一人暮らしの引越し費用はどのくらい?できるだけ安く抑えるポイント
一人暮らしの引越し費用はどのくらい?できるだけ安く抑えるポイント
初めて一人暮らしを始める場合、引越しにかかる費用の相場を知っていれば安心です。新生活のスタートにはまとまったお金がかかるため、節約を考えることも大切です。一人暮らしの引越し費用の目安や、安く抑えるコツを紹介します。
目次
一人暮らしの引越し費用の目安は?
引越しには通常期と繁忙期があり、費用相場がそれぞれ異なります。時期別の引越し費用の目安を知った上で、安く抑えたい場合は通常期の引越しを検討しましょう。
通常期(5~1月)の相場
引越しの時期を選べるのなら、費用が安い通常期に引越すのがおすすめです。移動距離別の引越し費用は、以下の費用相場に収まる場合が多いです。
<荷物が少ない場合>
- 同一県内(50km未満):35,000〜40,000円
- 同一地方(50~200km):45,000〜50,000円
- 近隣地方(200~500km):50,000〜60,000円
- 遠距離(500km以上):60,000〜70,000円
<荷物が多い場合>
- 同一県内(50km未満):約50,000円
- 同一地方(50~200km):60,000〜70,000円
- 近隣地方(200~500km):80,000〜90,000円
- 遠距離(500km以上):90,000〜100,000円
※荷物が少ない場合:軽トラック程度
※荷物が多い場合:1.5~2tトラック程度
※費用相場:編集部調べ(2024年3月時点)
繁忙期(2~4月)の相場
- 同一県内(50km未満):約50,000円
- 同一地方(50~200km):50,000〜60,000円
- 近隣地方(200~500km):60,000〜70,000円
- 遠距離(500km以上):70,000〜80,000円
<荷物が多い場合>
- 同一県内(50km未満):60,000〜70,000円
- 同一地方(50~200km):80,000〜90,000円
- 近隣地方(200~500km):90,000〜100,000円
- 遠距離(500km以上):120,000〜130,000円
※荷物が少ない場合:軽トラック程度
※荷物が多い場合:1.5~2tトラック程度
※費用相場:編集部調べ(2024年3月時点)
賃貸物件への入居時に発生する主な費用
一人暮らしを始める際は、引越し業者に支払う費用以外に、新しい物件に入居するための費用も発生します。賃貸物件に入居するときにかかる、代表的な費用を見ていきましょう。
敷金・礼金
敷金とは、原状回復や家賃の未納があったときのために貸主が預かる費用です。使うことがなければ原則として退去時に借主へ返還されますが、室内の修繕が発生するケースは少なくありません。もし敷金で足りなかった場合は、追加請求されることもあります。
一方の礼金とは、大家に対してお礼の意味を込めて渡す費用です。礼金は敷金と異なり、退去時に借主へ返還されることはありません。
敷金・礼金ともに、相場はそれぞれ家賃の1~2カ月分です。家賃50,000円の賃貸物件に引越す場合は、敷金と礼金の合計が最大で200,000円程度かかることになります。
仲介手数料
賃貸物件を契約する人から不動産会社に支払う費用が、仲介手数料です。不動産会社を通して賃貸物件に入居する場合は、不動産会社への仲介手数料も発生します。
仲介手数料は、賃貸契約が成立したときにのみ発生する成功報酬です。賃貸物件を取り扱う不動産業者は、大家が所有する物件を部屋探し中の人に紹介し、契約が結ばれたときに発生する仲介手数料が利益となります。
仲介手数料の相場は、家賃の0.5〜1カ月分です。貸主と借主から受け取れる仲介手数料の合計額は、家賃の1.1カ月分(税込)までと法律で定められています。一方に請求できる仲介手数料は、家賃の0.55カ月分(税込)が上限です。
ただし、承諾を得ていれば入居者だけに家賃の1.1カ月分を請求することもできるため、物件によっては家賃1カ月分の仲介手数料がかかることもあります。
出典:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 | 国土交通省
前家賃・日割り家賃
近年は賃貸物件の入居時に、前家賃を請求されるケースが増えています。前家賃とは、入居月の家賃を前もって支払う費用のことです。
3月に賃貸契約を交わして4月から入居する場合は、契約時に4月分の前家賃を支払う必要があります。通常は5月分以降の家賃もひと月分ずつ前払いです。 また、月初から入居しない場合は、日割り計算で支払う日割り家賃が発生します。例えば、4月中旬から入居するケースだと、4月分の日割り家賃と5月分の前家賃が初期費用として発生すると考えましょう。
火災保険料
賃貸借契約の条件として、多くのケースで火災保険への加入が義務付けられています。火災保険への加入義務があれば、1年分の火災保険料を入居時に支払わなければなりません。
火災保険料の相場は、一人暮らしで年間約15,000円(ファミリーは約20,000円)です。火災保険は常に加入していなければならないため、保険料は毎年発生します。
通常は不動産会社から火災保険を紹介されますが、個人で選んだ保険への加入も可能です。火災保険料を安く抑えたいなら、自分で火災保険を探すとよいでしょう。
賃貸保証料
賃貸契約を交わす際は、基本的に連帯保証人を立てるよう求められます。しかし、人によっては連帯保証人を探すのが難しい場合もあるでしょう。
このようなケースでは、入居者が保証会社を利用できることがあります。家賃を支払えなかったときにも保証会社が代わりに大家へ支払ってくれるため、連帯保証人を立てる必要がありません。
保証会社を利用する際は、家賃0.5~1カ月分の賃貸保証料が発生します。なお、保証会社はあくまでも未納分の家賃を立て替えるだけであり、後から手数料を上乗せした分を請求されることはしっかり覚えておきましょう。
一人暮らしの引越し費用が高くなる原因
引越し業者に支払う費用は、さまざまな原因で変動します。一人暮らしの引越し費用が高くなる行動や状況を知って、節約を考える際の参考にしましょう。
土日や午前中に引越す
引越し費用に大きな影響を与えるのが、曜日や時間帯といった引越しのタイミングです。土日や午前中の引越しは、平日や午後の引越しに比べて費用が高くなってしまいます。
土日は引越しの需要が高いため、平日より費用が高くなります。月曜と金曜も連休にしやすいことから、土日ほどではありませんが費用がやや高めです。
また、午前中に引越しが終われば午後に新居で荷ほどきや新生活の準備を進められるため、午前中は引越しの人気が高くなります。引越し費用を抑えたいなら、午後便を選ぶのがおすすめです。
縁起が良いとされる大安や、翌月の頭から入居を始められる月末も、引越し費用が高くなる傾向があることを覚えておきましょう。
荷物が多い
荷物の量が多い引越しは、業者に支払う費用が高くなります。荷物量が多くなるとトラックのサイズが大きくなり、作業員も増えるためです。
費用を抑えて引越しをしたいなら、荷物をできるだけ減らすように努力してみましょう。一人暮らしの引越しだと、120サイズのダンボール15個以内が理想です。 ダンボールを業者に用意してもらったり、荷造りを業者に依頼したりする場合も、費用が高くなってしまいます。ダンボールは安いものを自分で用意し、荷造りも自分で行うようにしましょう。
オプションを利用する
引越し業者はさまざまなオプションサービスを提供しています。主なオプションサービスは以下の通りです。
- 荷造り・荷解き
- ハウスクリーニング
- 不用品の処分・買取
- 新居での電化製品設置
- 車両の陸送
- ピアノの輸送
- ダンボールの回収
オプションサービスには便利なものが多い反面、それぞれに費用が発生します。基本料金とは別で支払わなければならないため、本当に必要かどうか慎重に検討した上で利用しましょう。
一人暮らしの引越し費用を安く抑えるコツ
引越し費用が高くなる状況を避けるほかにも、安く引越すためにできる工夫があります。引越し作業そのものへの工夫はもちろん、一人暮らしの引越し全体にかかる費用を抑えるポイントも、押さえておきましょう。
単身者向けプランを活用する
一人暮らしの引越し費用を安くしたいなら、単身者向けプランを利用する方法があります。単身者向けプランはほかの利用者の荷物と積み合わせになるため、通常プランよりお得です。
引越し業者によっては、荷物量を制限したプランを単身者向けプランとして提供しているケースもあります。荷物が少ない場合や家具付きの部屋に引越す場合は、単身者向けプランを利用するのがおすすめです。
ただし、制限を超えた荷物がある場合は割高になる点に注意しましょう。
できるだけ早く申し込む
引越し業者にできるだけ早く依頼すれば、費用が安い日を提案してもらえる可能性があります。申し込むタイミングが早いほど、希望する時期の空きが多いためです。
早めの申し込みなら、希望の日時も指定しやすいでしょう。引越し日が決まっていない場合は、できるだけ早めに申し込むのがおすすめです。
また、引越しを早めに申し込むことで、値引きしてもらえたり早割が適用されたりするケースもあります。
複数の引越し業者を比較する
引越し業者に申し込む際は、複数の業者から見積もりを取りましょう。相見積もりを取れば複数の業者の費用を比較して選べるため、より適正な費用で作業を依頼できます。
複数の見積もりを比較するときのポイントは、最も安い業者だからと安易に選ばないことです。費用の内訳までしっかりとチェックし、どの作業にいくらかかるのかを確かめましょう。 引越し業者は数多く存在するため、相見積もりを取るだけで安くなることもあります。1社からの見積もりだけで即決せず、3~5社から見積もりを出してもらいましょう。
業者を使わずに自力で引越す
一人暮らしの引越し費用を安く抑えるコツとして、業者を使わない方法も挙げられます。引越し作業をすべて自力でできれば、実費以外の費用を丸ごと浮かせることが可能です。
自力での引越しなら作業の自由度が高くなるため、曜日や時間帯を気にする必要もありません。自分の好きなタイミングで、やりたい範囲で作業を進めていけます。
近距離への引越しなら、自家用車を使った引越しを検討してみるのがおすすめです。ただし、大型の家具や電化製品を運ぶ場合は、トラックをレンタルする必要があるでしょう。
安い物件を探す
できるだけ安い物件を見つけられれば、引越し時の初期費用を抑えられます。最初にかかるお金を抑えられる主な物件は、次の通りです。
- 敷金・礼金なしの物件
- 仲介手数料が無料の物件
- フリーレント物件
フリーレント物件とは、入居後一定の期間だけ家賃が免除される物件です。ただし、最低入居期間が設定されているケースもあるため、条件をしっかりと確認した上で検討しましょう。
新しく買う物は引越し先でそろえる
引越し費用は荷物が多くなるほど高くなります。新調するものを引越し先で買えば荷物を減らせるため、引越し費用を安く抑えることが可能です。
そもそも大型の家具・電化製品は、単身者向けプランでは運べない恐れがあります。運べる場合でも費用が高くなってしまうため、大型の家具・電化製品は引越し後に購入するのがおすすめです。
場所を取らない生活用品も、数が多くなるとダンボール数が増える原因になります。不要なものは思い切って捨てるなどして、できるだけ荷物を減らす意識を持ちましょう。
一人暮らしの開始時に必要なものと費用目安
初めて一人暮らしをする場合は、さまざまなものをそろえる必要があります。一人暮らしを始める前に準備しておきたい家具・電化製品・生活用品や、購入にかかる費用の目安を確認しましょう。
家具や電化製品
一人暮らしを始める前にそろえておきたい主な家具や電化製品をまとめました。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- 電子レンジ
- 炊飯器
- 照明
- カーテン
- 掃除機
- 布団セット
- エアコン
以下の家具や電化製品はなくても生活できますが、余裕があれば購入を検討しましょう。
- テレビ
- ベッド
- ソファ
- テーブル
- 収納家具
- ドライヤー
一人暮らしで必要な家具・電化製品の費用相場は、100,000~200,000円です。
生活用品
一人暮らしに最低限必要な生活用品には、以下のようなものがあります。
- 日用品:歯ブラシ・歯磨き粉・ティッシュペーパー・トイレットペーパー・ゴミ袋
- お風呂用品:シャンプー・リンス・ボディーソープ・洗顔料・ボディスポンジ・タオル
- 洗濯用品:ハンガー・物干し竿・洗濯洗剤・柔軟剤
- 台所用品:包丁・まな板・調理器具・食器用洗剤・スポンジ・食器
生活用品は、一度買えば済むものと定期的に購入する消耗品に分けられます。最初にすべてそろえる場合、費用は10,000~20,000円程度を目安にするとよいでしょう。
一人暮らしの引越し費用の目安を知っておこう
引越し費用は通常期より繁忙期のほうが高くなります。土日や午前中に引越す、荷物が多いというケースのほか、オプションサービスを利用する場合も費用が高くなりがちです。
単身者向けプランを活用したり、できるだけ早く申し込んだりすれば、引越し費用を抑えやすくなります。近距離への引越しなら、業者を使わずに自力で引越すのも1つの手です。
一人暮らしの引越しを依頼する際は、複数の業者から見積もりを出してもらいましょう。相見積もりを取ることで費用を比較できるため、より適正な費用で引越しできます。