2人暮らしの生活費の平均はいくら?生活費の内訳や節約・家計管理の方法を解説
2人暮らしの生活費の平均はいくら?生活費の内訳や節約・家計管理の方法を解説
2人暮らしを始める際、生活費がいったいいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。本記事では、2人暮らしの平均的な生活費とその内訳を解説しますので、毎月の生活の予算を決めるのに役立ててください。加えて効果的な節約方法や支出管理のコツを紹介します。家計管理の参考にしましょう。
目次
「2人暮らし」の生活費の平均はいくら?
総務省統計局が公表している「家計調査 家計収支編」によれば、2023年度の2人暮らしの世帯における1か月間の消費支出平均は264,238円となっています。
そのうち、勤労世帯(60歳未満)は290,537円、勤労世帯(60歳以上を含む)は291,488円、無職世帯が244,702円です。
※勤労世帯:世帯主が会社,官公庁,学校,工場,商店などに勤めている世帯
詳細な内訳については、以降の見出しで紹介します。
参考:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年
主な消費支出の項目
同じく家計調査の2023年度のデータから、2人暮らしの世帯の平均消費支出の中でも主な割合を占める項目について紹介します。
住居費
住居費は、家賃や地代、また建物の設備を維持するためにかかる費用や工事費など、住居にかかる費用を指します。住居費全体の1カ月あたりの消費支出の平均は19,038円です。各項目ごとの主な支出金額は以下の通りです。
家賃地代 | 7,573円 |
設備修繕・維持 | 11,465円 |
食費
食費全体の支出は72,399円です。以下、詳細を見ていきましょう。
穀類 | 5,614円 |
魚介類 | 6,203円 |
肉類 | 6,301円 |
乳卵類 | 3,897円 |
野菜・海藻 | 8,745円 |
果物 | 3,446円 |
油脂・調味料 | 3,484円 |
菓子類 | 5,696円 |
調理食品 | 11,056円 |
飲料 | 4,668円 |
酒類 | 3,808円 |
外食 | 9,483円 |
食費の内訳として最も多いのが「調理食品」の11,056円で、次いで「外食」の9,483円です。共働きの世帯では、調理食品や外食での食事機会が多くなりがちなことも、これらの支出が高い理由として推測されます。
また内食の項目として多いのが「野菜・海藻」の項目で、「肉類」「魚類」が続きます。
水道光熱費
光熱・水道費は平均消費支出で見ると、1カ月あたりの平均は21,619円です。
電気代 | 10,940円 |
ガス代 | 4,971円 |
他の光熱 | 1,466円 |
上下水道料 | 4,242円 |
内訳は「電気代」が最も高く10,940円、次いで「ガス代」が4,971円となっています。
「他の光熱 」が1,466円、「上下水道料」が4,242円となります。
「他の光熱費」とは、主に灯油代などの燃料代のことを指します。電気代は地域、季節によっても差が大きい点は留意する必要があります。
服飾費
続いて、服飾費に該当する被服及び履物についてです。2人暮らし世帯の1カ月あたりの平均消費支出は7,190円となります。以下で詳細を記載します。
和服 | 110円 |
洋服 | 2,509円 |
シャツ・セーター類 | 1,636円 |
下着類 | 761円 |
生地・糸類 | 101円 |
他の被服 | 752円 |
履物類 | 1,374円 |
被服関連サービス | 558円 |
この項目については、勤労世帯(60歳未満)は10,161円、無職世帯が5,127円と倍近い開きがあることから、収入による影響が大きいことがわかります。
被服費の中で最も金額が高い項目は「洋服」の2,509円です。次いで「シャツ・セーター類」と続きます。
医療費・保険料
医療費・保険費の内訳です。保健医療の1カ月あたりの平均額は15,641円です。
医薬品 | 2,894円 |
健康保持用摂取品 | 1,436円 |
保健医療用品・器具 | 2,082円 |
保健医療サービス | 9,229円 |
保健医療サービスとは診察代や人間ドック受診料、入院費などが含まれ、この項目の中でも最も割合が高くなっています。
その他の消費支出
最後に、交通費や通信費、教育費、交際費などの支出を見ていきましょう。
交通・通信 | 36,472円 |
教育 | 368円 |
教養娯楽 | 26,250円 |
交通費は車代やガソリン代、電車代など、通信費はインターネット利用料等が含まれます。教養娯楽は自動車教習や習い事の月謝、趣味の旅行費などです。
上記以外では、2人暮らしの特徴としては交際費が21,166円となっている点も挙げられます。これは3人以上の世帯よりも多い数値です。
地方別の2人暮らしの生活費の平均
住んでいる地方によっても生活費は変わってきます。
家計調査2023年度の2人以上の世帯における地方・都市別の1カ月あたりの平均消費支出を紹介します。
参考:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年
地方別の消費支出の平均
日本各地における地方別の1カ月あたりの消費支出の平均は以下の通りです。
- 北 海 道:279,420円
- 東 北: 279,156円
- 関 東: 311,094円
- 北 陸: 310,500円
- 東 海: 282,324円
- 近 畿: 295,055円
- 中 国: 278,789円
- 四 国: 279,001円
- 九 州: 272,990円
- 沖 縄: 224,987円
関東・北陸地方が高く、次いで近畿・東海と続きます。特に関東・北陸は300,000円を超えており、地方別に見ると高い支出となっています。
細かい項目別に見ていくと、関東地方は食費・教育娯楽費をはじめとして、他の地方よりもどの項目も高い傾向にあります。
北陸地方については、特に自動車関連の費用が、他の地方よりも高い傾向です。一方で沖縄は、各項目がいずれも他の地方よりも低くなっています。
都市ごとの消費支出の平均
日本の主要都市の平均支出を紹介します。こちらも、2人以上の世帯における1カ月あたりの平均消費支出です。
- 札 幌 市:296,888円
- 仙 台 市:305,541円
- 水 戸 市:307,817円
- 東京都区部: 341,320円
- 横 浜 市:306,565円
- 新 潟 市:301,215円
- 長 野 市:313,991円
- 名古屋市:300,221円
- 京 都 市:314,636円
- 大 阪 市:271,246円
- 和歌山市: 259,437円
- 岡 山 市:300,973円
- 広 島 市:305,373円
- 福 岡 市:309,000円
- 長 崎 市:262,243円
- 鹿児島市:279,132円
- 那 覇 市:251,222円
1番高いのは東京都です。東京は家賃をはじめ、物価が全体的に高くなっています。地方の平均に反映する形で、関東・北陸の都市が高く、九州や沖縄は比較的低い傾向です。
季節ごとの生活費の平均
支出は季節によっても変わります。総務省統計局の家計調査2023では、四半期別の1カ月あたりの2人以上世帯の平均消費支出は以下の通りになります。
- 2023年1~3月期:295,539円
- 2023年4~6月期:288,355円
- 2023年7~9月期:285,955円
- 2023年10~12月期:306,138円
特に顕著なのは10~12月で、四半期の中で唯一300,000円を超えています。季節によって金額が変わる要因について紹介します。
季節ごとの支出が異なる要因は「光熱費」
総務省統計局の家計調査2023の内訳の中で、「2023年1~3月期」と「2023年7~9月期」の項目ごとを比較すると、以下のことがわかります。
まず電気代ですが、「2023年1~3月期」は17,723円に対し、「2023年7~9月期」は9,885円と大きな開きがあります。
これは、寒い季節の方がエアコンの電気代が高く、また日が短いため照明器具の使用時間が増えることが大きな要因という推測ができます。
また、冬は比較的家にいる時間が長くなる傾向にあることも、電気代が高くなる要因と言えるでしょう。
次にガス代です。ガス代は「2023年1~3月期」は8,051円に対し、「2023年7~9月期」は3,352円と、こちらも大きな開きがあります。この要因も、暖房器具の使用時間によるものが大きいと言えるでしょう。
「2人暮らし」の生活費を節約する方法
2人暮らしを始めると、生活費の管理が一層重要になります。効果的な節約方法と支出管理のコツを知っておくことで、無駄な出費を減らし、効率的に貯蓄を増やすことが可能です。
以下では、生活費の把握と支出計画の見直し、そしておすすめの家計管理方法について詳しく解説します。
生活費を把握し毎月の支出計画を見直す
まず、支出を記録し、見直す習慣を身につけることが重要です。毎月の支出がどのような項目にどれだけかかっているのかを明確にすることで、無駄な出費を発見しやすくなります。
固定費や変動費、食費や住居費などのカテゴリ別に記録を残し、後で振り返りやすいようにしておくと便利です。
例えば、外食やコンビニでの買い物、衝動買いなど、無駄な費用が発生していないかをチェックしましょう。
定期的に支出を見直すことで、不要な支出を削減し、効率的な家計管理が可能になります。
2人暮らしにおすすめの家計管理方法
効果的な家計管理のためには、継続的に支出を管理できる仕組みを取り入れることが重要です。特に、家計簿アプリを活用するのがおすすめです。アプリを使えば、使ったお金を簡単に記録し、カテゴリごとに分析できるため、家計管理が楽になります。
以下は人気の家計簿アプリです。
Money Forward ME
利用者数1200万人以上の人気アプリです。基本機能は無料で利用でき、各種金融機関との連携が可能です。銀行口座やクレジットカードと連携することで、自動的に収支を記録し、詳細な分析ができます。
Zaim
レシートの読み取り機能があり、手入力の手間を省ける機能性に優れた家計簿アプリです。基本機能は無料で利用できます。使いやすく、シンプルなデザインも魅力です。
OsidOri
夫婦用の共有家計簿として利用でき、自分用の家計簿も複数に分けて管理できるアプリです。支出の透明性を確保しながら、お互いの支出を見える化できるのが特徴です。こちらも基本機能は無料で利用できます。
他にも多くの家計簿アプリがありますので、自分にあった継続しやすい家計簿アプリを探してみてください。
固定費を見直す
家賃や保険料、通信費などの固定費は、一度見直して下げることで継続的に節約できます。
例えば、スマホやインターネットの料金プラン、不要なサブスクリプションや保険への加入などを見直すことで、無駄な支出を減らすことが可能です。以下に、具体的な節約のコツを紹介します。
家賃
家賃は、2人暮らしにおいて最も大きな固定費の一つです。
家賃を削減するためには、引っ越しを検討することが有効です。一時的には大きな出費となりますが、長い目で見れば、家賃を大幅に抑えることができます。
都心から少し離れた場所や、交通の便が良い郊外に引っ越すことで、生活水準をキープしたまま、家賃も環境もより良い物件が見つかるかもしれません。
また、同じエリア内でも、築年数が古い物件や設備が少し劣る物件を選ぶことで、家賃が安くなる場合があります。引っ越しが難しい場合でも、大家さんと交渉して家賃を下げてもらうことも一つの方法です。
水道光熱費
水道光熱費の節約は、日々の生活習慣の見直しから始めることができます。例えば、電気代を抑えるためには、エアコンの温度設定を見直す、不要な電気をこまめに消す、省エネ家電を活用するなどが効果的です。
加えて、電力会社の乗り換えも、毎月の電気代が削減できる可能性があります。
ガス代の節約には、シャワーの時間を短くする、調理時に蓋をする、余熱を活用するなどの方法があります。
水道代については、節水シャワーヘッドの利用や、食器洗いの際に水を流しっぱなしにしないなどの工夫が役立ちます。
通信費
通信費は、スマホやインターネットの利用料金が主な項目となります。スマホの料金プランは、現在の使用状況に合ったプランに変更することで、大幅に節約できる可能性があります。
また、格安SIMに乗り換えることで、通信費を抑えることができます。インターネット料金についても、プロバイダーを変更する、利用プランを見直すなどで節約が可能です。
さらに、家族割引やキャンペーンを活用することで、さらにお得にすることができます。
保険料
保険料も固定費の一部として見直すべき項目です。生命保険や医療保険などの保険料は、現在の契約内容が本当に必要なものかを確認し、無駄な保証を削減することで節約できます。
また、保険会社を変更する、インターネットで申し込むことで保険料が割安になる場合もあります。
サブスクリプション
サブスクリプションサービスも見直すことで大きな節約が可能です。
音楽や動画配信サービス、オンラインの学習サービスなど、実際に使用している頻度や必要性を確認し、不要なサービスを解約しましょう。
家族で共有できるサービスにまとめる、期間限定の割引を利用するなどの方法も有効です。
変動費を削減する
変動費は日々の生活の中で調整が可能な支出であり、少しの工夫で大きく節約することができます。
例えば、出前やコンビニを頻繁に利用するのを控え、食材を買って自炊をすることで食費を抑えることができます。また、洋服や靴を購入する際にはセールやアウトレット、フリマアプリを活用することが効果的です。
さらに、飲み会や外食を減らすことで、交際費も大幅に削減することができます。
変動費の節約には、ルールを作ることが重要です。「週に一度しか外食しない」「洋服は必要最低限しか買わない」といった具体的な目標を設定することで、節約意識を高めることができます。
月末には、達成度を振り返り、次月の目標を再設定することで、継続的な節約を実現しましょう。
無理な節約はしない
変動費の節約においては、無理をしすぎないことが大切です。極端な節約を試みると、健康を損なったり、ストレスが増えたりすることがあります。
一例として、食費を過度に削ると、栄養バランスが崩れ、体調を崩す原因となりかねません。また、交際費を完全にカットすると、社交的な関係を維持することが難しくなり、精神的なストレスを抱えることも考えられます。
節約は無理のない範囲で行うことが重要です。長期的に続けられるような節約方法を見つけることが、健全な家計管理に繋がります。
2人の生活時間を合わせる
2人暮らしにおいて、生活時間をできるだけ合わせることは、光熱費の節約に大きな効果をもたらします。
同じ時間に起きて同じ時間に就寝することで、照明やエアコンの使用時間を最小限に抑えることが可能です。
特に、エアコンや暖房器具は消費電力が高いため、使用時間を短縮することで電気代を大幅に削減することができます。
職種や勤務時間が異なる場合でも、可能な範囲で生活時間を調整することが大切です。照明や家電の使用を効率化し、無駄なエネルギー消費を抑えることができます。
電力会社の乗り換えも検討しよう
固定費の削減には、電力会社の乗り換えが効果的です。特に、電気料金やガス代は季節によって大きく変動するため、より安価なプランに切り替えることで大きな節約効果が期待できます。
エネルギー消費の見直しは、家庭の経済的な負担を軽減するための重要なステップです。
例えば、エネワンでんきのような新しい電力会社に乗り換えることで、電気料金を抑えることができます。
エネワンでんきは、電気使用量にあわせて最適なプランが選べるほか、さまざまな特典のついたプランも用意しています。
電力会社の乗り換えを検討しているなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。
エネワンでんきで電気代がいくら安くなるかシミュレーションする
2人で協力して生活費を節約しよう
2人暮らしを始める際には、生活費の具体的な金額や内訳を知ることが重要です。
生活費が高いと感じた場合は、固定費や変動費の見直し、家計簿アプリの活用、電力会社の乗り換えなど、具体的な節約に着手しましょう。
無理のない範囲での節約を心がけ、健全な家計管理を実現し、2人で協力して生活費を効果的に節約することで、豊かな暮らしを手に入れることができます。
この記事で紹介した平均データと、ご自身の世帯の生活費を比較し、生活費を見直すきっかけにしてみてください。