
セントラルヒーティングにかかる電気代は?設置のメリットも解説
セントラルヒーティングにかかる電気代は?設置のメリットも解説
暖房器具を使うときに気がかりなことといえば電気代です。家全体を暖めるセントラルヒーティングであれば、より一層電気代が気になってしまうはずです。セントラルヒーティングを使ったときにかかる電気代を解説します。
目次
セントラルヒーティングの電気代

セントラルヒーティングとは、ボイラーで作った熱を各部屋に設置されたパネルヒーターに届け、遠赤外線と自然対流の作用により部屋を暖めるシステムのことです。エネルギー源として電気を使っている場合には、それ相応の電気代がかかります。セントラルヒーティングを稼働させた場合にかかる電気代について解説します。
オール電化家庭を参考にした電気代の目安
現状では、消費電力を公表しているセントラルヒーティングシステムはほとんどありません。そのため、セントラルヒーティングの電気代を消費電力から計算することは困難です。セントラルヒーティングの電気代を予測するには、セントラルヒーティングの導入率が高い北海道で消費される電気代に注目するとよいでしょう。
北海道電力の試算によると、オール電化家庭の年間の電気代は約271,424円となっています。暖房が必須となる12月~3月は、月々約29,000~36,000円程度の電気代がかかるとしています。
総務省統計局が実施している「家計調査」では、総世帯における2025年1月~3月の電気代を13,445円と報告しているため、セントラルヒーティングを取り付けると平均より多くの電気代がかかるといえるでしょう。
※出典:スマート電化<住宅の新築をご検討の方向け> – 北海道電力
※出典:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 1 (実数,構成比,増減率,寄与度) 総世帯・勤労者世帯・勤労者世帯以外の世帯・無職世帯 四半期 2025年1~3月期 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
セントラルヒーティングに関するその他のコスト

セントラルヒーティングシステムを導入すると、月々かかる電気代以外にもさまざまな費用がかかります。セントラルヒーティングを取り付けるとかかるコストについて解説します。
初期費用
セントラルヒーティング関連のコストとしてまず挙げられるのが、初期費用です。
セントラルヒーティングの初期費用としては、材料費や設置費などがかかります。セントラルヒーティングは、ボイラーで作った熱を部屋中に運ぶ循環パイプを家中に張り巡らせ、各部屋にはパネルヒーターを設置する必要があるため、材料費や設置費が割高になりがちです。
初期費用としては100万円前後のお金が必要といわれています。しかし、住宅の規模や構造によって実際の価格は変動するため、正確な初期費用を知りたい場合には、専門業者に見積もりを依頼しましょう。
※出典:セントラルヒーティングで家中暖かい!電気代やメリットをご紹介 セントラルヒーティングとは?電気代はどれくらい?メリットもご紹介 長野県・信州への移住・注文住宅なら工房信州の家
メンテナンス費用
メンテナンスにかかる費用もセントラルヒーティングに関わるコストの1つです。油やガスを燃焼させて部屋を暖める暖房器具の場合、直接触れたり温風に長時間当たり続けたりすることで、やけどの症状が出る可能性があります。点検には1回あたり10,000~30,000円程度の費用が必要です。
温水式のセントラルヒーティングを導入した場合には、3~4年に1回のペースで「不凍液」の交換が必要です。不凍液とは家中に熱を届ける循環パイプ内を通る循環液を指します。
不凍液の交換を怠ると配管やパネルヒーターの内部でサビが発生し、配管が詰まってしまう可能性があります。不凍液の交換にかかる費用は40,000~90,000円程度です。長寿命タイプの不凍液を選ぶと費用が高くなります。
※出典:セントラルヒーティングとは?仕組み・費用・後悔しない選び方まで専門家が徹底解説 | 札幌で注文住宅を建てるなら豊栄建設
※出典:セントラルヒーティングの不凍液の交換時期は?交換の目安や費用も|暮らしの知恵袋|札幌ニップロ株式会社
セントラルヒーティングのメリット

セントラルヒーティングを取り付けるか迷っているときは、設置により得られるメリットとデメリットを確認しましょう。セントラルヒーティングを取り付けるメリットを4つ紹介します。
家全体を暖められる
セントラルヒーティング最大のメリットは住宅をまるごと暖められる点です。ボイラーで作り出した熱を循環パイプを通して部屋中に届けるセントラルヒーティングシステムは、暖房器具を稼働させた部屋だけを暖める一般的な暖房方法とは一線を画しています。
一部の部屋だけを暖める場合、注意しなくてはならないのが「ヒートショック」です。ヒートショックとは、気温変化の影響により血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患が起こる現象を指します。暖かい部屋から寒い部屋に移動したときに起こる可能性が高い現象です。
セントラルヒーティングを導入すれば、トイレや脱衣所など、ヒートショックが起こりやすい場所も暖められるため、ヒートショックから家族を守ることができるでしょう。
乾燥を気にする必要がない
セントラルヒーティングの長所としては、空気の乾燥を気にすることなく部屋を暖められる点も挙げられます。エアコンに代表される「温風を出して部屋を暖める暖房器具」を使うと、部屋がどんどん乾燥していくため注意が必要です。
部屋が乾燥すると「免疫力の低下」が懸念されます。ウイルスの侵入をブロックする役割を持つ鼻やのどの粘膜が乾燥し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなってしまうのです。
遠赤外線と自然対流の力で部屋を加温するセントラルヒーティングは、部屋の中が乾燥しにくい暖房システムです。冬でも元気に過ごしたい方におすすめの暖房器具といえるでしょう。
部屋の空気が汚れない
クリーンな空気を維持できるのも、セントラルヒーティングの強みの1つです。セントラルヒーティングは、灯油やガスを燃焼させて部屋を暖める暖房器具のように二酸化炭素が部屋に充満しません。
石油ストーブやガスファンヒーターなどの暖房器具を長期間使用していると、部屋に二酸化炭素が充満してしまうため、定期的に換気が必要です。換気の際には暖められた空気が外に逃げてしまうので、どうしても暖房の効率が下がってしまいます。
パネルヒーターを暖めて部屋の温度を高めるセントラルヒーティングは、二酸化炭素の充満を気にせず使用可能です。部屋を締め切っていても支障がないため、暖房の効率を高められます。
安全性が高い
安全性が高い点もセントラルヒーティングの利点です。やけどや一酸化炭素中毒の心配がありません。
灯油やガスを燃焼させて部屋を暖める暖房器具の場合、直接触れたり温風に長時間あたり続けたりすることで、やけどの症状が出る可能性があります。また、十分な換気をせずにこれらの暖房器具を使用し続けると、燃焼不良や不完全燃焼を起こし、部屋の一酸化炭素濃度が高まる危険性もあります。
セントラルヒーティングで用いられるパネルヒーターはそれほど高温にならないので、触れてもやけどを負うリスクは低いといえるでしょう。また火を使わないため、一酸化炭素中毒を起こす心配もありません。
セントラルヒーティングのデメリット

セントラルヒーティングの設置を検討するときには、セントラルヒーティングのデメリットも把握しておきましょう。「高額な電気代がかかる」以外のセントラルヒーティングのデメリットを解説します。
快適な室温になるまでに時間がかかる
セントラルヒーティングの欠点としてまず挙げられるのが、部屋が十分に暖まるまでに一定以上の時間がかかることです。
セントラルヒーティングは各部屋に取り付けたパネルヒーターにボイラーで作った熱を送り、ゆっくりと部屋を暖めるシステムです。ガスファンヒーターや石油ストーブのように、稼働させてすぐ暖かさを感じられるタイプの暖房器具ではありません。
ただし、このセントラルヒーティングのデメリットは、一度慣れてしまえばそれほど苦を感じるものではないといえるでしょう。セントラルヒーティングシステムは、基本的に24時間連続で稼働させる暖房器具であるため、速暖性のなさにより不便さを感じる場面は極端に少ないといえます。
冷房機能を搭載していない
セントラルヒーティングは、部屋をじんわりと暖めることに特化したシステムであるため、エアコンのように夏場も使える機能は有していません。
セントラルヒーティングを導入する際には、夏の暑い日に備え、別途でエアコンを導入する必要があります。エアコンも必要であることを考えると、「じゃあエアコンだけでいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
セントラルヒーティングの電気代を抑えるワザ

セントラルヒーティングシステムは、使い方を工夫することで消費する電気代を節約可能です。セントラルヒーティングを取り付けているのであれば積極的に実践したい、節電方法を紹介します。
24時間稼働させ続ける
セントラルヒーティングシステムを設置したのであれば、24時間継続して稼働させるのがおすすめです。
セントラルヒーティングは、室温を上げるときに最も多くの電気を消費します。節電を意識して頻繁にオン・オフを切り替えていると、電源を切っていた間に下がった室温を再度上げる必要性が生じるため、かえって多くの電気を消費してしまう可能性が高いといえます。
外出時も短時間の外出であれば、セントラルヒーティングはつけっぱなしにしましょう。長期で不在にする場合には、完全に電源を落とすよりも設定温度を下げて稼働させておく方が経済的です。
設定温度を低くする
セントラルヒーティングの電気代を節約したいのであれば、設定温度を低めにするとよいでしょう。
設定温度を低くするときは、部屋ごとに温度差を作らないことが肝心です。「ちょっと寒いな」と感じる部屋があると、快適性が大きく損なわれてしまいます。場合によっては、室温の低い部屋に結露が発生する可能性もあるため注意が必要です。
また、極端に低い温度に設定しないことも重要です。設定温度を低くしすぎると、部屋が暖まりにくくなってしまう可能性があります。心地よいと感じる室温は人それぞれです。家族全員が快適に過ごせる温度を模索しましょう。
窓際にパネルヒーターを取り付ける
セントラルヒーティングで消費する電気代を節約したいのであれば、熱を各部屋に供給するパネルヒーターを窓際に設置するのがおすすめです。窓際にパネルヒーターを設置すると、「コールドドラフト現象」の防止が期待できます。
コールドドラフト現象とは、室内の暖かい空気が窓に触れて冷やされる現象のことです。冷やされた空気は冷気となって吹き降り、足元を冷やすことで底冷えの原因を作ってしまいます。
窓際にパネルヒーターを設置すると、コールドドラフト現象を防ぐ効果が期待でき、効率的に快適な体感温度を維持できます。
電気料金プランを変える
セントラルヒーティングを設置するのであれば、セントラルヒーティングを導入するご家庭向けの電気料金プランを選びましょう。電気料金プランを実際の電気の使い方に合ったものに変更することで、電気代を最適化できます。
セントラルヒーティングを導入しているご家庭におすすめの電気料金プランは、どれだけ電気を使っても電気料金単価が変わらないプランです。
電力使用量に応じて段階的に電気料金単価が上がっていくプランだと、電力使用量が多くなりやすいセントラルヒーティングを導入しているご家庭は、電気料金単価が高くなってしまう可能性があります。
セントラルヒーティングにはコスト以上の価値がある
セントラルヒーティングは電気代が高額になりやすいというデメリットはあるものの、家全体を快適な温度に保ち、空気を汚さず乾燥も気にならないなど、暮らしの質を高めるメリットが豊富です。工夫次第で電気代を抑えることもできるため、快適さを重視するのであれば、検討する価値のある設備といえます。セントラルヒーティングを導入して快適な冬を過ごしましょう。
また、電気代の節約を考えているなら、電力会社を変更するのもおすすめです。電気料金が安い電力会社に乗り換えれば、それだけで電気代を抑えられる可能性もあります。
エネワンでんきなら電力使用量に合わせて適切なプランをお選びいただけます。電力会社の乗り換えを検討しているなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。
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