蛍光灯とLEDの電気代はどっちがお得?性能の違いや節電方法について解説
蛍光灯とLEDの電気代はどっちがお得?性能の違いや節電方法について解説
自宅の電気代を抑えたいとき、まず照明に目を向けてみませんか?蛍光灯からLED照明への切り替えは、電気代の節約に大きく貢献します。しかし、初期投資や寿命、環境への影響を考慮すると、どちらが本当にお得なのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?本記事では、蛍光灯とLEDの違いや、電気代の比較および交換時の注意点について解説します。
目次
蛍光灯とLEDは何が違う?
蛍光灯からLEDに切り替えることで、電気代の節約や環境への負荷軽減が期待できます。しかし、それぞれの特徴をしっかり理解しないと、最適な選択ができません。
そもそも、蛍光灯とLEDは照明器具として何が違うのでしょうか?以下に、両者の違いについて環境省の「あかり未来計画」に記載されている情報を元に紹介します。
寿命の違い
照明器具を選ぶ際に重要なポイントの一つが、その寿命です。
蛍光灯の寿命は通常約6,000~12,000時間とされていますが、これに対してLEDの寿命は約40,000時間と圧倒的に長いです。
蛍光灯は点灯・消灯の回数に影響されやすく、頻繁にオンオフを繰り返す環境ではその寿命が短くなる傾向があります。
一方、LEDはこうした影響を受けにくく、長期間にわたって安定した明るさを保つことができます。
購入価格
照明器具の購入価格も、選択に影響を与える要因です。一般的にLED電球は蛍光灯よりも高価であり、特に調光・調色機能がついた高性能のLED電球は1,500円以上することもあります。
しかし、最近では60W相当の一般的なLED電球であれば、蛍光灯と同じくらいの価格で購入可能になってきています。
電気代
蛍光灯とLEDの電気代を比較すると、LEDの方が安いです。
照明を長時間使用する家庭やオフィスでは、LEDに切り替えることで、月々の電気代を大幅に削減できるでしょう。(具体的な電気代については、後述の見出しで解説します)
環境への影響
環境への配慮も、照明器具を選ぶ上で欠かせない要素です。蛍光灯には環境負荷物質である水銀が含まれており、廃棄時には適切な処理が必要です。
これに対し、LEDは水銀を含まず、廃棄時の環境負荷が低いという特徴があります。
また、LEDは紫外線や赤外線の放出が少ないために熱の発生が抑えられ、冷房の効率が上がるといった間接的な環境メリットもあります。
LEDへの切り替えは、家庭の電気代を節約するだけでなく、地球環境を守る一助にもなるのです。
蛍光灯とLEDの電気代比較
蛍光灯とLEDでは、電気代がどのぐらい違うのでしょうか?ここでは、具体的なデータを用いて蛍光灯とLEDの電気代を比較し、どちらがより経済的かを解説します。
※電気料金単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている31円/kWhで計算しています。
蛍光灯の電気代
パナソニックの「パルックプレミア2000030形+32形」のセットの場合を参考に電気代を算出してみましょう。
こちらの製品は30形が28.0W、32形が30.0Wで、合計58.0Wの消費電力となります。この消費電力を基に計算すると、時間あたりの電気代は以下の通りです。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 約1.8円 |
24時間 | 約43.1円 |
1カ月 | 約1,294.5円 |
参考:パルックプレミア2000030形+32形2本セットクール色文字くっきり光FCL3032EDWMF32K詳細(スペック)|電球/蛍光灯|Panasonic
LEDシーリングライトの電気代
LED照明は、蛍光灯に比べて消費電力が大幅に低いことが特徴です。パナソニックの「コンパクトタイプ~8畳LE-PC08D」の場合を参考に電気代を見てみましょう。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 約0.9円 |
24時間 | 約21.7円 |
1カ月 | 約653.9円 |
このようにLED照明の電気代は蛍光灯に比べ、約半分となっています。
上記で述べたようにLEDは蛍光灯に比べて寿命が長く、交換頻度も低いため、維持費も削減することが可能です。これらの利点を考えると、蛍光灯からLEDへの切り替えは、電気代の節約だけでなく、コスト削減という点においても非常に効果的な方法と言えます。
参考:コンパクトタイプ~8畳LE-PC08D商品概要|電球/蛍光灯|Panasonic
蛍光灯をLED照明に交換するには?
蛍光灯からLED照明への切り替えは、電気代を大幅に節約するための有効な手段です。しかし、交換には工事が必要な場合があります。以下では、工事が必要なケースとその費用について詳しく解説します。
工事が必要かどうかの確認
蛍光灯をLED照明に交換する際、まず確認すべきは工事が必要かどうかです。以下の要件に照らし合わせて、工事の要不要についての判断を行いましょう。
まず、工事が不要な場合は、照明器具ごと交換する場合が主に該当します。たとえば、天井に取り付けられているシーリングライトをLED照明に交換する場合です。
これらの照明器具は、一般的に引掛けシーリングローゼットという部品で固定されており、特別な工具や専門的な技術を必要としません。引掛けシーリングローゼットを持つ照明器具は、取り外して新しいLED照明を取り付けるだけで、簡単に交換が完了します。
一方、工事が必要な場合としては、既存の蛍光灯器具に「安定器」と呼ばれる部品が内蔵されている場合です。安定器は、蛍光灯を安定して点灯させるためのもので、これがあるとLED照明に交換した際に不具合が発生する可能性があります。
また、工事が不要に見えるケースでも、実際には配線の老朽化や照明器具の適合性などの問題があることもあります。専門家に相談し、安全かつ効果的にLED照明に切り替えることが重要です。
安定器がついた蛍光灯は工事業者に依頼する
安定器が内蔵された蛍光灯器具をLEDに交換する場合、必ず工事業者に依頼しましょう。
安定器の取り外しや配線の改修は、専門知識が必要であり、誤った作業は感電や火災のリスクを伴うため、個人での交換は絶対にやめましょう。
工事の費用相場
蛍光灯をLEDに交換する際の工事費用は、設置場所や作業の内容によって異なりますが、一般的な費用相場は3,000円から5,000円程度です。
この価格は、照明器具1箇所あたりの金額です。交換する照明器具の数が増えると、総費用も増加します。 出張費や材料費が別途かかる場合もあるため、事前に見積もりを依頼し、納得のいく価格で工事を進めることが大切です。
照明の電気代をさらにお得にする方法
家庭の電気代を節約するために、まず見直すべきは照明の使用方法です。蛍光灯からLED照明への切り替えはもちろんのこと、日常生活の中でのちょっとした工夫でも、大幅な節電効果を得られることがあります。
以下に、日常生活の中でできるちょっとした節約のコツについてまとめましたので、参考にしてください。
こまめに消灯する
照明の電気代を抑えるための基本的な方法は、使っていない部屋の照明をこまめに消灯することです。
わずかな時間の積み重ねかもしれませんが、長期間にわたると大きな電気代の節約に繋がります。
また、家族全員で同じ部屋で過ごす時間を増やし、部屋ごとの照明使用を最小限に抑えることで、さらに節約効果を高めることができます。
意識して照明をこまめに消す習慣を身につけることは、簡単で効果的な節約方法です。
待機電力を削減する
照明をリモコンで操作する場合、照明をオフにしても実は待機電力が消費されています。
多くの家庭で使用されているリモコン式の照明器具は、消灯後も微量の電力を消費し続けるため、リモコンを使用する際にはその点を意識することが重要です。
特に、照明を長時間使用しない場合や、長期間留守にする場合は、スイッチの電源をオフにしておくと、待機電力の消費を防げます。待機電力を削減することは、無駄なエネルギー消費を抑え、電気代を節約する効果的な手段です。
定期的に清掃する
照明器具やそのカバーは、時間が経つにつれてほこりや汚れが蓄積し、光を妨げる原因となります。特にキッチンの照明は、油煙やほこりが付着しやすいため、定期的に掃除することが必要です。
照明器具を清潔に保つことで、光の強さを最大限に引き出し、必要以上に明るさを上げなくても済むため、電気代の節約にもつながります。
電力会社や料金メニューの見直しも
照明の使用方法だけでなく、電力会社や料金メニューの見直しも重要です。
多くの電力会社は、使用状況に応じたさまざまな料金プランを提供しており、家庭のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、電気代を効果的に節約できます。
エネワンでんきのように使用量に応じたプランを利用することで、年間で数万円の節約が期待できる場合があります。
まずは現在の電気使用状況を把握し、シミュレーションを行って最適なプランを選びましょう。
エネワンでんきで電気代がいくら安くなるかシミュレーションする
LED照明への交換で電気代をお得に
蛍光灯からLED照明への切り替えは、電気代の節約と環境保護において非常に効果的な方法です。
本記事では、蛍光灯とLEDの性能や電気代の違い、交換時の注意点について詳しく解説しました。
LED照明は長寿命で省エネ性能が高く、環境にも優しい選択です。照明の使用方法や電力会社の見直しによって、さらなる節約が可能です。
日常生活における工夫を取り入れ、より効率的なエネルギー利用を実現しましょう。