エアコンとホットカーペットはどちらがお得?電気代と節電のコツを解説

エアコンとホットカーペットはどちらがお得?電気代と節電のコツを解説

暖房器具は寒い季節に欠かせないものですが、何を選ぶべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。エアコンの暖房機能を利用するご家庭が多い一方で、ホットカーペットを導入するところも少なくありません。どちらの電気代がお得か比較してみましょう。

目次

1.エアコンとホットカーペットの電気代の比較

 1-1.エアコンの電気代の目安

 1-2.ホットカーペットの電気代の目安

2.ホットカーペットの特徴やメリット

 2-1.ホットカーペットの種類

 2-2.部屋の大きさに応じてサイズを選べる

 2-3.簡単に足元を温められる

 2-4.不要なときはすぐに収納できる

3.ホットカーペットのデメリットや注意点

 3-1.部屋全体を暖められない

 3-2.低温やけどに注意する必要がある

4.ホットカーペットの電気代を節約するには?

 4-1.設定温度を低めにして利用する

 4-2.一部のみを暖めるようにする

 4-3.下に断熱マットを敷いて利用する

 4-4.エアコンと使い分けるのも効果的

5.電気料金プランの見直しもおすすめ

 5-1.電気料金プランを変更するメリット

 5-2.電力会社の乗り換えも検討しよう

6.暖房器具はうまく併用することが大事

エアコンとホットカーペットの電気代の比較

寒い時期はエアコンの暖房機能を利用するご家庭が多い中で、ホットカーペットの導入を検討しているご家庭も多いでしょう。それぞれの電気代は、使い方や部屋の広さによって異なります。

まずは、エアコンの暖房機能とホットカーペットにかかる電気代を比較してみましょう。

エアコンの電気代の目安

人気のある日立のエアコン「RAS-AJ22R」の情報をベースとして、電気代の目安を確認してみましょう。同製品は5~6畳用のルームエアコンで、消費電力は470(160~1,175)Wであり、期間消費電力量は717kWhとメーカーが公表しています。

期間消費電力とは、年間にエアコンの冷暖房を使用する期間を定めた上で、その間に消費される電力量を示したものです。冷房期間は135日・暖房期間は160日に設定されているので、暖房期間の消費電力量は、期間消費電力に約0.54を掛けて算出します(「160÷(135+160)=約0.54」)。

期間消費電力量717kWhの中で、暖房期間における消費電力量は「717kWh×0.54=約387kWh」となるため、同製品の暖房期間の電気代は「387kWh×31円/kWh=11,997円」となり、約12,000円の電気代がかかる計算です。なお、電気料金単価を31円/kWh(税込)で算出しています。

※出典:ルームエアコン AJシリーズ : 住宅設備用エアコン : 日立グローバルライフソリューションズ株式会社

ホットカーペットの電気代の目安

ホットカーペットの電気代は、Panasonicの「DC-2NK」を基準に計算してみましょう。メーカーの公式ページによると、同製品の1時間あたりの電気代(室温15℃)は、高設定で約10.4円・中設定で約7.1円です。

仮に中設定で1日6時間使用、年間で上記エアコンの暖房期間の160日間使い続けると仮定すれば、電気代は「7.1×6×160=6,816円」です。一方、高設定で使い続けた場合は「10.4×6×160=9,984円」の電気代となります。

従って、どの設定で利用するかにかかわらず、一般的な6畳用エアコンの暖房機能と比較すると、ホットカーペットの方が若干電気代が安い計算になります。

ただし、ホットカーペットも製品や大きさによって、消費電力が変わってくるので、製品ごとに電気代を計算してみることが大事です。

※出典:詳細情報 着せかえカーペット用ヒーター DC-2NK | 電気カーペット(ホットカーペット)・暖房器具 | Panasonic

ホットカーペットの特徴やメリット

ホットカーペットは、コンパクトで使いやすい暖房器具として人気があります。部屋全体を暖めるエアコンとは異なり、足元や特定の部分を直接温められるため、寒い日のリラックスタイムや作業時などにおすすめです。ホットカーペットの主な種類と、導入のメリットについて整理してみましょう。

ホットカーペットの種類

ホットカーペットには大きく分けて「絨毯タイプ」「フローリングタイプ」「ホットマットタイプ」の3種類があります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。

  • 絨毯タイプ: 厚手の柔らかい素材の敷物として、利用するタイプのホットカーペット。絨毯として利用できるのはもちろん、直接床に座ったり寝転がったりするのも可能。リビングなど広い空間に適している
  • フローリングタイプ: 表面が硬めで、木目調やフローリングに馴染むデザインが特徴のホットカーペット。フローリングの床に直接敷いて使用可能で、掃除も比較的簡単にできる
  • ホットマットタイプ: 小型で軽量なマットタイプのホットカーペットで、ピンポイントで足元や座る部分を温めるのに適している。電気代も比較的安く、デスクワークやソファ周りなど、限られたスペースでの使用におすすめ

それぞれ、多くの製品がさまざまなメーカーからリリースされているので、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

部屋の大きさに応じてサイズを選べる

ホットカーペットを選ぶ際は、部屋の広さに加えて使用する場所や目的も考慮することが大切です。例えば、家族が多い場合やリビング全体を暖めたい場合は、大きなタイプのホットカーペットが適しているでしょう。

一方で、デスクワーク時など足元だけを暖めたい場合には、1畳用や部分的に温めるホットマットタイプなどがおすすめです。無駄なく電力を使うためには、主な用途や部屋のサイズに合った製品を選ぶことがポイントです。

またカーペットの形状やデザインも、部屋のインテリアに合うものを選ぶと快適さが増します。

簡単に足元を温められる

ホットカーペットは、スイッチを入れるだけで足元をすぐに温められます。特に寒さが気になる朝や、帰宅後すぐに暖かさを感じたい時に便利です。デスクワークや家族での団らんの時間などに、足元の冷え対策として重宝するでしょう。

エアコンのように部屋全体を暖める時間を待つ必要がなく、部分的な暖房として非常に効果的です。必要な部分のみを効率的に温められるため、コスト面でも優れています。

不要なときはすぐに収納できる

ホットカーペットの大きな利点のひとつが、使わないときに簡単に収納できることです。折り畳めるタイプの製品が多いので、未使用の期間は押入れなどに保管しておけば、邪魔になることもないでしょう。折りたたんで収納するだけで場所を取らず、保管も容易です。

またフローリングタイプのホットカーペットは、1年中部屋に設置しても、違和感なく部屋に馴染む製品が多くあります。特に木目調やシンプルなデザインのものは、ホットカーペットとして使わない季節でも、通常のラグやフローリングの一部としてそのまま利用が可能です。

ホットカーペットのデメリットや注意点

ホットカーペットは便利な暖房器具ですが、以下のようなデメリットもいくつかあります。特に注意したいのは、長時間の使用や安全面に関する問題であり、使い方次第では効果を発揮できない可能性もあるので注意しましょう。

部屋全体を暖められない

ホットカーペットは足元や一部を温めるのには適していますが、エアコンとは違い、部屋全体を暖める器具ではありません。あくまでも足元を温めて快適に過ごすための器具であり、数ある暖房器具の中でも用途は限られています。

基本的に、広い部屋や寒さが厳しい場所などでは、エアコンや石油ファンヒーターなど、他の暖房器具との併用が必要です。ある程度は空間を暖める力もありますが、室内で温度差が生じることもあります。

低温やけどに注意する必要がある

ホットカーペットを長時間使用する際には、低温やけどに注意しましょう。特に小さな子どもや高齢者のいるご家庭では使い方に気を付ける必要があります。

皮膚が敏感な方は低温やけどのリスクが高いため、温度調整機能やタイマー機能を活用し、安全に使用するように心掛けましょう。厚手の布団やクッションを敷いて直接肌に触れないようにすることも効果的です。

ホットカーペットの電気代を節約するには?

ホットカーペットの電気代を節約するためのポイントも、押さえておきましょう。以下のように、適切な設定温度や使い方を意識するとともに、無駄な電力消費を防ぎ、効率的に暖を取る工夫が必要です。

設定温度を低めにして利用する

ホットカーペットを使用する際、温度を低めに設定すれば、電気代の節約につながります。

上記Panasonicの「DC-2NK」のように、ホットカーペットは、設定によって1時間あたり3円程度の電気代の差が発生します。高温で使用し続けると電力を多く消費してしまうので、必要以上に高温にするのは避けましょう。

無駄な電力消費を減らしつつ、快適に利用できる設定で使うことが大事です。なお、省エネモードが搭載されているホットカーペットもあるので、購入の際には、自動で温度を調整できる製品を選ぶのもよいでしょう。

一部のみを暖めるようにする

製品によっては、一部分のみ暖める機能(エリア設定機能)を有するものもあるので、使用範囲を限定することで節電につながります。

特に一人暮らしの場合や、デスクワーク中に使用する場合など、限られたスペースのみを温めたい場合も多いでしょう。

エリア設定機能を有効に活用すれば、エネルギーコストの大幅な節約が可能になります。また家族がいる場合でも、皆が集まる部分だけ使用することで、効率よく暖かさを確保できます。

下に断熱マットを敷いて利用する

床とホットカーペットの下に断熱マットを敷けば、保温効果が高まるため、設定を弱めにしても十分な効果を発揮できるので試してみましょう。断熱マットを敷くことで、熱が床に伝わって逃げるのを防ぎ、ホットカーペットの温かさを長時間保てるようになります。

特にフローリングやタイルなど、冷たさが伝わりやすい床材の上では、断熱マットを使うと効果が実感しやすいでしょう。

熱を床に逃がさず、効率的に暖かさを保つことができるため、結果的に節電につながります。ただし、断熱マットは厚さや素材によって保温効果が異なるため、自分の床に合ったものを選ぶことが大切です。

エアコンと使い分けるのも効果的

エアコンをはじめ、ほかの暖房器具と同時に利用するのも、結果的に節電につながります。エアコンとホットカーペットの併用をはじめ、状況に応じて使い分けるようにしましょう。例えば、エアコンで部屋全体を暖めた後に、ホットカーペットで足元だけを保温するなど、状況に応じた使い分けが有効です。

同時に使う場合でも、エアコンの設定温度を少し下げることで、全体の消費電力を削減できます。ホットカーペットで補助的に足元を温めることで、快適さを保つことができます。暖房器具をうまく併用し、寒い冬でも経済的に暖を取る工夫が求められます。

電気料金プランの見直しもおすすめ 

ホットカーペットの電気代を節約するには、使い方を工夫するのに加えて、電気料金プランの見直しも効果的です。

近年は、さまざまな料金プランが提供されており、ライフスタイルに合わせて柔軟に選択できるようになってきました。さらに以下のように、電力会社を乗り換えることでも、日々の電気代を削減できる可能性があります。

電気料金プランを変更するメリット

ライフスタイルに応じて、電気料金プランを変更すれば、基本的な電化製品の使い方を変えなくても、電気代を安くできるケースが少なくありません。各ご家庭に合った料金体系で電気を使用できるプランがないか、この機会に確認してみましょう。

ポイント還元や、ガスやインターネットサービスとのセット割引を提供している電力プランも多く見られます。これらを活用することで、電気代だけでなく、家計全体の支出を削減することができるでしょう。

電気料金プランを見直すことで、電気代を節約するだけでなく、ライフスタイルに合ったよりお得なプランを選ぶことができます。毎月の固定費を少しでも減らし、家計に余裕を持たせるために、電気料金プランの見直しを積極的に検討してみましょう。

電力会社の乗り換えも検討しよう

電気代の節約には、電力会社の乗り換えも視野に入れてみましょう。新電力をはじめとして、電力会社を乗り換えることで、毎月の電気代が安くなるケースもあります。新電力とは電力の小売自由化により、新たに参入した業者であり、特に大手電力会社以外の事業者を指します。

新電力は多様な料金プランを提供しており、再生可能エネルギーによる環境に優しいプランや、コンビニやスーパーで使えるポイントがたまるサービスなども、少なくありません。電気料金プランの変更とともに、新電力への乗り換えも同時に検討するとよいでしょう。

暖房器具はうまく併用することが大事

エアコンとホットカーペットは、それぞれ異なる特徴のある暖房器具です。多くの場合、エアコンの暖房機能とホットカーペットでは、後者のほうが電気代が安い傾向にありますが、部屋全体を暖めるには適しません。

どちらか一方に頼るのではなく、部屋の状況やライフスタイルに応じて適切に併用し、効率的に暖かさを得るのがおすすめです。さらに他の暖房器具とも組み合わせることで、全体の電気代を抑えられる可能性があります。

また、電気料金プランや電力会社の乗り換えにより、電気代を安くできるケースもあるため、併せて検討してみましょう。

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