引越し費用の相場と料金の仕組みを徹底解説!業者の選び方や費用を抑えるコツとは?

引越し費用の相場と料金の仕組みを徹底解説!業者の選び方や費用を抑えるコツとは?

引越しにはまとまった費用が必要になるため、相場を把握しておくことが重要です。引越し業者を利用する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?費用の相場を左右する要素や料金の仕組み、抑えるためのポイントを解説します。

目次

1.引越し費用の相場を左右するのは?

 1-1.家族の人数や荷物の量

 1-2.引越し先までの移動距離

 1-3.引越しする時期

 1-4.曜日と時間帯

2.引越し費用が上がる要因はほかにも

 2-1.搬入経路が長い

 2-2.階段が多く、エレベーターがない

 2-3.吊り作業が発生する

 2-4.日柄が良い

3.引越し業者の料金の内訳を知ろう

 3-1.基準運賃

 3-2.実費

 3-3.附帯サービス料金

4.引越し費用を節約するには?

 4-1.荷造り・荷ほどきは自力でする

 4-2.時間指定なしのプランを選ぶ

 4-3.混載便や帰り便を選択する

 4-4.トラックをレンタルする

5.引越し業者を決めるときのポイント

 5-1.相見積もりで費用を比較する

 5-2.訪問見積もりを依頼する

 5-3.口約束はしない

 5-4.口コミや評判を調べる

6.相場を知って引越しをよりお得に!

引越し費用の相場を左右するのは?

引越しにかかる費用は、ご家庭によって大きく異なります。荷物の量が同じでも、引越しのタイミングによって費用が変わる場合もあります。引越し費用を決める主な要素と相場を理解しましょう。

家族の人数や荷物の量

引越し費用は、荷物の量に比例して増えるのが一般的です。家族の人数が多いほど、引越し費用も高くなります。

引越し料金の比較・見積もりサイト「SUUMO」では、引越し費用の相場を算出しています。データによると、通常期(5~翌年1月)の引越し費用(平均)は以下の通りです。

  • 単身(荷物少なめ):46,391円
  • 単身(荷物多め):60,146円
  • 2人家族:78,700円
  • 3人家族:97,337円
  • 4人家族:120,645円
  • 5人家族以上:169,042円

同じ単身者でも、荷物が多い方と少ない方では費用が10,000円以上も違います。人数だけでなく、ライフスタイルによっても費用が変わることがうかがえます。

※出典:引越し費用・料金の相場| 引っ越し見積もり比較サイト SUUMO

引越し先までの移動距離

引越し先までの移動距離が長くなればなるほど、引越し費用がかさみます。以下のデータは、「SUUMO」が算出した通常期(5~翌年1月)の費用相場です。

 2人家族3人家族4人家族
15km未満68,281円84,503円103,486円
50km未満74,947円94,993円123,846円
200km未満90,330円110,974円144,220円
500km未満117,307円150,461円185,688円
500km以上163,075円202,945円242,517円

引越し業者では、標準的な引越しの所要時間を超えると、追加料金が加算されるのが一般的です。移動に時間がかかるほど、費用も高くなる可能性があります。場所やルートによっては、高速道路代や燃料代もプラスされます。

※出典:引越し費用・料金の相場 | 引っ越し見積もり比較サイト SUUMO

引越しする時期

進学や異動で引越しをする方が増える3月と4月は、引越し業者の予約が取りにくくなります。料金を値下げしなくても依頼が入るため、引越し費用は高くなる傾向があります。

以下は、「SUUMO」が算出した通常期(5~2月)と繁忙期(3・4月)の費用相場です。

 2人家族3人家族4人家族
通常期78,700円97,337円120,645円
繁忙期104,893円130,699円165,898円

家族の人数が多い場合、通常期と繁忙期で40,000円以上の差が出ることもあります。3月・4月ほどではありませんが、人事異動に伴う転勤が増える9月・10月も料金が上がりやすい傾向があります。

※出典:引越し費用・料金の相場 | 引っ越し見積もり比較サイト SUUMO

曜日と時間帯

1カ月のうち、曜日や時間帯によっても費用は変動します。以下は、「SUUMO」が集計した曜日・時間帯別の費用相場(平均)です。

<曜日別引越し費用相場>

 単身者家族
平日61,619円117,944円
土日60,863円117,659円
祝日67,915円114,592円

<時間帯別引越し費用相場>

 単身者家族
9時ごろ54,808円98,998円
12時ごろ40,757円63,509円
15時ごろ35,422円60,436円
18時ごろ33,430円75,874円
19時以降39,500円54,745円

引越しのタイミングは1カ月の中でも土日・祝日に集中します。特に、他の都道府県へ引越す家族は、費用が大きく跳ね上がる可能性が高いでしょう。

単身者の場合、朝からお昼にかけての時間帯を希望すると費用が高くなります。費用を抑えたいのであれば、平日の午後~夕方にかけての引越しが望ましいといえます。

※出典:引越し費用・料金の相場 | 引っ越し見積もり比較サイト SUUMO

引越し費用が上がる要因はほかにも

引越し業者の料金は、さまざまな要因によって上下します。想定外の料金に慌てないためにも、追加費用が加算されるケースや料金が上がりやすいタイミングなどを押さえておく必要があります。

搬入経路が長い

トラックから部屋までの距離が長い場合、作業するスタッフの労力が大きくなります。例えば、広々とした庭やエントランス、長い廊下のある高級マンションでは、部屋にたどり着くまでに時間がかかります。

加えて、建物の壁や床を傷つけないために行う「養生作業」の範囲も広くなるため、一般的な賃貸住宅の引越しよりも費用が高くなるでしょう。

家の周りの道路幅が極端に狭いケースも注意が必要です。引越し用の大型トラックが近くまで進入できなければ、人力で荷物を運ばなければなりません。

階段が多く、エレベーターがない

引越し費用は、作業時間がどのくらいかかるかによって費用が変わります。階段が多く、エレベーターがない建物では、スタッフの労力が大きくなります。

引越し業者にもよりますが、3階以上への搬入は階層が増えるほど料金が上がるのが一般的です。

タンスや冷蔵庫などの大型家具の場合、「縦持ち」で階と階の間を移動させます。上側と下側にそれぞれ人が入る形になるため、作業するスタッフの数も増えるでしょう。荷物が多いご家庭であれば、人件費が大きくかさむと考えられます。

吊り作業が発生する

ドアや階段を通れない、またはエレベーターに乗せられない大型家具がある場合、「吊り作業」が発生します。

クレーン(ユニック車)や手吊りによって窓から搬入・搬出する方法で、使用する機材や作業人数に応じて追加料金が発生します。吊り作業が必要となるのは、以下のような「解体ができないもの」が中心です。

  • グランドピアノ
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 大型の金庫
  • ダブルベッドのマットレス

大型のソファーや食器棚でも、解体ができれば吊り作業の必要はありません。

日柄が良い

日本人の中には、「六曜(ろくよう)」を気にする方がいます。六曜とは、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6つの曜です。日時や方位の吉凶を占う暦注の一種で、「大安」が最も縁起が良いとされています。

日柄を重視する方の多くは、大安を引越し日に選ぶため、予約が取りづらくなります。予約が多い日は割引サービスが行われないため、料金が高くなります。

「仏滅」は凶日ではあるものの、「新しく物事を始めるのに良い日(物滅)」とする解釈もあります。

費用を抑えたい方は、仏滅を選ぶのもよいでしょう。「先負」は、午前が凶で、午後が吉です。午後の引越しに適した先負を選び、費用を安く抑える手もあります。

引越し業者の料金の内訳を知ろう

引越し業者の料金は、主に「基準運賃」「実費」「付帯サービス料金」で構成されています。見積もりの際に詳しい説明があるため、内容をよく確認しておきましょう。内訳の確認を怠ると、思わぬトラブルにつながります。

基準運賃

基準運賃は、基本運賃や基礎運賃などとも呼ばれます。国土交通省が定める「標準引越運送約款」を基に設定されるため、業者間の差はほとんどないと考えましょう。荷物を運ぶ距離によって、以下のいずれかが適用されます。

  • 荷物を運ぶ距離が100kmを超える場合:距離制(運搬距離を基に算出)
  • 荷物を運ぶ距離が100kmを超えない場合:時間制(作業時間を基に算出)

距離制は、基礎距離である100kmを超えた場合に、追加料金が生じる仕組みです。時間制の基礎時間は「4時間」と「8時間」で、1時間超えるごとに追加料金が生じます。

実費

実費とは、実際の引越しにかかった費用のことです。利用するサービスにもよりますが、以下のような項目が含まれます。

  • 荷役・荷造りを担うスタッフの人件費
  • 養生や梱包などに使用する資材費
  • トラックにかかる費用
  • 有料道路の利用料

日にちや時間帯によっては、実費に「割増料金」が加算される場合があります。引越し業者にもよりますが、休日は2割増、早朝・深夜は3割増になるのが一般的です。積雪量が多い地域は、冬季の料金が2割増に設定されていることがあります。

附帯サービス料金

附帯サービス料金(オプション料金)とは、荷物の梱包・養生・運搬といった基本的な作業以外にかかる料金です。サービスの種類や内容は業者ごとに異なるため、事前に確認する必要があります。

  • エアコンや洗濯機の取り外しと設置
  • 害虫駆除
  • アンテナ工事・配線工事
  • 特殊な荷物の輸送(ピアノ・骨とう品など)
  • ペットの輸送
  • 不用品の整理
  • ハウスクリーニング
  • 盗聴器の調査
  • ダンボールの引き取り

附帯サービスを利用すると費用は増えますが、時間や労力を節約できます。自力での作業が難しい単身者は、サービスの活用で新生活をスムーズに開始できるでしょう。

引越し費用を節約するには?

引越し費用を下げたいなら、繁忙期を避けるのが前提ですが、進学や就職の関係で、3月や4月に移動せざるを得ない方も多いはずです。限られたスケジュールの中で、引越し費用を最小限に抑えるポイントを紹介します。

荷造り・荷ほどきは自力でする

荷造り・荷ほどきを引越し業者に任せると、追加料金が発生します。引越し当日までに全ての準備を終わらせ、「運ぶだけ」の状態にすることで、余計な費用を抑えられます。

なお、国土交通省が定める「標準引越運送約款」において、荷造りは依頼人が行うのが原則です。荷造りが完了していない場合、引越し業者に作業を拒否されるケースがある点に留意しましょう。

引越しの荷づくりには大量のダンボールが欠かせません。引越し業者に見積もりを依頼して成約すれば、ダンボールやガムテープなどの梱包資材を無料で提供してもらえるのが通常です。

時間指定なしのプランを選ぶ

引越しのスケジュールを立てるとき、「この日の何時に引越しをしよう」と細かく予定を立てる方が大半かもしれません。費用をできるだけ安くしたい方は、引越し業者の都合に合わせて予定を組む「フリー便」を選択しましょう。

フリー便は、依頼人が自由に時間指定できないプランです。前の作業が終わり次第の引越しになるため、前々日や前日になるまで時間がわかりません。

時間のロスが生じたり、早朝や深夜の作業になることもありますが、費用は安く抑えられます。時間とお金のどちらを優先するかを考えた上で、自分たちに最適なプランを選択しましょう。

混載便や帰り便を選択する

荷物が少ない単身者や遠方に引越しをする方は、「混載便」で費用を抑える手があります。同じ方面に引越す方の荷物をまとめて1台のトラックに混載するサービスで、別名を「割り勘便」といいます。タクシーの相乗りを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

1家1台のトラックを使うときよりも、ガソリン費・有料道路の利用料・人件費が抑えられるため、料金も割安に設定されています。ただし、複数の依頼者の荷物を一緒に運ぶ関係上、配達日の指定が難しいのがデメリットです。

時間に余裕がある方は、「帰り便」を使うのもよいでしょう。通常、荷物を運び終えた戻りのトラックは空の状態で出発地に戻りますが、途中で荷物を積む込むことで片道の料金を抑える仕組みです。日程の指定は難しいですが、費用を大幅に削減できます。

トラックをレンタルする

トラックをレンタルして自分で運搬する方法は、荷物が少ない方やごく近場への引越しをする方に向いています。費用を安く抑えられる上、いつでも好きなタイミングで引越しができるのがメリットです。

一方で、荷物の積み込み・荷降ろし・運搬作業に時間と労力がかかります。冷蔵庫や洗濯機、タンスなどの大きな荷物を運ぶときは、入居先の共用部に傷を付けないように注意が必要です。

また、運搬中にトラックから荷物が落下したり、車両の汚損でレンタカー会社から補償料を請求されたりといったトラブルもゼロではありません。

引越し業者を決めるときのポイント

引越し業者の選択肢は幅広く、全国展開する大手もあれば、地域密着型の小さな会社もあります。費用を抑えながら、トラブルなく引越しを進める上では、業者同士の比較が欠かせません。引越し業者を決める上で重要なポイントを解説します。

相見積もりで費用を比較する

引越し業者に依頼するときは、「相見積もり」で費用を比較しましょう。適正価格がわかる上、価格交渉がしやすくなります。

営業担当者とのやりとりからは、コミュニケーションの取りやすさやレスポンスの高さ、柔軟な対応力なども判断できるはずです。

相見積もりには、いくつかのマナーが存在します。最初に、相見積もりを取ることを伝え、他社と同条件で比較しなければなりません。「A社の料金は〇円だった」と、他社の見積もりを引き合いに出すのは控えましょう。

第1候補の業者への見積もり依頼は、最後にするのがポイントです。他社の見積もり内容を考慮した上で値引き交渉ができ、希望の内容で契約できる可能性が高まります。

訪問見積もりを依頼する

インターネットで気軽にできる「オンライン見積もり」は便利ですが、実際の現場を見ていない分、正確な見積もりを出せないのがデメリットです。

引越し費用は、荷物の多さ・家周辺の状況・運搬する家具のサイズなどによって変わるため、「訪問見積もり」を依頼するのが理想です。新居の情報や当日のタイムスケジュールも併せて伝えましょう。

正確な荷物量が把握できると、業者と値引き交渉がしやすくなるのがメリットです。予想外の割増料金がプラスされることが少ないため、安心して引越し当日を迎えられます。

口約束はしない

引越しに限りませんが、口約束での契約はトラブルの元です。訪問見積もりを依頼すると、割引サービスや特典を付けてくれる場合があります。

訪問見積もり時に提示されたサービス内容は、細かいことも含めてすべて見積書に記載してもらいましょう。スタッフと引越し当日のスタッフが異なる場合、情報共有の不足から話が食い違う恐れがあります。

中には、「書面に記されていないサービスは勝手に行えない」というスタッフもおり、引越し作業に円滑に進まなくなってしまいます。

口コミや評判を調べる

ホームページに掲載されている料金の安さや知名度で選んでしまいがちですが、優良業者かどうかは実際に利用してみなければわかりません。

「安さで選んだら、作業が雑だった」「知名度を重視したら、スタッフとの相性が悪かった」というケースもあるため、口コミや評判をしっかりと調べることが重要です。

引越し業者のホームページに掲載されている「お客さまの声」よりも、実際に利用した人の率直な意見が集まるSNSや口コミサイトを活用するのがおすすめです。

相場を知って引越しをよりお得に!

引越しの費用は、荷物の多さや移動距離、引越しをするタイミングなどに左右されます。引越し費用を抑えたい方は、繁忙期を避けて、できるだけ自力で荷造り・荷ほどきを行いましょう。条件が合えば、フリー便や混載便、帰り便を活用するのもおすすめです。

引越しに伴い、これまでの電力会社やプランを見直す方は少なくありません。ライフスタイルに合った電力会社に切り替えることで、電気代を節約できる可能性があります。

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