
エシカルとは?意味や具体例、企業の取り組みなどを紹介
エシカルとは?意味や具体例、企業の取り組みなどを紹介
「エシカル」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。エシカルには「倫理的な」「道徳上の」という意味があり、主に人や社会、地域、環境に配慮した考え方や行動のことです。近年は、「エシカル消費」や「エシカル商品」といった使い方もされています。サステナブル(持続可能)な社会をつくるためにも、消費者一人ひとりが取り組むべき課題です。この記事では、エシカルの意味や具体例のほか、メリットや課題、企業の取り組みなどを紹介します。エシカルは企業だけでなく個人でも気軽に取り入れられるため、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
6.「エシカル」について理解して私たちにできることを考えよう
「エシカル」とは?

はじめに、エシカルの意味と注目されている理由を解説します。
エシカルの意味
エシカル(ethical)とは、英語で「倫理的な」「道徳上の」という意味を持つ言葉です。近年では、エシカル消費やエシカル商品など、地球環境に配慮した取り組みや商品を指す使い方が多く見られます。
「エシカル」が注目されている理由
エシカルが注目されている理由としては、地球温暖化をはじめとする環境問題や、貧困層の社会問題などが挙げられます。消費者が「社会的責任」を重視するようになり、大量生産と大量消費を繰り返すファスト文化への疑問から、社会・環境への影響を考慮して商品を選ぶ動きが広がっているのです。消費者一人ひとりがエシカルな視点を持つことで、環境問題や社会問題の改善につながります。
エシカルのジャンルと具体例

エシカルには、どのようなジャンルがあるのでしょうか。以下に具体例を見ていきましょう。
エシカル消費
エシカル消費とは、消費者一人ひとりが社会的な課題の解決を考慮した消費活動を行うことです。例えば、マイバッグやマイボトルを持ち歩く、買い物の際にエコ商品を選ぶといった行動が挙げられます。また、社会的課題に取り組む事業者を応援する消費活動も、エシカル消費に含まれます。
エシカルファッション
エシカルファッションとは、アパレル商品の素材開発から生産、流通、廃棄に至るまでの過程において、働く人たちや地球環境に配慮されたファッションを指します。具体例としては、古着やリサイクルを利用して商品を循環させることや、リサイクル素材を使った商品を選ぶことです。「労働者から搾取しない」という観点から、安価で使い捨てられることが多い「ファストファッション」を購入しないことも、エシカルファッションを支える行動の一つといえるでしょう。
エシカル食品
エシカル食品(エシカルフード)とは、商品の生産から購入までの過程において、環境や動物に配慮した食品を指します。農薬や添加物を使用せず作られた商品が多い傾向にあり、環境だけでなく身体にも優しい点が特徴です。
エシカルビューティー
エシカルな価値を重視した美容を指す言葉が、エシカルビューティーです。主に、環境に配慮したオーガニックコスメや、有害成分を排除したクリーンビューティコスメなどが挙げられます。また、製造過程において労働者の権利を守る、動物実験を禁止するといったことも含まれます。エシカルビューティーは、地域や社会への配慮を重視したサステナブルな美の提案といえるでしょう。
エシカルな行動がもたらすメリット

続いて、消費者の一人としてエシカルな視点を持ち、行動に移すことでもたらされるメリットを紹介します。
環境への貢献
エシカルな商品や食品を選ぶことは、二酸化炭素の削減や自然保護、廃棄物の削減などにつながります。つまりエシカルな行動を選択すれば、環境への負荷を軽減する効果が期待できるのです。
社会問題の解消
大量生産・大量消費の背景には、発展途上国における児童労働や、低賃金での労働といった社会問題があります。また、障がい者施設での日用品の制作といった労働も、安い工賃で行われているのが現実です。
そのため、フェアトレード認証商品や障がい者支援につながる商品を選択するのも、エシカル消費の一つといえます。消費者のエシカルな行動により、社会的な不平等の改善につなげることができるのです。
地域への配慮
エシカル消費の理念には、地産地消や被災地支援など地域の振興も含まれます。今はインターネットにより、遠方で生産された商品を手軽に購入できます。しかし、持続可能な経済活動のためには、地元の農産物や特産品を地元のお店で購入するといった消費行動も重要です。つまり、エシカル消費は地域社会の活性化にもつながるのです。
エシカルの課題

エシカルには、メリットだけでなく課題もあります。以下に紹介します。
「エシカル」という言葉が浸透していない
エシカルに関連する言葉として、「エコ」や「ロハス」などがあります。それらに比べると、「エシカル」は言葉も意味もあまり浸透していません。今後、いかにしてエシカルを幅広く浸透させていくかが課題です。
コストがかかる
今のところ、エシカル消費に関わる商品やサービスは、原材料の管理コストや人件費などがかかります。そのため、ほかの一般的な商品に比べて価格が高くなりがちです。価格が高いほど消費者の購入が消極的になる恐れがあるため、製造・流通過程でのコスト削減も課題といえます。
エシカル商品の認知度が低い
エシカル商品は、特にコストの面から、製造や販売ができる企業が限られています。そのため、消費者が小売店でエシカル商品を目にする機会も、多くはありません。
また、エシカル商品は社会問題への配慮を優先するあまり、デザイン性や機能性に劣る場合があります。消費者が「手に入りにくいうえに使いづらい商品」と感じてしまうことは課題といえます。
認証マークの取得が難しい
エシカル商品であることを示すには認証マークが必要で、取得には手間もコストもかかります。手続きが煩雑なため、取得条件を満たしていても、認証マークを付けずに販売している企業も少なくありません。消費者のなかには、認証マークの存在自体を知らない人もいるでしょう。
エシカルにおいては、企業が認証マークを取得しやすくなり、消費者に広く知られるようになる努力が求められています。
エシカルに関する取り組みを行う企業紹介

最後に、エシカルに関する取り組みを行っている企業を紹介しましょう。
株式会社資生堂
株式会社資生堂では、サステナブルな製品の開発に取り組んでいます。例えば、二酸化炭素の排出量削減やバイオ原料への切り替えを目指した原料開発などです。また、パッケージにおいても、家具づくりで発生する端材を使用し、資源の循環を伝えるブランドを展開しています。
オルビス株式会社
オルビス株式会社では、クリーンとサイエンスをかけ合わせた新ブランドを展開しています。先端科学により肌のメカニズムを解明し、独自のアップサイクル技術を構築。「環境にいいもの=肌に効果的なもの」として、持続可能で環境に配慮した産業のあり方を追究しています。
花王株式会社
花王株式会社では、プラスチック問題の解決に貢献するため、リサイクル可能な個装容器や、再生プラスチックを利用した個装容器の開発に取り組んでいます。その一環として、使用済み詰め替えパックを新たな詰め替えパックに変える技術(水平リサイクル技術)を、世界で初めて開発しています。
「エシカル」について理解して私たちにできることを考えよう

エシカルとは、「人や社会、環境に配慮した考え方や行動」を意味します。あまり聞きなれない言葉ですが、日常生活のなかで誰でも簡単に取り入れることが可能です。
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このように、企業でも個人でも取り組めることはたくさんあります。エシカルのメリットや今後の課題を理解し、自分にできることを考えてみましょう。
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エネワンでんき編集部
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