し、効果的に使用するためには、定期的な清掃が欠かせません。換気扇は使用するうちにホコリや油汚れが溜まりやすく、これが原因で風量が低下し、換気効率が落ちてしまいます。
特にキッチンの換気扇は油汚れが付きやすいため、月に一度はフィルターやファンの清掃を行うようにしましょう。清掃の際には、中性洗剤を使用し、汚れをしっかりと落とします。
定期的な清掃を怠ると、換気扇のモーターに負担がかかり、消費電力が増加します。
また、汚れが溜まると換気能力も低下し、換気に時間がかかるようになります。これにより、電気代も無駄にかかってしまいます。清掃を習慣化することで、換気扇の寿命を延ばし、効率的な換気を実現できます。
古い換気扇は交換する
古い換気扇は、消費電力が高く、換気性能も低下している可能性があります。モーターが劣化している場合、新しい換気扇に交換することで電気代を節約する効果、そして機能的にも静音性の強化や十分な換気が期待できます。
最新の換気扇に交換することで、電気代を節約しながら、効率的に室内の空気を清潔に保つことができます。
換気扇は24時間つけっぱなしで大丈夫?
換気扇を24時間稼働させることにはメリットもありますが、デメリットも存在します。ここでは、その両面について詳しく説明し、電力会社の見直しも含めた対策について考察します。
24時間付けっぱなしにするメリット
2003年以降に建築された住宅の場合、前述の通り24時間換気システムの採用が義務化されています。
24時間換気システムの場合は365日24時間稼働させるのが正しい使用法となっていおり、そもそも24時間換気システムの義務化は、機密性の高い現代の住宅の換気をおこなうために施行されました。
そのため24時間換気システムをオフにしてしまうと、住宅の換気が出来なくなってしまい住宅の寿命を縮めることに繋がってしまうのです。
2003年以前に立てられた住宅で、24時間換気システムが導入されていない場合でも、換気扇を24時間稼働させることには多くのメリットがあります。まず、結露やカビの防止が挙げられます。
特に梅雨や冬場には湿度が高くなりがちですが、換気扇を常時稼働させることで湿気を効果的に排出し、結露やカビの発生を抑えることができます。
また、室内の空気を常に新鮮に保つことができる点も大きなメリットです。外からの新鮮な空気を取り入れ、室内の汚れた空気を排出することで、ホコリや花粉、アレルゲンを含む有害物質の蓄積を防ぎます。
24時間付けっぱなしにした場合の問題点
上述の通り24時間換気システムを採用している住宅の場合は24時間つけっぱなしを前提とした住宅になっているため、24時間つけっぱなしにすることによる大きな問題点はありません。
24時間換気システムではなく、通常の換気扇の場合、換気扇の寿命が短くなる、ホコリや汚れが溜まりやすくなることが24時間つけっぱなしにするデメリットとして挙げられます。
さらに、部品の劣化などが原因で、換気扇の稼働音が気になってくる場合もあります。特に夜間や静かな環境では、快適性が阻害される可能性が高まるため注意が必要です。
電気代が気になるなら電力会社の乗り換えも検討しよう
換気扇を24時間稼働させることで電気代が気になる方も多いでしょう。そんな時は、電力会社の見直しを検討することをお勧めします。
現在の電力会社のプランが適切でない場合、より安価で効率的なプランに乗り換えることで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。
例えば、エネワンでんきは、家庭の電気使用量に応じたお得なプランを提供しており、特に電気使用量が多い家庭にとっては大きなメリットがあります。
さらに、乗り換え手続きも簡単で、サポート体制も整えておりますので、安心してご利用いただけます。
電気料金を節約したい方は、ぜひエネワンでんきへの乗り換えを検討してみてください。
換気扇を適切に活用して綺麗な空気を保とう
換気扇の電気代は、使用する場所や頻度によって異なりますが、1か月の電気代は比較的低めです。
特に、換気扇を24時間稼働させることで得られるメリットは多く、湿気やカビの防止、空気の清浄化、においの除去などが挙げられます。
その一方で、常時稼働による換気扇の寿命短縮や汚れの蓄積といったデメリットも考慮する必要があります。
電気代が気になる場合は、最新の換気扇への買い替えや電力会社の見直しを検討するとよいでしょう。
乗り換えで電気代がどの程度安くなるか、一度シミュレーションしてみてください。