洗濯機の寿命はどのくらい?修理と買い替えで迷った場合の考え方
洗濯機の寿命はどのくらい?修理と買い替えで迷った場合の考え方
洗濯機は電化製品の中で、特に寿命が短いわけではありませんが、急に故障することもあります。突然使えなくなって困らないように、大まかな寿命を知っておき、寿命が近づいているサインも覚えておきましょう。洗濯機の買い替えのポイントとともに解説します。
目次
洗濯機の寿命は何年くらい?
洗濯機の寿命は使用頻度や環境などで変わってきます。ただ一般的には、メーカーの部品保有期間や製品の平均使用年数などを参考に考えるのが通常です。
ただし、これらの寿命はあくまでも目安であり、使い方次第で平均寿命を大きく超えて使える場合も少なくありません。正しい使い方を守って、メンテナンスを欠かさないことが重要です。
メーカーの部品保有期間による寿命
洗濯機の補修用性能部品の最低保有期間は、当該製品の生産終了から6年です。その期間を過ぎると、故障したときに部品を調達できず修理ができない可能性があります。
また、国税庁が定めている洗濯機の耐用年数も同じであるため、おおよそ6年を洗濯機の寿命と捉える考え方が広まっています。
ただし、補修用性能部品は当該製品の製造が終了しても、後継の製品に使用されるケースが少なくありません。一部の製品の生産が終了してもすぐにすべての部品が使えなくなるわけではないので、古い洗濯機が故障した場合でも、一度メーカーに修理可能か確認してみましょう。
※出典:別表3|製造業表示規約|公正競争規約|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
※出典:【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数(器具・備品)(その1)|国税庁
平均使用年数による寿命
2023年3月の消費動向調査によれば、洗濯機の平均使用年数は約10. 1年であり、約74.2%が故障によって洗濯機を買い替えています。
多くの洗濯機が10年程度で故障しており、買い替えの時期を迎えているという状況です。そのため平均使用年数を基準とすれば、おおよそ10年が洗濯機の寿命と想定できます。
メーカーの部品保有期間を参考にすれば6年程度を寿命と考えられますが、実際には10年以上、同じ洗濯機を使い続けているご家庭は珍しくありません。
使い方や環境によって洗濯機の寿命は大きく変わってくる点も鑑みれば、10年を寿命の目安と考えつつ、6年を過ぎた頃から買い替えを視野に入れておくのがよいでしょう。
※出典:消費動向調査 長期時系列表 1-3 二人以上の世帯(主要耐久消費財等)主要耐久消費財の買替え状況の推移 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
洗濯機の寿命が近いサイン
洗濯機の寿命は、消費動向調査を基準にすれば10年程度です。使い方次第では10年を超えて使用できる場合も多くありますが、その前に突然使えなくなるケースも考えられます。寿命が近づいているサインを知っておきましょう。
以下の症状が確認された場合、洗濯機が故障していたり寿命を迎えていたりする可能性があります。
洗濯中にエラーが発生する
洗濯中に頻繁にエラーが発生する場合、内部が故障している恐れがあります。まずは説明書を確認した上で、エラーコードに応じた対処をしてみましょう。エラーコードによっては、早急に修理が必要な場合もあります。
電源が入らなかったり途中で運転が止まってしまったりする場合は、ブレーカーが落ちていないか確認し、プラグもコンセントにしっかりと接続されているかチェックしましょう。ブレーカーを確認するときは、感電しないよう電源プラグを抜いておきます。 プラグを挿し直しても電源が入らなかったり、操作ボタンが反応しなかったりするなら、内部の接触不良や基盤の故障が考えられる状態です。
異音が聞こえる
洗濯機の内部から異音が聞こえる場合も、故障の疑いがあります。ただし、洗濯物の中に鍵や小銭などの異物が混入しているケースも多くあるので、運転を止めて洗濯槽内を確認してみましょう。
異物とは関係なく異音がする場合は、部品の劣化やモーターなどの故障があるかもしれません。部品があればスムーズに修理できる可能性もありますが、上記のように補修用性能部品の保有期間が終了している場合、洗濯機自体の買い替えが必要なケースもあります。 まずはメーカーや修理業者に連絡してみましょう。
脱水や乾燥が十分にできない
脱水や乾燥が十分にできないときも、洗濯機が寿命を迎えている可能性があります。
脱水機能がうまく動作していないなら、まずは排水口の詰まりや汚れ・排水ホースがしっかり接続されているかを確認しましょう。排水口に問題がなくホースも正しくつながっている場合は、モーターの故障が考えられます。
洗濯物がうまく乾燥できないときは、フィルターにゴミやホコリなどが詰まっていないかチェックしてみましょう。フィルターを掃除しても状況が改善されなければ、故障が疑われます。説明書を確認した上で、メーカーや修理業者に問い合わせましょう。
電源コードが熱くなる
電源コードが熱くなっている場合も、故障の可能性があります。火災の原因になりかねないため、早急に運転を停止してメーカーや専門業者に相談することが先決です。
コードの内部がショートしていたり接触不良を起こしたりしている場合、電源コードを交換すれば事足りる場合もありますが、洗濯機の内部に異常が発生している可能性もあります。
特に電源部分は出火の恐れもあり、下手に触れると危険です。電源は入れずに、必ずメーカーや専門業者の指示を仰ぐ必要があります。
嫌なにおいがする
洗濯機から嫌なにおいがする場合、どのようなにおいか確認しましょう。カビ臭いなら実際に洗濯槽にカビが発生している可能性があります。洗濯槽用のクリーナーを使用して取り除きましょう。それでもにおいが取れなければ、洗濯機内部の腐食が考えられます。
焦げたにおいがしている場合は、内部に異物が入り込んでいたり部品の劣化で摩擦が発生していたりといった原因が考えられます。いずれの場合においても、分解して内部を確認しなければなりません。メーカーや修理業者に連絡の上、対応してもらいましょう。
洗濯機の寿命と間違えやすいサイン
洗濯機の寿命はエラーの頻発や異音の発生など、さまざまなサインから判断できます。ただ、寿命と勘違いしがちなサインもあることに注意が必要です。寿命や故障ではない不具合を見ていきましょう。
給水ホースや排水口から水が漏れる
給水ホースや排水口から水が漏れている場合、もちろん故障の可能性も考えられます。しかし、単にホースの差し込みが悪く、水が隙間から漏れているケースは少なくありません。
また、汚れが詰まって排水が阻害されている場合もあるため、まずはホース回りを確認しましょう。洗濯機が寿命を迎えているわけではなく、汚れを取り除いたりホースだけを交換したりすれば済む場合がほとんどです。
ただし、洗濯機本体から水が漏れてしまっている場合は故障の恐れがあります。
脱水中に変な音がする
脱水中のみ異音がすると感じたときは、洗濯機の置き場所をよく確認してみましょう。洗濯機が水平に置かれていない状態で脱水すると、ガタガタといった音がするケースがあります。
また、洗濯物の量が多い場合や洗濯槽内で物が偏った状態になっている場合も、洗濯機が大きく揺れるような音がする原因です。洗濯物の量を調整して脱水し直すと、解消する場合があります。 布団や毛布などの大きい物については、洗濯が可能でも洗濯機の容量によっては対応できないこともあります。ほかの洗濯物と分けて洗濯したりコインランドリーを利用したりなど、洗濯機に負担をかけない工夫をしてみましょう。
給水に時間がかかる
給水に時間がかかる場合、給水弁のフィルターに汚れやゴミが詰まっている可能性が多くあります。まずはフィルターの状態を確認して、汚れやゴミがあれば取り除きましょう。単にフィルターの掃除をするだけで、症状が改善することは珍しくありません。
また、水道管のゴムパッキンの劣化も、スムーズな給水を妨げる原因となります。吐水口や蛇口の結合部などから水が漏れていないか確認してみましょう。ゴムパッキンの耐用年数は10年程度であり、水漏れが止まらなければ交換のサインです。
洗濯機の修理と買い替えで迷ったら?
洗濯機の故障が判明した場合、修理か買い替えかを検討することになります。以下のポイントを確認した上で、故障した部分を修理すべきか思い切って買い替えるべきかを判断しましょう。
まずは保証期間をチェック
洗濯機が故障したときは、まずメーカーの保証期間をチェックしましょう。期間内なら無料で修理してもらえる可能性があります。
メーカーによる保証期間は1年の製品が多く、その間に故障した場合、故障場所以外は問題なく稼働するケースがほとんどです。保証期間内の故障の場合は、基本的に修理を選択するとよいでしょう。
ただし、保証範囲は基本的に正しい使い方による自然故障のみです。故意・過失による故障は、有償での修理になるケースが多い点には注意しなければなりません。
また家電量販店では、店舗で独自の延長保証を提供している場合もあります。延長保証による修理には上限額が決まっている場合が多いので、保証の内容や条件をよく確認しておきましょう。
保証期間が過ぎていれば買い替えも視野に
洗濯機が故障してしまった時点で保証期間が過ぎており、修理が難しい部分の故障であれば、買い替えも検討しましょう。故障には修理で問題なく対応できるものと、買い替えを考えた方がよいケースがあります。
部品の交換のみで対応できる故障は、メーカーがその製品の部品を保有しているなら、ほとんどの場合で修理が可能です。各メーカーが修理項目として公表している部分の故障は、基本的に修理できると考えて問題ありません。ただし保証期間が過ぎていれば、修理は有償です。
一方、洗濯中に急に停止する・内部から異音がするという場合、洗濯機の制御・駆動部分に深刻な不具合が発生している可能性があります。6~10年は使用している洗濯機で、メーカーが修理可能としている項目以外の故障が疑われるなら、買い替えを検討するのがよいでしょう。
特に、洗濯機の購入から6年以上経過しているならば、省エネ性能や機能性が高い新製品がリリースされています。古い洗濯機は引き続き故障のリスクもあるため、長い目で見れば、買い替えた方が洗濯機にかかる費用全般を安く済ませられる可能性が高いでしょう。
洗濯機を買い替える際のポイント
洗濯機を買い替える場合は、省エネ性能に優れた製品を選ぶのがおすすめです。さらに毎月の光熱費の出費を抑えるために、電力会社の乗り換えも検討してみましょう。
省エネ性能に優れた洗濯機を選ぼう
これから洗濯機の購入・買い替えをするなら、省エネ性能の高い製品を選びましょう。省エネ洗濯機を選べば、水道代や電気代の節約につながります。
省エネ洗濯機には、洗濯物の量や状態に合わせて運転時間や水量を自動で調整する機能を有する製品があります。またドラム型の洗濯機なら洗濯物にまんべんなく温風を当てられ、効率的に衣類を乾燥させられるので、電気代の節約になります。
節電を図るなら電力会社の切り替えも有効
毎月の光熱費を安く抑えたいなら、電力会社の乗り換えも検討してみましょう。2016年4月1日から、電力小売の全面自由化がスタートしました。これにより新電力と呼ばれる新たな電力事業者が、続々と電力事業に参入しています。
新電力はさまざまな料金プランを選択でき、お得に電気を使えるサービスが豊富です。例えば、エネワンでんきでも電気+ガスのセット割をご用意しています。サイサンやいちたかガスワンのプロパンガス・都市ガスとエネワンでんきの同時契約で割引が適用されますのでぜひご検討ください。
出典:北海道のエネルギーをまとめてガスワンスイッチ|株式会社いちたかガスワン
洗濯機の寿命を延ばすコツ
洗濯機の平均的な寿命は10年程度で、場合によっては6年を経過したあたりから買い替えを検討する不具合も出てくるでしょう。ただし、洗濯機は使い方次第で寿命が大きく変わってきます。少しでも寿命を延ばすためには、以下のポイントを意識することが大切です。
洗濯物や洗剤の適切な量を守る
洗濯機を安全に正しく利用するために、投入する洗濯物や洗剤の量には注意が必要です。
洗濯に手間をかけないようにと一度に大量の洗濯物を入れてしまう方もいますが、洗濯機に過度な負担がかかってしまいます。故障の原因となり寿命を縮める可能性もあるので、取扱説明書に記載された容量を守るようにしましょう。
また、洗剤を適量以上に入れてしまうと、残った洗剤によりカビが発生しやすくなります。カビやにおいを取り除く手間がかかってしまうため、投入する洗剤も適正量を守ることが大事です。
各パーツをこまめに掃除する
洗濯機の各パーツをこまめに掃除するのも、寿命を延ばすポイントです。特に洗剤の投入ケースやゴミ取りネット・排水フィルターなど、汚れやゴミがたまりやすいパーツは重点的に掃除しましょう。洗剤や汚れが付着しやすい場所も、こまめに掃除することが大切です。
汚れやゴミを放置していると、水漏れや給水の不具合が起こる可能性があり、嫌なにおいも残ってしまいます。定期的に掃除をするのはもちろん、洗濯後に洗濯槽を簡単に拭く習慣を付けておけば、においが発生しづらくなっておすすめです。
洗濯後は元栓を毎回閉める
洗濯機の給水口の元栓を開きっぱなしにすると、洗濯機やホースに過度な負担がかかってしまいます。部品の摩耗が早まり水漏れや故障の原因になるため、面倒でも元栓は毎回閉めるようにしましょう。
また、元栓を開けたまま放置している場合、ゴムパッキンなどの水を止めるパーツが固くなってしまう恐れがあります。その状態で無理に閉めようとすると、ゴムパッキンが破損してしまう場合があることに注意しましょう。
寿命で使えなくなった洗濯機を処分するには
洗濯機を買い替える場合、古くなった洗濯機の処分も考えなければなりません。洗濯機を処分するには、大きく分けて3通りの方法があります。それぞれの手順を確認しておきましょう。
家電量販店に処分を依頼する
洗濯機は家電リサイクル法対象品目に指定されています。そのため、洗濯機を購入した家電量販店や、新たに製品を購入する予定の店舗に古い洗濯機の回収をお願いすることが処分の際の基本となります。
別途リサイクル料金と収集運搬料金がかかる点には注意が必要です。しかし、新たに製品を購入する場合は、新しい洗濯機への交換と同時に古い製品の処分をお願いすることが期待できるため、手続きや運搬の手間を削減できるのがメリットです。
各自治体に問い合わせる
購入した店舗がわからない場合や閉店してしまっている場合は、地域によって処分方法が異なりますので、各自治体にお問い合わせください。
指定された引取場所へ持ち込みができれば収集運搬料金がかからないケースもありますが、家電リサイクル受付センター等で回収してもらう場合は家電量販店に依頼する場合と同様にリサイクル料金はもちろん収集運搬料金も負担しなければならないでしょう。
不用品回収業者を利用する
不用品回収の専門業者に、古くなった洗濯機の引き取りを依頼する方法もあります。専門業者ならすぐに古い洗濯機を取りに来てもらえる上、自宅からの搬出も任せられるのがメリットです。
一人暮らしの場合や高齢者のみのご家庭など、洗濯機の運び出しが難しい場合は、回収業者に任せるとよいでしょう。回収業者なら洗濯機以外の不用品も回収してもらえます。
ただし不用品回収業者に頼むと、処分にはあたらないためリサイクル料金がかからない代わりに、回収費用が発生し、洗濯機のみの回収だと割高になるケースもあります。
業者によって料金形態が変わってくるので、複数の業者を比較検討した上で、慎重に依頼する業者を選択しましょう。相見積もりを取って確認するのがおすすめです。
洗濯機の症状をしっかり見極めて判断しよう
洗濯機の寿命は消費者動向調査から10年程度と考えられますが、年数がたつにつれて故障のリスクが高まります。洗濯中にエラーが頻発したり異音が聞こえたりする場合、洗濯機が故障している可能性があるので、よくあるサインを見逃さないようにしましょう。
部品の交換で事足りる場合もあるものの、寿命が近い洗濯機は、長い目で見れば買い替えた方がよいケースも少なくありません。
洗濯機を買い替える際には、省エネ性能に優れた製品を選ぶことが大事です。毎月の光熱費の負担を減らすために、電力会社の乗り換えなども検討してみましょう。
故障の場所やメーカーの保証期間・長い目で見た費用などを考慮した上で、修理や買い替えのどちらにするか慎重に判断することが大事です。