
夏場の電気代が高い原因は?平均額や節約のコツを詳しく解説
夏場の電気代が高い原因は?平均額や節約のコツを詳しく解説
夏場はエアコンの使用が増えるため、電気代が高くなる傾向があります。特に猛暑時には、冷房機器の稼働時間が長くなり、冷蔵庫の消費電力も増加します。夏場の電気代の平均額や高くなる原因、節約のポイントを知っておきましょう。代表的な電化製品の賢い使い方も解説します。
目次
夏場の電気代の平均はどれぐらい?

電気代は季節や家族構成、生活スタイルによって大きく異なります。とりわけ夏場はエアコンの使用が増え、電気代の負担が増える傾向にあるので注意が必要です。
まずは、夏場の平均的な電気代を把握しておくことで、ご家庭の電気代の支出が適正か判断してみましょう。一人暮らしと複数人の世帯に分けて、夏場の電気代の平均を紹介します。
一人暮らしの場合
総務省による令和6年の家計調査によると、夏場にあたる7~9月期の単身世帯の電気代平均は6,771円です。年間平均の6,756円と比べても大きな差がなく、夏場が特別高いと感じられない人もいるかもしれません。
しかし、近年は夏の気温上昇に伴いエアコンなどの使用時間が長くなったことから、ここ数年は単身世帯でも夏場の電気代の負担が増えている状況です。特に猛暑日が続く都市部や、西日本など高温多湿の地域では、冷房にかかる電力の消費が顕著に増える傾向があります。
二人以上の世帯の場合
上記の家計調査によると、7~9月期における二人以上の世帯の平均電気代は11,984円です。年を通じての平均は12,008円であり、世帯の年齢や生活スタイルによってばらつきはあるものの、月に11,000~12,000円程度のご家庭が多くあります。
一人暮らしの世帯に比べて、人数が増えることでエアコンの稼働時間が増えるほか、冷蔵庫の容量や使用頻度が上がるご家庭も少なくありません。結果として全体の電力の消費が大きくなり、単身世帯と比べて、電気代の負担がかなり大きくなる傾向にあります。
夏場に電気代が高くなる原因は?

夏場の電気代が増える背景には、冷房の使用や電化製品の使用頻度の増加、在宅時間の変化など、さまざまな要因があります。代表的なものをみていきましょう。単純な気温の高さだけではなく、生活スタイルや建物の特性なども関係しています。
エアコンなどの冷房機器の使用が増えるため
夏は外気温が高いため、室内を快適に保つ目的で、エアコンを長時間使うご家庭が多くなります。とりわけ猛暑時には、冷房を長時間稼働させるケースが多く、全体の消費電力が大幅に増加することがよくあります。
特に、日中に西日が差し込む部屋や断熱性能が低い住宅では、部屋の温度が上がりやすく、エアコンの負荷が高くなりがちです。設定温度を下げても冷えにくいと感じ、さらに消費電力が増える悪循環に陥ることもあります。
冷蔵庫・冷凍庫の消費電力が増えるため
冷蔵庫や冷凍庫も、外気との温度差が大きくなるほど、多くの電力を使う傾向にあります。特に夏場は気温が高いため、庫内の温度を一定に保つために冷却装置が頻繁に稼働し、消費電力が増える点は知っておきましょう。
また扉の開閉が頻繁になると、冷気が逃げて内部温度が上昇し、再び冷やすためにコンプレッサーが活発に動くようになります。結果的に、通常よりも多くの電力が消費されてしまうため、日頃の使い方にも注意が必要です。
在宅時間が増えることによる影響も
夏休みや在宅勤務などで家にいる時間が増えると、エアコンだけではなく、テレビや照明・冷蔵庫の開け閉めの頻度なども増えてしまいます。これにより全体的な電力使用量が上昇するのも、夏場に電気代の負担が増える原因の一つです。
特に在宅勤務ではエアコンをつけっぱなしにしたり、調理や洗濯も日中に行うようになったりと、電気の使い方がオフィス勤務時とは大きく異なります。生活スタイルの変化が、夏場の電気代を押し上げる一因となっているため、在宅時間の長さを考慮して、省エネ対策をする必要があります。
夏場に消費電力が増えがちな電化製品は?

夏場は気温の上昇とともに、ご家庭で使用する電化製品の消費電力も全体的に増加します。特に負担が大きくなるのはエアコンや冷蔵庫など、冷却機能を持つ電化製品です。
上記のように、エアコンは室内の温度を下げるために長時間稼働することが多く、外気温が高ければ高いほどエネルギーを大量に消費します。部屋の広さや断熱性能が不足していると、より多くの電力が必要になるでしょう。
また冷蔵庫や冷凍庫も、気温の上昇により庫内の温度を一定に保つための負荷が高まり、消費電力が増える傾向にあります。加えて、扇風機や除湿機・空気清浄機・冷風機など、涼しさや快適さを保つための補助的な電化製品も稼働時間が長くなるため、電気代の増加につながります。
【エアコン】夏に電気代を抑えるポイント

夏場の電気代を抑えるには、数ある電化製品の中でも、とりわけ消費電力の大きいエアコンと冷蔵庫・冷凍庫の使い方を考えることが重要です。まずは、夏の電気代を左右する最大の要因である、エアコンの使い方のポイントを確認しておきましょう。
設定温度を調整する
エアコンの設定温度は、消費電力に大きな影響を与える要素の一つです。冷房時の設定温度を1℃上げると、約10%の電力削減につながると一般に言われています。
一般的に、28℃前後が省エネと快適性のバランスが良いとされており、極端に低い温度設定は避けた方が賢明です。ただし、就寝時などは快適さを犠牲にしないように注意しましょう。
また、外から帰宅した直後や強い暑さを感じるときは、一時的に温度を下げたくなりますが、冷えすぎは体調を崩す原因になります。初めだけ強めに冷やすようにして、落ち着いたら設定温度を上げると、効率的な運転につながるのでおすすめです。
室内の断熱を工夫する
エアコンの効きを良くし、消費電力を抑えるには、室内の断熱性を高めることが重要です。外気の熱が室内に入り込むと、エアコンはそれを打ち消すために、余分なエネルギーを使ってしまいます。逆に熱が室内に入りにくければ、エアコンの稼働負荷が減り、電気代の削減につながります。
特に窓や扉のすき間、日差しが差し込む場所からは熱が入りやすいため、遮熱・断熱対策を講じることで冷房効率を改善しましょう。カーテンやすだれで日差しを防ぐとともに、窓の遮熱フィルムや断熱シートの活用なども効果的です。
定期的な清掃・メンテナンスを欠かさない
エアコンのフィルターや内部が汚れていると、冷房効率が大きく低下します。結果として稼働時間が延び、無駄な電力を消費してしまうため、注意が必要です。たとえ見た目に問題がなくても、細かな汚れやカビが蓄積している場合も多いので、こまめな清掃が欠かせません。
目安としては、2週間に1度程度はフィルターを取り外し、水洗いするのが理想です。市販の掃除用スプレーを活用すれば、熱交換器の表面や吹き出し口のカビや汚れも、ある程度取り除けます。ただし、内部の汚れがひどい場合は、専門業者によるクリーニングを検討しましょう。
また、メンテナンスの一環として、室外機周辺の確認も必要です。吹き出し口がふさがっていたり、直射日光が当たっていたりすると冷却効率が下がるため、風通しの良い場所に設置し、障害物は必ず取り除いておきましょう。
タイマーやサーキュレーターを併用する
エアコンの電気代を無理なく抑えるには、タイマー機能やサーキュレーターを上手に活用することも大切なポイントです。必要以上に長時間エアコンを稼働させると、無駄な電力消費につながります。
就寝時や外出前などにはタイマー機能を使って、必要な時間帯だけ冷房が効くように設定することで、エネルギーの無駄遣いを防ぎましょう。
また、冷気は部屋の下に溜まりやすいため、エアコンだけでは部屋全体が均一に冷えないことがあります。サーキュレーターや扇風機を併用すると、冷たい空気を効率よく循環でき、エアコンの設定温度を抑えつつ、快適な室温を保てます。
自動運転をうまく活用する
エアコンには冷房・除湿・送風などの各モードに加えて、自動運転機能が搭載されている機種も一般的です。自動運転モードは、室内の温度や湿度をセンサーで検知し、最も効率的な運転状態を自動的に選択する仕組みです。
手動で細かく調整するよりも、適切な出力で運転されるため、電力の無駄が生じにくいのがメリットです。部屋の冷やしすぎを防ぎつつ、快適な室温を保てるため、結果として効率の良い運転が可能になります。
【冷蔵庫・冷凍庫】夏に電気代を抑えるポイント

次に、夏場の冷蔵庫・冷凍庫の電気代を抑えるポイントを、確認しておきましょう。冷蔵庫・冷凍庫の電気代の節約には、庫内の整理や適切な温度設定、設置場所の工夫などが必要です。
庫内をきちんと整理する
冷蔵庫や冷凍庫の電気代を抑えるには、庫内の整理整頓が欠かせません。冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎると、冷気の循環が悪くなり、庫内全体を冷やすためにコンプレッサーの稼働時間が長くなります。
特に、冷気の吹き出し口の前に物を置くと、庫内の温度が不安定になりやすいため、配置には注意が必要です。さらに、何がどこにあるのかを把握しにくくなると、ドアを開けている時間が長くなり、その分、冷気が逃げてしまうでしょう。
頻繁なドアの開閉は無駄な電力の消費につながるため、整理整頓によって物の位置を把握しておくことが重要です。ただし、冷凍庫は逆に適度に詰まっていた方が庫内の冷気が保たれやすく、消費電力を抑制できる点は覚えておきましょう。
適切な温度に調整する
冷蔵庫や冷凍庫の消費電力は、設定温度によって大きく左右されます。特に夏場は「念のため冷やしておこう」と考えて、冷蔵室・冷凍室ともに強めの設定にしてしまいがちですが、無駄な電力消費を引き起こす原因になるので注意しましょう。正しい使い方をしていれば、夏場でも「中」設定で問題ないケースがほとんどです。
また、多くの冷蔵庫には「季節モード」や「エコモード」が搭載されており、室温の変化に応じて自動的に冷却力を調整してくれる機能があります。うまく活用することで、必要以上の冷却を防ぎ、効率的に電気代を抑えられるでしょう。
設置場所に注意する
冷蔵庫や冷凍庫の消費電力を抑えるには、設置場所の工夫も求められます。直射日光が当たる場所や、ガスコンロ・電子レンジの近くなど、周囲の温度が高い場所は避けましょう。本体が熱を持ちやすくなり、内部の温度を下げるために多くの電力を消費してしまいます。
また、冷蔵庫や冷凍庫の背面や側面には、放熱用のスペースが必要です。壁に密着させすぎると放熱が妨げられ、冷却効率が低下してしまいます。背面は10cm以上、側面は5cm以上の隙間を空けることが推奨されています。
夏場に電気代を節約するコツ

夏場に電気代を節約するには、待機電力の見直しや製品の買い替えも検討しましょう。テレビや電子レンジ・パソコン周辺機器など、多くの家電は使用していない状態でも、わずかに電力を消費しています。
特に、夏は常時稼働している冷房機器や冷蔵庫の負荷が大きいため、それ以外の家電による待機電力を、できるだけ削減することが重要です。
また、古い電化製品の使用も見直したいポイントです。製造から10年以上経過したエアコンや冷蔵庫は、最新の省エネ機種と比べて、年間で数千円から1万円以上の電気代差が生じることもあります。
当然、電化製品の買い替えには費用がかかりますが、長期的な節電効果や快適さの向上を考えれば、十分に検討する価値があるでしょう。
電気料金プランや電力会社の乗り換えも検討する

夏場の電気代が高くなる主な要因は、冷房機器や冷蔵庫の使用増加によるものです。日々の電化製品の使い方を見直し、節電の工夫を積み重ねることで、無理なく電気代を抑えられます。自宅に合った対策を取り入れて、快適に夏を乗り切りましょう。
また、毎月の電気代を抑えるには、日常的な節電だけでなく、契約している電気料金プランや電力会社自体を見直すことも有効です。近年は電力の自由化により、各家庭のライフスタイルに合わせた多様な料金プランが登場しています。
電力会社によっては、ポイント還元や独自の特典を設けていることもあるので、お得に電気を利用できます。この機会に節電とあわせて、契約内容の見直しや最適化も検討してみましょう。
エネワンでんきは、電気使用量に合わせた最適なプランを選べるほか、さまざまな特典がついたプランも用意しています。電力会社の変更を考えるなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。