
エアコンの試運転とは?具体的な手順やシーズン前に必要な手入れ
エアコンの試運転とは?具体的な手順やシーズン前に必要な手入れ
エアコンをスムーズに使い始めるためには、シーズン前の試運転が必要です。また、シーズン前にやっておくべき手入れを行うことで、より快適にエアコンを使えるでしょう。エアコンの試運転について、必要な理由や適した時期、具体的な方法を解説します。
目次
エアコンの試運転は必要?

エアコンのシーズン前の手入れはしたことがあっても、試運転はしたことがないという方もいるのではないでしょうか。まずは、エアコンの試運転をしたほうがよい理由と、試運転に適した時期をご紹介します。
エアコンの試運転をしたほうがよい理由
エアコンは使用中だけでなく、使っていない間も空気中のホコリが内部に蓄積していきます。湿度が高い状況では、ホコリを栄養源にしてカビが繁殖することもあります。
そのままの状態でエアコンを使い始めると、ホコリやカビを室内にまき散らすことになるのです。また、ホコリやカビの影響でエアコンの効きが悪くなるケースもあります。
シーズン前は修理の予約が混雑し、使えるようになるまでに時間を要する場合もあります。エアコンに不具合がないか確認し、快適にシーズンを迎えるためにも、試運転をしておきましょう。
エアコンの試運転に適した時期
4月10日はエアコン試運転の日となっています。まだまだ暑い時期ではありませんが、このくらいの時期にエアコンの調子を確認しておけば、冷房シーズン前に慌てることもないでしょう。
暖房についても、11月の少し肌寒くなる頃に試運転をしておくのがおすすめです。本格的な暖房シーズンに入ると、エアコンの修理依頼が集中し、機器の復旧までに時間がかかってしまいます。
働き方改革が推進される中、働き方が多様化して在宅で働く人が増えています。エアコンの稼働率は今まで以上に高くなっているため、本格的なシーズンを迎える前に、早めにエアコンの試運転を行いましょう。
※出典:4月10日 エアコン試運転の日
エアコンの試運転の方法

エアコンの試運転は、単にエアコンを動かしてみればよいわけではありません。一定の手順に従って、正しく動作させることが大切です。エアコンの試運転の一般的な方法をご紹介します。
試運転前のチェックポイント
エアコンの試運転を行う前に、以下の項目をチェックしましょう。
電源が入るか | リモコン・電源プラグ・ブレーカーを確認。 |
風が出てくるか | 風を出す準備をしている可能性がある。設定温度が室温に近い場合は風が出ないことがある。 |
リモコンが動くか | 電池切れを確認。電池を入れても動かない場合は交換が必要。 |
においがしないか | フィルターの掃除をしてもにおいがする場合は、エアコンクリーニングが必要。 |
冷暖房が効くか | 室外機の周辺に物があると効きが悪くなる。何らかの異常が発生している場合はランプの点滅やエラー表示を確認。 |
ランプの点滅やエラー表示はないか | 取扱説明書やWebサイトで異常の種類を確認。 |
また、電源プラグとコンセントの隙間にホコリがたまっている場合は、乾いた布などで拭き取っておきましょう。放置しているとコンセント付近から発火する恐れがあります。
冷房または暖房で10分間運転
エアコンの試運転は、冷房または暖房で10分間の運転を行います。冷房は最低設定温度(16~18℃)、暖房は最高設定温度(28~30℃)で運転しましょう。最低設定温度と最高設定温度は機種ごとに異なります。
試運転で10分程度運転することで、エアコンが異常を検知する時間を確保できます。主要メーカーのいずれも、試運転では10分程度の運転を推奨しています。
エアコンの異常がないかを確認
試運転を始めて10分程度経過したら、以下の項目をチェックしましょう。
- 冷風や温風が出ているか
- ランプの点滅やエラー表示がないか
- 異音や異臭がしないか
特に異常が見られない場合はさらに30分間運転を続け、室内機から水漏れがないか確認します。室外機のホースから水が出ているかチェックしましょう。
結露水は通常、ホースを通じて屋外へ排出されますが、ホースが詰まっていると排水されず、室内に水漏れを引き起こすことがあります。水漏れがある場合はホースの掃除が必要です。
シーズン前のエアコンの手入れ

エアコンを快適に使い始めるためには、試運転だけでなく手入れも必須です。シーズン前に済ませておきたいエアコンの手入れと具体的な方法を解説します。
フィルターの手入れ方法
エアコンのフィルターは、室内機の本体カバーを開けたところにあります。取り外す前に掃除機であらかじめホコリを吸い取っておけば、フィルターを取り外す際にホコリが舞いにくくなるでしょう。
取り外した後も掃除機で丁寧にホコリを吸い取り、汚れがひどい場合は水洗いを行います。洗った後は直射日光やドライヤーで乾かさず、新聞紙の上などで陰干ししましょう。
本体カバーの手入れ方法
本体カバーはフィルターほど汚れないものの、空気の通り道になるため手入れをしておくのがおすすめです。固く絞った濡れタオルで汚れを拭き取り、乾拭きをして仕上げましょう。落ちにくい汚れは中性洗剤やエタノールを使って拭き取りましょう。
なお、エアコンの本体カバーは基本的に道具なしで取り外せるため、念入りに手入れしたい場合は外して掃除しましょう。取り外す方法がわからない場合は無理に取り外そうとせず、取り外さずに掃除するのが安全です。
吹き出し口の手入れ方法
エアコンの吹き出し口を掃除する場合、まずは風向きルーバーの角度を変え、中の様子が見えるようにしましょう。市販のお掃除棒を使えば、細かい部分まで汚れを落としやすくなります。
吹き出し口が濡れている場合は、乾いた布で拭き取りましょう。30分ほど送風運転をすることで、残った水分が蒸発して吹き出し口が乾燥します。
室外機の手入れ方法
エアコンの室外機は、屋内外の熱をやり取りする重要な機器です。室外機の周りに物があると、空気がスムーズに流れなくなるため、まずは室外機の周辺をきれいに片付けましょう。
屋外に設置する室外機は、本体が汚れやすくなります。掃除に水を使うと故障の原因になることがあるため、表面をやわらかい布で乾拭きしておきましょう。
エアコンの調子が悪い場合はどうする?

エアコンの試運転で異常があった場合、修理に出すか買い替えるかを迷いがちです。修理と買い替えの判断をどう考えるかについて解説します。
修理と買い替えの判断基準
エアコンの調子が悪い場合、まずは保証期間を確認しましょう。保証期間内の故障で不具合が保証の対象になっていれば、無料で修理を受けられます。エアコンの一般的な保証期間は1年ですが、メーカー独自の延長保証を設けているケースもあります。
保証期間が過ぎている場合は、費用と使用年数を考慮しましょう。購入からある程度の年数が経過している場合は、修理してもしばらくしたらほかの部分に不具合が生じかねません。
修理費が新品価格の半額を超えるようであれば、買い替えを検討するのがおすすめです。
古いエアコンは買い替えがおすすめ
最新のエアコンは省エネ性能がアップしており、買い替えるだけで電気代の節約につながる可能性があります。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、10年前のエアコンを最新機種に買い替えれば、約15%の省エネにつなげることが可能です。
また、エアコンの修理用部品は保有期間が決まっており、10年程度でメーカーが保有しなくなります。正規の修理を受けられなくなる可能性もあるため、10年以上使ったエアコンは買い替えるのがおすすめです。
※出典:機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
シーズン前にエアコンの試運転をしておこう

エアコンは本格的に使う前に試運転を行い、不具合がないかをチェックしておくことが大切です。フィルターや吹き出し口の手入れをしておくことで、快適さと省エネ効果がアップします。
シーズン前に試運転を行い、不具合があれば早めに修理または買い替えを検討しましょう。