
プロパンガスから都市ガスに切り替える方法は?費用の目安と手順を解説
プロパンガスから都市ガスに切り替える方法は?費用の目安と手順を解説
プロパンガスから都市ガスに切り替えれば、ガス代が安くなる可能性があります。事前確認の重要性や手続きの流れを理解し、スムーズに切り替えを進めましょう。プロパンガスから都市ガスへの切り替えについて知っておきたい基礎知識をご紹介します。
目次
1-2.プロパンガスから都市ガスに切り替えるメリットと注意点
4.プロパンガスから都市ガスへの切り替えにかかる費用と注意点
プロパンガスと都市ガスの違い

そもそもプロパンガスと都市ガスには、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を理解し、プロパンガスから都市ガスに切り替えるメリットや注意点も押さえておきましょう。
プロパンガス・都市ガスの特徴
プロパンガスと都市ガスには、原料・重量・供給方法・供給エリア・発熱量に違いがあります。
プロパンガス | 都市ガス | |
原料 | プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガス | メタンを主成分とする液化天然ガス |
重量 | 空気より重い(ガス警報器は床付近に設置) | 空気より軽い(ガス警報器は天井付近に設置) |
供給方法 | ガスが入ったボンベをガス会社が配送する | 地下の導管を通して供給される |
供給エリア | 全国 | 人口が密集した都市部やその近郊 |
発熱量 | 同じ体積の都市ガスの2倍以上 | 同じ体積の都市ガスの1/2以下 |
プロパンガスは、液化石油ガス(LPガス)とも呼ばれます。全国どこでも使える点が特徴です。都市ガスが供給されないエリアでは、プロパンガスが広く普及しています。一方都市ガスは利用できるエリアが限られており、導管が届かない場所では利用できません。また、プロパンガスが液化して運ばれるのに対し、液化が難しい都市ガスは最初から気体のまま供給されます。
プロパンガスから都市ガスに切り替えるメリットと注意点
プロパンガスは都市ガスより料金が高い傾向があります。主な理由は次の通りです。
- プロパンガスと都市ガスは成分が異なり、輸入価格にも差がある
- 各契約者にボンベで配送するプロパンガスは、都市ガスでは発生しない人件費や配送費が料金に上乗せされている
そのため、プロパンガスから都市ガスに切り替えることで、ガス代が安くなる可能性があります。ただし、都市ガスへの切り替え時には初期費用がかかるため、ガス代の節約を図るならトータルコストで比較する必要があるでしょう。
プロパンガスから都市ガスにしたい場合に確認すべきこと

全国どこでも利用できるプロパンガスと違い、都市ガスは供給エリアが限られています。プロパンガスから都市ガスへの切り替えを検討する際は、そもそも自宅で都市ガスを利用できるか確認することが重要です。
自宅近くに都市ガスの導管が通っているか
都市ガスは地下の導管を通して供給されています。導管が自宅の近くに通っていなければ、都市ガスを利用できません。
都市ガスの導管は、人口が密集した都市部や近郊に限られて敷設されています。一般社団法人日本ガス協会の資料によると、都市ガスの供給エリアは国土の約6%です。
プロパンガスから都市ガスに切り替える場合、まずは自宅が都市ガスの供給エリアにあるか確認する必要があります。日本ガス協会のWebサイト内にある「ガス事業者検索」で地元の都市ガス会社を検索し、直接問い合わせてみましょう。
※出典:ガス事業者検索 | 日本ガス協会
都市ガスへの切り替えが可能な住宅か
アパートやマンションなどの集合住宅では、建物全体で同じ設備を使用しています。特定の住居のみ都市ガスに切り替える場合は大規模な工事が必要となり、現実的ではありません。
また、住宅の建築方式にかかわらず、賃貸物件では都市ガスへの切り替えが難しい場合が多いでしょう。賃貸物件におけるガスの契約は、一般的に大家や管理会社が行っているためです。
戸建ての賃貸物件で都市ガスへの切り替えが認められた場合も、初期費用をどちらが負担するのか、退去時にプロパンガスへ戻す必要があるのかを話し合う必要があります。
導管を自宅に引き込むことができるか
自宅の近くに都市ガスの導管が通っていても、導管を自宅に引き込めない場合があります。建物の立地の関係で、近隣住人の許可を得なければならないケースがあるためです。
都市ガスの導管は公道の地下を通っており、公道と自宅の間に他の住宅がある場合、都市ガス導管を引き込むために、近隣住人の私道を通す許可が必要になることがあります。
都市ガス供給エリアに自宅があることを確認できたら、公道と自宅の間に近隣住人の私道があるかどうかもチェックしましょう。
プロパンガスから都市ガスに切り替える手順

プロパンガスから都市ガスに切り替える場合、それぞれのガス会社と手続きを行う必要があります。具体的な変更手順を見ていきましょう。
手順1:都市ガス会社を決める
ガス会社を都市ガスに切り替えする際は、最初に都市ガス会社を選ぶ必要があります。2017年の都市ガス小売全面自由化により、現在はすべての消費者が自由に都市ガス会社を選ぶことが可能です。
ガス料金・サービス内容・契約条件はガス会社により違うため、どのガス会社が自宅に適しているのか、しっかりと比較しましょう。自分のライフスタイルに合った都市ガス会社を選ぶことが大切です。
手順2:都市ガス会社と契約する
都市ガス会社が決まったら、次にガス会社から見積もりを取りましょう。都市ガスを利用するためには導管を引き込む必要があるため、引き込み工事の見積もりを出してもらいます。
複数のガス会社の供給エリアに自宅がある場合は、相見積もりを取るのもおすすめです。数社の見積もりや契約内容を比較すれば、より納得感のあるガス会社を選べます。
一度契約したら内容を簡単に変更できないため、契約前に疑問点を解消し、納得したうえで契約することが大切です。丁寧に説明してくれるガス会社なら、安心して契約を結べるでしょう。
手順3:プロパンガス会社との契約を解除する
都市ガス会社と契約を結んだら、現在利用中のプロパンガス会社に連絡し、契約を解約します。都市ガスの供給開始日を確認した上で、直前までプロパンガスが使えるように調整しましょう。
導管の引き込み工事が完了すると、都市ガスの供給が開始されます。プロパンガスの設備を撤去する必要があるため、都市ガス担当者による開栓と点火テストの時間と重ならないよう、事前に作業時間を調整しておきましょう。
プロパンガスから都市ガスへの切り替えにかかる費用と注意点

プロパンガスを都市ガスに切り替える場合、ガス代が安くなる可能性はあるものの、さまざまな初期費用が発生します。初期費用の目安を確認し、都市ガスへの切り替えを検討する際の参考にしましょう。
都市ガスの導管を引き込むための費用
公道の地下にある都市ガスの導管を引き込むためにかかる費用は、100,000~200,000円が相場です。導管を1m延長するごとに約10,000円かかるため、引き込む距離が長いほど工事費用も高くなります。
東京ガスが示している都市ガスの引き込み工事の費用例として、東京ガスは157,630円を示しています。標準的な木造戸建住宅を新築する場合のモデルケースとして、Webサイトに工事費の内訳も提示しています。事前に確認しておくとよいでしょう。
※出典:新築・増改築に伴うガス工事 | ガス工事の種類・ガス工事約款 | 東京ガスネットワーク
ガス機器の設置・切り替えにかかる費用
プロパンガスから都市ガスに切り替えると、今まで使っていたガス機器をそのまま使えません。都市ガスに対応するための部品交換を行えば、引き続き同じガス機器を使用できます。
部品交換の費用の目安は、ガスコンロで約10,000円、給湯器で約30,000円です。ただし、古いガス機器は部品の販売が終了しているケースがあり、この場合はガス機器自体を交換する必要があります。
ガス機器の交換費用の目安は、ガスコンロで約100,000円、給湯器で約150,000~250,000円です。交換が必要になった場合は、初期費用の負担が増えるため、事前に確認しておくことが重要です。
プロパンガス会社への違約金
都市ガスへの切り替えに伴うプロパンガスの解約では、プロパンガス会社への違約金が発生するケースがあります。違約金の金額は契約内容や残存契約期間により異なるため、事前の確認が必要です。
長期利用と引き換えに設備費用が免除される「無償貸与契約」を結んでいる場合も、違約金は契約期間によります。契約期間や違約金の条件は契約書に記載されているため、事前に確認しておくことが重要です。
プロパンガスを使いながらガス料金を節約する方法

都市ガスを利用できない場合や、初期費用が高すぎると感じた場合も、プロパンガスのままガス代を節約することが可能です。以下に挙げる2つの方法を確認し、ガス代の節約を図ってみましょう。
ガスの使い方を見直す
ガス代の節約につながる効果的な方法を紹介します。
<お風呂>
- シャワーを出しっぱなしにしない
- 追い焚きの回数を減らす
- 湯船用のふたや保温シートを活用する
- 節水シャワーヘッドを取り付ける
<キッチン>
- ガスコンロは主に中火で使用する
- ガスコンロ以外に電子レンジや炊飯器も活用する
- お湯を沸かすときは熱効率が高い給湯器を使う
- ふたや落としぶたを使って熱を逃げにくくする
<暖房器具>
- エコ機能や省エネ機能を活用する
- 衣服を着込んで暖房器具の設定温度を下げる
いずれも明日から取り組めるため、できる範囲で試してみましょう。
ガス会社を切り替える
都市ガス会社を自由に選べることは解説した通りですが、プロパンガス会社も自由に選べます。ガス料金が今より安いガス会社に切り替えれば、プロパンガスでもガス代が安くなる可能性があるのです。
愛知・三重・岐阜の東海3県の戸建てにお住まいの方は、当社エネワンでんきが提供しているエネワンLPガスもぜひご検討ください。
また、ガスワンのプロパンガスとエネワンでんきの同時契約で、割引を適用することも可能です。
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プロパンガスから都市ガスへの切り替えについて理解しよう

プロパンガスから都市ガスへの切り替えは、事前確認が重要です。都市ガス導管の有無や住宅の対応状況を確認し、費用や手続きの流れを理解することでスムーズな切り替えが可能になります。
都市ガスが利用できない場合は、プロパンガスの節約方法を理解した上で、ガス会社の切り替えも検討してみるとよいでしょう。