
水道料金・下水道料金の平均額は?算出方法や高くなる原因を解説
水道料金・下水道料金の平均額は?算出方法や高くなる原因を解説
下水道を利用している世帯は、下水道料金を支払う必要があります。水道料金と一緒に請求されるのが一般的で、計算方法は運営団体によって異なります。下水道料金を含めた水道代の平均額をチェックしましょう。
目次
下水道料金の基礎知識

私たちが支払っている水道代は、水道料金と下水道料金を合算したものです。水道料金は使用量に応じて請求されますが、下水道料金はどのように計算されるのでしょうか?
下水道の使用にかかる料金とは?
下水道料金とは、下水道の使用にかかる料金です。下水道使用料とも呼ばれ、浄化処理場の運転や下水道施設の維持管理費、清掃費などに充てられます。
料金は、下水道使用水量(排除汚水量)に応じて算定されます。水道水のみを使用しているご家庭の場合、実際に下水管に排出された汚水の量を測るのではなく、「使用した水道水の量=下水道使用水量(排除汚水量)」と見なすのが一般的です。
ただし、庭の水まきや洗車に使った水は下水道に流れませんが、下水道使用水量としてカウントされます。
請求額は水道料金と下水道料金の合計
水道事業(上水道・下水道)は、地方公共団体が運営しており、民間企業による運営は一般的ではありません。料金は自治体ごとに異なり、計算方法も異なります。
利用者に請求される水道代は、水道料金(上水道料金)と下水道料金の合計額です。2カ月に1回、検針員が各家庭のメーターを確認し、2カ月分をまとめて請求するケースが一般的です。
なお、汲み取り式便所や浄化槽を利用しているご家庭は、下水道料金がかからない場合があるようです。井戸水の利用のみで水道水を全く使っていなければ、下水道料金のみの支払いとなる可能性があります。
料金の計算方法やルールは、お住まいの地域自治体や水道局に確認しましょう。
水道代の平均額をチェック
水道料金と下水道料金を含めた1カ月の平均的な水道代はいくらなのでしょうか?総務省統計局が行っている2024年度の家計調査(家計収支編・2人以上の世帯)を基に、世帯人数別の平均額をまとめました。
1カ月の水道代 | |
平均 | 5,092円 |
2人 | 4,248円 |
3人 | 5,358円 |
4人 | 6,026円 |
5人 | 6,846円 |
6人以上 | 8,409円 |
2人以上の世帯における1カ月の水道代は約5,000円が平均です。世帯人数が増えるにつれ、水道代も高くなることがわかります。参考までに、同じ固定費であるガス代や電気代の平均額も確認してみましょう。
電気代 | ガス代 | |
平均 | 12,008円 | 4,745円 |
2人 | 10,878円 | 4,497円 |
3人 | 12,651円 | 5,121円 |
4人 | 12,805円 | 5,015円 |
5人 | 14,413円 | 4,284円 |
6人以上 | 16,995円 | 4,551円 |
水道・光熱費の中で最も高いのが「電気代」です。1カ月の平均額は約12,000円で、水道代やガス代とは倍以上の差があります。
水道料金・下水道料金の算出方法

算出方法は、運営団体ごとに異なります。ここでは、東京23区を例に挙げ、水道代がどのように算出されているのかを解説します。
水道料金
水道料金は、「基本料金」と「従量料金」の合計に消費税(1円未満の端数切り捨て)を加えた金額です。
- 計算式=(基本料金+従量料金)×1.10
基本料金は、水道を使用しなかった月でも必ずかかる料金で、水道メーターの口径ごとに金額が決まっています。例えば、口径が20mmのご家庭の場合、1カ月の基本料金は1,170円です。
従量料金は、使用量に応じて段階的に価格が変動する課金方式です。口径が20mmの場合、1カ月分の1立方メートルの従量料金は以下のように変動します(一部抜粋)。
- 1〜5立方メートル:0円
- 6〜10立方メートル:22円
- 11〜20立方メートル:128円
- 21〜30立方メートル:163円
検針は2カ月に1回のため、使用水量を1/2にして1カ月当たりの使用水量を求めます。詳しい計算方法は、東京都水道局のWebサイトをご確認ください。
※出典:水道料金・下水道料金の計算方法(23区)|料金ガイド|東京都水道局
下水道料金
下水道料金は、料金表に基づき算定した金額に消費税額(1円未満の端数切り捨て)を掛けて計算します。
- 計算式=料金表に基づき算定した金額×1.10
下水道使用水量(排除汚水量)に応じて段階的に価格が変動する仕組みで、下水道使用水量がゼロの場合でも、料金を支払わなければなりません。以下は、一般汚水の料率を抜粋したものです。
- 0~8立方メートル:560円
- 9~20立方メートル:1立方メートルにつき110円
- 21~30立方メートル:1立方メートルにつき140円
- 31~50立方メートル:1立方メートルにつき170円
参考までに、1カ月あたりの下水道使用水量が30立方メートルであれば、計算式は以下のようになります。
<計算式>
0~8立方メートル:560円
9~20立方メートル:110円×12立方メートル=1,320円
21~30立方メートル:140円×10立方メートル=1,400円
合計:3,280円(560円+1,320円+1,400円)
井戸水などを使用している場合は、料金体系が変わります。詳しくは、運営団体に問い合わせましょう。
浴場汚水は別の料率で計算する
汚水の種類は、「一般汚水」と「浴場汚水」に区別され、それぞれに異なる料率が定められています。一般汚水は、使用量ごとに料率が細かく分かれているのに対し、浴場汚水の料率は以下の通りです。
- 0~8立方メートル:280円
- 9~1,001立方メートル以下:1立方メートルにつき35円
浴場汚水とは、公衆浴場から排出される汚水です。公衆衛生の向上に貢献していることや公衆浴場使用料が安いことなどから、下水道使用料を抑える政策的配慮がなされています。
下水道料金の減免制度がある
多くの運営団体では、下水道料金の減免制度を設けています。東京都の場合、以下のような方々が対象です。
- 生活保護を受けている方
- 児童扶養手当の支給を受けている方
- 特別児童扶養手当の支給を受けている方
- 中国残留邦人等への支援給付を受けている方
制度の対象となるご家庭では、1カ月の下水道料金から8立方メートル以下の料金(560円)が減額されます。減免制度の詳細は、運営団体によって異なるため、Webサイトなどでチェックしましょう。
※出典:下水道料金の減免制度について|下水道料金について|東京都下水道局
水道代がいつもより高くなる原因

水道代が普段より高くなったと感じたら、その原因を調べてみましょう。単なる使いすぎの場合もありますが、故障や水漏れを放置したままにすると、高額請求につながりかねません。
家族構成やライフスタイルの変化
家族構成やライフスタイルにより、使用する水の量が増えていないかをチェックしましょう。特に、お風呂やトイレには多くの水を使うため、家族が増えれば、水道代も高くなります。そのほか、以下のような生活でも水道代が高くなります。
- リモートワークで自宅にいる時間が増えた
- ガーデニングや家庭菜園を始めて、水やりが増えた
- シャワーを浴びる回数が増えた
- ビニールプールで遊ぶ回数が多い
- 頻繁に洗車をしている
- 水道料金・下水料金が高い地域に引越した
水道代を節約するには、日常生活でこまめに節水を意識することが大切です。歯磨きやシャワーのときは、水を出しっぱなしにしないように注意しましょう。
水漏れ・トイレの故障
普段と同じ生活をしているのに、請求額が急に高くなった場合は、水漏れやトイレの故障が考えられます。室内の水栓を全て閉めた状態で、水道メーターのパイロットが動いていれば、どこかで水漏れしている可能性が高いといえます。
トイレを使った後に、チョロチョロと水が流れているのであれば、タンク中の部品に不具合がないかを確認しましょう。キッチンやバスルームの水栓は経年劣化しやすく、知らずしらずのうちに水漏れが起きていることがあります。
水漏れを放置していると、金額がどんどん上がっていくため、気付いた時点で早めに業者を呼ぶ必要があります。
下水道料金の仕組みを知ろう

下水道料金は、水道料金と一緒に2カ月に1回支払うのが一般的です。「水道代の明細書はあまり確認しない」という方でも、どのようなルールで料金が算出されているのかを一度チェックしておくとよいでしょう。
節水も重要ですが、家計全体を見直すなら、まずは電気代をチェックするのが効果的です。これまで一度も電力会社を変えたことがないご家庭は、電力会社や料金プランの切り替えで、電気代が今よりも安くなる可能性があります。
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