
環境問題に対して私たちにできることは?誰でも簡単にできる行動を紹介
環境問題に対して私たちにできることは?誰でも簡単にできる行動を紹介
人間の活動によって地球環境が悪化していく「環境問題」は、国や文化を超えて取り組むべき大きな課題です。環境問題に対して、私たちは何ができるのでしょうか。今回は、環境問題の概要を解説したうえで、家庭でできる取り組みを紹介します。私たち一人ひとりができることを知り、手軽に取り組める活動から生活に取り入れてみましょう。
【目次】
環境問題とは?

人間の活動によって自然環境に悪影響がおよぶ現象のことを「環境問題」と呼びます。環境問題に対してできる取り組みの前に、まずは環境問題の概要を理解しておきましょう。
ここでは、主要な環境問題と、私たちが環境に与える影響を解説します。
主要な環境問題
ひと口に環境問題といっても、地球温暖化や海洋汚染などさまざまな種類があります。主要な環境問題とその概要は以下のとおりです。
主要な環境問題
地球温暖化 | 二酸化炭素などの温室効果ガスが増加すると、地球の平均気温が上昇します。気温上昇が異常気象や海面上昇、干ばつ、洪水などを引き起こし、人間の生活環境だけでなく生態系にも影響をおよぼしています。 |
海洋汚染 | プラスチックごみや化学物質が海に流れ込み、海洋生物の生態系に悪影響を与えています。特に、マイクロプラスチックは人体への影響も懸念されています。 |
大気汚染 | 工場や自動車からの排気ガス、化学物質が大気中に拡散し、健康被害や酸性雨を引き起こしています。 |
森林破壊 | 農地開拓や都市開発のために森林伐採が進み、二酸化炭素の吸収源が減少しています。生物多様性の損失や土壌の劣化にもつながります。 |
水質汚染 | 汚水や化学物質、ごみなどが河川・海に流れ込み、生物や生態系に影響を与えています。 |
私たちが環境に与える影響
私たちは、生活するうえでさまざまなものを消費し、排出しています。その消費と排出の過程で、私たちは環境に悪影響を与えているのです。
【私たちが環境に与える影響の一例】
・電力使用による二酸化炭素排出(特に火力発電由来)
・自動車利用による排気ガス(有害物質)の排出
・大量生産・大量消費にともなう資源の枯渇
・廃棄物の不適切な処理による土壌汚染
・ごみの焼却による温室効果ガス発生
私たちの生活のすべては地球環境と密接にかかわっています。一人ひとりが生活を見直すことが、環境問題解決への一歩になるといえるでしょう。
環境保護の「3R」とは?

ここからは、個人や家庭でできる環境問題への対策を解説します。まずは、身近なごみ問題の解消に役立つ3R=「Reuse(リユース)」「Reduce(リデュース)」「Recycle(リサイクル)」の考え方を紹介します。
Reuse(リユース)
Reuse(リユース)とは、使用した製品やその部品などを廃棄せず、繰り返し使う取り組みです。
【リユースの取り組み例】
・古着や古布を掃除のときに雑巾として使う
・いらなくなったものは、フリーマーケットやリサイクルショップ、バザーなどを通して、必要としている人に譲る
Reduce(リデュース)
Reduce(リデュース)とは、ものを作るときに使う資源の量や、廃棄物の発生を減らす取り組みのことです。
【リデュースの取り組み例】
・マイボトルを使用して、ペットボトルや缶のごみを少なくする
・マイバッグを活用して、レジ袋をできるだけもらわない
・ものをできる限り長く使う
Recycle(リサイクル)
Recycle(リサイクル)とは、廃棄物や不用品を、原材料やエネルギー源として再利用する取り組みのことです。例えば、牛乳パックをノートやトイレットペーパーにするなどがリサイクルにあたります。リユースやリデュースできない場合は、リサイクルできないか考えてみましょう。
【リサイクルの取り組み例】
・リサイクルできる資源を知る
・資源ごみとして正しく分別する
・リサイクル製品を利用する
家庭で始めるエコライフ

続いて、家庭でできる環境問題への取り組みを3つ紹介します。
・節電・節水の習慣化
・エコ家電やLEDの導入
・環境に優しい製品を選択する
節電・節水の習慣化
家庭での省エネは、習慣化するほど効果が高まりやすくなります。
まずは、エアコンや冷蔵庫など、消費電力の多い家電の使い方を見直すのが効果的です。エアコンを使う際はカーテンで窓からの熱気や冷気を遮り、冷蔵庫は食材を詰め込みすぎないようにしましょう。照明をこまめに消すなどのひと工夫も、節電につながります。
また、節水のためには、洗濯はなるべくまとめて行ない、お風呂のお湯も必要以上にためないようにしましょう。
節水・節電は、地球温暖化防止だけでなく、光熱費を削減できるメリットがあります。誰でも簡単に取り組みやすいため、今日から実践してみましょう。
エコ家電やLEDの導入
家庭での消費電力をより減らしたい場合は、エコ家電やLEDの導入を検討するとよいでしょう。
家電の省エネ性能は年々進化しており、買い替えによって消費電力を大幅に削減できる可能性があります。エコ家電の購入に対して補助金制度を設けている自治体もあるため、お住まいの自治体で実施されているか確認してみましょう。
また、LEDは白熱電球に比べて、消費電力を約85%削減できます。寿命も約40倍といわれているため、照明交換の手間を減らせるでしょう。
環境に優しい製品を選択する
使用する製品は、環境に優しいものを選びましょう。製品の選び方で迷った場合は、以下の10項目を参考にしてください。
【グリーンコンシューマー10原則】
・必要なものを必要な量だけ買う
・使い捨て商品ではなく、長く使えるものを選ぶ
・包装がないものを最優先し、次に最小限のもの、容器は再利用できるものを選ぶ
・作るとき、使うとき、捨てるとき、資源とエネルギーが少ないものを選ぶ
・化学物質による環境汚染と健康への影響の少ないものを選ぶ
・自然と生物多様性を損なわないものを選ぶ
・近くで生産、製造されたものを選ぶ
・作る人に公正な分配が補償されたものを選ぶ
・リサイクルされたもの、リサイクルシステムのあるものを選ぶ
・環境問題に熱心に取り組み、環境情報を公開しているメーカーや店を選ぶ
移動手段の見直し

2023年度における日本の二酸化炭素排出量のうち、運輸部門が19.2%を占めています。さらに運輸部門の排出量のうち、自家用乗用車が44.4%を占めており、家庭での移動手段の見直しが重要であることがわかります。
そこで、ここからは家庭で取り組める移動手段の見直し策を3つ紹介します。
・公共交通機関や自転車の利用促進
・電気自動車やカーシェアリングの活用
・長距離移動の工夫
公共交通機関や自転車の利用促進
二酸化炭素排出量を削減するには、鉄道やバス、自転車、徒歩などの移動手段を積極的に選びましょう。環境省の試算では、20kmの移動を自家用車からバスに切り替えると、二酸化炭素排出量を約45%削減できるとされています。
徒歩や自転車での移動は健康にも良く、自家用車の利用が減ることで交通渋滞が緩和されるなど、社会的なメリットも得られます。
電気自動車やカーシェアリングの活用
走行時に二酸化炭素を排出しない電気自動車(EV)や、ハイブリッド車、燃料電池自動車など、環境に優しい自動車の選択も効果的です。これらの自動車は、再生可能エネルギーと組み合わせることで、さらに環境負荷を低減できます。
また、事業者が所有する車両を会員に貸し出す「カーシェアリング」は、必要なときに必要なだけ自動車を利用できるため経済的です。環境省でも、再エネとEVを同時に導入し、地域の脱炭素型カーシェアを推進する取り組みを支援しています。
長距離移動の工夫
長距離移動は二酸化炭素排出量が多く、特に飛行機は自動車に次いで排出量が高くなっています。時間に余裕がある場合は、できるだけ鉄道やバスなどの低炭素な移動手段を選び、環境負荷を軽減しましょう。
環境に優しいエネルギーと暮らし

最後に、環境に優しい暮らしをしていくために、取り組みたいポイントを2つ紹介します。
太陽光発電や再生可能エネルギーの導入
太陽光発電や風力発電、水力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑える重要な手段です。
再生可能エネルギーのなかでも、特に家庭で導入しやすいのが太陽光発電です。二酸化炭素排出量を減らせるだけでなく、電力会社から買う電気量を抑えられるうえ、余った電力を電力会社に売ることもできます。さらに、日中の停電時にも自家発電で電力を確保可能です。
環境配慮型製品やサービスの選び方
商品を購入する際は、認証マークの付いているものを選びましょう。認証マークは、第三者機関によって審査・認定された特定の商品に付与されます。さまざまな種類がありますが、以下は特に環境負荷の低減へ配慮した製品に付与されるマークの一例です。買い物の際には、これらのマークをチェックしてみましょう。
認証マークの一例 | 概要 |
エコマーク | 製品のライフサイクル全体で環境負荷が少ないと認められた商品に付けられます。 |
FSCマーク | 適切に管理された森林からの木材を使用した製品に付けられます。 |
有機JASマーク | 農薬や化学肥料を使用せずに生産された有機農産物に付けられます。 |
MSC「海のエコラベル」 | 適切に管理された漁業で獲れた水産物に付けられます |
環境問題を解決するために私たちにできること

地球温暖化や海洋汚染、資源の枯渇など、環境問題は深刻化しています。その原因の多くは、私たちの暮らしに大きくかかわっています。エコバッグを持ち歩く、節電や節水を心がける、再生可能エネルギーを意識して選ぶなど、環境を守るためにできることを考え、行動してみましょう。
エネワンでんきでは、二酸化炭素排出量を実質ゼロにできる「実質再エネプラン」や、食品ロス削減に貢献できる「食べとくエコプラン」など、環境に配慮した選択肢を用意しています。
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エネワンでんき編集部
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