追い焚きと風呂自動はどっちが安く使える?節約のコツも解説

追い焚きと風呂自動はどっちが安く使える?節約のコツも解説

追い焚きと風呂自動はどっちが安く使える?節約のコツも解説

毎日の入浴にかかる光熱費を、少しでも抑えたいと考える方は多いでしょう。追い焚きと風呂自動は、それぞれの機能や使い方によって、光熱費が大きく変わります。両者の違いや光熱費を節約するポイントについて、基本的な仕組みを理解しておきましょう。

目次

1.お風呂にかかる光熱費の基本情報

 1-1.お湯をためる際の光熱費の目安

  1-1-1.お湯をためるのに必要な水道代

  1-1-2.お湯をためるのに必要なガス代

2.追い焚きの仕組みやメリット

 2-1.適宜お湯を温め直す機能

 2-2.常に適温のお風呂を使える

 2-3.ガス代・水道代の節約になる

3.風呂自動の仕組みやメリット

 3-1.効率性の高い注ぎ足し機能

 3-2.適量のお湯を正確に準備できる

 3-3.設定した時間で入浴できる

4.追い焚きと風呂自動はどっちが安い?

 4-1.基本的には追い焚きの方が安く済む

 4-2.風呂自動の方がお得になる場合もある

5.お風呂にかかる光熱費を節約するには?

 5-1.極力お湯が冷めるのを防ぐ

 5-2.できるだけ短時間に入浴する

 5-3.お湯の温度や量を調整する

6.追い焚きを利用する際の注意点

7.料金プランや電力会社の乗り換えも要検討

お風呂にかかる光熱費の基本情報

お風呂にかかる光熱費は一般的に、水道代とガス代・電気代に分かれます。水道代はお湯の量、ガス代や電気代はお湯を温めるエネルギーにかかる費用です。まずは、お湯をためる際にかかる光熱費の目安を確認しておきましょう。

お湯をためる際の光熱費の目安

一般的な浴槽(容量は200~280リットル)にお湯をためる際にかかる、光熱費の目安を算出してみます。ここでは東京都の住宅において、浴槽に200リットルのお湯をためるケースを想定し、必要な光熱費を確認していきましょう。

お湯をためるのに必要な水道代

東京都水道局によると、メーター口径20mmの1カ月の水道料金は、基本料金は1,170円です。さらに5m³までの使用ならば基本料金のみで、6~10m³の使用なら1m³あたり22円といったように従量料金がかかります。

月の使用量が5m³以内なら、基本料金の1,170円のみ負担すればよいでしょう。ただし基本料金が560円(0~8m³)の下水道料金もかかるため、合計金額は「1,170円 + 560円 = 1,730円」となり、10%の消費税を加えると最終的に1,903円です。

※出典:水道料金・下水道料金の計算方法(23区) | 手続き・料金 | 東京都水道局

お湯をためるのに必要なガス代

同じ条件でお湯をためるのに、必要なガス代も計算してみます。水道水の一般的な温度は13~27℃程度で、季節によって変動します。ここでは約20℃から40℃まで温めると仮定します。

すると、200リットルの水の温度を約20℃上げなければならないため、「200リットル×20℃=4,000kcal」のエネルギーが必要です。

さらに都市ガスの発熱量を10,750kcal/㎥、プロパンガス(LPガス)の発熱量を24,000kcal/㎥とした上で、エネルギーの8割を温度の上昇に使うと仮定します。必要なエネルギーの8割の値が4,000kcalなので、「4,000kcal ÷ 0.8 = 5,000kcal」のエネルギー量が必要なことが分かります。

次に、ガスの発熱量を考慮して、必要となるガス量(㎥)を計算してみましょう。上記の発熱量を基準とすると、都市ガスで必要なガス量は「5000kcal ÷ 10,750kcal/㎥ ≒ 0.465㎥」です。プロパンガスも同様に、「5,000kcal ÷ 24,000kcal/㎥ ≒ 0.208㎥」となります。

最後にガス代を計算します。東京ガスの2024年3月検針分における、一般契約料金の単位料金(B表)は153.24円です。従って「0.465㎥ × 153.24円 ≒ 71.3円」の計算式から、約71円のガス代がかかることが分かります。

一方のプロパンガスの場合、日本エネルギー経済研究所の石油情報センターによると、2024年12月時点での東京都のプロパンガス基本料金は1,893円、5㎥で5,062円です。

仮に1カ月のガス使用量が5㎥の場合、1㎥あたりの料金は「5,062円 ÷ 5㎥ = 1,012.4円/㎥」となります。従って、プロパンガスの料金は「0.208㎥×1,012.4円 = 210.9円」となり、約211円のガス代がかかる計算です。

※出典:ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)|東京ガス株式会社

※出典:一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)|石油情報センター

追い焚きの仕組みやメリット

追い焚きは、浴槽に溜めたお湯を温め直す機能で、家族全員が異なる時間に入浴する場合などに便利です。追い焚きの仕組みやメリットについて、整理しておきましょう。

適宜お湯を温め直す機能

追い焚き機能は、浴槽内の既存のお湯を循環させながら、必要な分だけ加熱する仕組みです。一度沸かしたお湯を再加熱して適温に戻す機能であり、温度センサーが湯温を検知して設定温度まで自動的に加熱するため、必要以上のエネルギー消費を防げます。

近年は、多くの家庭用給湯器に追い焚き機能が搭載されており、特に冬場や入浴時間がばらばらなご家庭におすすめです。お湯の温度が低くなった場合、ボタンひとつで温め直せるため、お湯を入れ直すのに比べて手間がかからず、エネルギー効率も良いのが特徴です。

常に適温のお風呂を使える

いつでも適温のお湯に浸かれるのが、追い焚き機能の最大のメリットです。お湯が冷める前に温め直せるため、常に適温の状態を保つことが可能で、家族それぞれが好みの温度に調整しやすいのも特徴です。

特に、複数人が異なる時間に入浴する場合に便利な機能で、長時間放置してお湯が冷めてしまう心配がありません。また、お湯を逐一捨てる必要がなく、入れ直すよりも早く利用できるので、ライフスタイルに合わせた快適な入浴が可能です。

ガス代・水道代の節約になる

追い焚きは浴槽の残り湯を温めて入れ直すので、お湯を逐一供給する必要がなく、ガス代と水道代の節約につながります。特に5人以上の世帯など、ご家庭の人数が多い場合、追い焚きをうまく活用することで、長期的に見て光熱費の大幅な節約につながるでしょう。

2人世帯や3人世帯でも、家族の入浴時間が分散する場合や、長時間お風呂を使用する場合には、経済的なメリットが大きくなります。

風呂自動の仕組みやメリット

風呂自動は、お湯の温度や量を設定することで、入浴時に自動で最適な状態にお湯を準備してくれる機能です。基本的な仕組みや導入のメリットを、確認しておきましょう。

効率性の高い注ぎ足し機能

風呂自動の注ぎ足し機能は、浴槽の水位が下がった際、自動的に適温のお湯を補充します。水位センサーと温度センサーが連動して働き、快適な入浴環境を維持できる仕組みです。

必要な分だけお湯を足すため、過剰にお湯を沸かすことがなく、無駄なエネルギーの消費を防げます。また、事前に適切に設定しておけば、基本的に手動での調整が不要になり、小さな子どもや高齢者がいるご家庭でもスムーズな入浴が可能になります。

適量のお湯を正確に準備できる

必要な量のお湯を正確に準備できるのは、風呂自動の大きなメリットです。設定した量に合わせて自動でお湯を注いでくれるため、湯量を調整する手間が省け、毎日の入浴がより効率的になるでしょう。

また手動で注ぎ足す場合と比べて、正確な温度調整ができるのも特徴です。事前の設定を間違えない限り、熱すぎたり冷たすぎたりするリスクはなく、浴槽の大きさや好みの温度に合わせて、細かな調整が可能です。

設定した時間で入浴できる

タイマー機能がある場合、指定した時間にお湯が準備されているため、入浴までの待ち時間が不要になります。帰宅後すぐに入浴できるので、忙しい人にとってはメリットが大きいでしょう。時間を有効に活用できるようになり、家事の効率化にもつながります。

特に、毎日決まった時間に入浴するなら、設定を記憶させることで手間なく入浴できます。季節や外気温に応じて湯温を自動調整できる機種も多いため、年間を通じて快適な入浴環境を維持できます。

追い焚きと風呂自動はどっちが安い?

追い焚きと風呂自動の仕組みやメリットを簡単に説明しましたが、結論として、どちらが安く利用できるでしょうか?それぞれに特徴とメリットがあり、使用環境や使い方に応じて、両者の経済性は変わってきます。ただし基本的には、追い焚きの方が安く済む傾向にあります。

基本的には追い焚きの方が安く済む

追い焚きは既存のお湯を再利用するため、繰り返し利用している間は、基本的に水道代はかかりません。必要な分だけ加熱できるため、光熱費を抑えられます。特に家族の入浴時間が分散する家庭や、お風呂を長時間使う習慣がある場合などは、追い焚きの方が経済的といえるでしょう。

風呂自動は適宜お湯を入れ替えるため、追い焚きよりも水道代もかかる傾向にあります。特にエコキュートの場合、お湯を沸かすのに必要な電気量は、追い焚きと風呂自動のどちらもほぼ変わりません。水から温めるならば、追い焚きをうまく活用するのがおすすめです。

風呂自動の方がお得になる場合もある

家族全員が決まった時間に入浴する場合や、短時間で入浴を済ませる習慣がある場合などは、風呂自動の方が効率的な場合もあります。湯が冷める前に使い切るならば、追い焚きによる再加熱が不要なことも多いでしょう。

風呂自動は正確な湯量管理ができ、無駄なエネルギーを使わないため、長期的には経済的です。生活リズムが規則的なご家庭ならば、風呂自動の利用も検討してみましょう。

お風呂にかかる光熱費を節約するには?

お風呂にかかる光熱費を節約するには、入浴の方法や設備の使い方を工夫することが大切です。以下のポイントを意識しながら、毎月の光熱費の負担を軽減しましょう。

極力お湯が冷めるのを防ぐ

お風呂の場合、極力お湯が冷めないようにするのは、節約の基本です。浴槽のふたをきちんと閉めて熱が逃げるのを防ぐなど、保温性を高めて追い焚きの回数を減らすことで、光熱費の節約につながります。

特に、冬場はお湯が冷めやすいため、浴室全体の保温対策が重要です。窓やドアの隙間からの冷気を防ぐには、断熱シートや防寒カーテンなどの活用も効果的です。浴室の換気扇からの冷気にも注意が必要です。使用していない時は、ふたをしておくのがよいでしょう。

また、断熱マットを使用し、浴槽の外側に保温カバーを取り付けることで、より効果的な保温が可能になります。入浴前に浴室を暖めておくのも効果的で、冷えた壁や床から熱が奪われるのを防ぎ、お湯の温度をより長く保てるようになります。

できるだけ短時間に入浴する

複数人でお風呂を利用する場合、できるだけ続けて入浴すると、追い焚きの回数を減らせます。長時間の入浴は、お湯の温度低下を招き、追い焚きの回数が増える原因となります。できるだけご家族で続けて入浴することで、お湯の温度低下を最小限に抑えられるようにしましょう。

また、浴槽に浸かる時間を適切に管理することも重要です。リラックスしたい場合は、入浴剤を活用したり、肩までしっかり浸かったりすることで、短時間でもリラックス効果を得られます。日々の習慣として、時間を意識した入浴を意識することで、快適さと節約の両立が可能です。

お湯の温度や量を調整する

お湯の温度や量を適宜調整することも、節約につながる重要なポイントです。給湯器で高温のお湯を作るには、より多くのガスや電気が必要となるため、温度や湯量の設定を下げることで光熱費の節約になります。

過剰な温度設定や湯量を避け、必要な分だけを使うように心掛けましょう。一般的に快適な入浴温度は38~40度程度とされており、それ以上の高温設定は体への負担も大きくなります。

また、季節によって適温は変化するため、夏場は少し低めに、冬場は少し高めに設定するなど柔軟に調整することが大切です。浴槽の水位も、体が十分に浸かる程度に抑えることで、無駄なお湯を減らす工夫が求められます。

追い焚きを利用する際の注意点

追い焚きを効率的に使用するには、注意点を押さえておくことが重要です。まず、浴槽の水位が循環口より低い場合は追い焚きができません。また、頻繁な追い焚きは循環口が詰まる原因となるため、定期的な清掃が必要です。

特に、追い焚き配管内は湿度が高く、菌が繁殖しやすい環境であるため、定期的に掃除するようにしましょう。また、追い焚き時は浴槽内の温度差によるやけどにも注意が必要です。特に、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、慎重な使用が求められます。

さらに、入浴剤の成分が追い焚き配管内に残留すると、故障の原因になる可能性があるので注意しましょう。入浴剤を使いたい場合は、「追い焚き対応」と記載された商品を選ぶことが重要です。

料金プランや電力会社の乗り換えも要検討

お風呂にかかる光熱費を節約するには、料金プランの見直しや電力会社の乗り換えが有効です。より安く電気を使える会社に変更することで、毎月の負担を軽減できます。

近年、電力の小売自由化により、選択できる電力事業者が増えています。複数のサービスを比較・検討し、ご家庭に合ったプランを慎重に選択しましょう。

例えば、エネワンでんきでは、月ごとの電気使用量に応じてお得な割引を受けられるプランを利用できます。さらに、CO₂排出量実質ゼロの「カーボンニュートラルでんき」を提供しており、環境に配慮した電力の選択も可能です。この機会にぜひご検討ください。          

【公式】エネワンでんき | まいにち、地球にいいでんき。

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