
電子レンジの寿命はどれくらい?買い替えのサインや長く使うポイント
電子レンジの寿命はどれくらい?買い替えのサインや長く使うポイント
電子レンジは毎日の調理に欠かせない電化製品ですが、買い替え時期の判断は、意外と難しいものです。電子レンジの一般的な寿命や寿命が疑われるサインなど、買い替えの判断に役立つ事柄を理解しておきましょう。できるだけ長持ちさせるポイントも解説します。
目次
電子レンジの寿命はどれぐらい?

電子レンジは日常的に使う電化製品ですが、いつまでも使えるわけではありません。寿命により不具合が生じたり、使用できなくなったりする可能性があるので、買い替えるべきタイミングについて知っておくことが大切です。
一般的な電子レンジの寿命は10年程度
一般的に電子レンジの寿命は約7~10年とされています。これはメーカーの保証期間や製品の耐用年数を基準とした目安であり、多くのご家庭で問題なく使えるとされている期間です。
しかし、使用頻度やメンテナンスの状態、機種の性能差によって寿命は変わります。頻繁に電子レンジを使うご家庭では、5~7年で不具合が出る場合もありますが、丁寧に使えば10年以上問題なく使えることも珍しくありません。ただし多くのメーカーでは、使用開始から10年程度での買い替えを推奨しています。
オーブンレンジと単機能レンジの寿命差
電子レンジには単機能レンジとオーブンレンジの2種類があります。単機能レンジは加熱だけに特化しているため、構造が比較的シンプルであり、故障しにくい傾向があります。
一方、オーブンレンジは加熱だけではなく、焼く・蒸すなど多機能な調理が可能です。しかし内部の部品や制御機構が複雑で、単機能の電子レンジよりも故障リスクは高めです。
そのためオーブンレンジの方が寿命が短く、平均7~8年程度が買い替えの目安とされています。また、高性能モデルは使い方次第で長持ちする場合もありますが、複雑な機能が増えるほどメンテナンスの頻度が増える傾向もあります。
電子レンジの寿命が疑われるサイン

食材が十分に温まらなくなったり、変な音やにおいがしたりするなど、電子レンジには寿命が近づくと現れる前兆があります。
こうしたサインに気付いたときは、なるべく早めに買い替えや修理を検討しましょう。電子レンジの寿命が疑われるサインについて、具体的に解説します。
温まりにムラがある・加熱が遅い
電子レンジの加熱ムラや加熱の遅さなどは、寿命の兆候のひとつです。内部のマグネトロンが劣化すると出力が安定せず、食品が均一に温まらなくなります。
また回転皿の動きが悪くなったり、庫内のセンサーが正確に働かなくなったりするのも、そのまま故障につながるおそれがあるので注意しましょう。
特に加熱が遅い場合は、電力の供給が不安定だったり、内部の回路が劣化している可能性があります。こうした症状を放置すると、突然使えなくなるリスクもあるため、早めの点検や買い替えを検討することが大切です。
異音・異臭がする
電子レンジから普段とは違う異音や異臭がする場合も、寿命が近いサインとして注意が必要です。例えば、ガラガラやビリビリといった異音は、モーターやファンの故障や、電気系統のトラブルの可能性があります。
焦げ臭いやプラスチックが溶けたような異臭は、内部で部品が過熱している可能性があり、火災のリスクも伴います。異音や異臭を感じたら使用を中止し、専門業者に点検や修理を依頼しましょう。場合によっては、そのまま買い替えを検討すべきです。
操作パネルが反応しにくい
操作パネルの反応が悪くなったり、ボタンが押しても反応しなかったりする場合も、寿命の兆候です。電子レンジの操作パネルはタッチ式やボタン式がありますが、長期間使用しているとセンサーの劣化や、内部回路のトラブルにより正常に動作しなくなります。
特に、液晶表示がちらついたり消えたりするのは、故障の前兆の可能性が高いので注意しましょう。操作が不安定になると、使い勝手が悪くなるだけでなく、誤動作による事故の危険性もあるため、早めの対応が必要です。
使用中に突然停止する
電子レンジが使用中に突然停止する場合、内部の安全装置が働いている可能性があります。これはモーターや電子部品の過熱、あるいは過負荷を検知して強制停止している場合が多く、電子レンジの寿命が近いことを示す重要なサインです。
また、配線の断線や制御回路の故障によっても、動作が止まるケースがあります。コンセントや電源コードの接触不良、家のブレーカーの容量不足が影響している場合も珍しくありません。
頻繁に停止する場合は、安全面を考慮して修理か買い替えを検討するとともに、電源周りの環境も確認しましょう。
電子レンジの寿命を延ばすには?

多くのご家庭で毎日使う電子レンジは、使い方やメンテナンスによって寿命を延ばすことができます。以下のポイントを意識して、故障のリスクを抑えつつ、安全に長く使えるようにしましょう。
庫内をきれいな状態に保つ
電子レンジの寿命を延ばすためには、庫内の清掃が欠かせません。食品の飛び散りや油汚れを放置すると、加熱効率が落ちるだけでなく、臭いや煙の原因にもなります。また、汚れが加熱されることで部品にダメージを与え、故障リスクが高まるので注意しましょう。
庫内は柔らかい布やスポンジで優しく拭き、汚れがひどい場合は水や中性洗剤を使うのがおすすめです。定期的な清掃は機械の負担を軽減し、長く安定した性能を維持するポイントです。
連続使用を避けて負荷を軽減する
電子レンジは連続して長時間使用すると内部の部品に負荷がかかり、寿命を縮める原因となります。
特に、マグネトロンやファンは連続運転で熱がこもりやすく、過熱による故障が発生しやすくなります。そこで、数分の使用ごとに一度電源を切り、冷却時間を設けるとよいでしょう。
また、頻繁に高出力で使用する場合も負荷が高くなるため、加熱時間を分けるなどの工夫をすれば、部品の劣化を抑えられます。無理な使い方を控え、適切な休憩を挟むことが長持ちの秘訣です。
金属やアルミを入れない
電子レンジに金属製品やアルミホイルを入れるのは避けましょう。これらはマイクロ波を反射し、火花が飛んで機器の内部にダメージを与える可能性があります。
火花が発生すると、回路がショートしてマグネトロンが故障する恐れがあり、電子レンジの寿命を大きく縮めます。
さらに庫内の塗装が剥がれる原因にもなり、最悪の場合は火災につながるおそれもあるので、十分注意しましょう。金属類は専用の調理器具以外では使わず、電子レンジ対応の容器を利用する必要があります。
設置場所に注意する
直射日光が当たる場所や高温多湿の環境は、内部の電子部品に悪影響を及ぼすため、電子レンジの設置場所には十分注意が必要です。通気性の悪い狭い場所に置くと熱がこもりやすく、過熱による故障のリスクが高まります。
壁や周囲のスペースは適度に確保し、風通しのよい場所に設置しなければいけません。さらに、安定した水平な場所に置き、振動や衝撃を受けにくい環境を選ぶことで、機器の負担を減らしましょう。
特に棚やカウンターの上に置く場合は、耐荷重や耐熱性も確認し、安全性を確保することが大切です。
電子レンジは修理・買い替えのどちらがよい?

電子レンジの故障時には、修理か買い替えの判断が必要です。修理は故障の内容や修理費用、製品の年数によって適否が変わります。
購入から5年以内であれば、修理したほうがよい場合が多いものの、10年を超えていると部品交換が難しくなるほか、修理費用が高額になるケースも珍しくありません。さらに古い機種では、修理しても再び別の箇所が故障する可能性が高く、結果的に出費がかさむ場合もあります。
さらに、故障箇所が複数ある場合や、安全面で不安がある場合は買い替えが望ましいでしょう。最新モデルは省エネ性能が高く、機能も充実しているため、調理時間の短縮や使い勝手の向上といった利点も期待できます。長期的に見れば、買い替えによるメリットが大きいといえるでしょう。
電子レンジの処分方法と注意点

電子レンジの処分には、小型家電リサイクル法や自治体の規定に基づく適切な手続きが必要です。多くの自治体では粗大ごみとして処分することはできません。家電量販店での引き取りサービスを利用するか、指定された回収業者に依頼しましょう。
多くの販売店では、古い機種の引き取りサービスを提供しています。新しい電子レンジを購入する際には、配送と同時に処分を依頼するのが最も便利な方法です。この場合は、リサイクル料金と収集運搬料金が必要で、機種にもよるものの、総額で3000~5000円程度かかるのが一般的です。
また、処分前には、個人情報の削除を忘れずに行いましょう。特に、記憶機能付きの高機能モデルでは、設定をきちんとリセットすることが重要です。庫内の清掃もしておき、汚れを除去してから引き渡すことが、一般的なマナーとして推奨されています。
なお、電子レンジに限らず、電化製品の不法投棄は環境汚染の原因となるだけでなく、法的な問題にも発展します。必ず正規のルートで処分するようにしましょう。
電子レンジの寿命を知り安全に使用する

電子レンジの寿命は平均的に10年程度ですが、適切な使用方法とメンテナンスにより、長く使えるようになります。日頃から庫内の清掃を心がけるとともに、連続での使用を避け、金属類を入れないといった基本的な注意事項を守ることで、寿命を効果的に延ばすことが可能です。
ただし温まり方にムラがあったり、異音がしたりする場合、寿命が近づいている可能性があるので注意しましょう。操作パネルの反応が悪いなどのサインも見逃さず、修理や買い替えなど適切に対応する必要があります。
また故障が発生した場合には、使用年数と修理費用を比較検討し、安全性と経済性の両面から、慎重に修理・買い替えの判断をするようにしましょう。処分の際は家電リサイクル法に従い、環境に配慮した適切な方法を選ぶことが大事です。
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エネワンでんき編集部
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