新電力とは?契約する際のメリットや注意点、電力小売自由化について詳しく解説

新電力とは?契約する際のメリットや注意点、電力小売自由化について詳しく解説

新電力とは?契約する際のメリットや注意点、電力小売自由化について詳しく解説

電気代の高騰を受け、電力会社の乗り換えを考えている方も多いでしょう。電力小売自由化以降、電力会社の選択肢が増え、その多くを新電力が占めています。新電力とは何か、知っておきたい基礎知識を詳しくご紹介します。

目次

1.新電力とは

 1-1.電力小売自由化以降に参入した電気事業者

 1-2.電気事業法に基づく登録事業者数は734

2.電力小売自由化って何?

 2-1.電力小売自由化の歴史

 2-2.電力小売自由化の目的

  2-2-1.ガスの小売も全面自由化されている

3.新電力に変更するメリット

 3-1.電気代が安くなる可能性がある

 3-2.さまざまなプランがある

 3-3.環境に配慮した電気を使える

 3-4.エネルギーの地産地消に貢献できる

4.新電力に変更する際の注意点

 4-1.電気代が高くなるケースもある

 4-2.電力会社によっては違約金が発生する

 4-3.倒産・撤退・値上げのリスクがある

5.新電力に関するよくある疑問

 5-1.電気の品質は落ちない?

 5-2.契約中の新電力が倒産したらどうなる?

 5-3.電気の切り替え手続きは?

 5-4.賃貸物件でも新電力と契約できる?

6.新電力に切り替えて電気代の節約を図ろう

新電力とは

電力小売自由化以降、さまざまなシーンで新電力という言葉を見聞きする機会が多くなりました。まずは、新電力とはどのようなものなのかを解説します。

電力小売自由化以降に参入した電気事業者

新電力とは、2016年4月の電力小売自由化以降に電力市場へ参入した電気事業者の総称です。基本的には、大手電力会社(旧一般電気事業者)以外の電気事業者は新電力と呼ばれます。

電力小売自由化以前の電気事業は、大手電力会社が独占していました。しかし、電力の小売業参入が段階を踏んで全面的に自由化されたため、現在は大手電力会社と新電力の中から自由に選択できるようになっています。

電気は発電・送配電・小売の3部門を経て供給されており、電力小売自由化で小売部門の規制が緩和されました。電力の小売が自由化されてからは、ガス会社・通信会社・旅行会社など、異業種の企業が新電力として続々と新規参入しています。

電気事業法に基づく登録事業者数は734

2024年10月1日時点で、電気事業法に基づく登録事業者の数は734です。大手電力会社と新電力を合わせると、700超もの電気事業者が存在することになります。

新電力の代表的な業種は、ガス・石油・通信・旅行などです。自治体が参入しているケースもあります。

700超の電気事業者すべてから自由に選べるわけではありませんが、これまで電力会社を選ぶのに地域的な制限があったのに対し、現在は地域の枠を超えた選択が可能です。

自分が住んでいるエリアが対象地域なら申し込めるため、今までは選択肢に入らなかった遠方の電気事業者でも選べる可能性があります。

※出典: 登録小売電気事業者一覧|電気事業制度の概要|資源エネルギー庁

電力小売自由化って何?

新電力は電力小売自由化以降に登場した電気事業者ですが、そもそも電力小売自由化とはどのようなものなのでしょうか。その歴史や目的を解説します。

電力小売自由化の歴史

電力の小売自由化は、2000年から段階を踏んで進められてきました。1995年、31年ぶりに電気事業法が改正され、特別高圧区分の消費者(大規模工場・デパート・オフィスビルなど)を対象に2000年3月から小売自由化が始まっています。

2004年4月と2005年4月には、中小ビルや中小規模工場などの高圧区分にも自由化の領域が拡大されました。2016年4月1日からは、一般家庭や商店といった低圧区分にも自由化の仕組みが導入され、全面自由化となり現在に至っています。

2020年4月には、大手電力会社の送配電部門が分離されました。これは、電力小売市場での公平な競争を促すため、大手電力会社が保有する送配電網を共通インフラとして開放する必要があったためです。

電力小売自由化の目的

電力小売自由化の主な目的は次の3つです。

  • 電力の安定供給の確保:災害時に発電所がダウンしてもほかの地域から電気をスムーズに供給できるようになり、大規模停電を防げる
  • 電気料金の抑制:大手電力会社の市場独占により高止まりしていた電気料金が、業者間の競争により安くなる
  • 電気利用者の選択肢の増加:異業種から参入した新電力が自社の強みを生かしたさまざまなサービスを提供することで、消費者の選択の幅が広がる

3つ目の「電気利用者の選択肢の増加」は、企業の事業機会の拡大や経済の活性化につながることも期待されています。

ガスの小売も全面自由化されている

電力の小売が全面自由化した1年後の2017年4月1日には、ガスの小売も自由化されています。全面自由化したのは都市ガスの小売であり、プロパンガスは以前から自由料金制です。

都市ガスの小売自由化により、それまで一部の都市ガス会社が独占していた市場が、新規参入業者にも開放されました。現在は供給エリアであればガスの種類にかかわらず、すべての消費者が自由にガス会社を選べるようになっています。

ガス会社を変更してもガスの品質が低下することはありません。ガス設備の定期保安点検や緊急時の対応も、新規参入会社が今まで通り対応してくれます。

新電力に変更するメリット

現在契約中の電力会社から新電力に乗り換えれば、さまざまなメリットを得られます。新電力に変更する代表的なメリットを見ていきましょう。

電気代が安くなる可能性がある

新電力に乗り換える最も大きなメリットは、電気代の節約につながる可能性があることです。電気事業者の電気料金には大きな幅があり、今より安い電気料金で利用できる新電力と契約すれば、それだけで電気代を抑えられるケースがあります。

安い電気料金を提供できる理由は、業者間で競争が起こるためです。消費者に喜ばれるプランを提供できるよう、各企業がコストカットなどさまざまな努力をしています。

多くの電力会社で料金シミュレーターを提供しているため、新電力に変えることで電気代がどのくらい安くなるのか、まずは気軽にシミュレーションを行ってみましょう。

さまざまなプランがある

自社の強みを生かしたさまざまなプランがあることも、新電力の大きな魅力です。以下に挙げるようなプランが用意されています。

  • 電気+ガスのセット割プラン
  • 電気+インターネットのセット割プラン
  • 電気+携帯電話のセット割プラン
  • 電気料金の支払いでポイントが溜まるプラン
  • 旅行回数に応じて基本料金が割引されるプラン

誰もが得をするプランではありませんが、人によっては電気代の節約以上にお得なプランもあります。各社からさまざまなプランが提供されているため、自分に合ったプランがないか探してみるのもよいでしょう。

環境に配慮した電気を使える

新電力の中には、再エネ発電の電気を取り扱っている企業もあります。再エネ発電とは、石炭・石油・天然ガスなどの限りある資源ではなく、太陽光・風力・地熱などの再生可能な資源を利用して発電することです。

再エネ発電では地球温暖化の原因となるCO₂を排出しないため、再エネ発電による電気を使えば間接的に環境へ配慮できます。環境問題への関心が高い方は、再エネ発電の電気を取り扱う新電力を利用するとよいでしょう。

再エネ発電にこだわる新電力の中には、非化石証書を購入しているケースがあります。非化石証書とは、再エネ発電による電力の非化石価値の部分を分離し証書化したものです。

非化石証書を購入している新電力は、クリーンなエネルギーで発電された電気を確かに提供していると認められます。環境に配慮した電気を使いたい場合は、非化石証書もチェックしてみましょう。

エネルギーの地産地消に貢献できる

新電力は民間企業が経営しているだけでなく、自治体が経営に参加しているケースもあります。地域の発電所を利用して限られたエリアにのみ電力を供給する新電力です。

自治体が新電力を運営するメリットとしては、取り組みを地域活性化につなげることが挙げられます。災害発生時の電力供給に対応しやすいこともメリットです。

自治体が経営する新電力を利用すれば、エネルギーの地産地消に貢献できます。地元や好きな地域に自治体新電力があれば、利用を検討するのもよいでしょう。

新電力に変更する際の注意点

新電力への乗り換えを検討する際は、いくつか気を付けるべきポイントがあります。以下に挙げる注意点を確認し、新電力を比較する際の参考にしましょう。

電気代が高くなるケースもある

電力会社を新電力に変更したからといって、必ず電気代が安くなるとは限りません。場合によっては電気代が高くなってしまうケースもあります。

新電力への乗り換えで電気代が高くなるのは、自分に合っていないプランを選んだ場合や、電気代が安くなる条件を満たしていない場合です。

また、基本料金・電力量料金単価が安く設定されている電力会社の電気料金プランでも、「電源調達調整費」「市場価格調整費」という項目が電気料金に加算されていて、結果的に電気料金が割高になる場合もあります。

電気料金の金額や単価のみを見て判断すると、誤った選択をしてしまう可能性があります。電気代が高くなるリスクを軽減するためにも、事前にしっかりとシミュレーションを行い、自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶようにしましょう。    

電力会社によっては違約金が発生する

会社や料金プランによっては、解約時に違約金が発生することがあります。違約金とは、定められた契約期間を満了しないうちに解約したときに請求されるものです。

数カ月間お試しで利用したくても、違約金がある場合は利用しにくいでしょう。あらかじめ契約期間や違約金の金額を確認することが重要です。

ただし、乗り換え後の節約幅と違約金の金額によっては、違約金を支払ってもメリットが大きいケースがあります。違約金があるからといって無条件に除外するのではなく、違約金の金額とシミュレーションの結果を見てから判断するとよいでしょう。

倒産・撤退・値上げのリスクがある

新電力を選ぶ際には、倒産や撤退のリスクがあることも十分に考慮すべきです。帝国データバンクの調査結果によれば、2024年3月時点で倒産・撤退した電気事業者の累計は119社に上ります。

また、倒産や撤退は免れても、電気料金の値上げで対応するケースも見られます。契約時に安かった電気料金が、そのまま継続されるとは限りません。

エネワンでんきなら、そのようなリスクにも安心してご利用いただけます。

私たちエネワンでんきは、LPガス事業を基盤とする株式会社サイサンが運営しており、電力事業に加えて多角的な事業を展開しています。

そのため、経営が一つの柱に依存せず、値上げや倒産のリスクを抑える運営体制を整えています。電力以外にも安定した収益源があることで、経営面での安心感をお届けできるのがエネワンでんきの強みです。

※出典:「新電力会社」事業撤退動向調査(2024年3月)|株式会社 帝国データバンク[TDB]

新電力に関するよくある疑問

新電力への変更を検討する際に生じがちな疑問とその回答をまとめました。これから新電力を比較する場合に疑問に思うこともあるかもしれないため、すべてに目を通しておきましょう。

電気の品質は落ちない?

新電力に切替えても電力は同じ送配電線から供給されるため、電気の品質は低下しません。今までと同じように安心して電気を使えます。

また、電力会社を変えたからといって停電しやすくなることもありません。

利用中の新電力が供給力不足に陥った場合も、一般送配電事業者が不足分を補うため、系統全体で需給バランスが維持されます。十分な電力を調達できないことが理由で停電になることはありません。

契約中の新電力が倒産したらどうなる?

契約中の新電力が倒産した場合、契約は一度未契約の状態になりますが、すぐに電気が止まることはありません。

倒産や事業撤退の際には、事前に契約相手である消費者にその旨が通知される義務があり、通知期間中に新しい電力会社と契約する必要があります。

なお、通知期間内に他社と契約しない場合は、一時的に大手電力会社の経過措置供給が適用されることがありますが、これはあくまで暫定的な措置です。

継続的な供給を受けるには、早めに新たな契約先を選ぶことをおすすめします。

電気の切り替え手続きは?

電力会社を新電力に切り替える際は、切り替え先の新電力に申し込みましょう。電話やWebサイト、各社のサービス窓口などで申し込めます。現在契約中の業者への連絡は不要です。

電力会社の切り替え手続きには、以下に挙げる情報が求められます。

  • 現在契約中の電力会社名
  • 現在の電力会社のお客さま番号
  • 供給地点特定番号
  • 切り替え希望日

供給地点特定番号とは、電気の供給場所を特定できる22桁の番号です。電力会社への問い合わせや検針票(電気ご使用量のお知らせ)で確認することが可能です。

また、上記以外に本人確認書類の提出を求められることもあります。

賃貸物件でも新電力と契約できる?

賃貸物件に住んでいる場合、電力会社と直接契約を結んでいるなら、原則として新電力への切り替えは可能です。検針票(電気ご使用量のお知らせ)に記載されている契約名義が自分になっているかどうか確認してみましょう。

以下に挙げるケースでは、基本的に電力会社を変更できません。

  • 大家や管理会社が契約名義になっている
  • 建物全体で電力会社と高圧契約をしている(高圧一括受電契約)

どのような状況になっているのかわからない場合は、大家や管理会社に相談してみましょう。

新電力に切り替えて電気代の節約を図ろう

新電力とは電力小売自由化以降に参入した電気事業者です。現在はトータルで700超の電気事業者が存在しています。

新電力に変更すれば、電気代が安くなる可能性があります。さまざまなプランから選べることや、環境に配慮した電気を使える場合があることも、新電力に切り替えるメリットです。

エネワンでんきでは、電力使用量に合わせて適切なプランが選べるほか、さまざまな特典のついたプランも用意しています。新電力への乗り換えを検討しているなら、ぜひエネワンでんきをご検討ください。

エネワンでんきで電気代がどのくらい安くなるかシミュレーションしてみる

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