自転車の防犯登録は必要ない?義務とリスクを徹底解説

自転車の防犯登録は必要ない?義務とリスクを徹底解説

自転車の防犯登録は必要ない?義務とリスクを徹底解説

自転車を新たに所有した際には、防犯登録を行う必要があります。登録を怠ると、どのようなリスクが生じるのでしょうか?中古を譲り受けた場合や有効期限が切れた場合など、パターン別の手続き方法も解説します。

目次

1.自転車の防犯登録とは何か

 1-1.自転車の持ち主情報を登録する制度

 1-2.中古自転車は防犯登録の必要がない?

2.防犯登録をしないデメリット

 2-1.盗難被害に遭いやすい

 2-2.自分の所有物であることを証明できない

3.防犯登録の方法を確認しよう

 3-1.新品を購入した場合

 3-2.中古を譲り受けた場合

 3-3.有効期限が切れた場合

 3-4.自転車を引越し先に持っていく場合

4.自転車の所有・処分に関する留意点

 4-1.利用者は自転車保険に加入する

 4-2.処分前に防犯登録の抹消手続きを忘れない

5.自転車の利用者はルールを再確認しよう

自転車の防犯登録とは何か

治安が良いといわれる日本ですが、自転車の盗難事件は後を絶ちません。自転車の防犯登録は、所有者に義務付けられており、盗難を抑制する効果があります。「防犯登録は役立つの?」という方のために、制度の基本を解説します。

自転車の持ち主情報を登録する制度

自転車の防犯登録とは、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」に基づいて運営される制度です。

登録に関する業務は、都道府県公安委員会の指定を受けた団体が行っています。各団体では、地域のスーパーやホームセンターなどに防犯登録業務を委託しており、利用者が店舗(自転車防犯登録所)に足を運んで防犯登録を行う流れです。

自転車の利用者が防犯登録を行うと、警視庁のコンピューターに登録内容が記録され、自転車には「防犯登録標識(防犯登録シール)」が貼り付けられます。

※出典:自転車防犯登録 警視庁

※出典:自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律|e-Gov 法令検索

中古自転車は防犯登録の必要がない?

防犯登録が必要なのは、自転車を新しく購入したときだけと思われがちですが、中古の自転車も対象です。防犯登録は、自転車を所有するすべての人に義務付けられています。

中古の自転車を譲り受けた場合、前の持ち主の登録情報が残っていることがあります。前の持ち主に情報を抹消してもらい、新たに自分の名義で登録しなければなりません。

防犯登録の手続きを怠ると、盗難被害に遭いやすくなるうえ、さまざまなトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

防犯登録をしないデメリット

防犯登録は義務化されていますが、未登録者に対する罰則は設けられていません。登録をしない場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

盗難被害に遭いやすい

第一のデメリットは、盗難被害に遭いやすくなることです。登録番号の照会を通じて自転車の持ち主がわかる仕組みになっているため、未登録の自転車は持ち主が特定されません。盗む側にとって都合がよく、狙われやすい傾向があります。

盗難された自転車が発見された場合、登録済みであれば自分の手元に戻ってきますが、未登録の場合、警察署からの連絡は期待できません。

警視庁の『東京の犯罪(令和5年版)』によると、令和4年中の自転車盗難の認知件数は27,174件でした。うち、施錠した自転車の割合は39.3%で、鍵をかけたからといって安全とはいえないのが実情です。

防犯登録をはじめ、自分でできる防犯対策をしっかりと行いましょう。

※出典:東京の犯罪(令和5年版) 警視庁

自分の所有物であることを証明できない

第二のデメリットは、自分の自転車であることを証明できないことです。盗難された自転車が見つかった際、防犯登録がされていれば、引き渡しは円滑に行われますが、未登録では自分の所有物かどうかを証明するのは困難です。

防犯登録シールのない自転車に乗っていると、盗難車と間違えられやすく、警察官から職務質問を受ける恐れがある点にも注意しましょう。

また、盗難補償がある自転車保険に加入するにあたっては、防犯登録が必須条件です。加入手続きの前に、必ず登録を済ませておく必要があります。

防犯登録の方法を確認しよう

防犯登録は、いつ・どこで行えばよいのでしょうか?「新品を購入する」「中古を譲り受ける」「有効期限が切れた」など、パターン別の手続き方法を説明します。

なお、都道府県ごとにデータの保管期間や手続きの仕組みが異なるため、詳細は各都道府県の防犯登録管理団体に確認しましょう。

新品を購入した場合

防犯登録の手続きは、地域のスーパーやホームセンター、自転車店などで行えます。店舗が「自転車防犯登録所」として指定されているかどうかを事前に確認しておきましょう。対象店舗で新品を購入した場合は、その場で手続きができます。

東京都の場合、手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 自転車
  • 運転免許証・健康保険証などの身分証明書
  • 防犯登録料

2025年2月時点において、東京都の防犯登録料は660円(非課税)です。インターネットで購入した場合は、販売店名・商品名・車体番号などが記載された「保証書」や「販売証明書」を持参しましょう。

中古を譲り受けた場合

中古の自転車を譲り受けた場合も、同様の手続きを行います。他人の登録情報は引き継げないため、譲渡人に登録情報の抹消を依頼した上で、「譲渡証明書」をもらいましょう。

譲渡証明書には決まった形式はありませんが、自転車の情報(防犯登録番号・メーカー名・車体番号など)と、譲渡人および譲受人の情報(氏名・住所・電話番号など)が記載されている必要があります。

フリマサイトを利用する場合は、取引が成立する前に抹消と譲渡証明書を依頼しましょう。自転車の受け渡しが終了すると、前の持ち主と連絡が取れなくなるケースがあるためです。

リサイクルショップで購入する場合は、防犯登録の抹消状況と譲渡証明書がもらえるかどうかを確認した上で購入します。

有効期限が切れた場合

防犯登録には有効期限があります。東京都では、登録した日の翌年初めから10年間有効ですが、埼玉県や愛知県では8年間です(2025年2月時点)。

有効期限が切れると登録情報が抹消されるため、自転車防犯登録所にて改めて登録の手続きをしなければなりません。

延長手続きではなく「新規登録」となるため、防犯登録料がかかります。自転車本体と身分証明書を準備し、初回と同じように手続きを済ませましょう。

なお、青森県や新潟県など、一部の地域では有効期限を設けていません。住所の変更などがない限り、再度の手続きは不要です。

自転車を引越し先に持っていく場合

防犯登録されている持ち主の登録情報が変わる場合、変更手続きを行う必要があります。自転車を引越し先に持っていく場合は、引越し先によって手続き方法が変わります。

  • 同じ都道府県内:自転車防犯登録所で変更登録をする
  • 異なる都道府県:抹消と登録の2つの手続きが必要

異なる都道府県に引越しをする場合、抹消の手続きを行ってから、新たに登録手続きを行います。自転車本体と身分証明書、抹消登録料を持って自転車防犯登録所に足を運びましょう。

各手続きでは、一定の手数料がかかります。東京都の場合、2025年4月1日以降の変更登録料および抹消登録料は500円(非課税)です。

引越しのやること一覧についてもっと詳しく知りたい方はこちら

自転車の所有・処分に関する留意点

自転車にまつわる事故やトラブルは、全国各地で起きています。「こんなはずではなかった…」と後悔しないためにも、自転車を所有・処分する上での留意点を解説します。

利用者は自転車保険に加入する

自転車の利用者は「自転車保険」への加入を検討しましょう。自転車保険とは、個人賠償責任補償が付帯された傷害保険や個人賠償責任保険を指します。

過去には、自転車が歩行者と正面衝突し、歩行者が死亡する事故や意識不明の重体に陥る事件が起きています。加害者が何千万円もの賠償金を支払わなければならないケースも珍しくありません。

東京都や他の一部の地域では、自転車保険の加入が義務化されていますが、全国的な義務ではありません。最新の情報を各自治体の公式サイトで確認することをおすすめします。

処分前に防犯登録の抹消手続きを忘れない

防犯登録済みの自転車を処分する際は、必ず抹消手続きを行いましょう。抹消手続きが完了しない限り、所有者の情報は残ったままです。

抹消手続きをせずに他人に売却してしまうと、相手は防犯登録ができません。盗難車と疑われたり、自転車保険に加入できなかったりと不便が生じます。

また、いらなくなった自転車を粗大ごみとして廃棄する場合は、抹消手続きを行った上で、鍵をかけたまま処分しましょう。ごみの指定場所に置いた自転車が盗まれ、思わぬトラブルに巻き込まれるのを防げます。

自転車の利用者はルールを再確認しよう

自転車を新たに所有した際は、入手経路や新旧にかかわらず、防犯登録をする必要があります。

防犯登録をすることで、盗難トラブルのリスクを軽減できます。また、手放す際は、抹消の手続きを忘れないようにしましょう。

自転車は誰もが利用できる身近な乗り物だけに、盗難、事故、マナー違反といったトラブルが起こりやすい傾向があります。他人に迷惑をかけないためにも、ルールを再確認することが重要です。

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