炊飯器の保温にかかる電気代はいくら?冷凍との比較や節約方法も

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炊飯器の保温にかかる電気代はいくら?冷凍との比較や節約方法も

炊飯器はお米を炊くときだけでなく、炊いた後の保温時にも電気代がかかっています。ごはんは冷凍でも保存できるため、保温と冷凍のどちらが経済的なのかを知っておきましょう。炊飯器の保温時の電気代や冷凍との比較、炊飯器の電気代を節約する方法をご紹介します。

目次

1.炊飯器の種類

 1-1. IH式炊飯器

 1-2.マイコン式炊飯器

2.炊飯器の保温時の電気代

 2-1. IH式炊飯器の電気代

 2-2.マイコン式炊飯器の電気代

  2-2-1. IH式炊飯器とマイコン式炊飯器の電気代に差はある?

3.ごはんの保温と冷凍はどちらが経済的?

 3-1.電子レンジで解凍する場合の電気代

 3-2.炊飯器での保温は4時間までが目安

  3-2-1.保温と冷凍の経済性

4.炊飯器の電気代を節約する方法

 4-1.食べる量に合わせて炊く

 4-2.一度の消費量が少ない場合はまとめて炊いて冷凍する

 4-3.食べる直前に炊き上がるようにする

 4-4.使わないときは炊飯器のコンセントを抜く

 4-5.新しい炊飯器に買い替える

5.ごはんをおいしく冷凍・解凍するコツ

 5-1.炊いたお米をおいしく冷凍保存する方法

 5-2.冷凍したごはんを電子レンジで解凍する方法

6.炊飯器の保温にかかる電気代を節約しよう

炊飯器の種類

炊飯器の種類はIH式とマイコン式に大きく分けられます。保温時の電気代を計算する前に、まずは2種類の炊飯器の仕組みや特徴を理解しましょう。

IH式炊飯器

IH式炊飯器は、電磁誘導加熱によりお米を炊くタイプです。釜自体が発熱するため、全体にむらなく熱が伝わります。

マイコン式に比べて火力が高く、お米の芯まで短時間でしっかり炊き上げるのがメリットです。IHの圧力タイプなら、内部でお米がかき混ぜられるため、よりおいしいごはんに仕上がるでしょう。

IH式炊飯器は近年の主流であり、各メーカーがさまざまな製品を販売しています。価格はマイコン式に比べ割高です。

マイコン式炊飯器

マイコン式炊飯器は、釜の底のヒーターで発生させた熱を全体に伝えてお米を炊くタイプの炊飯器です。マイコンで火力をコントロールしています。

火力のみを比較した場合、マイコン式はIH式に劣ります。3合以上のお米を炊くとむらができやすいため、実際には少量のお米向けの炊飯器が主流です。

歴史が古い炊飯器であり、最初の発売は1970年代後半とされています。IH式に比べ価格が安いことがメリットです。

炊飯器の保温時の電気代

「省エネ性能カタログ2023年版」に記載がある、タイプごとの平均消費電力を用いて、炊飯器の炊飯・保温にかかる電気代を計算します。電気代の計算には以下の式を使います。

1時間あたりの消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)

2024年9月時点での電力料金の目安単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWh(税込)です。

※出典:よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

IH式炊飯器の電気代

<IH3合以上5.5合未満>

保温時の消費電力量(平均):14.1Wh/h

保温時の1時間あたりの電気代:14.1Wh/h÷1,000×31円/kWh=約0.44円/h

炊飯時の消費電力量(平均):121.8Wh/h

炊飯時の1回あたりの電気代:121.8Wh/回÷1,000×31円/kWh=約3.78円/回

<IH5.5合以上8合未満>

保温時の消費電力量(平均):16.52Wh/h

保温時の1時間あたりの電気代:16.52Wh/h÷1,000×31円/kWh=約0.51円/h

炊飯時の消費電力量(平均):162.1Wh/h

炊飯時の1回あたりの電気代:162.1Wh/回÷1,000×31円/kWh=約5.03円/回

<IH10合以上>

保温時の消費電力量(平均):21.80Wh/h

保温時の1時間あたりの電気代:21.80Wh/h÷1,000×31円/kWh=約0.68円/h

炊飯時の消費電力量(平均):212.8Wh/h

炊飯時の1回あたりの電気代:212.8Wh/回÷1,000×31円/kWh=約6.60円/回

※出典:省エネ性能カタログ 2023年版 P156~160 | 経済産業省 資源エネルギー庁

マイコン式炊飯器の電気代

<マイコン3合以上5.5合未満>

保温時の消費電力量(平均):10.90Wh/h

保温時の1時間あたりの電気代:10.90Wh/h÷1,000×31円/kWh=約0.34円

炊飯時の消費電力量(平均):97.416Wh/回

炊飯時の1回あたりの電気代:97.416Wh/回÷1,000×31円/kWh=約3.02円

<マイコン5.5合以上8合未満>

保温時の消費電力量(平均):17.4Wh/h

保温時の1時間あたりの電気代:17.4Wh/h÷1,000×31円/kWh=約0.54円

炊飯時の消費電力量(平均):145.860Wh/回

炊飯時の1回あたりの電気代:145.860Wh/回÷1,000×31円/kWh=約4.52円

<マイコン10合以上>

保温時の消費電力量(平均):23.0Wh/h

保温時の1時間あたりの電気代:23.0Wh/h÷1,000×31円/kWh=約0.71円

炊飯時の消費電力量(平均):206.7Wh/回

炊飯時の1回あたりの電気代:206.7Wh/回÷1,000×31円/kWh=約6.41円

※出典:省エネ性能カタログ 2023年版 P161~162 | 経済産業省 資源エネルギー庁

IH式炊飯器とマイコン式炊飯器の電気代に差はある?

IH式炊飯器は火力が強くおいしく炊き上げられる分、消費電力量がやや高めです。ただし、炊飯時の消費電力量においては、マイコン式との違いはそれほど大きくありません。保温時の電気代もほぼ同程度で、使用時間が長くならなければ大きな差は出にくいと言えます。マイコン式炊飯器は、炊飯時・保温時ともに消費電力量がIH式よりやや低めですが、機種によっては大きな差は出ないこともあります。長時間の保温を行わなければ、IH式と同様に電気代の差はほとんど気にならないでしょう。

ごはんの保温と冷凍はどちらが経済的?

炊飯器でごはんを長時間保温する場合と、冷凍して電子レンジで解凍する場合では、どちらの電気代が経済的か検証してみましょう。

電子レンジで解凍する場合の電気代

パナソニックの電子レンジ「NE-FL1A」を使い、冷凍ごはんを3分で解凍した場合の電気代は次のようになります。

NE-FL1Aの消費電力:1.40kW

1.40kW×(3分/60分)×31円/kWh=約2.17円

※出典:詳細情報 単機能レンジ NE-FL1A | オーブンレンジ・単機能レンジ | Panasonic

炊飯器での保温は4時間までが目安

例えば、IH5.5合以上8合未満の炊飯器で、ごはんを4時間または5時間保温した場合の、電気代は次のようになります。

IH5.5合以上8合未満の保温時の平均消費電力量:16.52Wh/h

4時間保温した場合の電気代:16.52Wh/h×4h÷1,000×31円/kWh=約2.05円

5時間保温した場合の電気代:16.52Wh/h×5h÷1,000×31円/kWh=約2.56円

4時間の時点では保温のほうが安くなりますが、5時間保温すると、電子レンジでの解凍より保温のほうが電気代が高くなります。炊飯器の種類にもよりますが、電気代の節約を考慮する場合、炊飯器での保温は4時間までが目安です。

保温と冷凍の経済性

保温と冷凍の電気代を比較した結果、短時間(4時間以内)の保温であれば保温のほうが安価ですが、長時間(5時間以上)になると冷凍保存+電子レンジ解凍のほうが経済的です。経済性を重視する場合は、炊いたごはんを食べるまでの時間を考慮し、4時間以上放置するなら冷凍保存を検討しましょう。

炊飯器の電気代を節約する方法

炊飯器は保温時だけでなく、炊飯時や使っていないときにも電気代がかかっています。炊飯器にかかる電気代の節約方法を見ていきましょう。

食べる量に合わせて炊く

炊飯器で炊いたごはんを長時間保温すると、電気代がかかりやすくなるため、必要な分だけを炊いた方が節約できる場合があります。

例えば、朝食と夕食で同じごはんを食べる場合1回で多く炊いて保温を続けるよりも、朝・夕の2回に分けて炊くほうが良いケースもあります。

実際に、保温と炊飯の電気代を比較すると、以下のような傾向があります。

IH5.5合以上8合未満の炊飯器の場合:

炊飯時の1回あたりの電気代:約5.03円/回

保温時の1時間あたりの電気代:約0.51円/h

炊飯2回の電気代:約10.06円

炊飯1回+10時間保温の電気代:約10.13円

このように、1回で多く炊いて保温を続けるよりも、保温時間が長くなる場合は2回炊いたほうが電気代の総額が安くなる場合があります。保温が長時間にわたると炊飯2回分の電気代(約10円)に近づいてしまうため、必要に応じてタイマー機能を活用し、必要なタイミングで炊き上がるよう調整することをおすすめします。

また、日々の消費量が不規則な場合は、まとめて炊いて冷凍保存し、電子レンジで解凍する方法も効果的です。冷凍と炊飯を組み合わせて使い分けることで、無駄な電力消費を抑えられます。

一度の消費量が少ない場合はまとめて炊いて冷凍する

炊飯器で炊くお米の量が少ない場合、何度も炊く必要があるため、炊飯にかかる電気代が高くなってしまいます。まとめ炊きをして冷凍するのが経済的です。

炊飯の回数を減らせば、お米をとぐときや釜を洗うときに使う水を減らせることから、節水にもつながります。

なお、炊いたごはんを冷凍する際は、1食分ずつ小分けにして保存しましょう。必要な分だけ使えるため、食べ残しを防げます。

食べる直前に炊き上がるようにする

炊飯器の電気代を節約したいなら、食べる直前に炊き上がるようにしましょう。炊き上がった後にしばらく食べない時間があると、保温に電気代がかかってしまいます。

炊飯器のタイマー機能を活用すれば、保温の無駄を省くことが可能です。朝食で炊きたてのごはんを食べたい場合は、前日の夜にタイマーをセットしておけば、朝に炊き上がります。

炊き上がる少し前に炊飯器の電源を切り、余熱で蒸らすのも1つの方法です。一般的な炊飯器では、最後の約10分は余分な水分を飛ばす蒸らしの時間になっています。ただし、途中で電源をオフにできない場合は、無理に電源を切らないようにしましょう。

使わないときは炊飯器のコンセントを抜く

電気代の節約を図る際に意識したいのが待機時消費電力です。電化製品はコンセントを差しっぱなしにしていると、使っていない間も待機時消費電力が発生し続けます。

省エネ性能カタログを見れば、炊飯器の製品ごとの待機時消費電力を確認することが可能です。炊飯や保温をしていない間は、炊飯器のコンセントを抜いて待機時消費電力の発生を抑えましょう。

※出典:省エネ性能カタログ 2023年版 P156~ | 経済産業省 資源エネルギー庁

新しい炊飯器に買い替える

近年の炊飯器は省エネ性能が向上しています。古い炊飯器を使い続けている場合、新しい炊飯器に買い替えれば、電気代の節約が期待できるでしょう。

省エネ性能カタログによると、IH5.5合以上8合未満の炊飯器の2010年における年間消費電力量が90.8kWh/年であったのに対し、2022年には83.80kWh/年まで下がっています。

新しい炊飯器に買い替えるためには初期投資が必要ですが、長期的には家計にプラスになる可能性が高いでしょう。

※出典:省エネ性能カタログ 2023年版 P153 | 経済産業省 資源エネルギー庁

ごはんをおいしく冷凍・解凍するコツ

炊飯器の電気代を考える際は、節約とおいしさの両立を目指すことが大切です。ごはんをおいしく冷凍・解凍するコツをご紹介します。

炊いたお米をおいしく冷凍保存する方法

炊飯器で炊き上がったごはんを冷凍する場合、平らにふんわりとよそうのが、おいしさを保つポイントです。解凍時に均一に温まるため、ふっくらとした仕上がりになります。

ラップで包んだごはんをそのまま冷凍すると、ほかの食材の臭いが移ったり、乾燥したりする恐れがあります。フリーザーバッグに入れれば、臭い移りや乾燥を防ぐことができます。

冷凍庫に入れるタイミングは、炊きたてをすぐに入れるのがベストです。ただし、ほかの食材に悪影響を与えかねないため、粗熱が取れてから冷凍しましょう。

冷凍したごはんを電子レンジで解凍する方法

冷凍ごはんを電子レンジで解凍するときは「解凍機能」ではなく「あたため機能」がおすすめです。600Wで約3分加熱するのが1食分(お茶碗1杯)の目安ですが、量によって加熱時間を調整しましょう。まず冷凍ごはんをラップのまま電子レンジに入れ、600Wで30秒~1分加熱します。

ごはんが柔らかくなり、箸でほぐせるようになったら、耐熱のお茶碗に移して、さらにほぐして水分を飛ばします。その後、再度ラップをふんわりとかけ、600Wで約2分加熱。もし水分が多いと感じたら、2回目の加熱時はラップを外すと良いです。

炊飯器の保温にかかる電気代を節約しよう

炊飯器は保温時にも電気代がかかっており、保温時間が長くなるほど電気代も上がります。4時間を超えて保温する場合は、冷凍保存して電子レンジで解凍するほうが経済的です。

保温時間が長くなると、ごはんの味や食感も悪くなっていきます。電気代の節約とごはんのおいしさの両立を図る使い方を意識しましょう。

電気代の節約を考えているなら、電力会社を変更するのもおすすめです。電気料金が安い電力会社に乗り換えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性もあります。

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