温室効果ガスとは?種類やそれぞれの特徴。私たちの生活との関係を解説

温室効果ガスとは?種類やそれぞれの特徴。私たちの生活との関係を解説

温室効果ガスとは?種類やそれぞれの特徴。私たちの生活との関係を解説

ニュースやSNSなどで「温室効果ガス」や「環境問題」「カーボンニュートラル」などの単語を目にする機会が増えています。「温室効果ガスは環境に悪い」という認識はあるものの、具体的に私たちの生活にどのような関連があるのかわかりにくいと感じる方もいるのではないでしょうか。本記事では、温室効果ガスの概要や種類、それぞれの特徴、地球温暖化との関係や私たちができる取り組みなどを解説します。

【目次】

1.温室効果ガスとは?

 1-1.温室効果ガスの概要

 1-2.温室効果ガスのおもな種類

2.温室効果ガスの特徴

 2-1.二酸化炭素(CO2)

 2-2.メタン(CH4)

 2-3.一酸化二窒素(N2O)

 2-4.フロン類(HFCs、PFCs、SF6、NF3など)

3.温室効果ガスと地球温暖化の関係

 3-1.温室効果ガスの増加にともなう気温上昇

 3-2.過去と現在の温室効果ガス濃度の変化

4.温室効果ガスの排出状況

 4-1.世界の温室効果ガス排出量の現状

 4-2.主要国の排出量

5.温室効果ガス削減に向けた対策

 5-1.再生可能エネルギーの導入

 5-2.省エネと効率的なエネルギー利用

 5-3.カーボンプライシングの採用

 5-4.個人や企業ができる取り組み

6.温室効果ガスの現状とこれからの課題を知ろう

温室効果ガスとは?

そもそも温室効果ガスとはどのようなものなのでしょうか。温室効果ガスの概要やおもな種類を紹介します。

温室効果ガスの概要

温室効果ガスには、大気中で赤外線を吸収・再放出する働きがあり、地球の気温を維持する役割があります。温室効果ガスがなければ、地球の平均気温はマイナス19度になるとされています。

温室効果ガスというと悪いイメージを持ちがちですが、実は私たちにとって必要不可欠な存在です。

温室効果ガスのおもな種類

温室効果ガスの種類には、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類(HFCs、PFCs、SF6、NF3など)があります。

これらのなかで、二酸化炭素は人間が排出する温室効果ガスの総排出量のうち、最も多くの割合を占めています。

温室効果ガスの特徴

温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類(HFCs、PFCs、SF6、NF3)について、それぞれの特徴を解説します。

二酸化炭素(CO2)

二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化に最も大きな影響をもたらしている気体です。「炭酸ガス」とも呼ばれており、炭酸飲料やドライアイスなど私たちの身近な場所で使われています。

メタン(CH4)

メタン(CH4)は、二酸化炭素に次いで排出量の多い温室効果ガスです。メタンは、天然ガスの主成分で都市ガスにも使われており、二酸化炭素の21倍の温室効果があります。

一酸化二窒素(N2O)

一酸化二窒素(N2O)は、二酸化炭素の310倍の温室効果をもつ気体です。全身麻酔などの笑気ガスとして使われています。

フロン類(HFCs、PFCs、SF6、NF3など)

フロン類(HFCs、PFCs、SF6、NF3など)は、もともと自然界には存在しない物質です。冷蔵庫やエアコンなどの冷媒用として開発され、1960年代以降に大量に使用されました。

しかしその後、フロン類がオゾン層を破壊することが判明し、1997年から生産が禁止されています。

生産が禁止されたフロンの代わりとして使われ始めたのが、HFCs、PFCs、SF6、NF3などの「代替フロン」で、オゾン層は破壊しないものの強い温室効果があります。

温室効果ガスと地球温暖化の関係

温室効果ガスと地球温暖化には、どのような関係があるのでしょうか。ここからは、温室効果ガスによって地球温暖化が起きる仕組みや、濃度の変化を解説します。

温室効果ガスの増加にともなう気温上昇

温室効果ガスが過剰に増えると、本来宇宙に逃げるはずの熱が放出されず、地表にたまりすぎてしまうため、気温が上昇して地球温暖化を引き起こします。

地球温暖化による影響は、単に気温が上がるだけではありません。海面上昇や生態系の変化、異常気象が起こる原因にもなり、食糧危機が発生するリスクも上昇します。

過去と現在の温室効果ガス濃度の変化

現在の二酸化炭素濃度は、過去の濃度よりも大幅に増加しており、二酸化炭素以外のメタンや一酸化二窒素の濃度も同様に増加しています。

温室効果ガスの濃度が上昇した主な原因は、人間の活動による温室効果ガスの排出です。特に、産業革命以降に、石油などの化石燃料の使用量が急増したことが大きな影響を与えています。

温室効果ガスの排出状況

現在、世界ではどのくらいの温室効果ガスが排出されているのでしょうか。ここからは、世界の温室効果ガス排出量の現状や、主要国の排出状況を解説します。

世界の温室効果ガス排出量の現状

2024年の世界の二酸化炭素総排出量は416億トンと予測されており、2023年よりも増加しています。また、2023年度の日本における温室効果ガス別の排出量の割合は以下のとおりです。

温室効果ガスの種類全体に占める割合
二酸化炭素(CO2)92.3%
メタン(CH4)2.7%
一酸化二窒素(N2O)1.5%
ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)3.0%
パーフルオロカーボン類(PFCs)0.3%
六ふっ化硫黄(SF6)0.2%
三ふっ化窒素(NF3)0.02%

出典:日本の温室効果ガス排出量データ|アーカイブ|国立研究開発法人 国立環境研究所

主要国の排出量

次に、温室効果ガスの排出量が多い上位4ヵ国を紹介します。以下は、国連環境計画(UNEP)が発表した2023年時点のデータです。

国名温室効果ガス排出量
中国160億トン
アメリカ59億トン
インド41億トン
ロシア26億トン

出典:Emissions Gap Report 2024 | UNEP – UN environment programme

UNEPの発表では日本の排出量は述べられていませんが、2022年のデータでは日本の排出量は11億トンで、世界のなかでも排出量が多い国だとわかります。

温室効果ガス削減に向けた対策

地球温暖化を進行させないためには、温室効果ガスを少しでも削減していく必要があります。ここでは、温室効果ガスを削減する4つの対策について解説します。

再生可能エネルギーの導入

1つ目は再生可能エネルギーの導入です。再生可能エネルギーとは、自然界で繰り返し得られるエネルギー源のことで、太陽光発電や風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電などが挙げられます。

再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しない、または増やさないエネルギー源です。バイオマス発電のように、燃料を燃やす際に二酸化炭素を排出するものでも、発電する過程で同量の二酸化炭素を吸収するため、実質的な二酸化炭素量は増えません。

省エネと効率的なエネルギー利用

省エネによってエネルギー使用量を抑えることも、温室効果ガス削減に効果があります。具体的な省エネ方法としては、LED照明や高効率エアコンなど省エネ家電の導入や、建物の断熱性能向上などが挙げられます。

工場など電力を大量に使う設備がある場合は、空調効率を高めるとコストの節約にもつながるでしょう。

カーボンプライシングの採用

カーボンプライシングとは、企業などが排出する温室効果ガスに価格を付け、排出量を売買できたり、排出量に応じて課税したりする仕組みのことです。

金銭的なインセンティブが働くことで、二酸化炭素の排出削減だけでなく、低炭素技術の普及促進も期待されています。排出者の行動を環境に配慮したものに変化するよう促し、地球温暖化の進行を止めるのが、カーボンプライシングのねらいです。

個人や企業ができる取り組み

個人や企業が温室効果ガス削減に貢献できる取り組みもたくさんあります。例えば、電気やガスの使い方を見直すのも効果的です。LED照明や省エネ家電の導入のほか、エアコンや冷蔵庫などの設定温度を少し上げるだけでも使用電力を減らせます。

ガスも同様に、給湯温度を少し下げれば省エネになるため、積極的に取り入れてみましょう。また、車を運転する際は、加減速の少ないアクセルワークや、アイドリングストップなどのエコ運転を心がければ、燃料消費が減って温室効果ガス削減につながります。

温室効果ガスの現状とこれからの課題を知ろう

温室効果ガスは、地球の気温を一定に保つうえで欠かせない存在である一方、増えすぎると地球温暖化を引き起こし、異常気象や海面上昇など深刻な環境問題につながります。

地球温暖化を止めるには、再生可能エネルギーの普及や省エネ技術の進化、カーボンプライシングなどの導入が有効です。国際的な枠組みによる連携や、企業・個人による取り組みも今後ますます重要となるでしょう。

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    エネワンでんき編集部

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