引越しのやることを一覧で確認!必要書類や手続きを時系列で紹介
引越しのやることを一覧で確認!必要書類や手続きを時系列で紹介
引越しは、部屋の片付け以外にも多くの準備や手続きが必要です。思わぬトラブルを防ぐため、やることをリスト化し、スケジュールに沿って進めることが大切です。本記事では、引越しに必要な手続きとスムーズな進め方のポイントを解説します。
目次
引越しをスムーズに進めるポイント
引越しはやるべきことが多く、準備に追われる日々を過ごす方は少なくありません。期限のある手続きもあり、うっかり忘れると新生活に支障をきたします。引越しをスムーズに進めるには、どのような点を意識すればよいのでしょうか?
全体の流れを把握する
引越しをスムーズに行うポイントは、およそ1カ月前から前日までのスケジュールを立て、全体の流れを把握しておくことです。
引越しではさまざまな手続きを行う必要があり、中には1カ月前から進めておいた方がよいものもあります。タイムスケジュールを組んで少しずつ準備をしておけば、手続きのミスや漏れを防げます。
荷物の仕分けや荷造り、不用品の処理なども、できるだけ早めに着手するのが理想です。やるべきことが一目でわかるように、カレンダー形式の予定表を作成しましょう。
手続きの種類を洗い出す
引越しに伴う手続きは、漏れなく行う必要があります。手続きの種類は、以下の4つに大別されます。
- 公的な手続き(転出届・国民健康保険など)
- ライフラインの手続き(電気・水道・ガスなど)
- 乗り物に関する手続き(自動車・バイクなど)
- その他の手続き
特に、注意が必要なのは「公的な手続き」と「乗り物に関する手続き」です。期限が定められているものが多く、忘れると生活や仕事に支障をきたします。必要書類・手続き方法・期限などを事前に調べておきましょう。
新居の決定後にすぐやること
明確な期日は設けられていないものの、できるだけ早く済ませておくべき手続きや作業があります。「まだまだ時間はある」とのんびりしていると、手が回らなくなるかもしれません。新居の決定後にすぐやるべきことをピックアップして解説します。
旧居の解約手続き
賃貸物件に住んでいる方は、旧居の退去日を決定し、管理会社または大家に退去したい旨を伝えましょう。普通借家契約の場合、借主(入居者)から事前の申し出がない限り、自動的に契約が更新されるルールです。
退去通知のタイミングや方法は、賃貸借契約書に基づきます。退去日の1カ月前が期日になるケースが多いですが、2カ月前に設定しているところもあるようです。
退去通知が遅れると、遅れた分の家賃を負担しなければならず、余計な出費が増えてしまいます。新居が決定したらすぐに伝えるのが望ましいでしょう。物件とは別に駐車場を契約している方は、駐車場の解約手続きも行う必要があります。
引越し業者の選定
「引越し業者への依頼は、引越し直前でいいのでは?」と思う方もいますが、繁忙期に重なると、希望した日時に予約が取れない可能性があります。
引越し業者の繁忙期は、3~4月です。この時期に引越しするのであれば、少なくとも1~2カ月前に予約を取るのが望ましいでしょう。繁忙期以外でも、「土日祝日」「大安」「午前中」は予約が取りにくく、料金が上がりやすい傾向があります。
引越し業者を決めるときは、複数社に見積もりを依頼するのが基本です。荷物の量が多い場合は「訪問見積もり」をお願いし、正確な料金を提示してもらいます。
転園・転校に関する手続き
学校に通う子どもがいる場合、「転園・転校に関する手続き」が必要です。引越しが決まった時点で園や学校に報告し、手続きのスケジュールや必要書類などを確認しましょう。
公立の小学校・中学校の場合、在籍中の学校で「在学証明書」と「教科書給与証明書」を取得します。転校先の市区町村の役所・役場に証明書を提出し、転校の手続きを進める流れとなります。
幼稚園・保育園の場合、「人数の空き」や「途中入園の可否」を事前に確認しなければなりません。手続き方法は園・学校ごとに異なるため、情報収集を徹底しましょう。
勤務先での住所変更手続き
多くの会社では、就業規則で引越しの報告を義務付けています。会社勤めをしている方は、会社に「住所変更の届け出」を行いましょう。届け出の時期やルールに関しては、事前の確認が必要です。
従業員の社会保険料や税金は、「給与からの天引き」という形で、会社を通じて納付されています。住所が更新されていないと、さまざまなトラブルにつながる可能性があるのです。
また、通勤手当が支給されている場合は、新たな通勤経路に基づいて、手当の増額・減額を行います。
固定電話やインターネットの手続き
固定電話やインターネットを契約している方は、旧居の回線を停止し、新居に回線を移転します。工事が不要なモバイルWi-Fiでも、住所変更の手続きが必要です。
固定電話の移転工事は「予約制」です。工事自体は30分~1時間30分程度で済むものの、繁忙期はなかなか予約が取れないことがあります。
光回線の開通工事にかかる日数は数週間ですが、繁忙期になると1カ月以上かかるケースも珍しくありません。回線タイプやプロバイダーごとに手続き方法が変わるため、早めに確認しておくことをおすすめします。
引越し日の1カ月~2週間前までにやること
引越しの1カ月~2週間前は、ライフラインの手続きが中心です。他の市区町村に引越す場合は、転出届を忘れずに提出しましょう。重要な手続きと作業内容をピックアップして説明します。
電気・水道・ガスの手続き
物件を解約しても、電気・水道・ガスは自動的に解約されません。「旧居での解約手続き」と「新居での利用開始手続き」は忘れずに行う必要があります。
ほとんどの契約先は、電話やインターネットで申し込みができます。申し込み自体はいつでも可能ですが、引越し前は何かと慌ただしいため、2~3週間前までに済ませておくのが理想です。
旧居での解約手続きを忘れると、引越し後も料金の請求が届きます。新たな入居者や大家とのトラブルを避けるためにも、ライフラインの手続きは忘れずに行いましょう。
郵便物の転送に関する手続き
日本郵便の「転居・転送サービス」を利用すると、旧住所宛ての郵便物が新居に無料で転送されるため、重要な書類の受け取り忘れを防げます。転送期間は届出日から1年間で、転送期間を過ぎると差出人に郵便物が返還されます。
サービスを利用したい方は、「郵便局窓口」「ポスト投函」「インターネット(e転居)」のいずれかで届け出を行いましょう。登録には3~7営業日ほどかかるため、余裕を持って手続きを進めましょう。
サービスを利用しない場合、旧居に届いた郵便物を他人に見られたり、紛失したりするリスクが生じます。
※出典:転居・転送サービス – 日本郵便
転出届の提出
他の市区町村へ引越す場合は、旧居がある市区町村の役所・役場に「転出届」を提出しなければなりません。
提出期限は、転出前または転出してから14日以内です。引越し直後は慌ただしいため、転出前に提出を済ませておくのが望ましいでしょう。
転出届を提出すると「転出証明書」が交付されます。転出証明書は、新居がある市区町村の役所・役場に「転入届」を提出する際に必要です。なお、同じ市区町村内で引越しをする場合は、引越し後に「転居届」を提出します。
粗大ごみ・不用品の処分
家庭から出る粗大ごみを自治体に回収してもらうには、事前の予約が必要です。引越し直前に申し込むと、希望の日時に回収してもらえない恐れがあるため、遅くとも引越しの2週間前には連絡を完了させましょう。
申し込み後、収集日・収集場所・手数料が伝えられます。収集日当日は、粗大ごみに有料粗大ごみ処理券を貼り付け、指定された場所に運ぶ流れです。
不用品の処分には、「捨てる」以外に「売る」や「譲る」といった選択肢もあります。引き取り手がすぐに見つかるとは限らないため、早めに行動しましょう。
引越し前日にやること
引越し前日は、翌日の運搬作業に備えた準備を行います。電化製品の水抜きや最終梱包、ごみ処理が中心で、人によっては時間がかかる場合があります。徹夜の作業にならないように、段取り良く進めましょう。
洗濯機の水抜き
洗濯機の水抜きとは、運搬時の水漏れを防ぐために、洗濯機やホース内に残っている水を全て抜く作業です。
洗濯槽内の水は脱水時に自然に放出されるのが通常ですが、ホース内に水が残る場合があります。給水ホースの水抜きは、以下の手順で行いましょう。
- 水道栓を閉じる
- ドア・ふたを閉めた状態で、洗濯機の電源を入れる
- 洗濯をスタートさせて水を抜く
- 給水ホースを外して、電源を切る
洗濯槽内の水抜きは「脱水運転」で完了します。最後に排水ホースを抜き、しっかりと水気を拭き取りましょう。
冷蔵庫の水抜き
ほとんどの冷蔵庫には、霜取り機能が搭載されています。溶けた霜は水になって給水タンクや蒸発皿などに溜まるため、引越し前に水を空にしなければなりません。
引越しの数日前に「製氷機用の給水タンク」を外して、製氷機能を停止させておきます。引越しの前日までに冷蔵庫のコンセントを抜いておき、前日に霜取り・水抜き・庫内の清掃を行う流れです。
水抜き作業の手順や方法はメーカーごとに異なります。自己流で行わずに、必ず説明書の指示に従いましょう。
荷物の最終梱包とごみ処理
引越し前日は、部屋を掃除しながら、荷物の最終梱包とごみの処理を行います。
ごみは自治体の収集日に合わせて処分するのがベストですが、日程が合わないケースもあります。大量のごみが出た場合は、指定のごみ廃棄場所に運ぶか、業者への依頼を検討しましょう。
石油ストーブなどの暖房器具を使用している場合は、灯油を全て使い切って空の状態にしなければなりません。
灯油が入ったまま運搬作業を行うと、思わぬ事故につながります。給油タンクに残ったわずかな灯油は、ポンプやスポイトなどで抜き取りましょう。
引越し当日のスケジュールは?
引越し当日は、「旧居からの荷物の搬出」と「新居への荷物の搬入」がメインです。当日はタイムスケジュールがタイトになることが多いため、事前準備を万全にして臨みましょう。
旧居の明け渡しと荷物の搬出
引越し業者の到着後、部屋の荷物を搬出します。部屋の掃除が終わると、大家または管理会社が物件の損傷や汚損のチェックを行います。
通常損耗や経年劣化以外の損傷・汚損があれば、原状回復のための費用を借主が負担するのが原則です。現状の確認が済んだら、契約書にサインをし、鍵を返却します。
電気・水道・ガスの手続きは事前に完了しているため、当日の作業はありません。ただし、オートロックの賃貸住宅では、ガスの閉栓に立ち会いを求められる場合があります。
荷物の搬入とライフラインの開通・開栓
荷物を新居に搬入した後、引越し料金の精算を行います。事前に手続きが済んでいれば、電気・水道・ガスは引越し当日から問題なく使用できます。
電気・水道の利用開始に立ち会いは原則不要ですが、ガスは作業員による開栓作業が必要です。ガス機器の使用方法やガス漏れ時の対応などについて説明があるため、内容はしっかりメモしておきましょう。
引越し当日は、新居の掃除や荷ほどき、近所へのあいさつ回りなども行います。1日のタイムスケジュールを決めておくと、効率良く作業が進みます。
引越し後に忘れずにやること
引越し後は、新居のある市区町村の役場・役所に足を運ぶ機会が多くなります。住所変更に伴う手続きは多岐にわたり、ほとんどは期限が設けられています。やるべきことをリストアップしておきましょう。
転入届・転居届の提出
引越し後は、新居のある市区町村の役場・役所に以下の書類を提出します。提出期間は、引越しをした日から14日以内です。
- 他の市区町村から引越してきた場合:転入届・転出証明書
- 同一の市区町村内で引越しをした場合:転居届
「転出証明書」は、旧居のある市区町村の役場・役所に「転出届」をした際に交付されるものです。転出届が遅れると、転入届の提出も遅れてしまいます。
届け出ができるのは、本人または同一世帯の方です。代理人への依頼も可能ですが、「委任状」が必要です。その他の必要書類については、自治体のWebサイトや窓口で確認しましょう。
国民健康保険の手続き
国民健康保険の加入者は、住所変更に伴う手続きを行う必要があります。
同一の市区町村内で引越しをした場合は、住所変更の手続きのみで完了しますが、他の市区町村から引越してきた場合は、「資格喪失手続き」と「加入手続き」の両方を行わなければなりません。
資格喪失手続きは、旧居のある市区町村の役所・役場で行います。「転出届」のついでに手続きをすれば、二度手間にならずに済むでしょう。
加入手続きは、新居のある市区町村の役所・役場で行うため、「転入届」のついでに済ませるのがベターです。
提出期限は、引越しをした日から14日以内です。必要書類については、各自治体に確認する必要があります。
住所変更に伴うその他の手続き
引越しで住所が変わると、人によっては以下のような手続きが必要です。手続きを忘れると生活に不便をきたすため、忘れずに行いましょう。
- 乗り物に関する手続き(運転免許証・車検証・車庫証明など)
- 金融・お金に関する手続き(銀行口座・クレジットカードなど)
- 通販サイトやサブスクリプションサービスの住所変更
- 飼い犬の登録変更手続き
特に注意が必要なのが、乗り物に関する手続きです。車庫証明は保管場所を変更した日から15日以内、車検証は引越し後15日以内に手続きを行わなければなりません。
引越しを機に電力会社を見直そう
電力会社を変更したことがない家庭は、大手電力の「従量電灯プラン」に加入しているケースが多いでしょう。
生活環境や住居の間取りが大きく変わる引越しは、電力会社を見直す良いタイミングです。電力会社を変更するメリットや注意点を解説します。
新電力への乗り換えで電気代が安くなる
「ライフスタイルが変化したとき」や「引越しをしたとき」は、電力会社を見直すのに最適な時期です。電力小売が全面自由化されて以降、消費者は電力会社を自由に選べるようになりました。
新たに業界に参入した「新電力」は、お得なプランやユニークなキャンペーンが強みです。新生活に合った電力会社やプランを選択できれば、電気代が今よりも安くなるでしょう。
「エネワンでんき」では、お客様の毎月の電力使用量に合わせた3つのプランをご用意しており、無駄を抑えたプランをお選びいただけます。どのくらいお得になるか、ぜひ料金シミュレーションでお確かめください。
エネワンでんきで電気代がどのくらい安くなるかシミュレーションしてみる
電力会社の変更に伴う注意点
電力会社を変更する際は、新居が電力会社の供給エリア内に含まれているかをチェックしましょう。新電力の中には、地域を限定して電力を供給する「地域密着型」もあります。
基本的に賃貸物件でも電力会社の変更は可能ですが、以下のケースは入居者が自由に電力会社を選べません。
- 大家や管理会社が入居者の電気代をまとめて支払っている
- 高圧一括受電契約
「高圧一括受電契約」とは、建物全体で高圧電力の一括契約をし、低圧電力に変換した上で各家庭に電力を供給する方法です。物件を契約する前に、大家や管理会社に確認しておくことをおすすめします。
やることリストを作成して引越しをスムーズに
引越しはやるべきことが多く、直前に準備を始めると、当日に間に合わない可能性があります。およそ1カ月前からスケジュールを立て、荷造りや不用品の処分などに着手しましょう。
引越しをスムーズに進めるポイントは、作業内容を一覧にした「チェックリスト」を作成することです。公的な手続きは期限が設けられているため、カレンダーへの書き込みも欠かせません。
段取りをしっかりとしておけば、引越しの繁忙期に当たっても順調に作業が進みます。余裕があれば、電力会社のプランの比較や見直しも行いましょう。