都市ガスとは?都市ガスの種類や特徴、対応しているガスの判別方法を解説

都市ガスとは?都市ガスの種類や特徴、対応しているガスの判別方法を解説

都市ガスとは?都市ガスの種類や特徴、対応しているガスの判別方法を解説

家庭やビジネスでのガス利用を考える際、「都市ガス」と「プロパンガス」の違いを理解することは重要です。都市ガスの利用を検討しているが、その種類や特徴、対応するガスの見分け方が分からない方も多いでしょう。本記事では、都市ガスの基本知識やそのメリット・デメリット、さらにプロパンガスからの切り替え方法について詳しく解説します。

目次

1. 都市ガスの基本知識

 1-1. 都市ガスとは

 1-2. 都市ガスの種類

 1-3. 対応しているガスの種類の調べ方

2. 都市ガスの主な特徴

 2-1. 都市ガスのメリット

 2-2. 都市ガスのデメリット

3. プロパンガスから都市ガスに切り替えるには?

 3-1. 都市ガスに切り替える手順

 3-2. 切り替えにかかる費用

4. 都市ガスの特徴を把握して必要なら切り替えを検討

都市ガスの基本知識

都市ガスは、家庭やビジネスにおいて広く利用されているガス供給方法です。その成分や特性を理解することは、ガスを安全かつ効率的に利用することにつながります。

都市ガスとは

都市ガスは天然ガスを原料としており、主成分はメタンです。その他にエタンやプロパンなども含まれています。

メタンの特徴は、水素が多く含まれているため、炭素原子の割合が小さいことです。そのため、石炭や他の化石燃料と比べると、燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない特長があります。

都市ガスは環境に優しいエネルギー源として評価されています。また、都市ガスはガス管を通じて家庭や事業所に直接供給されるため、ガスボンベの設置や交換の手間が省けるメリットもあります。

都市ガスの種類

都市ガスには、様々な種類があります。日本では、ガスの種類を統一するために経済産業省が定めた基準に従って、都市ガスは7グループ13種類に分類されます。それぞれのガスは、発熱量や燃焼速度によって異なります。

都市ガスのグループと熱量は、以下の通りです。

13A10,000 ~15,000 kcal/m3
12A9,070 ~11,000 kcal/m3
6A5,800 ~7,000 kcal/m3
5C4,500 ~5,000 kcal/m3
L1(6B、6C、7C)4,500 ~5,000 kcal/m3
L2(5A、5B、5AN)4,500 ~5,000 kcal/m3
L3(4A、4B、4C)3,600 ~4,500 kcal/m3

ガスの種類は、数字とアルファベットの組み合わせで表されており、数字はガス1立方メートルあたりの発熱量を、アルファベットは燃焼速度を示しています。

対応しているガスの種類の調べ方

ガス機器を使用する際には、機器が対応しているガスの種類を確認することが必要です。ガス機器には、適合するガスの種類がステッカーやラベルで明記されています。

例えば、「13A」「12A」と記載されている場合、その機器は13Aや12Aの都市ガスに対応しています。この情報は、ガス機器の使用説明書や本体にも記載されていることが多いので、購入時や設置時に確認しておきましょう。

都市ガスの主な特徴

都市ガスは、その供給方法や特性から多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、都市ガスの主な特徴について詳しく解説し、その利点と欠点を見ていきます。

都市ガスのメリット

都市ガスは、環境に優しく経済的なメリットが多いことが特徴です。以下に、都市ガスの主要なメリットを紹介します。

環境に優しい天然ガスを使用

都市ガスの主成分である天然ガスは、メタン(CH4)を多く含み、地球上のさまざまな場所で豊富に存在しています。

そのため都市ガスは安定した供給が可能であり、エネルギーとしての信頼性が高いです。さらに、天然ガスは石油や石炭と比較して、燃焼時に排出される二酸化炭素やその他の有害物質の量が少なく、環境への負荷が低いです。

このクリーンなエネルギー源としての特性は、持続可能な社会の実現に貢献しています。

空気よりも軽い

都市ガスは、空気よりも軽いため、万が一漏れた場合には天井付近に溜まります。この性質により、ガス漏れ警報器はキッチンの上部など、ガスが溜まりやすい場所に設置されることが一般的です。

ガス漏れが発生した際は、窓を開けて換気を行うことで、ガスを速やかに外部に逃がすことができます。このように、ガス漏れ時の対策が比較的容易である点も、都市ガスの安全性を高めています。

設置スペースが不要

都市ガスは、プロパンガスと異なり、専用の設置スペースが不要です。

プロパンガスの場合、敷地内にガスボンベを設置する必要がありますが、都市ガスは既存の地下ガス本管から供給されるため、ボンベの設置場所を考慮する必要がありません。

災害に強い

都市ガスの配管は、ほとんどが地中に埋設されているため、台風や豪雨などの風雨の影響を受けにくい構造となっています。

実際に、近年の大きな台風や豪雨の際にも、他のインフラに比べてガスの支障件数(事故などによる支障が発生した件数)は非常に少ないことが報告されています。

このように、都市ガスは自然災害に対しても強く、安定した供給が期待できます。

都市ガスのデメリット

都市ガスには多くの利点がありますが、いくつかのデメリットも存在します。利用者はこれらのデメリットを理解し、安全に使用するための対策を講じることが重要です。

引き込み工事など初期費用が高い

都市ガスを利用するには、ガス本管から自宅までの引き込み工事が必要です。この工事には一定の費用がかかり、初期費用としては高額になることが多いです。

特に、新築住宅や都市ガス未対応のエリアでの工事費用は、予算に影響を与えることが考えられます。

供給エリアが限定される

都市ガスの供給は、ガス管が敷設されている地域に限定されます。そのため、都市ガスが利用できない地域も存在します。

特に、地方や山間部などでは、都市ガスの供給が難しい場合があります。このような地域では、プロパンガスや他のエネルギー源を利用する必要があります。

都市ガスの供給エリアについては、事前にガス会社に確認することが重要です。

破損時の復旧には時間がかかる

都市ガスの導管や本支管等の道路の埋設管が破損した場合、復旧には時間がかかることがあります。特に、大規模な災害が発生した際には、これらのガス管の修理や交換が必要となり、供給が再開されるまでに時間がかかることがあります

都市ガスの供給が途絶えた場合に備えて、他のエネルギー源を確保することも考慮する必要があります。

プロパンガスから都市ガスに切り替えるには?

プロパンガスから都市ガスに切り替えることで、安全性や環境性能の向上を図ることができます。以下では、具体的な切り替え手順とその際にかかる費用について詳しく解説します。

都市ガスに切り替える手順

プロパンガスから都市ガスに切り替えるには、以下の手順を踏む必要があります。それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

1. 都市ガス会社を選択

まず、地域の導管を敷設している都市ガス会社を選びます。一部の自由化部門の小売事業者でも引込工事を伴う切替を扱っていることがありますので、調べてみると良いでしょう。

その上で、自分の生活スタイルやニーズに合ったガス会社を見つけることが重要です。

2. 業者による現地確認と見積もり

ガス会社を選んだら、次に業者による現地確認が行われます。これは、家が都市ガスの供給エリア内にあり、技術的に切り替えが可能かどうかを確認するためです。また、この時点で具体的な工事の見積もりが出されます。都市ガス導管の敷設状況や家の構造によって費用は異なるため、正確な見積もりを取得することが大切です。

3. 工事の契約とプロパンガス会社との解約

見積もりに納得したら、次に工事の契約を結びます。同時に、現在利用しているプロパンガス会社との解約手続きを進めます。プロパンガスの契約には最低利用期間が設定されている場合があり、解約時には違約金が発生することがありますので、契約内容を事前に確認しておきましょう。

4. ガス導管の引き込み工事

契約が完了すると、実際にガス導管の引き込み工事が始まります。都市ガスの本管から自宅までの導管を設置し、各ガス器具との接続を行います。

また、プロパンガス用のガス器具は所定の都市ガス用に部品交換または本体入替が必要です。見積時に工事業者または小売事業者よりアドバイスや見積もりがあると思いますので確認しておきましょう。

工事期間は数日から数週間程度で、工事中は一時的にガスの使用ができなくなる場合がありますので注意してください。

5. 供給開始

工事が完了し、検査が行われた後、いよいよ都市ガスの供給が開始されます。ガス会社の担当者が最終チェックを行い、安全に使用できることを確認してから供給がスタートします。

切り替えにかかる費用

プロパンガスから都市ガスへの切り替えには、様々な費用がかかります。以下では、具体的な費用の内訳を見ていきます。

都市ガス導管引き込み費用

都市ガス導管の引き込み費用は、自宅周辺の都市ガス本管の敷設状況や家の立地条件によって異なります。

一例として、東京ガスのサイトでは157,630円という金額が示されていますが、これはあくまで参考値です。実際の費用は、現地確認と見積もりによって確定されます。

参考:ガス工事の流れ | 東京ガスネットワーク

都市ガス用器具への変更・設置費用

プロパンガス用のガス器具は都市ガス用に対応していないため、切り替えの際には器具の交換が必要です。給湯器やガスコンロなどのすべての器具は発熱量が異なるため、そのまま使用できません。火災や一酸化炭素中毒のリスクがあるため絶対に使用しないでください。

交換費用は、ガスコンロで1万円、給湯器で3万円程度が一般的です。ただし、古い器具はメーカーが交換部品を取り扱っていないこともあるため、場合によっては新規購入が必要になることもあります。

都市ガスの特徴を把握して必要なら切り替えを検討

都市ガスは家庭やビジネスにおいて広く利用されており、その成分や特性を理解することが安全で効率的な使用につながります。本記事では都市ガスの基本知識、種類、対応ガスの見分け方、そしてメリットとデメリットについて詳しく解説しました。

プロパンガスから都市ガスへの切り替えを検討する場合、手順や費用を理解することでスムーズな移行が可能です。

環境に優しく経済的な都市ガスの利用を検討し、あなたのライフスタイルに最適なガス供給方法を見つけましょう。

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